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本章
旅立ち
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ライラックの町はてんやわんやになっていた。
病人の山で、病院もてんやわんやです。
元の住人よりも捕虜奴隷ばかりで、原因の究明も観察も行われている。
真相までは掴む事は無いだろうが。
それでも獣国は原因の洗い出しを続ける事になる。規模と被害の比率は一致していない事が大きな事と奇跡が同居しているのだろう。
奴隷の人達は生き残った事に感謝し、その後に移住してくるのだった。
「トイレを知ったら、他の国に行けませんよ。」
「いや、お風呂だよ。あれに毎日浸かる事が出来るなんて。元の国?いやいや、捨てるでしょ。」
此が一度多い答えだが、やはりトイレやお風呂が家に着いていて、水が捻るだけで手に入る事が凄いらしい。
人間は楽を知れば、その楽を手放せないらしい。
ま、国に帰ればそこに慣れるので、どうかと思うが生活、仕事が充実し働くのも充実している。
移動も魔物さえも安定しているのだから考えてしまってもおかしくはない。
絶対とは言わないが。
その後は獣国のムソニー王がしてくれるだろう。
レブルはベッドを空けるべく、退院させられた。
「ムリカ、行くよ。」
レブルとフェルト、二号と犬は旅姿なのに、ムリカはナース服を着ていた。
「うん。レブルさん達も気をつけて下さいね。」
涙を浮かべるムリカにフェルトが、
「ムリカさんも、頑張ってください。」
「うん、頑張る!」
二号は、
「頑張って。私達も頑張る。」
「うん!頑張って!」
と別れを惜しんでいた。
ムリカはあの惨劇と生き残った人々に新たな使命を得た気持ちになってしまったのだ。
悲しみと不安よりも目の前の患者に何が出来るのかの自主的に考えて出た答えに仲間は受け入れたのだ。
別れをどう行うか。それはパーティーの中で決める不文律の様なものでる。
「皆さんも、ナインちゃんを宜しくお願いします。出会えたら私の事もお伝え下さい。お願いします。」
涙を流しながら深く頭を下げる。
二度と会う事がないかも知れない。絶対では無いが絶対に近い程に会える事が無い事を自覚していた。それにこのメンバーを抜けるのだ。それこそ、会う事を止めたのだから。
「分かりました。ムリカさんもお元気で。」
フェルトも深く礼をして、メンバーのもとに戻る。
ムリカは未だにに声をかけてくれないアイを見る。
「アイ様、私の旅は終わりました。此から別の道を進みます。どうかナインちゃんを見つけて、守って下さい。」
深く、深く頭を下げる。
不意に肩を強く掴まれ、起こされるとアイの顔が近くにあった。
「マスターからです。『元気に頑張ってね!応援してるよ!ムリカお姉ちゃん。』」
ムリカは目頭を押さえて泣いていた。
その場からアイも離れてメンバーの元に行き、振り返らずに町を出て行く。
「ナインちゃんは生きていたんだ!」
ムリカはそう呟いて泣いた。
誰の目も憚らず、多いに泣いていた。
その後は分からないが。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
町から離れた一行は、国境まで歩いていた。
残党もいない大地なのにのに何を見つけていた。
レブルは口角を上げて喜んでいた。
「ご主人様が居ればお喜びになる、シチュエーションですねー。」
フェルトの先には、馬車と護衛の馬が大型の魔物に追われていた。
馬車にはたぶん、ご主人様が以前言っていた、お姫様がいて助けるクエストであろうか。
定番の事なのだろう。
「レブル様どうしますか?」
と聞いたが、既にレブルは二号を引き連れて馬車に走っていた。
「やはりご主人様のご母堂様ですね。ご主人様と同じ行動を取られますね。」
心配はしていないが、ため息をつきたくなる。
後始末や交渉事はフェルトが行う事になるのだから。
「アイ様の意地悪。」
本当ならばアイがサポートしてくれるのだが、ナインが消えてから殆ど何もしてくれない。
その負担はフェルトには大きいが、人間がやることなのでそれほどでもない。
でも、アイからの指示があれば面倒な事は回避できただろう。
「言っても変わりませんが、後を追いましょう。」
フェルトの後ろにアイが着いて行く。
此から咲きも変わらないのであろう。
ナインを探し出会うその時まで!
