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本章
引っ越しの提案
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驚いてばかりの国民達だ。
ナインと云う少女によれば、引っ越しをする時間は明日の昼になるそうだ。
数個の箱を渡される。
「必要な物や大切な物はこの箱に入れて下さい。他の貴重品も入れて下さい。箱に入らない大きさの物は箱の近くに置いて下さい!家は無理ですが、大抵の物は持って行けますので、安心してください!」
ナインの大声に魅力される国民達。
「分からなければアイに聞いて下さい。」
皆さんは頷いています。
「宜しくお願いします!」
ナインのお辞儀で、皆さんは喝采をくれました。
ネジが外れたか?
[マスター、先にミスリルをお願いします。]
(ん?ミスリル?話し出来てないの?)
[此処より、ノリが悪いので。]
(さいですか。)
[コーミカルは最悪になっていますので、ネタが必要になるかと。]
(えっ!ルミエッタは何をしたの?!)
[余り宜しくない状況ですが、情報を送ります。]
記憶に流れるルミエッタの酷い解説と拙い説明にドン引きだよ。出来ますってのも、出来てないけど本当なら出来ますよレベル。いや、出来ないやん。
混乱から混乱へと、混沌となってしまう。
(捨てていいか。)
[一応はマスターが認められましたが。]
(ぐっ。少し混乱を減らしといて。)
[勿論です、マスター。]
直ぐにミスリルに向かう。
何故アイだけで終わらなかったのか。
むうっ。
ドワーフぽいのと、おば様率が高過ぎやねん!
怖いちゅーねん!おかまさんと同等のキモさが凄いねん!
アイに恨み言を言いながらコーミカルに出向くが、寒い?良く見ると全体的に沈んでますね。人々を暗い影に落とす天災でしょうか。
「どうなるの?」
「助けがくるかぁ?」
「戦うしかないのか?」
「助けはいつ来る?」
「えっと、だから、助けが、ねぇ!聞いて!」
「どうやったら、ここまで混乱にできるんだ?」
「ナインちゃん!!」
ガン泣きのルミエッタに抱きつかれる。
「ナインちやあぁぁぁぁぁん!」
「だぁ!うっと、うあぁぁぁぁ!」
ナインの服に凄い鼻水がルミエッタから伸びていたのだ。
直ぐにタオルを取り出して凄い鼻水を拭き取る。
鼻の中も出さないと落ち着かない。
服は魔法で綺麗にする。
「あぁ、もう。無理するから、後は任せて。」
肩に手をかけて、役者が入れ替わる。
「御立ち合い!少し私の声を聞いて下さい!」
普通なら人々の声にかき消されるが、ナインの声は鈴の音の如く、またビクトリアの鐘の様に響き渡った。
誰もがその声に暖かみを覚えた様にナインを見た。
長い髪で男女は分からないが、声は女の子のようだ。背も子供の身長と変わりは無いのだが、何故か圧倒されていた。
「静かにして頂いてありがとうございます!簡単に状況は理解もしてますよね。先ず大事な事は誰が大事なのかを考えて下さい。次に引っ越しをご提案します!」
天に手をかざすと、光が何かの絵を浮かべた。
「聞いて下さいね。ここに出したのは地図です。」
幾何学的に写し出しているが、それが地図と分かる。自分の土地、いや、人々が写し出される。
「敵云々は抜きにして、行き先は旧砂漠を予定しております。」
拡大された地図が予定の地点を光らされる。
「ここは皇国より西になりますが、砂漠から解放され生まれ変わった土地になりました。しかも!土地よりも文化が進み信じられない事になりましたが、人材が足りません。」
写し出される土地と風景に誰もが口を大きく開けてしまう。
「ここに愛着もあるでしょう!しかし!死んでは何も残りません!」
美しい湖を写し出す。夜中の湖畔風景は誰もが魅力された。
「この引っ越しは生きる為の引っ越しです!戦うよりも引っ越しなんです!」
「しかし、引っ越しなんて無理だよ。此処から遠いのに・・・・・」
「その通り!しかし、心配はありません!それは明日に分かります!」
「しかし、」
「嘆く、怒るは後です!さあ、箱を受け取り引っ越しの段取りです!明日の昼頃にはその答えも分かります!喋るより体を動かす!さぁさぁさぁ!アイ!箱を渡すぞ!」
何も分からないが勇気付けられた人々は、列をなして箱を受け取り家に戻っていた。
「ナインちゃん、ごめんなさい。」
ルミエッタはおずおずとナインに謝る。
お腹にナインの拳で軽く叩かれると、
「次はおにぎりを配るよ。沢山回るからしっかりね。」
ナインの笑顔に、
「うん!頑張るね!」
と張り切る格好を取った。
笑顔でルミエッタを見ていたが一抹の不安も感じていた。
(アイ、誰か補佐を付けてくれる?)
