転生国主興国記

hinomoto

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本章

考えるなかんじろ

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俺の朝は早い。
起きて直ぐにストレッチをする。
10分ほどして、今度は走り出す。
20キロを走るのだ。
まだ、体が大きくないので走る速さは出ないが、持続することが大事だ。その後、体術、武器降りを行う。動作も大事だ。
だが、走るのは良い。
この緑多い遊歩道を走る。
たまに巡礼者から挨拶が交わされるのも良い。
それにランニングウェアと靴は今作のデザインなのでお気に入りだ!

全てにおいて、この時代背景を無視をした彼の姿を変に思いつつ巡礼の人の流れは尽きない。

「気持ち良いな!」

今の彼は魔力もスキルもなしで体を動かしている。何故か?決して運動最高!とか武器とか持って一狩りするぜ!とかもない。
ただ、彼の悩みの為である。

ランニング等の運動の後は風呂に入り汗を流し、牛乳を飲む。
その後、朝ごはんを食べる。飲み物は牛乳だ。
朝食後から10時まで研究ラボに籠る。
10時の牛乳が旨い!
またラボに戻り、昼まで籠る。
昼食の飲み物、牛乳を頂き昼寝。
一時間したら、また、体を動かす。
三時に牛乳だね!
五時までかかるが、終わればのんびりする。
その間の飲み物は牛乳である。
そう、彼は身長で悩んでいた。
十歳なら130~140cmあれば良いのだが、まだ120cmしかないのだ。
伸ばす事。今の彼にはそれだけしかなかった。

ーーーーーーー

時を同じく二人の兄妹がライラック王国から逃げていた。
たまたま、魔森の近くで馬車がゴブリンに襲われたのである。
無論、冒険者も居たが数が多く荷物を捨てるかの岐路に経たされた商人は、逃がす事を選択する。
自分が助かるために。
荷物とは奴隷てまある。
彼は奴隷商人なのだ。
荷は子供が十体だけの小さな商いだ。
生きるタメの行動をとる。
荷を盾にすると、冒険者を引き連れて商人は逃げ去った。
絶望の中、ゴブリンに蹂躙される中で兄妹は魔森に逃げ込んだのだ。
人の悲痛の声がする。
兄妹は生きたくて逃げた。
死ぬかもと思いながら逃げた。
魔物から逃げるため魔森の奥へと逃げた。
魔物が跋扈する中、夜は寝て木の実を探して食べ水しか飲めれば良い日もある。
恐怖と圧し殺しながら、妹を励まして歩いた。
30日を数えただろう。
森が開けた。それして出会った。

「おっはよー! うっ!?」

変わった服を着た小さな子供に言われた。
ピッタリとした黒い布の上着、黄色い半ズボンに下に黒い布。
足元に変わった靴を履いている。

「!!!声を出すんじゃない!」

即座に彼の口を押さえる。周囲を確認した後に小声で、

「よし、大丈夫だ。お前、そんな格好で逃げていたのか?」

突如、ぐーっ!と、お腹の音がなる。

「それより食い物ないか?妹だけでもいい!食べさしてくれないか。」

「はっはっはっ!腹が減ってるのか!じゃぁ、こっちに来い!」

大声で話し、来た道を戻りだす。

「どっから来た?巡礼にしては貧乏そうな格好だなー。臭うぞ?風呂に入って無いのか?」

また、大声で話す。慌てて兄は近寄ると、

「な、なに言ってる!死にたいのか!大きな声はーーー」

その時、彼は死んだと思った。
絶対なる魔獣。
見てはいけないと思ったが、ドラゴンと目があったのだ。

「サラ・・・・」

と、意識が遠退いていった。
《守れなくてごめんよ・・・・・・》


「おーい、おーい!ちっ。仕方ないバッチイが担ぐか。おい、お前。付いて来いよ?」

俺は気絶した兄を担ぐとのんびりと歩き出す。
臭いが、こちらも汗をかいている。
なので、おあいこだろう。

「腹減りすぎて気絶したのか?お前の兄貴は大変だなー。」

近づいてきた妹の耳を触る。
気持ちが良い。フカフカだ。毛は硬いが。

「お前も風呂だな。飯が先か?あー、腹が辛そうだな。分かった。ケモミミ触らしてくれた礼だ、転移するか。」

そう言うと。彼らは消え去った。
消え去った後に巡礼者の集団が過ぎていった。


ーーーーーーー

美味しそうな匂いだ。

「!飯!!」

起き上がると飯に食らいついた。
お腹に何かが入るのは久しぶりだ。
ひとしきり食べ、落ち着くと周りを見た。
貴族様のベットに見たことのない家具がある。
それに食器。
値打ち物だと分かる。見たことも無い食器だから。
それと、臭くない自分。
いや、良い匂いがする。
服も柔らかい。
天国?そうともとれる感覚にとらわれる。

「きゃきゃ!これ、もう一度していい!!?」

はっ!妹の声だ!
そう思うと、声の方に向かい歩きだした。

「サラ、サラ、サラーーー!!」

「おにいの声だ!!起きたよーー!!」

部屋から出て来る。綺麗になった妹。綺麗な服も着ていた。 

「サラーーー!!!」

「おにいーーー!!」

抱き合う二人。
感動している。

「やっと起きたかー。飯は食ったな?ま、ゆっくりしいや♪」

涙目のまま、声の方に向かい、

「ありがとうございます!」

と、頭を下げた後に彼を見る。
どう考えても魔森で出会った彼だ。
またもや見た事もない服を着ている。

「てっ!生きてる?生きてるよ!!」

泣いている妹を抱きながら、更にパニックを起こす。

「生きてるし、うるさいよ。」

「魔森じゃない!?夢??」

「夢じゃない。てか、俺の家でだぞ。魔森?とかではないぞ。」

混乱した頭の状態で状況の把握に一杯だ。

「マスター、遅くなりました。後を引き付きます。」

声がする。
後ろから現れた女性に顔を向ける。
美人な人間だ。
黒いメイド服なのだろう。高級そな服だ。
しかも彼に敬うのか?
彼は貴族様だ!

「じゃ、後を頼むよー、サラっちまた後で!バイバイキーン。」

と消えた。
えっ?
状況が掴めないまま、ここに居ることに安全を感じたまま呆然としていた。
メイド服の女性から話しを聞かれるが、
しばらくは、まともな話しは出来ないでいた。

転移の先は森の中である。

「ちょっとは冒険やれる!剣と魔法とか使って魔物を狩ってみる?」

俺は久々に心踊った。
そして、ドラゴンと目が合う。
ドラゴンは泣きながら逃げ出した!
俺、泣いてもいいですか?



兄は一つだけ思った。

《ここはいったいどこ!!!!!!》
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