転生国主興国記

hinomoto

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見なきゃよかった

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エレブル領からファフレミア国に進軍をした。
フォゴット将軍率いる部隊も前衛に混合親衛隊二千と後衛に千の兵力は小国でも攻める事は出来ない戦力である。
しかし、フォゴット将軍の部隊は千名で3国を占領した。
この世界では快挙な話ではあった。
エレブル領の国境では軍の勢いがあった。
それこそ、まだ見ぬ褒美を夢見る兵が沢山いた。
その想いも消えてしまう事態が襲う。
それは、ファフレミア国の国境を見てフォゴット軍は驚いていた。
フォゴット将軍は笑っていたが、異常な事にはかわりはなかった。
何が異常かと云えば、壁があるのだ。
森に壁があるのだ。
噂は聞いていたが、これ程立派な壁を見たことはなかった。
街道の先には門がある。砦ではない。
其れよりも問題は、そこに居るメンバーだろう。
犬と女の子を中心に、姉妹だろう女の子と大人の女性が3人しかいない。
そのまま中で戦えるのは武器を下げているエルフの女性が一人だけだ。
弓兵の心配があったので、慎重に進軍をしたが兵の姿も見えなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


1日前に遡る。
ファフレミア国では、タイク帝国の動きの監視をしていた。進軍が分かり兵を召集した。
が、エルク王の要請に誰もこたえなかった。
それが分かって、即座に軍の責任者を呼んで怒ったのだか、

「防衛の八割に休暇を与えましたよね?」

と、エルクのした事を言及された。
曰く、王にも休暇が必要の様に官僚や兵にも休暇が必要!休暇は申請用紙にて希望を出してくれ!俺は休暇を取る者を拒わない!
それも三日前に告知してから直ぐに申請が来て、許可を出す愚行を行ったのだ。
なお、休暇先は〃村〃であった。
文句が言えない上に帰還命令も言えない彼は、ご主人様に泣きついたのだ。
それは華麗に醜く汚い面でお迎えした。
あ、エルク王が。

「ナインざまー!だちげてくだしゃいー!」

「おわっ!汚なっ!」

「ナインざまー!」

「わっ!来るな!本当にくるなー!」

王の間で鬼ごっこが始まったのだ。
当然、エルクの後ろにレブルとムリカが付いて追いかけていた、それは、ほのぼの(?)とした風景であった。
アニァータ王妃にエルクの顔を殴らるまで続いた。
終った後に訳を話して、暫く対応をお願いしたのだ。

「本当に済みません。この馬鹿には早めに王権を獣国に譲渡させますから。」

アニァータは謝りながらエルクを引っ張って帰っていった。

と、先にネタをばらす。



ーーーーーーーーーーーーーーー


本当に困っていた。
民衆に襲う事が良いのかと考える前衛軍は考えていた。ザワついている混成部隊にミヒット副官からの伝令が届いた。
進軍せよ。全て敵として進むべし。
伝令に対して、適当にしてしまう前衛軍であった。矢を放ってから二人の女性と犬が攻めて来たのだが、舐めていた軍は混乱しだした。
犬が炎を吐きながら襲うし、女が女を投げ飛ばして来る。文字にしたら起こった事を表すが、恐ろしい事が前衛軍は襲われた。
森を焼く程の熱線が放たれて左側から数百人が焼け消えた。
右側に飛んだ女は、維持した身体を捻ってから回転しだすと、軍に飛び込むんだ。
その回転に触れると巻き込まれ細切れにされる。停まることなく前衛軍を襲った。
正面からも剣を携えた女が、驚いてる軍に到達すると、人を殴った。
殴られた人は、人を巻き込んで後方に飛んだ。
恐ろしいのか、悲鳴と苦痛の叫びがあった。
そして、左右から前衛軍が滅んでしまった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


レブルは不満が残ったのか不機嫌であった。
犬のムスと二号はナインに向かってやりましたと騒いでいた。
後の処理は犬と二号が取りかかっていたのだが。

そして後衛軍、いや、フォゴット部隊が対峙した。
混成軍の倒された事には同情はないが、こんなに早く倒された事に動揺はしていた。
想定内とは副官からは言われたが、信じれる者はいなかった。
見えた戦地は既に綺麗に整地された街道と燃えた木があるからだ。
しかもその眼前には、犬とムリカとレブルと二号が居た。
遠くの門の前にアイとナインが居る。
だが、フォゴット部隊はミヒット副官の元で一糸乱れず3人に襲いかかった。

