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炎が地面から迸ると、少女の体が燃えた感じがあった。
傷だらけの青い悪魔が肩で息をしながら、膝をついた。しかし、炎が斬られて少女が向かって来た。
悪魔は魔力も尽きてしまい、体力も限界に近くなりながら回復に努めて防御を取った。
これ程、無様な姿はあり得なかったが、負けるよりは良い。
数万年のつまらない時間の中でこんなに充実した事はないが、負ける気はなかったのだ。
後一秒あれば魔力も体力も回復できる。
それが最後になってしまう。
少女のスピードが人のものではなく、悪魔の体と交差する。
ズズンッ
「よし!」
ここは地下五百階。
最下層であるダンジョンコアが奥に置いてある。
倒れたグレーターデーモン亜種(SS級)を倉庫にしまうと、他に宝や隠し部屋がないかの探索をしだした。
「ぐっひっひっひっ。」
流石に大悪魔だけあって宝は持っていた。これらも倉庫に入れていった。
人が踏み込まない場所は宝が沢山ある。
普通に手に入れて武具や装飾品など国宝級や禁術級などあるようだが、ナインにとっては実験材料が増えてホクホクであった。
一人は良いな。
勝手に一人でダンジョンを制覇してしまったナインであった。
(アイ、コアは確保?)
[肯定。ダンジョンとしての機能が低下していくだけなので問題はないです。]
コアも倉庫にしまうと、休憩を取り出した。
ダンジョンに休憩スペースができ、ナインがゆっくりとソファーに倒れた。
「ふかふかー、落ち着くー。」
テーブルにはお菓子と緑茶が湯飲みに入っていた。
ずずずー、バリ、ボリバリボリ。
「次のダンジョン何処にするかなー。」
初めてダンジョンを一人で突破して、気分も上がっていた。
地図を取り出して、ダンジョンの場所を確認していたのだ。
なんで一人で冒険しているのか?
簡単に言えば、一人になりたかったのだ。
買い物や友達ランチやテレビにボーとする世の専業主婦に似た感情もあった。
精神年齢だけなら五十過ぎになるだろうが、肉体は十三歳の身体である。
お子様精神にも囚われる事もあるが、れっきとした子供だ。
その子供がダンジョンに居て、料理を一日中して裁縫や汚れ落とし、武具のメンテナンスをしている。毎日、毎日、毎日。
レブルとムリカのアマゾネス’Sは戦闘を楽しみ、料理やお酒を頼んでいるだけ。
これが2ヶ月も続いたら頭きますよね!?
『私は、お母さんやお手伝いさんじゃないもん!』
と、一人で三百階に転移してから自由に戦っていたのだ。
本当に辛かったよ。
ムリカに女にされてるし、周りも女扱いするし。
これまで辛抱してたよ。
子供が言う事だしね。
て、我慢出来るかーー!
男って言っても無視するわ!ムリカに感化されて他も女確定するわ!何度も何度も何度も!
俺は男なんじゃー!
まったく!
まったくもう!
何時もはしない魔法でクリーニングしたり、倉庫から食事を取るとか、のんびりを満喫していた。
「楽だー!何ヵ所か制覇しないとこんなチャンスあり得ないよなー。」
ベッドを取り出して横になる。
「明日も頑張ろう、お休みー。」
小さな寝息が広い回廊に聞こえていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あるじ居ないー!」
「えーん!ナインちゃん消えちゃたー!」
迷える子羊となった二人が泣いていた。
アイは何も言わずに立っている。
二号と犬はオロオロして役に立たなかった。
まさか、ご飯を要求しただけなのに可愛く怒るとは思わなかったのだ。
何処に消えたのかも、アイは喋らなかったのだ。また、消えてからアイは一言も言葉を言わなかった。
ナインに言っていた要求をアイに言えばやってくれたが、一々言わなくてはいけない。
よって、不都合が生まれたのだ。
レブルとムリカはご飯が気に入らない。
風呂に入れないし、綺麗にしてくれない。肉も保管してくれないから、魔物を狩っても魔石を取るだけになってしまい、回収に時間が掛かってしまう。
武具のメンテナンスなんかしてないが、壊れる物ではないけど臭いがするのだ。
血と汗の臭いが。
服の予備はアイに言えば出してもらえるが、言わないと出してくれない。
二号も犬も困っていた。
元に戻るのも、姿を変えるのもナインの認証がなければこの姿のままである。
本当には困らないが、赤龍の長の地位にいるので戻れないと大変な事になる。
兎も角、四人にはナインは必要なのである。
用途はそれぞれ違うのだろう。
「「びえぇぇぇぇぇん!」」
「主様~!」
「わぉーーん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん、あっ!あ~あ。」
大きな欠伸をしながら起きる。
バレーボール程の水球を出現させると、顔を入れて左右に振ってから上げて顔を拭いた。
歯磨きをしてうがいをしてから水球を消す。
この方法は受け入れられなかったが、ナインのお気に入りの目覚めの動作だ。
朝御飯は和食だ。ご飯に味噌汁、海苔に玉子焼きと焼き魚。納豆だけでは苦手なので、刻んだオクラと磨った山芋に卵の君を落として混ぜて醤油、刻んだネギ、カツオ節ならナインでも食べれる特製納豆を出した。
充実した朝食の後はストレッチをして身体の準備をする。
終わったら、裸になり全身が入れる水球を温かくしたのを出して、身支度を整える。
今までなら、レブルとムリカ、二号、犬にしていた事を、自分にだけするので余裕をもって出来る。
冒険用の服に着替えて、装備を確認をする。
「よしっ!」
何時もの通り、自分に転移をかけるのであった。
傷だらけの青い悪魔が肩で息をしながら、膝をついた。しかし、炎が斬られて少女が向かって来た。
悪魔は魔力も尽きてしまい、体力も限界に近くなりながら回復に努めて防御を取った。
これ程、無様な姿はあり得なかったが、負けるよりは良い。
数万年のつまらない時間の中でこんなに充実した事はないが、負ける気はなかったのだ。
後一秒あれば魔力も体力も回復できる。
それが最後になってしまう。
少女のスピードが人のものではなく、悪魔の体と交差する。
ズズンッ
「よし!」
ここは地下五百階。
最下層であるダンジョンコアが奥に置いてある。
倒れたグレーターデーモン亜種(SS級)を倉庫にしまうと、他に宝や隠し部屋がないかの探索をしだした。
「ぐっひっひっひっ。」
流石に大悪魔だけあって宝は持っていた。これらも倉庫に入れていった。
人が踏み込まない場所は宝が沢山ある。
普通に手に入れて武具や装飾品など国宝級や禁術級などあるようだが、ナインにとっては実験材料が増えてホクホクであった。
一人は良いな。
勝手に一人でダンジョンを制覇してしまったナインであった。
(アイ、コアは確保?)
