転生国主興国記

hinomoto

文字の大きさ
上 下
117 / 253
本章

ファゴット将軍

しおりを挟む
元ペレ国に居たファゴット将軍が進軍を再開しだした。タイク帝国からの指示も待たずに進軍をしだしたのは、他の軍も国もビックリしていた。
ファグリーク国の軍一万兵に五百の兵で攻めて来たときは弓兵で終わると思ったのが、防衛軍が壊滅したので慌てたが、首都での防衛もほとんど持たず、一ヶ月で落とされるは驚異であった。
ただ、兵の死者が少ないのと、民衆の被害が少なくのが相まって民衆の反乱がなかったのは、人数が異常に少ないからであろうか。
この戦いにはファゴット将軍は参戦していなかったが。
ファゴット将軍は一人でメアート国に攻めていたからだ。
一人だから安心していたメアート軍にとって、恐怖の対象でしかなかったのだ。
矢は刺さらないし、剣が当たらないのだ。
一撃が重くて、味方は簡単に死んでしまう。
達人に向かう子供な感じだろうか。
彼の戦いが演舞に見えるぐらいに、人を魅了したのだ。
虐殺の場面ほど人を惹き付けられるのは流石と言うべきだろうか。
その内、一人二人とファゴットに着く人もいたが、戦禍に巻き込まれて消えていった。
人を潰す。
この戦いでファゴットは武人将軍と呼ばれる事になる。
ファグリーク国は首都から先迄の間にメアート国が壊滅したことが発表された。
一人で国を潰した事が他の国に今後の戦争に内々の争いも併せられる事になる。
ただし、メアート国の城での悪夢は広がってはいない。
何が起こって、何故伝わらなかったのか。

攻城戦では、百数人を従えてファゴット将軍は攻めた。
門はファゴット将軍の一撃で開門した。
いや、破壊したのだ。
門の後ろに数百の兵士が瓦礫に押し潰された。
防衛の兵は慢心があった。ファゴットの後ろの兵の死だ。
一人、一人が倒れていた。
一人として満足した顔で死んだ。
ファゴットの本心なんて知らないで果てていったのだ。
城の守る兵に恐怖が走ったのは、城に入られて起こった。
それまでは、いずれ倒せるの気持ちがあった。
現に一人一人が倒れているからだ。
それが間違いに気付いた時には遅かったのだ。
人が敵わない相手だと。
剣や矢が効かない人を相手なんて誰が信じる事が出来るのか。
頭を潰され、身体を踏み潰され、首を落とされ、石で殺された。
生きているのがメアート王と家族と侍女が数名になっていた。
目の前で司令官が殺されて、命乞いをしたが王は殺された。
王妃と男の子もすぐさま切られた。
侍女も不細工なのは殺されて、生きていた姫達と侍女は足を潰されたのだ。
ファゴットは鎧や服を脱ぎ捨てると、女を抱いた。
死と血が臭う場所で、笑って女を抱いていた。
子供とか関係なく、己の欲望のままに抱いたのだ。
弱い者を食らう強者として、彼の矜持があったのだ。
ぼろぼろになり、女に飽きた頃、一人残らず殺した後に、魔道具の炎火の渦という爆弾を放り投げた。
城のあった場所に何も残らかった。
炎火の渦とは、禁忌とされた魔道具だ。
国でも、戦争での使用を禁じている。
対SSS級魔物兵器とされ、使うのに国のギルド長と国王の許可が必要である。
しかし、ファゴット将軍はペレ国で手に入れてから使いたかった禁忌の魔道具を使かったので、気にもせずにいたのだ。
この後の事は先に書いた通り。
混乱だけが残り滅びたのだ。
何も知らない民衆は、一人で国を倒した英雄として称えていた。
武人将軍として。
ファゴット将軍もメアートには興味もなく、エレブル国に行き、自分の部隊と合流するのだが、一ヶ月も掛かってしまう。
その間、兵や冒険者、盗賊等の混合軍になっていたのだが、それもファゴットの魅力なのかもしれない。
民衆が、タイク帝国ではなくてファゴット将軍に降っている認識だったのだから。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!

八神 凪
ファンタジー
勇者パーティに属するルーナ(17)は悩んでいた。 補助魔法が使える前衛としてスカウトされたものの、勇者はドスケベ、取り巻く女の子達は勇者大好きという辟易するパーティだった。 しかも勇者はルーナにモーションをかけるため、パーティ内の女の子からは嫉妬の雨・・・。 そんな中「貴女は役に立たないから出て行け」と一方的に女の子達から追放を言い渡されたルーナはいい笑顔で答えるのだった。 「ホントに!? 今までお世話しました! それじゃあ!」  ルーナの旅は始まったばかり!  第11回ファンタジー大賞エントリーしてました!

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...