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本章
神龍の憂鬱
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面倒な事だ。
実に面倒だ。
ただ、話すだけなのに、正体が張れたのだ。
考えてみて欲しい。
君は神になりたいか?
古の神々は我が儘に栄華を欲しいままに生きたように書かれたが、地上の支配者としての神であった。生死を管理して、我が儘も言わず、勤勉で常しえの時間の中を機械のように生きて居たいか?
ここの神は地上にも居れて、世情にも力を貸したりもしてい(主に獣国)る。が、神は永遠に生きるから嫌だ。死んで生まれ変わるから、人間は面白いのだ。それを捨てる?ははっ、僕にはむりだ。だから、神にならない。職業として飾られても、生きざまを神にはしたくない。
なのに、
「「神龍様ー!」」
興味が無いから捨てても良い?とは聞けない。
だって事が済んで無いからだ。
「レプート。」
「なに、ですか?」
「・・・・もういい。ラプトプとロレンチーニ。」
「「はっ!」」
「まずはエイ族とサメ族は直ぐに獣国に行くこと。ラプトプはランバルトを連れてヒレ族を抑えろ。ロレンチーニはレプートを連れて蛇族のララルバートを見つけろ。後はアイが指示を出す。」
「分かりました!」
「命を承ります!」
二人の顔つきが変わる。
「レプートは百の水に強い奴等をアイが呼ぶから、ランバルトと分けて使え。」
「はい!」
「バハトルとブリトニアは地上に戻り続きを。フェンリルはお疲れさん。」
「「分かりました。」」
「そ、そんなー。」
「各自取り掛かりな。」
「「「「はっ!」」」」
一斉に出て行ってしまった。
この後は落ち込みたいが、出て行かない奴がいた。
「俺にも何かちょーだい!」
「無いから。」
「何か欲しいなー。」
つぶらな瞳で何かをおねだりしてくる。
この可愛いポイントを知っているからあざとい。
「無いよ。」
「くぅん、くぅん。」
「帰りな。」
「ちぇ。ケチ!帰るもーん。」
「間違っても、獣国に行くなよ?」
「ギクッ。な、なんの事かな~。」
シッポは既にお腹の下だ。
「ウッカリ行っちゃた、は、怪獣決戦の場所になるからな?」
「そんな事はないですよ~。」
「魔森は俺の家と村がある。此れに被害があれば、分かって、る?」
ナインの殺気が漏れだした。
フェンリルはフカフカにしている毛も濡れて垂れてしまい、触り心地は良くないだろう。
「は、はは。行くわけないです。家は翠国デスカラ。」
「それは上々。」
「か、帰ります。」
ガタガタと震えながら泳いで逃げ帰ったようだ。
流石フェンリルとしておこうか。
それにしても、管理者の意図が読めない。
放り出された砂漠から翠国になってしまった。獣国は、いや、獣国も同じな様なものか。他に海も他の大陸もある。
いっぺんに統一にしてしまえば、欲で人が変わる。
権力を持てば、大抵は思想も欲も変わってしまう。いや、変えなくては権力の前では抗えないからだ。
欲が無いのは死んでいるか、阿保なだけなのかと言いたい。欲がなければ人でも神でも無いからだ。
例えば無料の医者が居たとする。それで何が出来る?
自分の財が有る内は何とかなるが、金が無くなれば誰も見てくれない。何とかなるって程に破滅に近づいている。
そんな未来は望んだ未来にはならない。
人の世界で望み通りに出来る人が居ないと同じだ。
我が儘が大きいと何も得れないのは、何処の世界でも、どんな人種でも、文明がどんだけ進んでも人の欲は変わらないからだ。
無駄に肥大するだけ。
それだけ神をしたくなければ、国は?となる。
獣国や翠国は中央大陸の二大大国を作ったのに支配はしていない。国も持つのはもっと嫌いだからだ。
何故か?簡単に縛られるのが嫌いなだけだ。
下水や上水の建設や、建物の基礎、農業や林業、畜産それとそれらから集めれる素材からの反物や調味料等の開発が好みであって、その行為に邪魔をする者を嫌うのである。自分をある程度は理解しているが、だから縛られない生き方を優先しているのは我が儘である。
偉いや敬われたいは面倒以外ナニモノでもない。
神を職業の一つであって、真面目にする事ではないからだ。
職人こそが本分かなとは思っている。そんな適当男が神をしてますは迷惑以外でしかない。
人に張らすのは、三戸の印籠のようなものだ。
黄門なら黄門で居たい。
特に十代の楽しいはずの時間が殺伐なのだから、改造しまくりの毎日だ。ま、アイが居てくれて安心だが。
落ち込みよりも、周りの賑やかさで大変なのだ。
余裕は何時もないから実に疲れる毎日なのだ。
何かを考えるよりも適当に生きたい。
その為の土台作りをしっかりしたいのだ。
それを邪魔をする管理者は敵でしかない。
排除出来ないから、敵なのだ。
面倒だ。
ナインの悩みは尽きないのだ。
実に面倒だ。
ただ、話すだけなのに、正体が張れたのだ。
考えてみて欲しい。
君は神になりたいか?
