転生国主興国記

hinomoto

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本章

馬鹿な

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城の王座にの席にベルクート・ファフレミア6世王は座っていた。

「ふー。レンビン、あの方に後何回頼るのか。」

「はっ。仕方ありません。古くもない我等の国に守護者様の庇護がなくてどうしますか。王として耐えて下さい。」

「分かっておるが、耐えられん。」

この場には15人の男性と2人の女性が居る。

「宰相殿。王はこの戦いの終わりを探されてるのです。レイ王国との戦いの後に獣国の侵略。まだまだ、続くのですよ?」

女性が喋る。王妃フラーフ・ファフレミアだ。
普通に喋りなから、宝飾を多数着た女性。

「お母様。戦いに終わりは無いのです。お父様には、頑張って頂かないと。」
青いドレス姿のフェリッタ・ファフレミア王女。
笑みを溢しているが、気持ちはない。

「フェリッタの言う通りだ。父王よ、やらねば!」
軍服を着たタレッタ・ファフレミア第一将軍。

「そう言うな、タレッタ将軍。父王の悩みも考えよ。」
白を基調にした豪華なローブを纏った、カラッタ・ファフレミア法務卿。

「はっはっはっ。カラッタ法務卿そんな事はないだろ?」
黒い豪華なローブがロンベルト・ファフレミア軍務卿。

「ロンベルト軍務卿、カラッタ法務卿の言葉も一利ありますぞ。」
緑色を基調にした豪華なローブを着た、ベファート財務卿。

「しかし、ベファート財務卿、決まった戦いに苦言も差されましても、如何なものかと。」
軍服を着ているレンハート・ファフレミア第三将軍。

「レンハート第三将軍閣下。財務卿も国の懐具もあります故の事ですぞ?」
白のローブを着たローグマル・エコンラテ法務局長が言う。

「そうだぞ、何とか民の犠牲も無く今回は乗り越えたが、何度も期待は出来まい。獣国を侵略出来てこそ、楽になるのだがな。頭が痛い事よ。」

「王よ!我等は先の国を考えているのですぞ!今を悩むよりも未来の為に我慢してくだい!」

此処までで、誰も感情を込めての話をしてはいない。
抑揚はついてるが何とも素人臭い演技であった。
家族劇団の様なお粗末な内容も、未来の為とか言ってるが実際には領土を増やして利権を増やして金を貯めてより巨大な権力を持つ。腐ったリンゴではなく、腐った国家の有り様であった。
実に毎回、同じ内容に沿って喋っている。
世代を跨いで、空間に閉じ込めた白龍の時代から行われた事だ。
人数、配役、割当てられたセリフ。
セリフも変更があるが、概ね同じ。
人が替わっても代役は即座に座らせられた。
数名の配役のみ知っていたのではない、城に居る者は全員が知っているが口外しない仕切りなのでこうなったのである。
座興の終盤に入り、泣き真似が行われていた。

腐った者は切り捨てないと治らんな。
気持ち悪い事だが、偽善者なら放っとけても欲に取り付かれた者に未来はないよね。
ドカーーン!!
扉が勢いよく飛んび、巻き込まれて8人は重傷確定だな。
泣き真似も止まり、いきなりの事にパニックになる。

「な、なにがーー」

15メートル先の壁に吹っ飛ぶロンベルト軍務卿。
気絶してしまっている。

「おにーー」

ファリッタ王女も壁まで飛んで行く。
頭は悪くないようだ。2回も同じようにしたので、声を出せば餌食になるだけだしな。
出たくはなかった。
クソ演技の中に入りたい人いる!
もう、小学生のやる気ない舞台に上がりたい人いる?って感じで逃げたくなったもん。
けどね。駄目だよ生け贄肯定したり、戦争で勝って当たり前、蹂躙して当たり前はないわー。
で、俺魔法でドーンとやりました。
フェルトさんも怒気でてますよ。
意識がはっきりとしたフラーフ王女が、

「この、下世話な者が!何をしてる!!」

と叫んだ。
うん。馬鹿だ。
壁にご案なーい。

「一つ聞きたい。」

俺の言葉に一同が固唾を飲んだ。

「貴族以上が正しいとおもうの?」

以下回答。

「貴族や王族がいてこそー」
「国を守ってこそー」
「貴族が民で王を守っているー」
「国民は王や、国に守られるだから、国や王に奉仕するのが当たり前ー」

はー、関わった以上仕方ないわー。
サクッと片付けるかー。
取り敢えず、此処に居る奴等はゴミだな。

「な、何だ、この力は!いったいぃぃぃぃー」

小さなブラックホールを一人づつ魔法を繰り出す。
ーーーーーーーグロいな。
うん。
だけど、フェルトさんも怒気は治まってないからね?
最初に扉で倒れた8人に魔法を使ったのに、

「あれは・・・・スキルか?あんなスキルなんて聞いた事がない。魔法でも聞いた事もないぞ。な、何なんだ・・・・・・」

分からない・・・・・の?
もういいか。

「フェルト、暴れてもいいよ。」

面倒だ。
戦争なんかもまだ起きてもいない。
起きてもいない事を嘆く真似も反吐がでるよ。

「ご主人様、直ぐに終わらしたいのですが。」

防壁用に魔力をアイさんの演算で影響がない様に即座に出してもらう。

「ああ、好きにしな。」

俺は外に出た。
慌てた衛兵が来るのを迎撃してしいる。
基本は睡眠の魔法で対応している。
対睡眠のスキルがある者もいるので気絶させたりと、実に面倒な事をやっている。
知らないと云うことは無い。
知っているが、手を出さない。
無駄な事をしないし、出来ない。
自分の手でも溢してしまうのに、何が出来ると?
神なら余計な事はしないだろう。
俺は人だから、全部を助ける事は出来ない。
でも、関わるのなら、やるよ。
徹底して潰して作るかな。
俺が表舞台なんか出ないぞ。
面倒な事は嫌いだ。裏で笑ってる方が好きだからな。
ん?腹黒?
そんなに誉めないでよ。

ドカーン!

終わったね。
苦笑いしか出来ませんわ。

「ご主人様、お待たせ致しました。」

笑顔で出てきたフェルトさん見てたら、お母さんって感じを受ける。
やっぱり親なんだね。
さて。
後の事を考えると、また痛むよ。

「ご主人様、戻りましょう。」

笑顔のままのフェルトさん。
その笑顔に考えるのをやめた。
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