転生国主興国記

hinomoto

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本章

ばかさわぎ

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「はっ!」



目が覚めると、



「何処だ、ここ?ん、ロレンチーニ?」



机に気持ち良さそうに寝ている。



「起きて、起きろって、ロレンチーニ!」



「んぁあ?じいさん任せとけ!」



「起きてー!」パーン。



ロレンチーニの頬を叩いた。



「えっ。なに?あぁ、ラプトプか、お休み。」



「寝るな!起きてくれよ。」



「もう!起こすなんて。はぁぁーあ。」



「寝ないで下さいよ?」



二人は落ち着きを取り戻したが、異様な雰囲気が辺りに漂っていた。薄暗い部屋を見渡したラプトプはロレンチーニに抱き付くように怖がった。



「どうした?」



「に、兄さん。あ、あれ。」



「ん、何か怖がって無いか?どれ、何がある、ひ、ひいぃぃぃ!」

「わあぁぁぁ!」



天井近くに4つの物体が浮かんで居たのを見た瞬間に驚いてしまったのである。

ドタドタドタとの此方に来る音と、



「なんだ!なんだ?」



のナインの声が聞こえた。ラプトプは直ぐさま、



「何か、何かいる!ナイン、何かー!」



「ぎゃあぁぁぁぁああ。」



阿鼻叫喚とはこんな感じだろうか。だが、おっさん二人の叫び声は、もっと恐怖だ。

光りが灯ると、



「「ぎゃあぁぁぁぁああ!」」



叫ぶ声は汚い。

ナインは何と無く理解した。浮いている物体に恐れているからだ。浮いている物体は4つ。ナインに遊ばれた4つの神達の寝相の悪さが伺える。



「うるさい!まずは落ちついて!」

バリバリバリバリバリ



ナインは電撃を食らわす。

それは盛大では無いが、二人にダメージが行くのではない。二人と周りの者にダメージが行くのだ。

尚、ナインにダメージはない。ピリピリした電気風呂みたいな感じを受けるだけである。



「「「あ、う、い、け、て、ばぁあー!」」」



雷に打たれたのとは違う痛みを受ける。



「ナイン様、痛い。」



「おはようございます。」



「おはよう。」



「誰だこんなことをするなんて!」



レプート、ブリトニア、バハトル、フェンリルはそれぞれの挨拶をした。でも、

バコーン。ドゴンッ。



「おはよう。何か犬が歯向かうね。」



何時もの如く蹴散らしていた。



「レプート、ラプトプさんに説明できる?」



「話を、します。」



「「・・・・・」」



二人は、もう一度顔を見合せて頷くと地べたに正座をした。



「あなた様は海獣神レプート様、ですか?」



ロレンチーニが聞いた。



「そうだよ。」



二人して頭を下げた。



「我等は見捨てられてなかった・・・・・。」



「許して貰えるなんて・・・」



二人して涙を流していた。



「あれって、あの話は聞いてないのね。」



「多分、何かしてたから内容は知らないね。」



「何の話ですか?」



「あぁ、知らない話だよ。」



「そ、レプートが神龍様の勧誘で海に良く来ているのを知らないってこと。」



「会った、こと無いから、知らない。」



4神が普通に話をしている。



「「べっ?」」



涙と鼻水でグショグショだった顔を上げて、水が止まった。



「馬鹿でしたか。」



「馬鹿ですね。」



「俺よりも馬鹿。」



「馬鹿。」



と、辛辣に答えていた。



「「ど、どう言うことですか?」」



「君達が知らないだけで、レプートは海神よりも偉い神龍様を信じなさいと、あちこちで勧誘してたのにね。」



「バーカバーか。」



「「ええー!」」



またまた、二人は驚きを隠せなかった。



「長いよ。とりあえずもういい?」



「ナイン様の偉大な功績を伝えるのが残りましたな。」



「獣国の位置とか配下の者は知っていない?」



「知ってる。」



4神でとどめな事を話していた。

二人にとっても、自らの行動が意味がなかった事と心配事が消えて安心していた。



「あ、あの、レプート様。」



「なに?」



「何でナインを様付けをされているのですか?」



「神龍様、だから。」



「な?」

「まさか、はは。」



ラプトプとロレンチーニは知って良いのか、いや、最初に感じたあの感覚を超えて、それを深淵に沈めても百倍も理解はしたくなかった。知りたいとも思わなかった。

知らないで起きる未来と、知ることで起きる未来では万倍も違う。知らないなら未来と受け止めれるが、知ることで先を知る事は、もう未来ではない。それはゲームだからだ。

だから、レプート、バハトル、ブリトニア、フェンリルは頷く。

ラプトプとロレンチーニは落胆するしかなかった。



「「うそだ。」」



最後の抵抗も虚しく散る。



「僕が神龍だよ。」



この時のナインはふてくされた様に言っていた。
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