転生国主興国記

hinomoto

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本章

謁見と少年

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エイトは思っていた。
何で私の服はひらひらしたのが多いのか。
謎である。スカートと云うのは、スースーしてる。何んで着るのかも分からない。

大きな場所にいるが、連れてこられたので分からない。
取り敢えず、人が多く居て、何かのお祭りがあるようだと理解はした。
したのだが、周りの目もあり、耐えている?


教会本部から司教が学園に来たのは、日が落ちた頃になった。
明日の教皇との面会があるために来て、エイトに祭礼にと特訓を開始をした。
朝までにどうにか出来たのかは分からないが、エイトは寝ないまま式典に送り出された。
服は白のドレスをだされた。
靴も白なのは良いが、変わった靴で馴れるのに困った。
あの踵の棒に苦しんだが、立つまでは馴れただろうか。
自信はないが無いでも会場に立った以上は遣りきらなくてはならない。
エイトは何かは分からないが、目立つ事をするらしい事は理解できた。
心の中でハンベルグ卿に『忠告を守れなくてすみません。』と謝っていたが、ハンベルグ卿が聖都を出なかったら、こんな面倒事にならなかった。
謁見にしろ大事にならずにエイトも目立たない程度に終わったのに、出来なかった。
恋を知ったおじ様に、留まる事は出来なかった。

謁見と言う式典は、一人の少女を目立たさせたのだから。
さて、ここにも化粧の概念はあるが、口紅を指で引くか、目元に黒を書く程度であったのだ。
で、エイトが現れるが、民衆は勿論の事、重臣さえ言葉もなく、ただ見惚れていた。
化粧をした女性からしても、見惚れていたのだ。
エイトはもちろん化粧はしていない。
二重瞼で切れ長で大きな目と長めの睫毛は綺麗に整っているし、肌はもちもちすべすべだ。
唇はふっくらで赤いので目を引いてしまう。
それと、顔のを見て疚しい気持ちも抑えられる程に、後光ある雰囲気をかもし出していた。
教会までは、学園に馬車が迎えに来たので、聖都中とはいかないが色めき立つ。
学園に教会の豪華な馬車が来ることが無いからだ。
学園寮の前で、

「お迎えに上がりました!」

と、生演奏と使者の大声を聞く事が有るとは思いもしなかった生徒は驚いていたが、先生達は知らされたのだろうか、式典用より豪華な服装で並んでいた。
そこに現れたのは、エイトだから大騒ぎとなる。
見知らぬ美少女現れるは寮内を駆け抜けた。
馬車に乗り込むと、先生達は一斉に最敬礼をし、

「出立つ!!」

の号令と護衛兵の多さに更に驚いた。
教会までの道中さえ、通行規制が行われ封鎖となり、人々の期待もあった。
馬車の中を見た人が、少女が乗っていると言うとパリエッタ嬢の聖女の戴冠かと思われた。
しかし、教会から伝わるのは教皇との“対面の義”である。
パリエッタ嬢と教皇に面識もあり、初めて行われる儀式は必要ではない。聖女交代なら分かるのだ。
式典場所には、教会本部は使わない。歴とした大聖堂がある。
その大聖堂前には人だかりができ、馬車から降りる少女を見ていたが、「せ、光合しい?!」の言葉から観客は祈りだす事になる。
護衛兵までが、祈るのだから式典も最高潮になる。
外がそうなら、中も冷静で居れなかった。
馬鹿にしようとした教皇派は、失敗を知る程の美貌と雰囲気に呑まれ、惚けてしまい何も出来なかった。
美女を観たことほあるが、女神を観たことは無い。ま。
実際の女神を見た人にはお悔やみを申し上げたいが。
理論を越える美を見た人ほど、動揺は抑えれなかった。
神と同等な祭礼をエイトに向ける。
礼の波が教皇前まで押し押せて来ると、ランバート教皇の顔色が悪くなった。
だが、式典を守った行動は人々に称賛を持って喜ばれた。
教皇も安堵を持って、和やかに式典は終えたのだ。

とは、観客から見た印象だろう。
実際には服を着さして送り出されただけで、風呂にも顔も洗っていない。
もちろん歯磨きも出来ていないのだ。
髪も徹夜で動作訓練をしので、ベト付いてる。
肌が綺麗も、ただ単に寝不足で白くなっているだけで、手入れ処か汚い状態である。
綺麗なのは白いドレスだけ。
寝不足で、目を開けるのも必死なら、歩くのも必死である。
顔をあげるのも、太陽の光に耐えれなくて顔は下げてしまう。
目標を確認するのに目も必死だ。
建物に移れば薄暗いので、眠気が襲うから顔を目的地に向けて、必死で歩いていたが、女性の靴の為に早く歩けずにいた。
やっと教皇の前に着いて座りたいのに、何かを喋りだして正気を失い、夢うつつに受け答えをしていた。
エイトが気が付いた時には布団の中であった。

しかし、世間では違っていた。
教皇さえ手玉に取る逸材で、ハンベルグ卿を弟子と言って皆を和やかにしたり、時には枢機卿に体型の事で諌めたりと、誰もが痛快に愉快に謁見を済ませた、美少女だった。となっている。
口に出さなかったが、次の聖女と人々には思われたようだ。
噂は必ず尾ひれが付くものだ。
その膨れた噂が届いてはいけない人に届いていた。

「聖女とは、何と罪深いことか!!」

筆頭聖女候補のパリエッタに先に届いたのだ。
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