「ひっしゅん!・・・ん?」
病人の山で、病院もてんやわんやです。
元の住人よりも捕虜奴隷ばかりで、原因の究明も観察も行われている。
真相までは掴む事は無いだろうが。
それでも獣国は原因の洗い出しを続ける事になる。規模と被害の比率は一致していない事が大きな事と奇跡が同居しているのだろう。
奴隷の人達は生き残った事に感謝し、その後に移住してくるのだった。
「トイレを知ったら、他の国に行けませんよ。」
「いや、お風呂だよ。あれに毎日浸かる事が出来るなんて。元の国?いやいや、捨てるでしょ。」
此が一度多い答えだが、やはりトイレやお風呂が家に着いていて、水が捻るだけで手に入る事が凄いらしい。
人間は楽を知れば、その楽を手放せないらしい。
ま、国に帰ればそこに慣れるので、どうかと思うが生活、仕事が充実し働くのも充実している。
移動も魔物さえも安定しているのだから考えてしまってもおかしくはない。
絶対とは言わないが。
その後は獣国のムソニー王がしてくれるだろう。
レブルはベッドを空けるべく、退院させられた。
「ムリカ、行くよ。」
レブルとフェルト、二号と犬は旅姿なのに、ムリカはナース服を着ていた。
「うん。レブルさん達も気をつけて下さいね。」
涙を浮かべるムリカにフェルトが、
「ムリカさんも、頑張ってください。」
「うん、頑張る!」
二号は、
「頑張って。私達も頑張る。」
「うん!頑張って!」
と別れを惜しんでいた。
ムリカはあの惨劇と生き残った人々に新たな使命を得た気持ちになってしまったのだ。
悲しみと不安よりも目の前の患者に何が出来るのかの自主的に考えて出た答えに仲間は受け入れたのだ。
別れをどう行うか。それはパーティーの中で決める不文律の様なものでる。
「皆さんも、ナインちゃんを宜しくお願いします。出会えたら私の事もお伝え下さい。お願いします。」
涙を流しながら深く頭を下げる。
二度と会う事がないかも知れない。絶対では無いが絶対に近い程に会える事が無い事を自覚していた。それにこのメンバーを抜けるのだ。それこそ、会う事を止めたのだから。
「分かりました。ムリカさんもお元気で。」
フェルトも深く礼をして、メンバーのもとに戻る。
ムリカは未だにに声をかけてくれないアイを見る。
「アイ様、私の旅は終わりました。此から別の道を進みます。どうかナインちゃんを見つけて、守って下さい。」
深く、深く頭を下げる。
不意に肩を強く掴まれ、起こされるとアイの顔が近くにあった。
「マスターからです。『元気に頑張ってね!応援してるよ!ムリカお姉ちゃん。』」
ムリカは目頭を押さえて泣いていた。
その場からアイも離れてメンバーの元に行き、振り返らずに町を出て行く。
「ナインちゃんは生きていたんだ!」
ムリカはそう呟いて泣いた。
誰の目も憚らず、多いに泣いていた。
その後は分からないが。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
町から離れた一行は、国境まで歩いていた。
残党もいない大地なのにのに何を見つけていた。
レブルは口角を上げて喜んでいた。
「ご主人様が居ればお喜びになる、シチュエーションですねー。」
フェルトの先には、馬車と護衛の馬が大型の魔物に追われていた。
馬車にはたぶん、ご主人様が以前言っていた、お姫様がいて助けるクエストであろうか。
定番の事なのだろう。
「レブル様どうしますか?」
と聞いたが、既にレブルは二号を引き連れて馬車に走っていた。
「やはりご主人様のご母堂様ですね。ご主人様と同じ行動を取られますね。」
心配はしていないが、ため息をつきたくなる。
後始末や交渉事はフェルトが行う事になるのだから。
「アイ様の意地悪。」
本当ならばアイがサポートしてくれるのだが、ナインが消えてから殆ど何もしてくれない。
その負担はフェルトには大きいが、人間がやることなのでそれほどでもない。
でも、アイからの指示があれば面倒な事は回避できただろう。
「言っても変わりませんが、後を追いましょう。」
フェルトの後ろにアイが着いて行く。
此から咲きも変わらないのであろう。
ナインを探し出会うその時まで!
「ひっしゅん!・・・ん?」
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