転生国主興国記

hinomoto

文字の大きさ
上 下
231 / 253
本章

水龍の進路

しおりを挟む
数回の死を味わい、龍では四番目に三途の川を見たウレメバイトも流石にお爺さんの姿になっていた。

何度も叩かれて適度な性癖も見せたが、老人と化したので割愛をする。

まぁ、アイが満足しているから問題ないだろう。何故満足なのかは知らないが。

お爺さんの姿になっても、話し方を直すのにも時間を割かれたので、カーワイを代理として話を進める事態となった。

もちろん、カーワイも小さな先生から神龍様に格上げになるとは分からず、一時的にパニックになったが今は概ね良好だ。

とにかく落ち着いた水龍達を集めてナインの御披露目となった。



ん?

御披露目?



「アイさん?」



「はい、マスター?」



「何で御披露目?」



「それは神龍ですから。」



「まてまてまて!何で御披露目なの!?」



「マスターの御披露目ですが?」



「だから、何で!」



「こほっん。マスターは理解していますか?神龍になったのに今まで御披露目をされていません。フェルトさんと二号さんは特殊ですが、今回は青の水龍一族と、大勢と話が出来ます。」



「だから?」



「はい。大勢の新たな信者の獲得が出来ます!」



「はっ?」



「まだ、信者の数が足りませんから。」



「いや、要らないし。」



「拡大しなければなりません!」



「だから、要らない!」



「もう、既に報告済みです。」



「はっ?」



「式典を行いますので出て戴きます。」



「はい?!」



「拒否は出来ませんから。あ、転移も本日は出来ません。」



「俺いやなんですが?」



「後、お召し物も新調しましたので、ご安心下さい。それと、スピーチもして戴きますので、スピーチの内容も考えておいて下さい。」



話しながら離れて行くアイを見ながらため息をつく。



「・・・・・スピーチですか。考えておきますか。はぁーあ。」



情けなくなりながらも、健気に考えてしまうのはナインだからか。式典という顔見せと挨拶も終わり、今後の方向性も話した。

水龍達には陸地にも拠点を構えてもらい、商売と運航の安全を管理してほしいとした。

近くは獣国と少し離れた翠国との運航の護衛が目的とした。

いや、お願いしておいた。

決して強要はしていない!ばず・・・・

お願いします!程度はしたからな。



「お疲れ様です、マスター。」



少し経ってアイも戻り、陸地に戻る事を言うつもりだった。



「お疲れー。」



等とアイに労を労う言葉をかけるのと同じくして、慌ててウレメバイトとカーワイが人になって入ってきた。

ウレメバイトは先に書いたが、カーワイは女の姿である。

それを見てナインはずっこける。



「「神龍様!」」



駆け寄る二人。アイは何もしてこない。

ウレメバイトの爺さんの姿で、カーワイは身長はナインと変わらない女の子らしい姿なのだ。



「「大丈夫ですか?」」



心配をしてくれるのはありがたいが、カーワイよ何でその姿は?



「あの、アイ様。獣国と翠国にはワシとカーワイの二人で行きます。」



「そうですか。では・・・・」



アイとウレメバイトが話をしている。



「大丈夫ですか?神龍様。」



「あぁ。で、おまえ何でそんな姿なの?」



気分で男と女を変われる存在である、ふざけた存在の龍では性別はない。

まだ、竜の方が男女の区別がある分ましとも云えるのかな。因みにランバルトは坊っちゃんの事で男だ。此で女なら目も当てれない。博愛主義ではないが、女を無条件で叩いたりしてはいけないからな。

で、



「えっ、何か変ですか?」



言い方も物腰も女性のそれと変わらない。



「ああ、ランバルトと喧嘩出来るから男だと思ったからな。」



「ん?男でもありますよ。性別変えても姿は変わりませんでしたし。」



「はっ?」



「とりあえず、女性として過ごしますけど。」



「まぁ、云いけどさ。」



「それに、こう見えても子供は10人も育てましたし。」



「は!?」



「えっ、孫かな玄孫もいてますから。」



「はぁー?!」



「此でも私、長の番ですから。」



ムンッと可愛らしい力を入れる。

うん、ロリババアはネタで沢山あるよね。

でも実際のロリババアがいたよ。

もう、ナインは口をあんぐり開けているしかない。



「久しぶり?初めてかも知れませんが夫婦水入らずの旅行って、遅いハネムーンみたいで楽しみです!」



可愛らしい笑顔を向けてます。

ナインは灰のように存在を消していた。

カーワイはその後も、楽しみな旅行先とか名産や観光場所を話していた。一人で話せるのだから、かなりの楽しみなのだろう。

反対にナインは世を呪っていた。

呪いは発動しないが、自身の存在と境遇に対してだろう。

それがどんなモノかは知らないが。



「楽しみです!」



可愛らしい笑顔を再びナインに向けていた。

しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!

八神 凪
ファンタジー
勇者パーティに属するルーナ(17)は悩んでいた。 補助魔法が使える前衛としてスカウトされたものの、勇者はドスケベ、取り巻く女の子達は勇者大好きという辟易するパーティだった。 しかも勇者はルーナにモーションをかけるため、パーティ内の女の子からは嫉妬の雨・・・。 そんな中「貴女は役に立たないから出て行け」と一方的に女の子達から追放を言い渡されたルーナはいい笑顔で答えるのだった。 「ホントに!? 今までお世話しました! それじゃあ!」  ルーナの旅は始まったばかり!  第11回ファンタジー大賞エントリーしてました!

赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス 優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました お父さんは村の村長みたいな立場みたい お母さんは病弱で家から出れないほど 二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます ーーーーー この作品は大変楽しく書けていましたが 49話で終わりとすることにいたしました 完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい そんな欲求に屈してしまいましたすみません

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...