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本章
引っ越し
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「ご飯でーす!」
ルミエッタは進んでおにぎりを各家を回って、手渡しをしていた。
笑顔で渡されて引っ越しの段取りをしていた人々は喜び、またルミエッタも清みきった心で、あの屋敷での狭い意識など無くなってはいた。
だが、忘れてはいけない。
その裏で常識はずれの事が起きていた事を。
彼女のスキルを覗かない事を。
そして、彼女は永遠に屋敷の主である事を願っていた。ナインと従属達は。
笑顔を守る為に特殊病院送りが60匹。
まさか天使、悪魔を潰れさせる程の料理を作るとは。
それも、おにぎりで。
米を水で炊いて、塩で握るだけの事なのだが、ルミエッタがそれをやると、殺人級の事が起こるのだ。
水が腐ってる、米が腐る、塩が腐って、手にバイ菌が!は無い。
ナインの近くでそんな事は起こり様も無いのだが、彼女が握ると殺人級になるのだ。
天災なんだろう。
人を絶望に落とすだけでは無いようだ。
しかし、それでは一般の方と食材に申し訳が無い!で、従属を呼んだのだ。
食事はしなくても大丈夫な悪魔と天使も、ナインの料理で楽しみを知ったのだが、その逆が有るとは思わなかっただろう。
その為に血を吐く悪魔と天使がいて、その屍の上にルミエッタの笑顔があるのだ。
名前は分からない従属よ、ありがとう。忘れない、と思う。
「美味しいですよー。」
笑顔で渡すのだが、そこから先は微妙な顔をするので、アイと手分けしてプリンを配る事になる。
「たべてねー!」
ルミエッタには徹夜はキツかったのだろう。夜明け前には寝てしまったので、グリーンシティに戻したよ。これで楽に引っ越しが出来る。
昼頃には各国王を残して転移をした。
殺風景な景色から、緑豊かな土地へと変わったのだ。
突然の事ながら、三つの部族が集まったのだ。
3部族が揃うのは何時の頃だろうか、何か感動をしていた。
シティからの応援の方々が、そんな皆をこれからの住み家に連れて行くのだった。
但し、喜びよりも驚きの方が勝っているからだ。
見たこともない乗り物に触ったこともないフカフカな座る場所に。動物も居ないのに動き、また早く、振動が無い。
取り敢えず、元国民達は生を喜んではいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鉱山については埋める事になった。
捨てる方向で話が出来たからだ。
皇国に奪われるのが嫌そうだが命には変えられないと言い切ったのにいたく感動したナインは、一つ一つの鉱山を各国王の前で国ごと元のように埋め固め戻してしまったのだ。それも掘り出せない様にしてだ。そして彼等も転移したのた。
その後は三時間後に偵察が、五時間後には軍隊が空っぽの山である事を何度も確認していた。
やがて、
「な、何で何も無いのだ!さ、探せ!とにかく探せ!逃げることなど無いのだ!さ、探せー!」
の号令の基に探しだしたのだ。
ただの山を。
しかし、それで終わるわけでなかった。
「ん?なあ、何か声が聞こえないか?」
「何をさ?人かー」
その次の言葉はない。変わりに翼の音と口が兵に襲ったのだ。
「ま、まさか!ヘーベラルスかぁ!」
「げぼっ!」
「た、沢山!逃げろ!」
山から直角に落ちてくる、ヘーベラルス。黄色い翼竜の事だが、滅多に人を襲うことはないのだが、強襲されたのだ。
理由はナインである。匂いを仕掛けていたのだ。
特定の匂いで欲情させたり、敵襲も匂いで行われるのだ。
では、それを子供のから助けての匂いがでたらどうなるか?
一匹なら自然の摂理となるが、数匹から出されたら怒り狂うだろう。特に子育てを種全体で行うのが、ヘーベラルスなのだから。
それこそヘーベラルスが襲い掛かって来るのだ。
崖を探索してた者は良くて谷底、悪くて襲われるであった。
もちろん、倒せるがランクB級の兵など何十人に一人いれば良いものだ。
しかし、ヘーベラルスはランクAの魔物。倒せる為には一体にたいして兵が六百。弓だけでも3百は要るし平地等の人に有利な場所になる。
対して山で百体程の魔物である。
既に阿鼻叫喚の地獄となる。
ミスリルでも青い翼竜、ターコイラルスが百体、コーミカルには緑色の翼竜ペトライトラルスが百体とあり得ない数が襲っていた。
軍隊としての統率も無くなり、ただ3軍の長を逃がすだけとなり、無駄な血が流れることとなる。
生きて居ることに感謝はあるが、皇国として大敗をしたのだ。
兵も武防具も、乗り物や食事までが無駄になったのだ。
大敗の後に知らせが届いた。
それはグローリバルト家に一通の手紙が届いたのだ。
差出人は行方不明のルミエッタ嬢からだった。
名前にも驚いたが、紙にも驚いてしまう。
上質よりも高級いや、見たことがない質感だ。
中身は自身の安全と砂漠を越えた場所に新緑の土地があり、そこで新しい暮らしをしている事を、そして、信じられない生活を知らせて来たのだ。
安心するよりも、今は砂漠化と人が餓えだしている状況での知らせである。
上に立つだけの貴族にそれを伝えてたのだ。