「「うおおぉぉぉぉ!」」

の怒号は大地を揺り動かしたと思った。
しかし、犬が炎を吐き、二号が回転しながら飛び、レブルが剣で斬り、ムリカが棒で叩いていた。
犬の炎は数人を消してる程度になり、それが途切れる事なく吐かれていた。
二号も回転は変わらないが、ゆっくりと巻き込んでいた。
結果として活躍したのはレブルと、ムリカになる。
フォゴット部隊も混乱しだした。
負ける事がなかったからだ。
まさか、犬と女3人に殺されるとは思いもしなかっただろう。
犬と二号とレブルに倒された人は負けたと云えるだろう、しかし、ムリカに対してはあり得なかった。
棒で殺されるのだ。
もちろん、只の棒ではない。
ムリカ用特殊棒である。
見た目は木の棒なのだが、材質が違うし重さも違っていた。
材質は特殊合金。
特殊なのは、金やアルミではなくて、神の鉱石であるオリハルコンとニギノミタマとクシノミタマとナギノミタマとアラミタマとアクラマシカを混ぜてホウジョウノキを叩き上げた代物だ。
持つのに意志がある金属に認められないといけないが、ナインにより作られたのでムリカにも使用可能。
攻撃の数値にすれば、最低一万はある。
もちろん、全力で叩けば戦場が消え去ってしまう程だ。
追加スキルは、『即死』『防御不可』『防具貫通』が、ついている。
この時点で、世界最強の武器(注:ナインの所有する武器は除く。尚、神も殺せます。)なのだ。
全てナインの親心で行っていた。
だが、親心でも不安があったのだろう。
貸した手袋に『物理軽減』『疲れしらず』『怪力』のスキルを付与している。
それをムリカは、びくびくしながら一生懸命に棒を振っていた。
棒を軽く振れば倒れていく敵兵。
本人は本当に軽く振り回している感覚だ。
倒れた人も血も出てないから気絶した感じである。
そして、端から見ていたナイン達とフォゴット将軍とミヒット副官はシュールな絵を見ていた。
炎を吐きながら動き回る犬に、回転しながら飛ぶ女。
唯一戦場にしてる剣で戦っている優勢なエルフの女剣士。
そして、こん棒を振り回す少女。
フォゴット将軍は珍しい者を見ている感覚だが、ミヒット副官には堪ったものではない。
タイク帝国が無敵のフォゴット将軍を作ったなら、ミヒット副官は最強の部隊を作ったと内心思っていた。
一人も死なない部隊を軍をと願った一つの雛型だったからだ。
レベル平均も五百な兵が、あっさりと死んでいる。
三ヶ所では、まだ戦ってるとしよう。
ただ一ヶ所だけは違っていた。
棒で当たって倒れる姿は何とも云えない。
これが大男ならば凄い武勇だと、話が出来た。フォゴットも自分が出ると言うだろう。しかし、女の子がやっているのだ。
一人なら当たり処がで笑い話なのだが、百人が倒れたら笑えない話だ。

「フォゴット将軍!済まない!私は行く!」

返事も待たずに走って戦場に向かうのは、仕方なかったとも思えた。
フォゴット将軍は少女に向かってイヤらしい妄想をしていただけだ。

「うおおぉぉぉぉ!」

ミヒット副官は少女に向かって走っていた。
一方的に倒して勝利の勝鬨を挙げていた兵が、あっさりと倒れる異常な事態。
許せなかった。
最強の部隊が倒されるが、ただの少女に棒で倒されるのが許せなかった。
少女に迫って剣を振り上げた。
死ねとも獲ったとも心で叫んだと思う。
めちゃくちゃに振った棒に当たって、ミヒット副官はしんでしまった。
もちろん、ムリカにはそんな事も分からず振り回した一振りだ。
めちゃくちゃな振り回しのままにその場所から離れていった。
妄想していた将軍が気がついた時には、部隊は壊滅していた。
犬が邪魔な死体を投げ飛ばしている。
回転していた女も死体を積み上げていた。
棒で戦っていた少女は座り込み泣いていたが、後から来た少女に頭を撫でられて女に汚れを落とされていた。
目を擦って見直していた。
事実と認識する前にフォゴット将軍の横から女剣士が現れた。

「倒したのか?」

「お前、昔見たことあるような気がするな。」

「はっ?会ったことあるのか?」

「知らん。」

慌てた心を沈めて、女剣士と対峙する為に立ち上がった。

「俺を見たんだろ?抱いた女の一人か。エルフは沢山抱いたから忘れたが、良くマトモになったな。」

卑下た笑いかたでレブルを見ていたが、レブルは嫌なモノを見る目で見ていた。
まるで、格下に見られた気分になっていた。

「また、楽しんでやるよ。」

フォゴット将軍は剣を振り上げた。
一般の人には反応できないスピードで動いた一撃だ。
振り下ろして手応えが無いことにビックリした時に頭に声が聞こえた。

[ユシアン・フォゴットにレベルを表示します。]

分からないが、頭に響いた。
そして、女剣士をまた、目で捉えた。
そこには、名前とレベルが目に表示されたのだ。

名 前:レブルシアント・マレイユ
レベル:1357

「嘘だろ。」

ゆっくりと崩れるユシアン。
もう一つ、少女が目に入り表示を見た。

名 前:ナイン
レベル:ーーー

名 前:ムリカ・エフレイド
レベル:753

嘘だろと言えなかった。
ユシアン・フォゴットが見れた最期のモノだった。

「つまらないモノを切ってしまった。」

剣を納めながら、レブルは呟いた。
アイを見て親指を立てていた。
アイも笑顔で手を振り、それに応えていた。
もちろん、そんな事を教えたのはアイだ。
その後、ファフレミア国軍が到達するまでナインを抱きしめていた。ナインは抵抗できずに抱かれていた。

「レブル!首は止めろよ!てか、誰かたすけてー!」

ナインの叫びが響いた。
過去に何があったのかを知るものはアイしか居なくなった。
悲痛や悲しみが似合わないパーティーだと筆者も思ってしまう、そんな場面だった。
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