[はい、マスター。]
此からがナインの戦場になる。住民達のお腹を守る戦いに。
ナインと云う少女によれば、引っ越しをする時間は明日の昼になるそうだ。
数個の箱を渡される。
「必要な物や大切な物はこの箱に入れて下さい。他の貴重品も入れて下さい。箱に入らない大きさの物は箱の近くに置いて下さい!家は無理ですが、大抵の物は持って行けますので、安心してください!」
ナインの大声に魅力される国民達。
「分からなければアイに聞いて下さい。」
皆さんは頷いています。
「宜しくお願いします!」
ナインのお辞儀で、皆さんは喝采をくれました。
ネジが外れたか?
[マスター、先にミスリルをお願いします。]
(ん?ミスリル?話し出来てないの?)
[此処より、ノリが悪いので。]
(さいですか。)
[コーミカルは最悪になっていますので、ネタが必要になるかと。]
(えっ!ルミエッタは何をしたの?!)
[余り宜しくない状況ですが、情報を送ります。]
記憶に流れるルミエッタの酷い解説と拙い説明にドン引きだよ。出来ますってのも、出来てないけど本当なら出来ますよレベル。いや、出来ないやん。
混乱から混乱へと、混沌となってしまう。
(捨てていいか。)
[一応はマスターが認められましたが。]
(ぐっ。少し混乱を減らしといて。)
[勿論です、マスター。]
直ぐにミスリルに向かう。
何故アイだけで終わらなかったのか。
むうっ。
ドワーフぽいのと、おば様率が高過ぎやねん!
怖いちゅーねん!おかまさんと同等のキモさが凄いねん!
アイに恨み言を言いながらコーミカルに出向くが、寒い?良く見ると全体的に沈んでますね。人々を暗い影に落とす天災でしょうか。
「どうなるの?」
「助けがくるかぁ?」
「戦うしかないのか?」
「助けはいつ来る?」
「えっと、だから、助けが、ねぇ!聞いて!」
「どうやったら、ここまで混乱にできるんだ?」
「ナインちゃん!!」
ガン泣きのルミエッタに抱きつかれる。
「ナインちやあぁぁぁぁぁん!」
「だぁ!うっと、うあぁぁぁぁ!」
ナインの服に凄い鼻水がルミエッタから伸びていたのだ。
直ぐにタオルを取り出して凄い鼻水を拭き取る。
鼻の中も出さないと落ち着かない。
服は魔法で綺麗にする。
「あぁ、もう。無理するから、後は任せて。」
肩に手をかけて、役者が入れ替わる。
「御立ち合い!少し私の声を聞いて下さい!」
普通なら人々の声にかき消されるが、ナインの声は鈴の音の如く、またビクトリアの鐘の様に響き渡った。
誰もがその声に暖かみを覚えた様にナインを見た。
長い髪で男女は分からないが、声は女の子のようだ。背も子供の身長と変わりは無いのだが、何故か圧倒されていた。
「静かにして頂いてありがとうございます!簡単に状況は理解もしてますよね。先ず大事な事は誰が大事なのかを考えて下さい。次に引っ越しをご提案します!」
天に手をかざすと、光が何かの絵を浮かべた。
「聞いて下さいね。ここに出したのは地図です。」
幾何学的に写し出しているが、それが地図と分かる。自分の土地、いや、人々が写し出される。
「敵云々は抜きにして、行き先は旧砂漠を予定しております。」
拡大された地図が予定の地点を光らされる。
「ここは皇国より西になりますが、砂漠から解放され生まれ変わった土地になりました。しかも!土地よりも文化が進み信じられない事になりましたが、人材が足りません。」
写し出される土地と風景に誰もが口を大きく開けてしまう。
「ここに愛着もあるでしょう!しかし!死んでは何も残りません!」
美しい湖を写し出す。夜中の湖畔風景は誰もが魅力された。
「この引っ越しは生きる為の引っ越しです!戦うよりも引っ越しなんです!」
「しかし、引っ越しなんて無理だよ。此処から遠いのに・・・・・」
「その通り!しかし、心配はありません!それは明日に分かります!」
「しかし、」
「嘆く、怒るは後です!さあ、箱を受け取り引っ越しの段取りです!明日の昼頃にはその答えも分かります!喋るより体を動かす!さぁさぁさぁ!アイ!箱を渡すぞ!」
何も分からないが勇気付けられた人々は、列をなして箱を受け取り家に戻っていた。
「ナインちゃん、ごめんなさい。」
ルミエッタはおずおずとナインに謝る。
お腹にナインの拳で軽く叩かれると、
「次はおにぎりを配るよ。沢山回るからしっかりね。」
ナインの笑顔に、
「うん!頑張るね!」
と張り切る格好を取った。
笑顔でルミエッタを見ていたが一抹の不安も感じていた。
(アイ、誰か補佐を付けてくれる?)
[はい、マスター。]
此からがナインの戦場になる。住民達のお腹を守る戦いに。
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