転生国主興国記

hinomoto

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しかく

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「おちゃちくださいましちちはぁーー。はーはーはー。ちょ、ちょ、ちょ、」

「あほいーはぁいたっはたはたない。」

「ぜーぜーぜー」

「解らんわー!」

まだ、掛かっております。
俺は呆れてしまってますよ。
てか、誰か説明プリーズ!

[解。彼等は新兵です。本来の門兵は地点十キロを時速7キロで走っております。到着迄は後、二時間後になります。]

(あんで、そんな所に?)

[我々を襲う為です。]

(ん?襲う?)

[解。昨夜の盗賊です。]

(えっと、この城の兵?)

[肯定。城の兵73%が盗賊になります。同様に新兵率が30%、旧老兵が43%になります。]

えっと、本当にこの城の機能は大丈夫か?
ほぼ、守りは出来ないよな?

[マスター、城の機能はメイド達の人力で成り立っております。しかし、防衛機能が80%ダウン、都市防衛は60%ダウン。犯罪率43%アップです。]

都市まで麻痺にする事をするなよなー。
ま、自業自得やなー。

(黒幕は?)

[解。王と重臣達です。]

・・・・・・・・頭が痛いわ!
あかん、この国あかんは。

「落ち着いたか?」

の言葉に頷く新兵達、それでも立ち上がれないままであるのだけど。

「新兵で耐えられないのは分かるけど、此方も他国の使者なだけど?」

の言葉にコクコクと頷く新兵達。

「立ち上がれるか?」

で立とうとするが、立てないようだ。
いや、兵だよね?新兵でも鍛えてないの?

[解。マスター、彼等は入隊して三日目で、25時間寝てないようです。]

うん、無謀だよね。
門番を残して、衛兵を御者席に乗せて奥に進んだ。衛兵も介抱しながら、馬車の置き場に置きに行った。
まさか、此処で車椅子が役に立つとは思わなかったが、城内を乗せて上げてみんなで移動したよ。
車椅子で寝たので衛兵君を廊下に放置して、勝手に歩いた。
傍若無人?いやいや、違うから。
メイドさん達にも合わないから自分達で行ってるだけですよ?
まぁ、少し睡眠魔法を弱めに流してますが。
宮廷の魔法使いとか居らんのか?
本当に歪な世界でもあるよな。
的確に歩いているからメイドにも会わずに会議場所近くに来たんで、問答無用で扉を開く。

「この国は、ファフレミア国の使者をもてなしも出来ないし、やっと来た者も新兵で寝てない。城の防衛に口出すものでは無いが、余りにして疎か。講和条約を結べる国ではありませんね。」

とナインを先頭に入って行く。
アイが王より豪華な椅子を出してくれる。
ナインの為に椅子を下げ、座ってから上げたり、お茶とお菓子を出した。
同様に豪華な椅子やテーブルを供にも出した。
レブルと二号にはホールケーキを出していたし、ムリカはハーフホールケーキだ。
突然の事にレイク王国側は黙ったままだ。
子供の言った事は事実だが、椅子やテーブルにケーキや飲み物まで出した女に驚いてポカーンとなっていた。
書状とファフレミア国の使者の証をアイに託し、王に届ける。
王に渡すが、王の手がアイに迫る前に回避されて此方に戻って来る。
王も這うように着いて来たが、アイの重力魔法に地面に縫いつけられる。

「ぐきぎぎぎっ」

の声に覚醒したように話し出す。

「なんて綺麗な、じゃなくて子供が使者!?で、なくて、王!」

慌てるように立つがナインが制する。

「使者に無礼をはたらくんだ、レイク王国は。此ではどうしようもないから、権限で降伏を求める勧告をするよ。」

「なっ!女子供が何を言ってる!王に手をかけやがって!」

だっ、だっ。

「げふっ!がぁ!」

と向かうが犬に前足で倒され片足を乗せられて身動きも出来ないでいた。

「ほう、戦争がお望みですか。」

「ま、待て!待ってくれ!」

おじさんだ。
出来なさそうな上司みたいな男が、シェークスピアに出てくる貴族みたいな格好で話し掛ける。
君だけ浮いてる格好だとは言いたくない。
似合う似合わないよりも面白いからだ。
ハゲ無能上司がバカな格好なのだから、ナインは勉めて視界に入らない様にした。
この会議の中に居た笑いの使者と対峙していた。
他の重臣や王はファンタジーファッションなのに、一人だけシェークスピアなのだ。
真面目に対処に困っていた。
ナインの心も、
話しちゃ駄目だ、話しちゃ駄目だ。
見てはいけない、見てはいけない。
見たら、話が続かないぞ!
笑わない、笑わない、笑ってなるものか!
と唱えていた。

「話しは出来ない、勧告よりも降伏をしろ。」

笑わずに堪えて話が出来た。
レイク王国側は悲壮感を持って話し掛けて来たのはシェークスピアのおっさんである。

「その要求には従えない!その前に王の解放を要望する!」

ガンっ!

おっさんがテーブルに頭を打ち付けながら下げた。
ナインは、目を瞑った。
笑いを堪える為に。
レイク王国側は重臣全員が同じようにしだした。
ナインは目を伏せながら魔法を解除して、

「この国は属国になってもらう。ファフレミア国ではなく獣国となる。ファフレミアも獣国の属国になるし問題はないよな。」

「な、何を言ってるのだ!?そんな事に同意も何もない!」

「先にお前を血祭りにしてやる!」

「衛兵!衛兵は居ないか!」

「傍若無人な事しか言えないとは!親の顔が見たいわ!」

「お、お前達!落ち着かないか!使者に無礼だぞ!」

以外に冷静なのが、おっさんであった。頭と服装が普通なら誉めてやるのだが、俺の感覚には合わなかった。
人生の最後に○んまと話してる感じだよ。
あかーん!笑ったら!

「使者殿、済まない!」

ナインに頭を下げる。おっさんの頭の毛の配置だが、天辺は剥げてツルピカだ。
前髪は薄いが残っている。
揉み上げは長くサラサラだ。
後頭部も、揉み上げと同じラインに髪が残っていて、長くサラサラであった。
見ては終わりと悟り、ナインは切り札を出した。

「フェルト、頼んだ。」

ナインは決して目を上げなかった。
フェルトが立ち上がり、元の姿に戻っていく。
城の壁や天井が崩れるが、関係無く戻っていく。
街中がその姿を確認してパニックなった。
一声鳴くと、多くの人が気を失ってしまった。
もちろん、会議場も同様であった。
レイク王国はその日に降伏をした。
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