転生国主興国記

hinomoto

文字の大きさ
上 下
75 / 253
本章

御者をしてみた

しおりを挟む
俺は今、運転席の改造に構想を考えている。
まず、日差し。眩しかったり、暑かったりとキツイ!虫も問題!突風も困る!
本当に大変だったよ。
本当にアイが大変とか問題あるとか言わないし、ムリカも言わないから分からんかったわ。
内装に拘ってたのにね。
うーん。
やっぱり、馬車には限界あるな。
自動車タイプにした方が良いけどなー。
異世界に自動車はありだけど、矜持がーー!!
でも、やれるまでやるよ。
で、考えてるのよ。
何を考えてるか?
いやね、何で御者をしてるのかですよ。
まぁ、アイさんの指示ですね。
何故なのかは分かりませんでした。
本当に面倒です。
一番に嫌なのが、見られることです。
すれ違う度に振り返えられる。
まったく失礼な。
子供が馬車(大型豪華箱馬車)を引いて何が変なのか分からん!
取り敢えずー、暇何だよね。
ひまー。
ん?
音楽ほしいな。
楽器かー。
ギターだな。
うん。
引けないけど、アイさん居るし。
脳内カラオケも良いけど、音楽出来たらとかあるし。
ギター。良いかも。
ベタやけど、下手やけど。
馬車は勝手に歩いてくれるし。
安心、安心。
ギターは大きくない方がいいよね。
体に合わしていこう。
すでにあるギターより小さなギターを取り出す。
天は幾つもの才能なんかはくれていない。
やり始めて、続けるから上手くなる。
変な癖や、考えて方が自分を固めてしまい出来なくなる。そう考える彼であった。
下手なギターの音色に、振り返える人が増えたと書いておこう。


ーーーーーーーーーーーーーーー

ファフレミア国の首都、ファフレミア。
エルフの国で精霊に護られている。
それがこの国だ。
精霊に護られていると言っても、本当にそうかと云えばそうでもない。
他の地より精霊がいつく事があっても、護られる訳でもない。精霊魔法が使えるだけで、精霊を使役できる事もない。
だから守護者を絶対視しており、神の如く奉っている。

「守護者様、ご報告を申し上げます。」

巫女の格好で入るエルフは怯えていた。
いつ喰われるか分からないからだ。

「なんだ?」

寝たまま、思念が翔ぶ。
安堵の表情を一瞬して、再度礼を尽くす。

「はい。ギルド長クラック殿よりの陳情で、幼子の為に宝珠を使えないかと来ております。如何致しましょうか。」

聞くではなく報告である。
頭を下げたままの巫女に汗が走る。

「幼子か。ふむ、勝手に使えば良い。」

「ありがとうございます。」

「ただし、この場に連れてこい。」

「わかりました。」

巫女はそのまま下がった。
彼女は知っている。
かの方が幼子が好物である事を。
涙をこぼしながら歩いていく。
言葉を伝え、連れて行かなければ。
もし、連れて行かなければ国に災いが起きるのだ。
気丈にしなからも、歩いていた。

「幼子か。俺の好物がまた来るのか。」

ぐごごごご、と喉を鳴らす。

この地は精霊ではないモノに護られ、支配されている。
他国から攻められないエルフの国、ファフレミア。
本当の姿は知られる事はない。
国王と国政を知る上位と守護者の巫女と司る者の極わずかの極秘事項なのだから。


ーーーーーーーーーーーーーーー

「コード合ってる?Gコードってこれ?この音なの?えっ、全部鳴らさないの?えーー。」

ギターの練習で躓いていた。
コードから入ると息巻いていたが、それも躓いていた。
ドレミの音階も関係無しで始めて躓いていた。
馬鹿ではあるが、指導してくれるアイがいる。
ギターに一生懸命なのだ。
面倒な事に巻き込まれたのに、関心もない。
そんな事よりもギター。
そして、カラオケをしたいのだ。
それも、壮大に出来るようにしたい。
全部の楽器と音楽をマスターしてコンサートをする計画だ。
出来なかった事をしたい!
実は彼の野望であった。
のんびりよりもやってみたい事に全力で行う。
予定はずれようが遅れようが、急ぎ以外ではこんなものである。

「とりあえず、三コードのマスターだ!!」

[マスター。強く引きすぎです。]

「きー!」

[はい、もう一度。]

馬車はのんびりと首都に向かっていた。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!

八神 凪
ファンタジー
勇者パーティに属するルーナ(17)は悩んでいた。 補助魔法が使える前衛としてスカウトされたものの、勇者はドスケベ、取り巻く女の子達は勇者大好きという辟易するパーティだった。 しかも勇者はルーナにモーションをかけるため、パーティ内の女の子からは嫉妬の雨・・・。 そんな中「貴女は役に立たないから出て行け」と一方的に女の子達から追放を言い渡されたルーナはいい笑顔で答えるのだった。 「ホントに!? 今までお世話しました! それじゃあ!」  ルーナの旅は始まったばかり!  第11回ファンタジー大賞エントリーしてました!

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

処理中です...