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本章
将軍
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ムソニー王は事情をアイから聞いて、要求を認めて調印となった。
何でも大使が調印とかは出来ないそうだとか。
だから断ったよ?
出来ない事をしないのが一番じゃない?と思っていたのにねー。
大体の使者としての流れは、大使は相手国と、こんな同盟お願いします→相手国OK、書簡発行→戻って報告、同意書再度発行→大使、相手国に同意書持って話し合う、終わって日にち設定→戻って報告、日にちも報告→何回も往き来して同意書の会議を相手国で行う。と、長い長い話し合いがあるのだが、ムソニー王と重鎮の立っての願いで同盟の調印となったのだ。
大きくなった国が此れで良いのか問題だが。
ま、細々したことはアイがしてくれるだろうし。
全てアイに任せておけば安心だよね!
[肯定。]
さて、俺はお誕生日会の事に没頭だな。
日にちが少なくなってるからな。
特に来たお客達に返礼品も考えると駄目だよなー。と思考の海に沈んでいった。
既にお気付きな方もおられると思うが、ナインは拗れていた。
既にお誕生日会の域からはみ出ている事に気がついていない。普通のお誕生日会にお色直しや細かい芸等、ましてや返礼など有るわけがない。
金持ち風の考えやんとなっている。
発想よりも考え方に問題があるのだが、増長しているのにはアイが居る為であった。
サポートAIの本領発揮しつつ、ブライダル方面まで手を出しているのだ。
それは、マスターの為。
敬愛するマスターの結婚式の為の準備として、どの程度が受け入れられるのか、どの辺が嫌われるのかの実地調査の為である。
マスターの暴走に託つけて試験を行う。
一つのテストケースとしてムリカを同行させていた事は誰にも知られていない事だ。
他人には一切の情はない。
サポートAIのアイはナインの為にいる。
予定として返礼品に厚目のグラスを提案する。
ガラスのコップはこの世界はない。
ステンドグラスやすりガラス、メガネも姿見もない。あるのは、透明石と云われる透き通る石を使った物がある。分厚く重い為、加工するのに難易度も高く薄く出来ない。薄くも二十センチが限界なのだ。
姿見は魔道具にて水を枠に貯めるのが流通している。
ガラスの製法も無いのだ。
知識を持つものがナインであり、アイのみなのだ。因みに村にはガラスは有る。コップも有れば花瓶も有る。製造方法も伝えたが材料は教えていない。それがアイクオリティである。
なんにしても、ムリカの知らない所でお誕生日会が進んでいたのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「どぉおーりゃ!」
パッシュー
ブラウンジワイバーンの首に大剣を震う。
もちろん首は斬れて転がっている。
ズズーンと巨体な体も崩れ落ちる。
「流石です、将軍。A級もお一人で倒せるようになられて!陛下もお喜びですよ。」
タオルを将軍と呼んだ男に渡した。
「ああ、陛下も喜ぶだろ。」
受け取ったタオルで体に着いた血を拭い、大剣も拭いた。
将軍はそのまま歩いて行く。
タオルを渡した男が後ろで他の兵達に命令を出しながら追い付く。
「将軍、レベルはどうでしたか?」
将軍の笑顔から鋭い目が見受けられる。
「あー、上がったかもなー。でもな、デブー。誰を睨むのかな?」
「そんな事はありません。目が細いと言ってますし、あと、私はデブではありませんよ?デンブですよ。」
「デブもデンブも変わらないぞ。」
「私に向かってそう言えるのは将軍だけですよ。まったく変わらないですね、ユアン。」
「ユシアンな!お前こそ止めろよ。兵隊どもに聞かれたらザマねえからな。」
「はいはい、場の弁えは持ってますから。貴方の方こそ頼みますよ。」
「ふん。」
「もう若くありませんし、冒険してた若い頃のような言動も控えてください、将軍。」
「分かったよ。デンブ将軍付き補佐官殿。」
「ユシアン将軍、私は補佐官ではなくて副官です。」
「魔法使いの副官はおかしいだろ。」
「否定はしませんよ。ただ誰も貴方を抑える事はできませんからね。私も昔の好みで居るだけですから。」