王に知らせると共に巨体な略奪者が生まれる事となる。
いや、なっていた。
ルミエッタは進んでおにぎりを各家を回って、手渡しをしていた。
笑顔で渡されて引っ越しの段取りをしていた人々は喜び、またルミエッタも清みきった心で、あの屋敷での狭い意識など無くなってはいた。
だが、忘れてはいけない。
その裏で常識はずれの事が起きていた事を。
彼女のスキルを覗かない事を。
そして、彼女は永遠に屋敷の主である事を願っていた。ナインと従属達は。
笑顔を守る為に特殊病院送りが60匹。
まさか天使、悪魔を潰れさせる程の料理を作るとは。
それも、おにぎりで。
米を水で炊いて、塩で握るだけの事なのだが、ルミエッタがそれをやると、殺人級の事が起こるのだ。
水が腐ってる、米が腐る、塩が腐って、手にバイ菌が!は無い。
ナインの近くでそんな事は起こり様も無いのだが、彼女が握ると殺人級になるのだ。
天災なんだろう。
人を絶望に落とすだけでは無いようだ。
しかし、それでは一般の方と食材に申し訳が無い!で、従属を呼んだのだ。
食事はしなくても大丈夫な悪魔と天使も、ナインの料理で楽しみを知ったのだが、その逆が有るとは思わなかっただろう。
その為に血を吐く悪魔と天使がいて、その屍の上にルミエッタの笑顔があるのだ。
名前は分からない従属よ、ありがとう。忘れない、と思う。
「美味しいですよー。」
笑顔で渡すのだが、そこから先は微妙な顔をするので、アイと手分けしてプリンを配る事になる。
「たべてねー!」
ルミエッタには徹夜はキツかったのだろう。夜明け前には寝てしまったので、グリーンシティに戻したよ。これで楽に引っ越しが出来る。
昼頃には各国王を残して転移をした。
殺風景な景色から、緑豊かな土地へと変わったのだ。
突然の事ながら、三つの部族が集まったのだ。
3部族が揃うのは何時の頃だろうか、何か感動をしていた。
シティからの応援の方々が、そんな皆をこれからの住み家に連れて行くのだった。
但し、喜びよりも驚きの方が勝っているからだ。
見たこともない乗り物に触ったこともないフカフカな座る場所に。動物も居ないのに動き、また早く、振動が無い。
取り敢えず、元国民達は生を喜んではいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鉱山については埋める事になった。
捨てる方向で話が出来たからだ。
皇国に奪われるのが嫌そうだが命には変えられないと言い切ったのにいたく感動したナインは、一つ一つの鉱山を各国王の前で国ごと元のように埋め固め戻してしまったのだ。それも掘り出せない様にしてだ。そして彼等も転移したのた。
その後は三時間後に偵察が、五時間後には軍隊が空っぽの山である事を何度も確認していた。
やがて、
「な、何で何も無いのだ!さ、探せ!とにかく探せ!逃げることなど無いのだ!さ、探せー!」
の号令の基に探しだしたのだ。
ただの山を。
しかし、それで終わるわけでなかった。
「ん?なあ、何か声が聞こえないか?」
「何をさ?人かー」
その次の言葉はない。変わりに翼の音と口が兵に襲ったのだ。
「ま、まさか!ヘーベラルスかぁ!」
「げぼっ!」
「た、沢山!逃げろ!」
山から直角に落ちてくる、ヘーベラルス。黄色い翼竜の事だが、滅多に人を襲うことはないのだが、強襲されたのだ。
理由はナインである。匂いを仕掛けていたのだ。
特定の匂いで欲情させたり、敵襲も匂いで行われるのだ。
では、それを子供のから助けての匂いがでたらどうなるか?
一匹なら自然の摂理となるが、数匹から出されたら怒り狂うだろう。特に子育てを種全体で行うのが、ヘーベラルスなのだから。
それこそヘーベラルスが襲い掛かって来るのだ。
崖を探索してた者は良くて谷底、悪くて襲われるであった。
もちろん、倒せるがランクB級の兵など何十人に一人いれば良いものだ。
しかし、ヘーベラルスはランクAの魔物。倒せる為には一体にたいして兵が六百。弓だけでも3百は要るし平地等の人に有利な場所になる。
対して山で百体程の魔物である。
既に阿鼻叫喚の地獄となる。
ミスリルでも青い翼竜、ターコイラルスが百体、コーミカルには緑色の翼竜ペトライトラルスが百体とあり得ない数が襲っていた。
軍隊としての統率も無くなり、ただ3軍の長を逃がすだけとなり、無駄な血が流れることとなる。
生きて居ることに感謝はあるが、皇国として大敗をしたのだ。
兵も武防具も、乗り物や食事までが無駄になったのだ。
大敗の後に知らせが届いた。
それはグローリバルト家に一通の手紙が届いたのだ。
差出人は行方不明のルミエッタ嬢からだった。
名前にも驚いたが、紙にも驚いてしまう。
上質よりも高級いや、見たことがない質感だ。
中身は自身の安全と砂漠を越えた場所に新緑の土地があり、そこで新しい暮らしをしている事を、そして、信じられない生活を知らせて来たのだ。
安心するよりも、今は砂漠化と人が餓えだしている状況での知らせである。
上に立つだけの貴族にそれを伝えてたのだ。
王に知らせると共に巨体な略奪者が生まれる事となる。
いや、なっていた。
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