転生国主興国記

hinomoto

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サメとナイン

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“人の評価は宛にならない”

は、どこの世界でも変わらない事だ。

正義な人が残虐な事をしているのは事実な事だ。

特に戦場の英雄は稀代の殺戮者でしかない。

守る為に戦って、守る為に殺した。

要は、ただの殺人者か守る者は、心の在りように変わる。殺されない為に殺すは、生きて行く上で当たり前であり、普通なのだ。

良い土地に移りたいも、あれが欲しい、これが欲しいも欲が在るから考えるものだ。

シャチ族の進行も、家族を守る為に行ったし、クジラ族も家族を守る為に行ったし、エイ族もイワシ族もあらゆる種族が守る為に戦っている。

サメ族を覗いて。

サメ族は他種族の子供を奪う為に、海賊になっていた。

土地を得る為に海中を探し、島を見つけ、魔物を駆逐し一族を移住させた。

そして、色んな種族を集め、育てて新たな新天地に逃がしたりしてきた。

海も地上も海賊だが、一方では義賊とも呼ばれるのだ。

だから正義ではなく、悪と認定されているのだ。

そんな最中でも、ロレンチーニはラプトプに会うべくして歩いていた。異常なくらいの邪魔は今まで無い事だ。襲う船を特定できる事はなかったし、また先回りをしてまで先制攻撃を受ける事がなかっただけに何が起こっているのかが知りたかったのだ。そのれだけの慎重か無謀な行動をしていたのだ。

逆に一人なら捕まらないとも思っていた。

海賊が一人で自由に歩き回らないと確信していたからだ。



「早くラプトプを探さなくては。」



「おじさん、一人?」



「・・・・・・・・」



「おじさん?」



えっと、ここは海底です。

そして、この子は海人ではないね。人種だ。うん。男かな?女かな?じゃない。てか、海底に人の子?いやいやいやいや。



「何か疲れてるのか、幻だよな。」



「何が幻?」



うん。違った。まてまてまてまて!

ここに人の子?いやいやいやいや。あり得ないし、どうゆうこと?



「おっじさーん?」



「はい?」



待て!人の子!



「空気?いや、海面に!?」



人の子の手を取り、海面に泳ぐ前に倒された。



「えっ?」



「大丈夫?あー、息は出来ているから大丈夫よ。」



明るく答えている。



「あ、うん。そうなの?」



「そうよ。」



「でも、海人以外で海中で息が出来るなんて。」



「あ、魔法でやったから。」



「そうなの?」



「うん。何かペカッて出来たよ。」



笑顔で話してくれるのだから、嘘ではないし子供に嘘なんか無いだろう。実際に海底に居るのだから。

上半身を起こしながら、



「確か海でも息が出来る魔法は聞いた事があるな。どれくらい前に使ったの?」



確か魔法の効力は弱く、30分ほどだったかな。早く陸に返さないと、と心配をしていたのだが、



「んー、ここに来て3日目かな?」



「はっ?」



「四日目だったかな?」



腕を組んで悩みだしたよ?いや、何処に3日も4日も海中に居れるの?陸地に戻さないと!



「いや、それよりも大丈夫なの!」



「んー、ん?大丈夫だよ。」



「何で、だ」

「それよりも、おじさん!」



「は、はい。」



「町まで連れて行ってよ。」



「はえ?」



「さぁ、おじさん、早く!」



「あ、あぁ。」



手を取られ引っ張り起こされる。

こんなにも子供に怖がれないのは初めてだ。とロレンチーニは思った。

こんな強面の顔に笑顔で話し掛けてくれるなんて。。。

少し涙目になりながらも、引きずられる事になる。



「えっ?いたっ!痛い!ちょっと、ま、いーやー!」



なんにがおこったの?たちけてーー。



ずるずる、ドコッバカッ、ずるずる。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー





ラプトプは歯軋りをしていた。

海賊討伐を竜に頼んだ覚えはない。無いのに私が友を売った形になってる。

エイ族の村では危ないから此方も動かなければ。

動く為に何かと指示はしないといけない。

困った。



「何で書類が増えてる。」



書類と言っても紙ではない。石に掘られている。

掘るのも大変だが、読むのも疲れるのだ。

だから逃げる。



「く、後は頼んだ。」



決して仕事をサボった訳ではない!

私は友に今の事を話に行くのだ!

ラプトプは訳の分からない言い訳を唱えて村を隠れて抜け出ていた。

当然、部下が労を労いつつ食事を持ってきたが、

ガシャーン。



「お、長がまた逃げたぞ!!」



「な、なにー!」



限界体制を取りつつ、騒ぎは大きくなった。



「絶対に!長を捕まえろ!!」
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