転生国主興国記

hinomoto

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飢えない日

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戻ってから、起きてくれるまで時間が出来たから、焼き肉の準備をしていたよ。
やっぱり、仲良くなるために食わなきゃ駄目よ。
酒は適度を守らないとか、注意事項があるのは嫌いだ。
旨い物を食べて、腹が満たされたら先に進める。
しかし、獣国とファフレミアとレイクが合わされば、大国になるな。
それに、サンガ連合とタイク帝国の戦争が気になる。
あの子達が気になるよねー。
非戦闘員に酷い目とかはそんなに無いが、被害は出てる。
問題は4部隊に別れて国を攻めているが、一つの部隊の躍進が気になるよね。
ペレ国を攻めてる部隊は他の部隊より人数が少ない。千名だよ。
多分、隊長が強いみたいだね。
そんな事よりも、一気に考えも変えてあげないと!
さぁ!売り子を呼んで来るか!

(アイ、人員は?)

[解。五百名は準備出来ております。]

(うん、アイの機体も何体か廻しといて。)

[肯定。]

「さあ、メイン会場を整えるぞ!」

「「「おおー!」」」

ナインを先頭に焼き肉大会の準備に入る仲間達であった。


ーーーーーーーーーーーー

「ちっ、つまらん。」

「将軍に参入されたらあっと云う間に終わりますよ。それでは隊のレベルが上がりませんからね。それに将軍では人でレベルが上がりませんよ。暇でも後4日は耐えて下さいね。」

「はー、長い。」

「4日後ならレベル抜きで戦っても問題ありませんから。」

ニヤニヤを止めない副官は嫌らしさを更に増して笑っていた。
その先には、城攻めをする自軍がいた。
一人としてダメージがない軍とボロボロになった城と兵達との差は歴然としていた。



ーーーーーーーーーーーー


起き上がった所で不思議な光景を見ていた。
良い匂いが鼻腔の奥を刺激した。
匂いを追って行くと、大きな舞台と出店が出ていた。
舞台では聴いたことが無い音楽が流れていた。
沢山の人が見たことの無い物を奏でていた。
身体に響くのに、落ち着いてくる。
素晴らしい音の重厚は聴いていたいが、匂いに負けてしまう。

「どこだ?この匂いの元は?」

誰かが呟くが、人が多くて分からない。
良く見ると、出店からだった。人の列が多く並んでいた。
退かそうと思ったが、貧乏人も貴族も列に並んでいるのだ。
貴族が並んでいる現実が受け入れられなかった。
周りを見たときに気が付いたことは、自分の周りには乞食しかいなかったのだ。一人の乞食が乞食に命令していた。

「そこの乞食!早々に退くがよい。」

「乞食が何かを言っている!」

「なに!」
「なんだ!」

乞食が貴族の話し方をしていた。
何となく分かったのは、自分も乞食になっているみたいだと。
理解出来た者は列へと消えていったが、理解出来ない者はその場で喧嘩か命令をしていた。
この中で一人の男が特段変わった命令をしていた。

「余の名が聞けないのか!余は王たぞ!余の為にせよ!」

しかし、誰も聞いてはいなかった。
乞食が王を語るとは、まさに裸の王様であった。
人々は無料の出店に向かうなか、音楽が止まると声が聞こえる。

「あー、あー。よし、聞こえているよな。うん。ごほっん。えー、元レイク国民の皆さん、聞いてますか?此方は獣国大使になりました、大使です!戦争は終わった事を実感できましたか。古い時代から新しい時代になりました。既に言いましたが、獣国の属国になります。直ぐにその考えも古くなります。獣国を見てから、自分達の未来を考えて下さい。それでは、お腹が一杯になった人からバスに乗って下さい。3日は時間をもらいます。宜しくー。放送を終わります。」

何を言ってるのか分からなかった。
バスってなに?
それは国民全員が思っていた。
ナインを除いて分からなかったが、音楽を聞いて食べてる出店は最高であった。
乞食の子供は思った。初めて誰もが飢えることが無い日があったとは、今日は奇跡の日なんだと。
その子の目には、自分もそうだが人々が笑っているのを見ていた。
一人の女の子が食べ物を持って走っていた。街の裏側であるゴミ屋街の一角に走っていた。

「おかぁさん!食べ物もらったよー!」

「うっ、ごほっ、ごほっ。よかったね。」

「おかぁさん!食べるよ!」

母親は肌が白く、痩せて細っていた。子供が嬉しそうに抱えていた物に食べる気も無かったので、

「あなたが食べなさい。」

と言った。女の子が食べ出すと懐から人形が落ちた。
人形を拾い子供に返す前に見ようとすると、

「半径一キロ圏内に病人を多数確認。救助モードに移行。救助申請をします。許可の受託を受信。今から救助を開始します。」

「なんだい、これ・・・・・・・」

一気に青い光がゴミ屋街を包んだ。

「終了。病人0を確認。介助モードに移行。介助対象多数の、為、支援を要請。受託を確認。介助を開始します。」

光が通り過ぎた後、ゴミ屋街に不思議な人形が増えて、汚かった場所も今は無くなり、綺麗な場所になっていた。そんな奇跡が起きているのも分からなかった。元気な母親と笑顔の女の子。
そんな奇跡が目の前にあった。
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