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本章
ボスせん?
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閉じていた目が開いて、
「我、復活ー!」
飛び跳ねて、ガッツポーズをしてしまう。
活力がみなぎって来る、旨そうな少女が目に入る。
「ご馳走だ!」
少女の頭に手が伸びる。
触れる前に、少女から手を捕まれて回転されると天地がひっくり返したと思ったら自分が高速回転して地面に突っ込んでいた。
「ぶっ!」
「地面?なんで我がこんな目に!」
地面から頭を引き抜く前に衝撃が走る。
ドンっ!
「げふっ!」
地面から抜け出るが、把握はできなかった。
“なにが!”の思いも、頭が地面を跳ねると、
バキッ!
「のっ!」
更なる衝撃が頭に走ったのだ。
こんな事は我の生涯で一度もなかった出来事であった。
我はアドラマリクなのに、こうもやられなければならないのか!?
と怒りに任せて、蹴りを入れる。
相手の少女は蹴った足の上を走って来る。回転しているハズなのに...。
ゲシッ!
「ぐおぉぉ!」
目の上を蹴られたようだ。
立て回転しながら壁に激突した。
クラクラしながら瓦礫の下で立ち上がる。
我は、我は!
「大悪魔だぞー!」
「やかましいわー!」
ベキッ!
膝が顔にめり込んで来たのだ。
グキッ!
首が左に曲がっている。
人族なら即死は間違いないが、悪魔なのでこれ位なら簡単に回復は可能ではある。あるが、痛みが、あるのはあり得ない事である。
大悪魔の彼には大天使以上の力が有るハズであった。
物理攻撃や魔法攻撃など効かないのが、当たり前なのだ。
殴られて蹴られて痛みを感じていた。
「美味しそうなガキと思ったのに!死ねー!」
こう見えて。昔は神と呼ばれてたんだ。
と、ばかりに胸を張り両腕を我を称えよのポーズをとる。
「黙れ。」
ゴス!
岩が横から頭を撃ち抜く。
「げっ!」
痛みしかなかった。
強烈な痛みが脳内に走っているのだ。
あり得ない。
何度も繰り返して言ってしまう。
あり得ない。
きっと何があり得ないのかも理解が出来ていないだろう。
「負ける?」
声に出すと、少女から返答がある。
「敗けだな。」
短い単語とボコられ続ける。
子供に叩かれる大男の図式であるのだから、何とも言えない状況なのか?
一瞬攻撃が止んだ隙に少し横に逃げる。
「我が、幼子に負ける訳には」
ミシッ!
「ぐぇ、」
足が腹に突き刺さると、大悪魔と名乗るモノが崩れ落ちた。
それが地獄の始まりだった。
「女扱いしてたよねー?」
1度に設定した水をかける。
「ぬおぉぉぉ!」
「目が覚めた?」
「うはははは!此で我、復かぶっ!」
即座に殴られる。飛ばされる事もなく、その場でサンドバッグのようにお腹に叩き込まれる。
倒れるまで殴られたら冷水で復活を繰り返して行われた。
大悪魔が子供に素手で一方的に殴られる。それも連打で叩き込まれるのだ。
起こされて叩かれる。
反撃も出来ないのだ。
プライドも崩れ、何度も痛みをくらい、恐怖を与える存在が恐怖に怯えていた。
殴らないで。
何回か何十回か分からないが、悪魔が呟いた。
「殴らないで。」
「却下。」
そうして殴られた。
「お願いします、止めて下さい。」
「悪魔の癖に泣き言いうな。」
殴られる。
「もう、止めて下さい。」
「無理。」
殴られる。
「無理です、止めてもらえますか。」
涙を流しながら土下座をしていた。
「えぇー。終わり?」
「終わっでくだしゃーい!」
もう少し抵抗してくれるのを期待していたのに、がっかりだよ。
出来れば数百回程耐えてくれると思っていたのに。
隙を見せたら奥底とか見せるかな?
後ろ向いて待っていた。
「うぅぅぅ。ありがとぅごじぁいますー、ぇえっえっぇえ。」
「な、泣き止みな。」
泣いているボス悪魔にハンカチを、渡してみる。
「あ、り、がどう、ご、ごじゃ、ぷーん!」
あ、鼻をかむのね。
ハンカチはー。
[マスター、後学の為にハンカチは此方に頂きます!]
(は、はい。)
「あのー、済みません。」
恐縮しながら話しかけて来た。
「なに?」
振り返ってみると、大人しい雰囲気と何か角が取れた感じになっていた。いや!悪魔なのに良いの!?
「ハンカチをお返しします。それと、私も配下に加えて下さい。」
「えっ?」
[マスター、配下に、いえ、テイムして下さい。直ぐに!]
「はい!テイム!」
「ははー!有り難き幸せ!」
ダンジョンの支配を受けていた大悪魔が簡単にテイムされてしまった。別にいいけどさ。
「名前っているよね。えーと前はなんて名乗ってた?」
「アドラマリクです。マリクは王と呼ばれる敬称でした。」
「じゃ、アドラで。」
「はっ!」
ピカー!
