転生国主興国記

hinomoto

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本章

じかん

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多分、力ある英雄や、勇者とかなら極大魔法を落とすとか、戦いを引っくり返す秘策とかあるだろう。
神なら天罰もありえたよな。
うん。
あるよなー。
カッコいいし、晴れの舞台になるだろうし。
普通ならかっこよく決めていたよね。
うん、俺も少しはー、ごめん考えて無かったよ。
だからこうなってる。
エルク達、ファフレミア国の死兵はことごとく爆笑していたのだ。
死を覚悟したエルクもお腹を抱えて笑っている。
このくだらない戦争がなるからだ。
多分、マトモな人には考えられないことかも知れない。
その場に居たファフレミア兵は一人として満足だった。
その中で一人だけ、声を出さずに笑顔であった者は、大成功だとナインは胸を張っていたのだ。
それは眼前にあった。
レイク王国軍約三万兵が皆、宙に浮かんでいた。
ただ一点は地面と繋がってはいる。
レイク王国軍の馬や魔獣なのど乗り物は自由に走っている。
実にくだらない理由でレイク王国軍は動けなくなる。
それは土で出来た棒状のモノであった。
先に手の合わさった形をしていた。
それは。


〃お尻に向かってカンチョーをしていた。〃

約三万の兵のお尻の穴に、突き刺さっていた。
もちろん、突き刺さらない様に手の形で大き目にしてるし、指は大人三本分にしている。
宙に浮いてる高さにしてるし、硬い服も装甲も破ってますよ?
あ!倒れ無いようにしてるの!
計算はアイちゃんに任せています!

こうして、笑いのファフレミア国軍と阿鼻叫喚なレイク王国軍の戦いが終わった。
ファフレミア国軍の笑いが終わるのに時間が掛かったが、それからの行動は早かった。
報告するのに笑ってしまい、時間が掛かるのだが仕方ないよね?
ナインの土魔法第二弾にエルクは困ってしまうのだ。
口輪と手足の拘束に土で固めてイモムシ状態にしてから、ナインがエルクに言った。

「済まん、エルク。今回は神の責任が強いから、ファフレミア国の事は無しにするな。」

「はい。はっ?どういう意味ですか?」

「まっ、任せて、任せて。」

エルクの背中を押す。

「いやっ、ナイン様!?えっ?待って!?」

「あ、敵はそのままで伝令を回して。馬は沢山居るから大丈夫やね。じゃ、エルク借りるねー♪」

エルクと転移する。その先にはアニァータが居た。アニァータはエルクの姿を見ると涙を流して抱きしめた。

「エルクーー!」
「アニァータ!」

「あー!時間がない!ヤバイ!ヤバイぞ!」

ナインは焦っていた。エルクとアニァータは愛の包容中だが。
エルクとアニァータを見直したナインは、

「ああー!!」

と大声を上げた。当然、ビックリしてナインを見る。
震えるナインと呆然と抱き合う二人。

「お、お、お」

「「お?」」

「おまいら、」

「「な、なにか?」」

「お前ら、汚いーー!」

「「はっいっ!!?」」

「うそっー!参ったな。風呂、時間がかかる!魔法か。あ!服!服も駄目だ!あー、あ!倉庫で良いな?うん。アニァータはメイクが要るな。薄くして、主役を立たせる位にするか。髪はー?」

指を鳴らす度に、エルクとアニァータは水をかけられ、洗われ、綺麗に乾燥、服を変えられる。エルクは着たことが無い紺色のスーツに、髪型も整えられて、香料を付けて終わったのだが、アニァータは髪も服も化粧まで、何度も変わる。
焦りながらも、好みの髪や服装をチョイスするが、化粧に関しては雑になる。
アイに頼むと思考がなるまでに、さほどの時間は掛からなかった。
アニァータの髪も服装も装飾品も香料も現代に通用する。
正に焦っていたのだ、ナインは。
ただし、エルクとアニァータは。

「なんて素敵なのエルク。」
「綺麗だよ、アニァータ!」

と燃え上がり掛けてはいた。
出来上がると、ナインは慌てて説明に入る。

「おい!聞けよ!今からムリカの誕生日会の会場に行くからな?慌てず、騒がしくするなよ。後はプログラムを貰って座ってろよ!いいな!?」

「はっ!?いや、エルク様、それ処では無いのです!」

「あー、戦争?んなもん後!後!」

「な、エルク様!沢山の国民が亡くなってるのですよ!」

「それに、戦禍が酷く家も何も無くなってます!」

「それは、大丈夫。これも、大丈夫!」

「「はっ!?何が大丈夫ですか!」」

二人して怒っていた。

「時間が無いのに怒るな!事情やなんやらは書いておくから、読んで。分からなかったらアイに聞け!はっ!?時間が!行くぞ!」

問答無用で転移させてしまった。
エルクとアニァータが消えた城では捜索部隊でてんやわんやであった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻、サンガ連合。
第一報が商人ギルド本部兼サンガ連合本部にもたらされた。
そこには、タイク帝国が隣接してる国に攻め行った事を報せるものだった。
4つの国を同時に攻めたのだ。
ダクト、ファレ、デント、ペレを同時にだった。
初めて読みが外れたギルド長は逃げるしかなかった。
サンガ連合は会議も行われずに混乱をきわめていた。
各国は良く戦っていたのだが、連繋が取れなかった。
本部の混乱が大きかった。
ファフレミア国を攻める準備に追われていた連合軍も、何も出来ない日々を送るとは思いもよらなった。
逆にファフレミア国を攻めるがタイク帝国に攻められたのだから。
タイク帝国もサンガ連合も目算が外れると思っていなかったのだが、戦禍の火蓋は切られたのだった。
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