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本章
消えた一日
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学園だから安全ではなかった。
目が覚めて、寝間着のままで外に出ると、追っかけられる事になっていた。
それこそ、追い剥ぎの様に迫る姿に絶叫して、にげたのだ。
彼方此方からの扉から人が出ては追いかけてくる。
子供達だけでなく大人も追い掛けてくる。
恐くて必死に逃げた。
逃げ惑うこと二時間以上は走り抜けた。
全力ではしっているのは、物言わぬ追い剥ぎ共はエイトにとって恐怖しか産み出さなかった。
屋上に逃げた時に初めて振り返った。
追い剥ぎ達はゾンビの様にぎこちない動きと、足を引きずる人が多数、腹這いで蠢く人も多数、仰向けで動かない人も多数いたのだ。
高い場所に移動してから、追い剥ぎ達を観察してみた。
追い剥ぎは仲間を大事にするようだが、何を言っているのか不明であった。
この聖都に来るまでに言葉で不自由をしたことはない。
また、式典にも参加したが言葉の壁は無かったと思う。
まさか、偉い人に失礼な事をしたのだろうかと考え込んでしまった。
しばらくして、寝転んでいたゾンビ風の一人がエイトに気付き、何とか起き上がってジェスチャーをしだした。
何度も繰り返しながら口を開け閉めをする。
意味不明ながら見ていたが、会ってるかの意味を込めて叫んでいた。
「みみ!」
嬉しそうに頷くと、次の動作をしていた。
分からない。
そうしてたら、別のゾンビがこうだと云わんばかりに動作をしだした。
謎が増えて怖いです。
ただ、断然分かりやすい。
「せん!」
嬉しそうにまた頷く。
そうするとゾンビ達が集まりだして、何かをしだす。いや、ジェスチャーをやりだしたが、複数でやられると余計に分からない。
「沢山あると分かりません!」
の声で体系を調えたのか、一人づつ出てきてジェスチャーをする。
兎に角、何かを諭すように必死にされるので、必死に考えて答える。
かなり出たのでジェスチャーが並んで諭すようだ。
「みみ、せん、が、はま、て、い、ます、と、て、くだ、さい!」
ゾンビ風達はウンウンと頷いている。
良く考えてみよう。
みみせんが、耳栓がだ!
はまています?
とてください?
耳栓がはまています?とてください?
んー、ん!
「耳栓がはまっています!取ってください?」
何故か喜ぶゾンビさん達。
何故なんですかね?耳栓?
耳に何があるのだろう?
耳を触るが・・・・・何かある?!
それを耳から外すと、大きな声が入ってきた。
「「「やったー!!」」」
何で喜んで居るのだろう。
下からは、
「降りるんだ!降りて来なさい!」
とぼろぼろなゾンビが呼んでいる。
意味が不明であるが、恐い。
足元に大量のゾンビの群れが居るのだから。
騒ぎ、歓声、怒号。
合わさりエイトの混乱に拍車をかけた。
怒りと怯えが最大に追い討ちをかけたようだ。
「いや。」
空に雲が集まりだした。
「いや。」
厚い黒い雲が寮の上だけに張り巡らした。
「いやー!」
声と共に一筋の青い稲光が寮を覆い尽くした。
そしてエイトは意識が遠いた。
「失敗ですね。」
「申し訳ございません、アイ様」
リリスは一礼をしていた。
寮には青い幕が掛かっていた。
周りは時が止まった様になっている。
「仕方ありませんが、失敗者は懲罰房へ。」
「はい。」
「私は後片付けをして帰ります。」
「分かりました。お先に失礼します。」
リリスが消え、寮生と教師も消える。
エイトをアイが抱き抱えると、部屋に戻り寝かしつけた。
そのままアイが消えると、全てが元に戻っていた。
ただ、時間だけは戻らなかったが。
目が覚めて、寝間着のままで外に出ると、追っかけられる事になっていた。
それこそ、追い剥ぎの様に迫る姿に絶叫して、にげたのだ。
彼方此方からの扉から人が出ては追いかけてくる。
子供達だけでなく大人も追い掛けてくる。
恐くて必死に逃げた。
逃げ惑うこと二時間以上は走り抜けた。
全力ではしっているのは、物言わぬ追い剥ぎ共はエイトにとって恐怖しか産み出さなかった。
屋上に逃げた時に初めて振り返った。
追い剥ぎ達はゾンビの様にぎこちない動きと、足を引きずる人が多数、腹這いで蠢く人も多数、仰向けで動かない人も多数いたのだ。
高い場所に移動してから、追い剥ぎ達を観察してみた。
追い剥ぎは仲間を大事にするようだが、何を言っているのか不明であった。
この聖都に来るまでに言葉で不自由をしたことはない。
また、式典にも参加したが言葉の壁は無かったと思う。
まさか、偉い人に失礼な事をしたのだろうかと考え込んでしまった。
しばらくして、寝転んでいたゾンビ風の一人がエイトに気付き、何とか起き上がってジェスチャーをしだした。
何度も繰り返しながら口を開け閉めをする。
意味不明ながら見ていたが、会ってるかの意味を込めて叫んでいた。
「みみ!」
嬉しそうに頷くと、次の動作をしていた。
分からない。
そうしてたら、別のゾンビがこうだと云わんばかりに動作をしだした。
謎が増えて怖いです。
ただ、断然分かりやすい。
「せん!」
嬉しそうにまた頷く。
そうするとゾンビ達が集まりだして、何かをしだす。いや、ジェスチャーをやりだしたが、複数でやられると余計に分からない。
「沢山あると分かりません!」
の声で体系を調えたのか、一人づつ出てきてジェスチャーをする。
兎に角、何かを諭すように必死にされるので、必死に考えて答える。
かなり出たのでジェスチャーが並んで諭すようだ。
「みみ、せん、が、はま、て、い、ます、と、て、くだ、さい!」
ゾンビ風達はウンウンと頷いている。
良く考えてみよう。
みみせんが、耳栓がだ!
はまています?
とてください?
耳栓がはまています?とてください?
んー、ん!
「耳栓がはまっています!取ってください?」
何故か喜ぶゾンビさん達。
何故なんですかね?耳栓?
耳に何があるのだろう?
耳を触るが・・・・・何かある?!
それを耳から外すと、大きな声が入ってきた。
「「「やったー!!」」」
何で喜んで居るのだろう。
下からは、
「降りるんだ!降りて来なさい!」
とぼろぼろなゾンビが呼んでいる。
意味が不明であるが、恐い。
足元に大量のゾンビの群れが居るのだから。
騒ぎ、歓声、怒号。
合わさりエイトの混乱に拍車をかけた。
怒りと怯えが最大に追い討ちをかけたようだ。
「いや。」
空に雲が集まりだした。
「いや。」
厚い黒い雲が寮の上だけに張り巡らした。
「いやー!」
声と共に一筋の青い稲光が寮を覆い尽くした。
そしてエイトは意識が遠いた。
「失敗ですね。」
「申し訳ございません、アイ様」
リリスは一礼をしていた。
寮には青い幕が掛かっていた。
周りは時が止まった様になっている。
「仕方ありませんが、失敗者は懲罰房へ。」
「はい。」
「私は後片付けをして帰ります。」
「分かりました。お先に失礼します。」
リリスが消え、寮生と教師も消える。
エイトをアイが抱き抱えると、部屋に戻り寝かしつけた。
そのままアイが消えると、全てが元に戻っていた。
ただ、時間だけは戻らなかったが。
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