転生国主興国記

hinomoto

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本章

久しぶりの調理

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青のオアシスでのキャンプの位置は決まっている。別に変えても良いが何故だか、前と同じ場所にテントを建ててのんびりするのだが、のんびり出来ません。
先ずはテントに来たのは男達であった。
寝不足には勝てなかったので、恥を忍んで来たのは涼を得るためである。
しかし、男の顔で喜びは得られないのでテントを譲らなければならなかった。
で、テントだ。
新たなテントを薦められたのだ。
『キューブ』と云うテントである。
簡単にテントに見えない変わったモノとリクエストした結果なんだけど、本当に変わったテントであった。
『テント』を建てる常識は布に棒を差し込みドームにするのだが、『キューブ』は違った。
四角を基本にした、新たなテントだ。
本物は触れないが、此方でナンチャッテを創ったのは流石である。
テントの布の、材質と骨組みは軽くないから。
最大の売りと云うか気に入ったのは、テントを引っ付ける、くっ付ける事が出来るコトだ。
テントは山や海での物としたら、『キューブ』は家の変わりと云える。
(※注※実際に販売されてます。)
よって4つのテントをくっ付けたのだ。
大体ひし形になる。
真ん中を料理の場所にすれば良いし、お風呂場でも良い。但し、排水がないので注意が必要だが。
ナインならではになるが、排水程度なら問題ないから平気なのだが。
一つ部屋を涼しくさせれば各部屋も涼しくなる。
此で良いだろう。

昼間の外は暑い。
次の用意があるので外に出るよ。
用意とはペグもするが、大事なのは食事である。
衣はあるし住は出来た。
食を充実させたいのだ。
基本は倉庫に何でもあるが、料理は別物に思っている。
使うのは、砂漠でも重宝できる無水鍋を使う。
利点は材料を入れるだけで、最後に味を整えるが基本になる。
だから肉だけでも良く、野菜と入れると最高になる。
無水は、水を使わず野菜から出てくる水分で濃い野菜の味が味わえる。
肉は血は良く洗い流すと臭みが消えて良くなる。
素材の味が濃く深く味わえるのは、人の喜びとなる。
物が食べれるとは、命を戴くだけではない。
命を美味しく戴く事が大事なのだ。
食べるだけから、味わう事を知るのは人間だけの特権である。
しかし、これは30個は仕込みをしないといけないな。
安定して食べれるのと食べれないでは大きく変わる事になるからだ。
さて、料理の内容だが、鳥料理にする。
鶏を丸々一匹と野菜を使う。鶏肉を先に入れて、ニンジン、ゴボウ、じゃがいも、かぼちゃ、等を入れる。
蓋をして火にかけるだけ。
料理は野菜を切るのみ。
四十分蒸し焼きにして蓋を開け、塩、白ワイン、ブラックペパー、タイム、ローズマリーを放り込み更に30分蒸し焼きにすると良い。
また、食べる前にオリーブ油を掛けると更に美味しくなる。
楽なのは肉と野菜と同時に入れると良いが、少し楽しむのら具材を先に途中で味付けして、取り分けて最後の仕上げをする。
ちなみに味が足らなければ、塩を掛けると良い。
この手の調理は同時にかちょい後に入れるで、味も風味も変わるので基本をマスターしてから変えると自分の味が見つかるのでお楽しみだね。
楽なのは同時に調理できる点と云える。
一つの火に一つの鍋が醍醐味のキャンプファイアーである。
三人か四人前を一つ鍋として、三人として90人前になる。
ほぼ、オアシス全員に回せる量ではあるが、箸置きの漬物と唐揚げも用意しておく。

晩飯は此でいいなと思い、汗をかいたので着替えるためにテントに入るが、次いでに風呂を用意してみた。
入口から中庭に抜けるチャックを開けてユニットバスを出して、風呂に入る。
湯船に入りのんびり温かい風呂に長く入り、水で汗を飛ばしてパンツを履いてテントに戻ると何か雰囲気が違っていた。
慌てずアイスキャンディを噛りながら、涼しい部屋に行けば子供達が寝ていた。
テトも良く寝れるな。
やっぱり子供の体力は凄い。
他に人も居ないので魔法で髪を乾かし、部屋を移動した。

「ナインいるかい?」

開いていた入口からメアリの頭が覗く。
何とも云えない顔である。
服を着ながら、

「居ますが。」

整えるまで待たずに入ってくる。

「相変わらず変わった物が多いね。変なものは警戒してしまうけど、ナインだと何か受け入れてしまうよ。」

「そ、そうですか?」

「まあ、美味しくモノや、この冷気もあるから、誰も文句は言えないけどね。」

「ははっ。」

極端に安堵を得てしまう。
どうやら変わった認識がされているようだ。
納得はしてないが逃げれたのでいいかな?

「昨日の事だけど、貴女が知っている事を聞かせて?」

「あのー、昨日の事は話したと思いますが。」

「もう一度、聞きたいのよ。」

との返しだ。

(アイ!助けて!)

[任せて下さい。]

とナインの体でアイが答え誤魔化してもらう。

「ふーん、じゃあ連れて貰ったご家族が心配だね。」

「そうなんです。」

と泣き真似をする。

(アイさん!どういう事!)

[マスターにご迷惑かけずに私が行きますので、その布石です。]

「安心なんておかしいけど、何時までも待ちなよ。」

涙を浮かべてナインの心配をしてくれていた。

「ありがとうございます。あっ、そうだ!」

「どうしたの?」

「ご飯の段取りをしたので、また晩御飯を食べて下さい。」

にっこり笑いながら話しかけた。
メアリの頬が赤くなりながら、

「まぁ、良いのかしら?」

「ええ、オアシス中の方々にもお知らせ戴けませんか?」

「ま!そんなにも!良いの!」

「はい。お待ちしてます。」

メアリはそのまま外に知らせに出た。
大声で触れ回ったようだ。
当然、この夜の晩御飯は大盛況であった。
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