「・・・・そうだな。」
「さあ、陛下に会いに行きますよ。」
「・・・・ちっ、分かった。」
二人は馬車に乗り込み城に向かう。タイク帝国の王城、エトカリナに向かう。
将軍の名はユシアン・フォゴット(男、42才、独身)冒険者上がりの将軍だ。
彼の台頭は仲間と魔森の冒険より帰る事からだ。
魔森での冒険の戦果だ。内容はブラウンジワイバーンの討伐。18人の奴隷と6人の仲間で戦ったのだ。途中でエルフの一団と協力したのだが、奴隷18人とエルフの全滅、仲間も二人亡くなった。この功績で帝国に召し抱えとなったのだ。
そのリーダーだった彼の働きも凄くて、魔森でレベルが上がっていったので、将軍となった。
彼のレベルも人類市場初の八百を超えた。
竜種も一人で狩れる腕前にもなった。
帝国秘蔵の戦士。
ユシアン将軍部隊千機のみで進軍。
その時期も迫って来たのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
レイク王国に急報がもたらされた。
『守護者しす』
王と大臣達は直ぐに使者と階段をした。
「此処には詳しく書いておらぬが、どうやって殺せた?」
少し興奮気味な使者は言う。
「はい。殺せたのは3日前と聞いております。何でも毒を食べ物に混ぜて殺したとの事でございます、レイク王よ。」
「なんじゃ、詳しくは知らんのか?」
「申し訳ありません。しかし、約定は守りましたぞ。」
「ふむ。真偽はいずれ分かるが、もう一つの約定はどうなっておる?」
「はっ!三方からの国境の警備もほぼこちら側に着いています。」
「ふむ。使者殿には自信がおありですな。しかし、此方も軍備等の準備がもう少しかかります。その間にもう一度、ことの確認をする事が肝要ですな。」
「そうですな。使者殿も再度連絡を、我々も確認しましょうぞ。」
「くっ、分かりました。もう一度聞いてみましょう。しかし、早目にお決め頂かないと、熟れすぎて旨味も無くなってしまあますぞ?」
「分かっておる。」
会談が終わり、レイク王国は即座に動いた。
ファフレミア国に間者を送り、話の信憑性を調べた。
時間の勝負であった。
軍備も準備も、終わっている。
確かな確信が欲しいのが本音だ。
二日後、開戦の火蓋が切られる事になるのだ。
何でも大使が調印とかは出来ないそうだとか。
だから断ったよ?
出来ない事をしないのが一番じゃない?と思っていたのにねー。
大体の使者としての流れは、大使は相手国と、こんな同盟お願いします→相手国OK、書簡発行→戻って報告、同意書再度発行→大使、相手国に同意書持って話し合う、終わって日にち設定→戻って報告、日にちも報告→何回も往き来して同意書の会議を相手国で行う。と、長い長い話し合いがあるのだが、ムソニー王と重鎮の立っての願いで同盟の調印となったのだ。
大きくなった国が此れで良いのか問題だが。
ま、細々したことはアイがしてくれるだろうし。
全てアイに任せておけば安心だよね!
[肯定。]
さて、俺はお誕生日会の事に没頭だな。
日にちが少なくなってるからな。
特に来たお客達に返礼品も考えると駄目だよなー。と思考の海に沈んでいった。
既にお気付きな方もおられると思うが、ナインは拗れていた。
既にお誕生日会の域からはみ出ている事に気がついていない。普通のお誕生日会にお色直しや細かい芸等、ましてや返礼など有るわけがない。
金持ち風の考えやんとなっている。
発想よりも考え方に問題があるのだが、増長しているのにはアイが居る為であった。
サポートAIの本領発揮しつつ、ブライダル方面まで手を出しているのだ。
それは、マスターの為。
敬愛するマスターの結婚式の為の準備として、どの程度が受け入れられるのか、どの辺が嫌われるのかの実地調査の為である。
マスターの暴走に託つけて試験を行う。
一つのテストケースとしてムリカを同行させていた事は誰にも知られていない事だ。
他人には一切の情はない。
サポートAIのアイはナインの為にいる。
予定として返礼品に厚目のグラスを提案する。
ガラスのコップはこの世界はない。
ステンドグラスやすりガラス、メガネも姿見もない。あるのは、透明石と云われる透き通る石を使った物がある。分厚く重い為、加工するのに難易度も高く薄く出来ない。薄くも二十センチが限界なのだ。
姿見は魔道具にて水を枠に貯めるのが流通している。