古の神々は我が儘に栄華を欲しいままに生きたように書かれたが、地上の支配者としての神であった。生死を管理して、我が儘も言わず、勤勉で常しえの時間の中を機械のように生きて居たいか?
ここの神は地上にも居れて、世情にも力を貸したりもしてい(主に獣国)る。が、神は永遠に生きるから嫌だ。死んで生まれ変わるから、人間は面白いのだ。それを捨てる?ははっ、僕にはむりだ。だから、神にならない。職業として飾られても、生きざまを神にはしたくない。
なのに、
「「神龍様ー!」」
興味が無いから捨てても良い?とは聞けない。
だって事が済んで無いからだ。
「レプート。」
「なに、ですか?」
「・・・・もういい。ラプトプとロレンチーニ。」
「「はっ!」」
「まずはエイ族とサメ族は直ぐに獣国に行くこと。ラプトプはランバルトを連れてヒレ族を抑えろ。ロレンチーニはレプートを連れて蛇族のララルバートを見つけろ。後はアイが指示を出す。」
「分かりました!」
「命を承ります!」
二人の顔つきが変わる。
「レプートは百の水に強い奴等をアイが呼ぶから、ランバルトと分けて使え。」
「はい!」
「バハトルとブリトニアは地上に戻り続きを。フェンリルはお疲れさん。」
「「分かりました。」」
「そ、そんなー。」
「各自取り掛かりな。」
「「「「はっ!」」」」
一斉に出て行ってしまった。
この後は落ち込みたいが、出て行かない奴がいた。
「俺にも何かちょーだい!」
「無いから。」
「何か欲しいなー。」
つぶらな瞳で何かをおねだりしてくる。
この可愛いポイントを知っているからあざとい。
「無いよ。」
「くぅん、くぅん。」
「帰りな。」
「ちぇ。ケチ!帰るもーん。」
「間違っても、獣国に行くなよ?」
「ギクッ。な、なんの事かな~。」
シッポは既にお腹の下だ。
「ウッカリ行っちゃた、は、怪獣決戦の場所になるからな?」
「そんな事はないですよ~。」
「魔森は俺の家と村がある。此れに被害があれば、分かって、る?」
ナインの殺気が漏れだした。
フェンリルはフカフカにしている毛も濡れて垂れてしまい、触り心地は良くないだろう。
「は、はは。行くわけないです。家は翠国デスカラ。」
「それは上々。」
「か、帰ります。」
ガタガタと震えながら泳いで逃げ帰ったようだ。
流石フェンリルとしておこうか。
それにしても、管理者の意図が読めない。
放り出された砂漠から翠国になってしまった。獣国は、いや、獣国も同じな様なものか。他に海も他の大陸もある。
いっぺんに統一にしてしまえば、欲で人が変わる。
権力を持てば、大抵は思想も欲も変わってしまう。いや、変えなくては権力の前では抗えないからだ。
欲が無いのは死んでいるか、阿保なだけなのかと言いたい。欲がなければ人でも神でも無いからだ。
例えば無料の医者が居たとする。それで何が出来る?
自分の財が有る内は何とかなるが、金が無くなれば誰も見てくれない。何とかなるって程に破滅に近づいている。
そんな未来は望んだ未来にはならない。
人の世界で望み通りに出来る人が居ないと同じだ。
我が儘が大きいと何も得れないのは、何処の世界でも、どんな人種でも、文明がどんだけ進んでも人の欲は変わらないからだ。
無駄に肥大するだけ。
それだけ神をしたくなければ、国は?となる。
獣国や翠国は中央大陸の二大大国を作ったのに支配はしていない。国も持つのはもっと嫌いだからだ。
何故か?簡単に縛られるのが嫌いなだけだ。
下水や上水の建設や、建物の基礎、農業や林業、畜産それとそれらから集めれる素材からの反物や調味料等の開発が好みであって、その行為に邪魔をする者を嫌うのである。自分をある程度は理解しているが、だから縛られない生き方を優先しているのは我が儘である。
偉いや敬われたいは面倒以外ナニモノでもない。
神を職業の一つであって、真面目にする事ではないからだ。
職人こそが本分かなとは思っている。そんな適当男が神をしてますは迷惑以外でしかない。
人に張らすのは、三戸の印籠のようなものだ。
黄門なら黄門で居たい。
特に十代の楽しいはずの時間が殺伐なのだから、改造しまくりの毎日だ。ま、アイが居てくれて安心だが。
落ち込みよりも、周りの賑やかさで大変なのだ。
余裕は何時もないから実に疲れる毎日なのだ。
何かを考えるよりも適当に生きたい。
その為の土台作りをしっかりしたいのだ。
それを邪魔をする管理者は敵でしかない。
排除出来ないから、敵なのだ。
面倒だ。
ナインの悩みは尽きないのだ。
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