転生国主興国記

hinomoto

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さぶはきらい

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「行きましたな、ランバルト殿。」



ラルデバラートは嬉々として泳ぎ抜けたのには、かなり恥ずかしい。



「お恥ずかしい処をみせた、ラプトプ殿」



情けないと恥ずかしいが同時に感じてしまうのは、子として当然のことだ。特に親の屑な部分は当然に知っているが、他人にも見せる恥体は辛い。



「しかし、ララルバートがこの場所と予想されたのがピッタリ当たりを引き当てるとは、流石ですな、ラプトプ殿は。」



「いえ、私は神龍様の御心に従っただけで、予想よりも直感に近いものでしたから。」



油断はないが、つい自分の実力を知ってもらうのは気分が良いラプトプであった。



「ランバルト殿、護衛達がどっかに行きましたよ?」



「ほんとうだ。しかし、ララルバートは出掛けてないぞ?」



一瞬にして緊張が走る。

気がそれた事はないし、他に出口がないから間違いなく、建物に居る。

だが、万が一が無いとも言えない。



「聴力を上げてるので、静かにしてもらうぞ。」



「は、はい。」



「【超常に控えし深き仲より卑雁香ふ夜咬みを用いて、陽臥釐の莵瓠の經の踴噐に幇じふ】部分仮力、異常聴力」



自分の息が心臓の音が、小さな音が耳に聴こえてくる。それは、他人にも通じ、色んな音を拾う。

ランバルトはそんな音を識別しながら、建物の音を探っていた。

小さな音が耳に聴こえてくる。

それは、息の音が二つ。大きい?いや、早い。そして荒い。濡れた音もする。

経験がなければ、音で何をしていたのか分からない。

必死で音を拾い、構築している。

二つの息は離れたり近付いたりしていた。濡れた音も音が響いている。

意味が分からない。それと、声も聞こえてきた。

あぁ、良い。とか、あぁぁん。とか、何をしているのか分からないし、ぐちゃぐちゃとかも分からない。ぱんぱんぱんって何をしている?

他の音に潰れて行くので魔法を解いた。



「うぅ、耳が。すまんラプトプ殿。しばらくは使い物にならないが、聞いた事を喋る。とにかく、あぁ良いとか、そことか、あぁぁんばかりだったのと、ぐちゃぐちゃとぱんぱんぱんの音が聞こえた。私は分からないから、ラプトプ殿も考えてくれ。あぁ、うぅ。」



倒れて苦しむランバルトを介抱しながら、ラプトプは考えていた。

一体、何の暗号だろうか?ぐちゃぐちゃとぱんぱんぱんは何の事なんだろうか?

ん?まさか、まさかね。

嫌な想像が浮かんできたので、速攻に否定していた。

海人の生態は陸とほぼ同じと思って貰えればいいが、竜は発情期があり、人と違って抑制されていたはず。

それに・・・・・



建物の方に顔を向けると、ラプトプは嫌な顔をしだした。



あの二人は男なのに・・・・・するわけないよな?種族は同じだが、出来るのか?いや、それよりも男で?

ラプトプは混乱した!

想像と混濁を往き来して朝を迎えてしまう。



「またな、ララルバート。」



「うん。ロザンビーク。」



いとおしい二人と、青ざめるラプトプ。

そして、



「待って。」



「ん?」



「んー。」



周辺を気にするロザンビークはそのまま・・・・



チュ、~~~~~。



ロザンビークとララルバートは本当に惜しむ様に別れた。

ララルバートは姿が見えなくなるまで、その場に立っていた。

そして、ラプトプは頭を抱えていた。

男と男?いや、種族を越えれる人なの?いやいや、いやいや、いやいや。
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