転生国主興国記

hinomoto

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本章

鬼がでた

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「天機法輪!」

「魔幻福滅!」

対峙した二人は片腕を前に出して叫んでいた。
まるで空想で遊んでいる子供のようだ。

「ちゅ、中二病。ぶぶぅ!」

「マスター、聞こえますよ!」

笑いながらのナインとアイのわざとらしく聞こえる様に言っていた。
対峙した二人はお互いに汗を流していた。

「天機法輪!」

「魔幻福滅!」

「「出来るわけ無いのにねー。」」

ナインとアイのコンビネーションだろう。
完全に遊ばれる二人。

「ご主人様!何て事をしてくれるんですか!」

イシャナ(イグミサル)は泣いていた。

「マスターにそんな口を聞くのですね?」

イシャナの両頬をつまみ、アイが聞く。

「へへー!ひぃがいます!ひぃがヒイィィィ!」

即座にアイのコンボを叩き込まれるイシャナ。
もう一人が声を出した。

「何で神力も魔法も使えない!私のエリアなのに!?」

その場で怒っているので机を蹴るが、小指を角に当たり悶え打つことになる。

「それは、此処の場所だけを俺が支配しているからね。」

「な、なんだど!此処を!いたーイ!」

痛みに抗えないのか、必死に足を擦っている。
神を名乗っているのに残念である。

「何時までも、ほたえな!(騒ぐな)」

頭を蹴られる。

「いたー。あんたね、私みたいな神の頭までけるとわ!」

涙目で起き上がると、
吊り上がった目は狂気に満ちていた。

「許さないんだからー!」

イルミナは力でナインを負かそうとした。
負かせる為には力がいるが、神であるイルミナにとっては子供を倒す事は可能と考えていた。
人間の思考と同じように、慌てると誰も思考が鈍るのだろう。
イルミナの黄金の右は敢えなくナインに指一本で止められるのである。

「知ってるかなー、殺人機を作るのは心を壊す事なのを。」

ナインのこめかみに憤りが溜まる。

「お前は一体何者なんだ!」

「受けたのはアイ特製だけど、ダメージのフィードバックが俺なのよ。」

怒りを超える事は無いと言われるのは、頭の血管が切れるから無いのが通説であるが、此処は異世界である。殺される事を何度も何十回、何百回と毎日鋭い物を体に刺された記憶がいきなり襲ってきたのだ。死にかける事を繰り返し受けるのが、どれだけの辛さと痛さか。
その怒りがナインを活性化させたようだ。
青い焔がナインを包む。

「ババア!本当の痛みを覚える時間だよ♪」

小さな女の子が青年になる。
ヘギッ!バキバキ!

「あああああー!」

右の拳はナインの右の手の内に小さく纏まっていた。

「馬鹿な!痛みを!手を潰すのか!」

「何処まで耐えれるのかな。」

「はぁ?!」

右手はイルミナの右手を握ったままに、左の頬を叩かれた。

ドコォォォォォォォオン!

アイとイシャナの動きも停まって覗いてしまう。
そして、右の頬も叩くが狙わないといけない。首があり得ない位に回ってるからだ。

ドコォォォォォォォオン!

天界の生物は死に絶える事はない、と言われる。
強敵等に会うことがないから死んだ事が無いだけなのだが、そんな真実なんか誰も知らない。
それよりも恐ろしいのは、叩いた後に波動が飛んでいるのだ。
音だけでアイも振り向くほどの事なのだ。
さて、波動程度に何をと言いたいのだが、この波動には神・悪・魔
の力が込められているのだ。当たれば、
ガラガラガラガラ。
と、壁が消えて崩れているのだ。

「おいおい、二回で終わりとか言うなよ?」

「やめ、やめ、やめ・・・・」

ドコォォォォォォォオン!

「もう少し、付き合うよな?」

ドコォォォォォォォオン!

既にエリア範囲以外も被害が出ていた。
壁の向こうに居た天使はまともにダメージを受けて気を失っている。
殴られて首が無条件で右回りか左回りに回転している。それこそ停まることがないのだから首は自由に回っていた。

ドコォォォォォォォオン!
ドコォォォォォォォオン!
ドコォォォォォォォオン!

何度も言うが、ビンタの音である。

「おいおい、痛みを切るなよ。」

左手で回転を停める。
ビシビシビシビシビシビシビシビシ。

「痛い!痛い!痛いです!」

潰れそうになるのを阻止が出来たかは分からないが、何とか痛みは引いた。
止めたのはアイである。

「マスター、そのお姿は!」

「アイか、ん?アイ小さくなった?」

「いえ。」

「まぁいい。その前に怨みを晴らすか。」

怒りのナインにアイの全力で止めても効かないのだ。
軽く往なされたら、

「やめて!」

ドコォォォォォォォオン!
ドコォォォォォォォオン!
ドコォォォォォォォオン!

しばらく続くが、周りの被害が増えているからだ。
イシャナは甘い考えを改めていた。
ナイン様も逆らわないでおこうと。
アイ様よりも恐ろしい事を改めて認識しなおしていた。

ドコォォォォォォォオン!

ぽー
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