転生国主興国記

hinomoto

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アマゾネスズ序章

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ライラック王国の反撃と呼ばれた、獣国と諸外国の小競り合いがあった。
この争いは獣国は攻めてはいけない国となる。
情けない反撃は圧倒的な悪女に潰される。と、諸外国では語り草になる、そんな話だ。


「もーいーだろ?」

レブルもいい加減に頭に来ていた。

「ちょっと、待って。・・・・・や、とお。きたぁー」

「「「よっしゃー!」」」

計算も終わり、旅の資金も確保が出来ての事だ。
あり得ない早さで、普通でも20年掛かる資金集めを僅か1ヶ月半で貯めたのだから。
食糧と必需品を買い集める段取りに入る。
資金の後は買い物。そして身支度をして出発なのだが、

「もう出れるのか?」

と、レブルの気持ちは早っていた。
止める事は不可能だが、遅らせる事は容易にできる。

「フェルトさん、お願いします。」

何時もの事だが、迷惑な事である。
ムリカの無慈悲な命令は即座に遂行される。
ドズン!

「はうっん。」

ドサッ。

「済みません、レブル様。」

フェルトはレブルに手を併せて謝る。これはナインが消えてから毎回の事になっている。
慣れたのだろう、しかし此が無いとレブルの儀式は終わらない。放置すれば、また無駄な努力をしなければならない。装備をボロボロにするほどで、手入れも出来ない。ナイン以外に手入れは不可能なのである。
現在の装備は手に入る最高級の装備ではある。
ナインがくれた装備に比べてはいけない。雲泥の差は余裕である。武器も同じである。
それでも、ナインを探す為に行くのだから彼女達の強い意志を受け取れるだろう。ナインを除いて。
ナインを思う気持ちはそれぞれ違うし、探す理由も違う。
ただ、レブルの探す思いだけが特質しており、それに同調しているのが現状なのである。大概な扱いだが。
レブルが眠った処で、各自が其々の容易に出掛けた。
兎に角、翠国に行く事だけは変わりないのだから。
決して、ナインが〃村〃や本国にチョクチョク帰っている事なんか知る事もない。ナインの『子離れ作戦』の思いがある訳でもない。多分。

レブルが目を開けると知らない場所に寝かされいた。
ムリカと二号とフェルトと犬の気配があるので安全だと、理解はした。
ガタンゴトンと音がする。
ベッドから抜け出すと、犬が眠い頭をもたげる。
近くには、喋らないアイが立っている。
揺れる部屋なのに、立つ事に苦痛は無いのであろうか、今はわからない。
普段はみんなが起きて居るので、退屈も悲しくもない。
ただ、長年居たご主人が居ないのが嫌であった。
15年の年月は決して長い訳でもないのだが、いざ居なくなると不安で体の一部が取られた様な気がする。
元々は直ぐに見放すはずであったが、ご飯をくれてお風呂に入れてくれて服を着させてくれた。
他には敵から守ってくれて戦い方を教えてくれたし、武具も揃えてくれた。
生理を教えてもくれたし、仲間も与えてくれた。
保護してくれて、色々な知識等も教えてくれる。
師匠よりもご主人なのが、ナインである。
名前を自分で付けるエルフが居るなんて知らないし、仲間にも居ない事は知っている。それだけ希有な存在が自慢のご主人である。
誇らしい存在で尊敬する存在で愛する存在なのだ。
ただし、愛と云うのがどうすれば良いのかは分からない。これだけはご主人もアイも他の人も教えてはくれない。
私の気持ちが愛らしいが。

そっと犬を抱き締める。

捨てるはずの存在に、養われて此処まで育てられたのだ。
何も恩返しは出来ていないし、愛もそんなに与えていない。
いずれ、子を授けてくれるだろう。
その前にご主人に返す事も出来ていないのが悔しいのだ。

ギチギチギチギチ

それだけ出はない!
体でご奉仕なる事が出来ていないのだ!!
裸で抱き締めるだけらしいが、ご主人は服を着せてしまう。
今までマトモなご奉仕をしたことが無いのだ!!
それと、胸!!

ギリギリギリギリギリギリギリ
「・・・・・・・・・・・ハゥゥゥ」

胸が大きいのが好きなのだ、ご主人は!
私には大きさが無いが、他人にあるとムカつきます。
ましてやご主人に好意的な人が持っているだけで、ムカつきは更にアップします!
あの胸がご主人を魅了するのが許せない。
私も望みを捨ててはいない。まだ。まだ20年はある!
望みを捨てた時点で敗けだ!と、聞いてる。

ゴリゴリボキバキゴキ
「・・・・・・・・・・・・・クゥ」

私は負けない!

そう誓うのだった。



犬の頭は何とか朝には治っていた。
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