強烈な光が放たれた。緩やかに収束すると一人のダンディーな執事がいた。
「主様に誠心誠意仕えますので何時久しく宜しくお願い致します。」
「あー、うん。頼んだ。」
変わったモノがペットとして来たな、とナインは思った。
「はっ!姫様に合うようにしましたが、この姿で宜しいでしょうか?」
笑顔で聞いて来る、執事アドラ。
再度恐怖の時間を与えられるとも知らないで。
「ひ、姫様!な、どどどうかー」
チーン。
「我、復活ー!」
飛び跳ねて、ガッツポーズをしてしまう。
活力がみなぎって来る、旨そうな少女が目に入る。
「ご馳走だ!」
少女の頭に手が伸びる。
触れる前に、少女から手を捕まれて回転されると天地がひっくり返したと思ったら自分が高速回転して地面に突っ込んでいた。
「ぶっ!」
「地面?なんで我がこんな目に!」
地面から頭を引き抜く前に衝撃が走る。
ドンっ!
「げふっ!」
地面から抜け出るが、把握はできなかった。
“なにが!”の思いも、頭が地面を跳ねると、
バキッ!
「のっ!」
更なる衝撃が頭に走ったのだ。
こんな事は我の生涯で一度もなかった出来事であった。
我はアドラマリクなのに、こうもやられなければならないのか!?
と怒りに任せて、蹴りを入れる。
相手の少女は蹴った足の上を走って来る。回転しているハズなのに...。
ゲシッ!
「ぐおぉぉ!」
目の上を蹴られたようだ。
立て回転しながら壁に激突した。
クラクラしながら瓦礫の下で立ち上がる。
我は、我は!
「大悪魔だぞー!」
「やかましいわー!」
ベキッ!
膝が顔にめり込んで来たのだ。
グキッ!
首が左に曲がっている。
人族なら即死は間違いないが、悪魔なのでこれ位なら簡単に回復は可能ではある。あるが、痛みが、あるのはあり得ない事である。
大悪魔の彼には大天使以上の力が有るハズであった。
物理攻撃や魔法攻撃など効かないのが、当たり前なのだ。
殴られて蹴られて痛みを感じていた。
「美味しそうなガキと思ったのに!死ねー!」
こう見えて。昔は神と呼ばれてたんだ。
と、ばかりに胸を張り両腕を我を称えよのポーズをとる。
「黙れ。」
ゴス!
岩が横から頭を撃ち抜く。
「げっ!」
痛みしかなかった。
強烈な痛みが脳内に走っているのだ。
あり得ない。
何度も繰り返して言ってしまう。
あり得ない。
きっと何があり得ないのかも理解が出来ていないだろう。
「負ける?」
声に出すと、少女から返答がある。
「敗けだな。」
短い単語とボコられ続ける。
子供に叩かれる大男の図式であるのだから、何とも言えない状況なのか?
一瞬攻撃が止んだ隙に少し横に逃げる。
「我が、幼子に負ける訳には」
ミシッ!
「ぐぇ、」
足が腹に突き刺さると、大悪魔と名乗るモノが崩れ落ちた。
それが地獄の始まりだった。
「女扱いしてたよねー?」
1度に設定した水をかける。
「ぬおぉぉぉ!」
「目が覚めた?」
「うはははは!此で我、復かぶっ!」
即座に殴られる。飛ばされる事もなく、その場でサンドバッグのようにお腹に叩き込まれる。
倒れるまで殴られたら冷水で復活を繰り返して行われた。
大悪魔が子供に素手で一方的に殴られる。それも連打で叩き込まれるのだ。
起こされて叩かれる。
反撃も出来ないのだ。
プライドも崩れ、何度も痛みをくらい、恐怖を与える存在が恐怖に怯えていた。
殴らないで。
何回か何十回か分からないが、悪魔が呟いた。
「殴らないで。」
「却下。」
そうして殴られた。
「お願いします、止めて下さい。」
「悪魔の癖に泣き言いうな。」
殴られる。
「もう、止めて下さい。」
「無理。」
殴られる。
「無理です、止めてもらえますか。」
涙を流しながら土下座をしていた。
「えぇー。終わり?」
「終わっでくだしゃーい!」
もう少し抵抗してくれるのを期待していたのに、がっかりだよ。
出来れば数百回程耐えてくれると思っていたのに。
隙を見せたら奥底とか見せるかな?
後ろ向いて待っていた。
「うぅぅぅ。ありがとぅごじぁいますー、ぇえっえっぇえ。」
「な、泣き止みな。」
泣いているボス悪魔にハンカチを、渡してみる。
「あ、り、がどう、ご、ごじゃ、ぷーん!」
あ、鼻をかむのね。
ハンカチはー。
[マスター、後学の為にハンカチは此方に頂きます!]
(は、はい。)
「あのー、済みません。」
恐縮しながら話しかけて来た。
「なに?」
振り返ってみると、大人しい雰囲気と何か角が取れた感じになっていた。いや!悪魔なのに良いの!?
「ハンカチをお返しします。それと、私も配下に加えて下さい。」
「えっ?」
[マスター、配下に、いえ、テイムして下さい。直ぐに!]
「はい!テイム!」
「ははー!有り難き幸せ!」
ダンジョンの支配を受けていた大悪魔が簡単にテイムされてしまった。別にいいけどさ。
「名前っているよね。えーと前はなんて名乗ってた?」
「アドラマリクです。マリクは王と呼ばれる敬称でした。」
「じゃ、アドラで。」
「はっ!」
ピカー!
強烈な光が放たれた。緩やかに収束すると一人のダンディーな執事がいた。
「主様に誠心誠意仕えますので何時久しく宜しくお願い致します。」
「あー、うん。頼んだ。」
変わったモノがペットとして来たな、とナインは思った。
「はっ!姫様に合うようにしましたが、この姿で宜しいでしょうか?」
笑顔で聞いて来る、執事アドラ。
再度恐怖の時間を与えられるとも知らないで。
「ひ、姫様!な、どどどうかー」
チーン。
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