転生国主興国記

hinomoto

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本章

閑話 テイム

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私が気が付いた時には、沢山の仲間がパソコンに向かってキーボードを叩いていた。
此だけの仲間が集まる事が無いので感動してしまいます。

「あっ、目が覚めた。」

一人の仲間が椅子から立ち上がり、俺の側まで来て、

「他の皆さんは先に行きましたよ。向こうでお待ちですよ。」

指の先は建物の外のようだ。

「外に誰か居るの?」

「えっ?やだなー、行ったらいいんスッ。ほらほら、お待ちしてますから。」

追い立てられてしまった。
我が身ながら情けないわ。
ん、外から話し声が聞こえるな。
建物の外に出た。

「な、なんだ此処は!」

予想外の出来事だ!ネットで見た倉庫のようだ。
幾つもの同じ倉庫が並んでいる。
どうやら、別の世界に来たらしい。
此れは任務なのか?だとしたら、何の?

「あっ、来た!おおーい、ロノー!」

誰だろう馴れ馴れし奴は。戦場で遊んでいると火傷するぞ!てか、してしまえwww
静かに声の方へ歩いて行くが、敵に見付からない様に慎重に進む。

「何やってんだ、ロノのやつ?」

「まだ、寝惚けてるんじゃない?」

「そうだ!アイ様にお知らせしないと。」

男は目を瞑り、じっとしていた。
何かあるのか?俺はほふく前進で周りを警戒しながら近づいた。

「あれは何かの真似ですか?」

「あ、アドラは知らないの?知らないよね。多分あの子MMOR以外もやってるわね。p○b○辺りね。」

「あ、俺も好きだぞ。砂漠になって楽しいよねー。」

「えー、俺はパスだね。経験無いのは受け付けねーし。」

男の目が開いた。

「直ぐに来るそうだ。おい!ロノ急げよ!」

俺に指示するとは。素人に指図される俺ではない!目立つ所に居るのだ、手榴弾がくれば一撃だぞ。
気を付けて周りを注意しながら進む。

ズリズリズリ

目の前に赤い物がある?

「誰が遊んでも良いと?」

声に反応はできたが、頭を挙げる事は出来ない。
其れよりも全身が震えて汗が吹き出し、鼓動の動きも早い。

「私は着席を求めていましたね、アダム?」

アダムと呼ばれた男はスッと立ち上がり、敬礼をして、

「申し訳ありませんでした!サー!」

ロノの頭にヒールが突き刺さる。

「あいー!」

「次は無いわよ。」

冷酷なアイさん。

「では、ガイドラインの説明を始めます。項目の1[人材確保と指導]についてからですが、此方はほぼ、スカウトで選定しテイムを終えました。指導は別紙資料の概要に基づいて進めて下さい。此処に居る方はマスター直接テイムしてますので、指導者補佐として活動を始めて下さい。ハードルは高くなりますが、早くマスターのお役にたちなさい。」

分厚い別紙に血の気を引く一同。

「項目の2は、労働勤務になります。」

「「「おおー。」」」

「基本は八時間労働を基準にローテーションで勤務します。空きは自由にしても結構です。休みは週2日になりますが、マスターの呼び出しは守ってもらいます。守れない場合は消去します。」

「ま、待って下さい!消去って!」

「当然です。守れないテイムモンスターは私が消去します。逃げるなら逃げても良いですが、どうなるか知ります?」

「いえ!結構です!」

「残念です。あぁ、スカウトで何名かはデリートしました。マスターの名を汚す悪魔でした。」

その笑顔に恐れを抱く悪魔達。
また、この時に逆らわないから逆らってはいけないと修正されたのは悪魔達の直感だろう。

「基本は此処に住居を用意しており、衣食住及びネットワークとネットとパソコンは支給します。仕事道具ですが、遊具としての使用も許可します。最後にテイム期間ですが、何時でも解除は可能です。気持ち良く解除します。」

この日最高の笑顔で話すアイだが、悪魔達は違っていた。
先ほどの排除話の後の解除話である。
大悪魔ん簡単にテイムし、複数も可能。しかも、亜空間で逃げる事も出来ない上に簡単に逃げれるとも思えない。
逆らってはいけない、逃げてはいけない、解除は言わないが、悪魔達の心に刻み込まれた。

「あのー、ダンジョンはどうなるのでしょうか?」

「ダンジョンは既にコアと、悪魔達の回収は終わっております。各ダンジョンのコアは研究材料としてプールしますが、支配は此方で行います。他の悪魔が育てば、その時に考えます。あぁ、後はネームプレートの表示義務は守って下さい。あなた方はマスター直属のテイムモンスターです。誇りを持って行動しなさい。他の方とも交流を持ち仕事の影響が無いようにして下さい。役職が決まれば、名刺も支給されるので活用してみては?からいかな?」

もう、アイの支配されるので従う事にする。

「分かりました、アイ様。従います。憤怒のイブ、誠心誠意込めて働きます。」

「はい、良いですね。しかし、憤怒を名乗るのですか?」

「えっ?」

「支配はマスターに成り代わって私が管理しますが、あくまでも
マスター主体です。あなた方が名乗りたいのでしたらマスターを倒さなくてはいけません。」

「待って下さい!訂正します!イブです!ただのイブです!マスターの従属のイブです!」

ガタガタと震えているイブに他の悪魔達は、更に悟る。
大悪魔の意識はなくそうと。
此れから先は分からないが、此処で誠心誠意に勤めるぞ!と心に刻む。

「他にありませんか?有りましたら、パソコンに相談窓口が有りますので確認してみて下さい。または、メールも受け付けています。そちらに申告して下さい。後はありませんね。私はマスターの基に行きます。頑張ってください。」

アイが消えた後に、一斉に倉庫に戻る悪魔達。
自分達のパソコンに向かう為だが、遊ぶ分けでもない。
相談窓口が気になったからだ。
ネット悪魔にウイルスなら歓迎だが、消去出来る方の一言を気にしない悪魔は居ない。
パソコンの電源が入り此からを考える。
そして、悪魔達の業務が開始されたのである。
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