転生国主興国記

hinomoto

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本章

ミニック国のみらい

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グレット国がタイク帝国に侵略されて5日も抗戦をしていた。
帝国側は約二万の軍勢に対してグレット国側は一万八千。
負けないとは言えないが対抗してるのも後方支援の見込みがあるからだった。
しかし、その日のうちに城から使者の報せは、グレット城に敵兵が来たとの報告だった。
使者に良く聞くと、元はテレート国とファント国の援軍であった。城の近くで寝返りを宣誓して、城を攻めたそうだ。
城も耐えてはいるが、予断ならない状態だとか。
王からは軍を下げて救済すべしとあるのだ。使者はミニック国にも向かったのだ。
軍陣を下げてから城に向かったのだか、兵から敗走したと思われ、タイク帝国軍から追われる事となり甚大なる被害は城につく前に降伏として受け入れられる。
当然ながら城側も降伏してグレット国の戦いが終わったのだ。サンガ連合もミニック国を残して帝国に降伏したのだ。
タイク帝国は残り一国も直ぐに降伏すると思っていたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


ミニック国ではデテュート宰相の手腕が発揮されたが、寝返りには気づいてなかった。
報告も、グレット国に援軍が出た迄は報告にあったが、連合長の陰があるとは思いもよらなかった。
連合長の動きと各国からの情報が揃った時にはグレット国の降伏になったからだ。
王も王家も貴族共まで降伏論を言い出し掛けていたのは、デテュートの耳にも入っていた。
先ずは、獣国に援軍の使者を配下に任して、自分の考えより今後の事を王に確認しにきたのである。

「ミニック王に申し上げます。」

夕刻に王の書斎に来たのだ。
王は王の間に居らず、執務室にも居ないのだ。
国の事は宰相に任せていたからだ。
当然、書斎でのんびりするのが王の日課なのだ。

「デテュート宰相?どうかしたのか?」

「はっ。王に確認をしたいことが。」

「お前には国政や軍は任せているだろう?」

「はい。本当にありがとうございます。」

ミニック王は読んでいた本を下ろすと、何時もと違う物の言い方が気になった。
「何かあったのか?」

「はい。その為に確認をしたいのです。」

「何をだ。」

「この国の未来の確認です。」

「未来とな?」

「グレット国が落ちました。この国をどうなさるかは王自らがお示しにならねばなりません。」

「なっ!グレットがか!詳しく申せ!」

「はい。本日、昼過ぎに降伏しました。タイク帝国だけでなく、ファント国とテレート国の裏切りで遇えなく。」

「そんな、それではこの国も!」

「当然、狙われております。」

「そんな、こ、降伏か?」

「其を決めて頂きたいのです。」

「き、決められんぞ!」

「私から報告出来る事は、タイク帝国はブレット国から我が国への転戦は不可能となります。ブレット国からの報せも三日後になるでしょう。また、フォゴット将軍はファフレミア国に進軍を開始するでしょう。それも近日中に動きます。我が国に関しては、勝手ながら私の方で獣国と同盟を結びました。人質に我が息子を差し出しましたのでご安心を。その、獣国には応援を頼んでおります。急な降伏勧告はありますが、慌てて降伏する状況ではありません。直ぐには結論しなくとも良いですが、お気持ちは決めて頂きたいと思います。」

「どうにかならんのか?」

「不可能かと。」

「獣国からの援軍は!」

「援軍もファフレミア国に先に送られますでしょう。我が国の援軍は早急とはならないでしょう。」

「ううむ。」

「ただ、フォゴット将軍の部隊がファフレミア国での戦禍と、獣国の動きが不明な為、今後の予測は出来ておりません。」

「み、三日後までに決める。余は部屋に戻るぞ!」

慌ててミニック王は書斎を出ていった。
分かっていた事ではあったが、深いため息と絶望を感じていた。
この責任は自分だとは分かっていた。
平和なら自分の手腕だけで何とかはなるが、緊急時では不合理な政権になってしまうことだ。
権利が欲しくて宰相になった訳ではないデテュートにとって頭が痛い問題ではある。
まさか戦争になるとは思っていないし、連合と帝国の戦争も考えて無いわけでもないが、こんなに速く占領されるとは思ってもいなかった。
悩むより前へ
それがデテュートの信念だ。
案は複数用意はしていた。
負けない戦は出来るし、防戦なら3ヶ月はもたせる事も可能だ。
しかし、情報が足らないのだ。獣国とファフレミア国の情報が。
実は小飼の密偵が商人として出向くが、悉く入国はできない。裏口とかも不可能。
反対の国、ファークト国やライラ国からも侵入が出来ない。
理由は外壁があるからだ。
魔森まで延びる外壁が問題であった。
海からの侵入も試みたが入ったきり出てきていない。
しかし、漏れ聞こえるのは、神秘の都のみ。
過去に魔森から抜け出た親子の話しはあったが、誰もが冗談としたし、親子もいつの間にか消えていた。些細な事と思っていたが、まさか今になって重要になるとはー。
考える程に情報を欲したので、息子を送ったのに今だに連絡がない。
本当に先がわからない時代だと、活を入れ直して自分の部屋へと戻っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


~~~その頃~~~

「す、すごい!」

獣国の首都から巡礼に回され、即村に連れて来られて、学校にウエルゲン君はいた。
授業なる学問を教えてもらえる所も異常だ。
自分より幼い子供が余裕で計算を暗算でしている。学問は算数や国語、理科、社会等をランダムで行われる。授業の時間も短い。
時間があれば自由に自習が出来る場所もあった。
本が多いのも魅力であった。
そこだけで感心はしていない。
ほとんどが仕事をしており合間に勉強をしているのだ。
決まった部屋もなく、好きな授業を選べるのも凄い事なのに、先生は沢山いたが、獣人の先生は居なかったのは謎だ。
勉学が好きな獣人が沢山いるのに。
村には人族も多くいたのもありがたかった。
しかし、誰も嫌悪感もなく、自然と隣人と話し合える姿は感動であったし、勉学が楽しいものとも分かったのには幸せだった。
親も国も忘れて勉学に励んでいたのだった。
学ぶことや覚えることが多く、多彩で必死であるが、実父の心何て既に消えていた。
親の心子知らずとは言うものの、其ほどに魅力ある村(?)に虜になっていたのだ。
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