転生国主興国記

hinomoto

文字の大きさ
上 下
33 / 253
本章

閑話 歓迎会

しおりを挟む
我々が、気が付いたのは夜であった。
神龍様の住みかと麓の間に居たと思うが、既に景色が違う。何故か?
先程まで暗く、星も見えなかったが。

「飯くう?」

の神龍様の一言で、雲が無くなり星が輝き篝火がついたのだ。
神のお力!と思う者も居るが、決して違う。
神龍様にお聞きした私だから解る。
立派な神殿である。
三神様は新しい住みかを確かめるべく、其々の場所に向かわれた。
で、飯である。テーブル、椅子、食器類は人数分。わからない食べ物、果実の実等多数。
お一人でご用意されたのか、当たり前の用に給仕の如く飲み物を注いでくださる。

神龍様は神ですよね?

「あ、あの此れはいったい?」

誰かが聞いた。

「これ全部、俺の自信作よ。旨いよー。食ってくれ。」

我々は恐る恐る向かうが、白龍親子は直ぐにテーブルに向かい、

「お腹空きましたから、先に食べます!「「いただきます!」」」

と両手を合わせた後、怒濤の勢いで食べていく。
いや、神の前だぞ?
我々も座り手を合わせ皿に食べ物らしき者を取り分けていく。スパイスが効いてるのか美味しい薫りが花をくすぐる。スプーンを手にし分からないモノを口に運ぶ。未知の恐怖と鼻孔の期待を天秤にかけるが、腹の虫が騒ぎ出し食べてしまう。
食べた瞬間の声にならない声を挙げた瞬間、そこは戦場とかす。
一切と話をせず、ただ、手と口を動かし食べる。
未知のどうの理屈も無く、食べる。
お行儀良くで無く、奪い合う様に貪り合う。
未知のモノを食べたが食べたりない。
そこへ、三神様と共に神龍様が帰って来た。

「お♪やってるー、料理、足りてる?」

「あ゛ー、先に始めるとは!ずるいぞー!」

一神がテーブルに向かい参戦する。

「・・・・・あれは、神なの?こどもか?」

神龍様のお声も届かず、食は続く。
二神も食の戦場に参戦する。ともかく食う、飲む。
が、それは起こった。

「「げぇひいいいぃぃい、あ、ばばばばばば!!!!」」

海神獣様とラコットメグサ殿が席より立ち上がり飲み物を飲み干す。

「「ほーー!!くちっ!!ほーーー!!痛い?い、いたたたたあ!!!!」」

二人がのたうち回る。

「どーだ!駄目ダメコンビ!特性の濃縮百倍のデスソースは如何ですかーー!!あっはっはっはっ!」

そう、のたまう神龍様。
長い白帽子に白い服を着られている。
私には帽子しか見えないが、楽しそうだ。
そこからは優雅に穏やかに譲り合う食事会がはじまった。
ただ、

「水!ごくっごくっ!いだあーーい!」

「からぁい、あひゅるひだま、クチあぶいぃぃぃ!」

のBGMを除き、落ち着きのある食事会だ。
決して関わらない様に聞こえ無い振りは当然だ。
同じ目に合いたく無いのだから。
無視を決め込むと、同席した我らはアイコンタクトを取る。
神龍様に話題を向けた。

「神龍様、この御料理はなんと云う食べ物ですか?」

「此方の食べ物はどう調理されたのですか?」

「いや、この飲み物!我らの酒と違いアルコールも無いのに同じのど越しで、果汁のようなこれは何ですか!?」

と、和気藹々と食事会は進んで行く。
それと共に神龍様は怒らせない、近づかない、飽きさせない事を胸に留めた。
決して同じ目に合わない様に。



「いだぁい、したいたぁい!」

「くちぃ、くちぃ!とひぃらべへんー!」
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

転移術士の成り上がり

名無し
ファンタジー
 ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...