ガラスの製法も無いのだ。
知識を持つものがナインであり、アイのみなのだ。因みに村にはガラスは有る。コップも有れば花瓶も有る。製造方法も伝えたが材料は教えていない。それがアイクオリティである。
なんにしても、ムリカの知らない所でお誕生日会が進んでいたのだ。
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「どぉおーりゃ!」
パッシュー
ブラウンジワイバーンの首に大剣を震う。
もちろん首は斬れて転がっている。
ズズーンと巨体な体も崩れ落ちる。
「流石です、将軍。A級もお一人で倒せるようになられて!陛下もお喜びですよ。」
タオルを将軍と呼んだ男に渡した。
「ああ、陛下も喜ぶだろ。」
受け取ったタオルで体に着いた血を拭い、大剣も拭いた。
将軍はそのまま歩いて行く。
タオルを渡した男が後ろで他の兵達に命令を出しながら追い付く。
「将軍、レベルはどうでしたか?」
将軍の笑顔から鋭い目が見受けられる。
「あー、上がったかもなー。でもな、デブー。誰を睨むのかな?」
「そんな事はありません。目が細いと言ってますし、あと、私はデブではありませんよ?デンブですよ。」
「デブもデンブも変わらないぞ。」
「私に向かってそう言えるのは将軍だけですよ。まったく変わらないですね、ユアン。」
「ユシアンな!お前こそ止めろよ。兵隊どもに聞かれたらザマねえからな。」
「はいはい、場の弁えは持ってますから。貴方の方こそ頼みますよ。」
「ふん。」
「もう若くありませんし、冒険してた若い頃のような言動も控えてください、将軍。」
「分かったよ。デンブ将軍付き補佐官殿。」
「ユシアン将軍、私は補佐官ではなくて副官です。」
「魔法使いの副官はおかしいだろ。」
「否定はしませんよ。ただ誰も貴方を抑える事はできませんからね。私も昔の好みで居るだけですから。」
「・・・・そうだな。」
「さあ、陛下に会いに行きますよ。」
「・・・・ちっ、分かった。」
二人は馬車に乗り込み城に向かう。タイク帝国の王城、エトカリナに向かう。
将軍の名はユシアン・フォゴット(男、42才、独身)冒険者上がりの将軍だ。
彼の台頭は仲間と魔森の冒険より帰る事からだ。
魔森での冒険の戦果だ。内容はブラウンジワイバーンの討伐。18人の奴隷と6人の仲間で戦ったのだ。途中でエルフの一団と協力したのだが、奴隷18人とエルフの全滅、仲間も二人亡くなった。この功績で帝国に召し抱えとなったのだ。
そのリーダーだった彼の働きも凄くて、魔森でレベルが上がっていったので、将軍となった。
彼のレベルも人類市場初の八百を超えた。
竜種も一人で狩れる腕前にもなった。
帝国秘蔵の戦士。
ユシアン将軍部隊千機のみで進軍。
その時期も迫って来たのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
レイク王国に急報がもたらされた。
『守護者しす』
王と大臣達は直ぐに使者と階段をした。
「此処には詳しく書いておらぬが、どうやって殺せた?」
少し興奮気味な使者は言う。
「はい。殺せたのは3日前と聞いております。何でも毒を食べ物に混ぜて殺したとの事でございます、レイク王よ。」
「なんじゃ、詳しくは知らんのか?」
「申し訳ありません。しかし、約定は守りましたぞ。」
「ふむ。真偽はいずれ分かるが、もう一つの約定はどうなっておる?」
「はっ!三方からの国境の警備もほぼこちら側に着いています。」
「ふむ。使者殿には自信がおありですな。しかし、此方も軍備等の準備がもう少しかかります。その間にもう一度、ことの確認をする事が肝要ですな。」
「そうですな。使者殿も再度連絡を、我々も確認しましょうぞ。」
「くっ、分かりました。もう一度聞いてみましょう。しかし、早目にお決め頂かないと、熟れすぎて旨味も無くなってしまあますぞ?」
「分かっておる。」
会談が終わり、レイク王国は即座に動いた。
ファフレミア国に間者を送り、話の信憑性を調べた。
時間の勝負であった。
軍備も準備も、終わっている。
確かな確信が欲しいのが本音だ。
二日後、開戦の火蓋が切られる事になるのだ。
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