[肯定。ダンジョンとしての機能が低下していくだけなので問題はないです。]
コアも倉庫にしまうと、休憩を取り出した。
ダンジョンに休憩スペースができ、ナインがゆっくりとソファーに倒れた。
「ふかふかー、落ち着くー。」
テーブルにはお菓子と緑茶が湯飲みに入っていた。
ずずずー、バリ、ボリバリボリ。
「次のダンジョン何処にするかなー。」
初めてダンジョンを一人で突破して、気分も上がっていた。
地図を取り出して、ダンジョンの場所を確認していたのだ。
なんで一人で冒険しているのか?
簡単に言えば、一人になりたかったのだ。
買い物や友達ランチやテレビにボーとする世の専業主婦に似た感情もあった。
精神年齢だけなら五十過ぎになるだろうが、肉体は十三歳の身体である。
お子様精神にも囚われる事もあるが、れっきとした子供だ。
その子供がダンジョンに居て、料理を一日中して裁縫や汚れ落とし、武具のメンテナンスをしている。毎日、毎日、毎日。
レブルとムリカのアマゾネス’Sは戦闘を楽しみ、料理やお酒を頼んでいるだけ。
これが2ヶ月も続いたら頭きますよね!?
『私は、お母さんやお手伝いさんじゃないもん!』
と、一人で三百階に転移してから自由に戦っていたのだ。
本当に辛かったよ。
ムリカに女にされてるし、周りも女扱いするし。
これまで辛抱してたよ。
子供が言う事だしね。
て、我慢出来るかーー!
男って言っても無視するわ!ムリカに感化されて他も女確定するわ!何度も何度も何度も!
俺は男なんじゃー!
まったく!
まったくもう!
何時もはしない魔法でクリーニングしたり、倉庫から食事を取るとか、のんびりを満喫していた。
「楽だー!何ヵ所か制覇しないとこんなチャンスあり得ないよなー。」
ベッドを取り出して横になる。
「明日も頑張ろう、お休みー。」
小さな寝息が広い回廊に聞こえていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あるじ居ないー!」
「えーん!ナインちゃん消えちゃたー!」
迷える子羊となった二人が泣いていた。
アイは何も言わずに立っている。
二号と犬はオロオロして役に立たなかった。
まさか、ご飯を要求しただけなのに可愛く怒るとは思わなかったのだ。
何処に消えたのかも、アイは喋らなかったのだ。また、消えてからアイは一言も言葉を言わなかった。
ナインに言っていた要求をアイに言えばやってくれたが、一々言わなくてはいけない。
よって、不都合が生まれたのだ。
レブルとムリカはご飯が気に入らない。
風呂に入れないし、綺麗にしてくれない。肉も保管してくれないから、魔物を狩っても魔石を取るだけになってしまい、回収に時間が掛かってしまう。
武具のメンテナンスなんかしてないが、壊れる物ではないけど臭いがするのだ。
血と汗の臭いが。
服の予備はアイに言えば出してもらえるが、言わないと出してくれない。
二号も犬も困っていた。
元に戻るのも、姿を変えるのもナインの認証がなければこの姿のままである。
本当には困らないが、赤龍の長の地位にいるので戻れないと大変な事になる。
兎も角、四人にはナインは必要なのである。
用途はそれぞれ違うのだろう。
「「びえぇぇぇぇぇん!」」
「主様~!」
「わぉーーん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん、あっ!あ~あ。」
大きな欠伸をしながら起きる。
バレーボール程の水球を出現させると、顔を入れて左右に振ってから上げて顔を拭いた。
歯磨きをしてうがいをしてから水球を消す。
この方法は受け入れられなかったが、ナインのお気に入りの目覚めの動作だ。
朝御飯は和食だ。ご飯に味噌汁、海苔に玉子焼きと焼き魚。納豆だけでは苦手なので、刻んだオクラと磨った山芋に卵の君を落として混ぜて醤油、刻んだネギ、カツオ節ならナインでも食べれる特製納豆を出した。
充実した朝食の後はストレッチをして身体の準備をする。
終わったら、裸になり全身が入れる水球を温かくしたのを出して、身支度を整える。
今までなら、レブルとムリカ、二号、犬にしていた事を、自分にだけするので余裕をもって出来る。
冒険用の服に着替えて、装備を確認をする。
「よしっ!」
何時もの通り、自分に転移をかけるのであった。
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