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本章
ハンベルク卿と少年
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ベアットの街から警備兵が駆けつけた時には、終わっていたが壮絶な痕を残してたそうだ。
本部に届いた書類だけだが、本部から出た使者を含めて生き残ったのは2名だけだそうだ。
勿論、無傷なのは召喚した少女が一人だけ。
使者は命こそ助かったが、目と喉をやられてしまい、話す事が出来ない状態である。
後の御者と護衛の兵達は魔物と戦い死んでいた。
魔物はトロールの亜種が一体。
護衛兵が勇敢に戦い、尊い犠牲をだしながら、命をかけて守ったのだ。
護衛兵だけでは無く、御者も使者も少女を守った事を報せてきた。
その報せを教皇より聞かされたベリエーゼ聖女は怒っていた。
自分の手駒を減らされたからと計画が頓挫したことに。『聖女』と呼ばれている子が無傷で来るのだ。
何故なら、使者と少女を伴いハンベルグ卿の一行が護衛に着いて来られるからだ。
ハンベルグ卿は次代の教皇と言われている人物だが、中央に固執せず地方を周り教えを守り実践している。
徳が高いのに庶民にまみれる稀有な存在として慕われており、警備兵は庶民で形成されてるために、中央からは煙たがれ、地方では慕われる事になった。
そのハンベルグ卿が十年振りに中央に来るのは良いが、少女の護衛で来るとなると、事態は変わってしまうのだ。
ランバート教皇も頭を悩まされている事だろう。
老婆はワインを飲み干した。
「次を考えなければ。」
薄暗い中で、静かに考えにふけてった。
街道を軽快な歩調で進む一行。
雲も適度にあり、風も適度に吹いているのは、進行にとって安定して進める。
しかも、魔物に遭遇する事が無いのは何よりである。
「しかし、良い天気ですな。」
笑顔のままに話し掛けてくるハンベルグ卿。
ナイスミドルな中年である。
「そうですね。」
エイトは使者を労りながら相づちをうつ。
使者は黙っているのは、恐怖からだ。
話しても理解してもらえない事を経験したのだ。
例え神が来ても信じてもらえまい。
目が潰れて余計に動けないでいた。
恐怖に押し潰されているからだ。
何も信用出来ない。
あるのは、ただ家族を守る事のみだった。
「使者殿の傷は深いままで申し訳ない。私の業もまだまだ未熟でした。」
また、頭を下げているのは、状態回復魔法も傷を治せなかったからだ。
「いえ、ハンベルグ卿様には、多大なお力をお借りできて幸せです。」
エイトの心からの感謝を感じて、ハンベルグ卿は益々好感が持てたようだ。
「様は余計ですよ、エイトさん。中央で私を呼ばれる時はハンベルグ卿と呼ばないと他が笑いますよ。」
「そうなんですか?分かりました、ハンベルグ卿。」
「そうです。名前の後に役職が付く場合は様は不要なので覚えてますように。」
「覚えます。」
書簡を読んで、会話をして、エイトの人となりを知る。
あとはー、
「あぁ、エイトさんは学園にはいるのですから魔法とか使えますかな?」
「どうでしょう?」
エイトは首を傾げてしまう。
「どうでしょう、学園に入られるのですから回復魔法は必須になります。覚えるには資質が必要になりますが、先に知ることも大事では?」
「私に指導をして頂けるですか?」
「貴女に覚える覚悟があるなら、旅のものぐさですが指導は可能です。」
「では、ご指導をお願いします。」
笑顔の両者ながら、エイトが頭を下げる。
しかし、頭を下げた姿を見ているハンベルグ卿は、凄い威圧を感じてしまう。
子供で、可愛らしい姿なのに、自分以上の風格と威厳を感じる姿であった。
「では、早速やりましょう。」
「はい!ハンベルグ卿。」
二人は和気藹々としながら、魔法の練習をはじめたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しまったと思ったが後の祭りだった。
細々と準備を始めだしたのは、ムサイ男から逃げる為だとしても遣り過ぎなのは反省しなくてはと思う。
目の前にあるのは、紛うことないジープがある。
ジープとは?となるが商標登録したのはウィリス・オーバーランド社であるが現在はフィアット・クライスラー・オートモービルズ参下の四輪駆動社のブランドとなっている。
歴史的に日本でジープと云えばアメリカ・バンタムMrⅡを思い出すだろう。
作者も好きな機体な理由として、要求事項にある。
「地雷を踏んでタイヤ四本のうち二本を失った場合でも、スペアタイヤを含めた三本で百キロの走行が可能であること」、「車載工具ですべての修理が可能であること」と無茶な事を言われた、正に軍事用目的の乗り物である。
で、何で作ったのか?になるが、ロマンであると即答できるぞ。
砂漠を行く話になって作ったのが本音である。
作っても理解されないから子供達の遊び場になっているが、頭をかきながらまぁ、いいかとしていた。
ジープは良い。
晴れの日はオープンカーで行けるし、荷物も載せやすい。
不安定な場所も走れるし、壊れ難いのが良い。
ただ、クーラーや乗りにくいのとハンドルが重いのは仕様である。
まぁ、改造してしまえば良いだけなのだが、意外と昔の車のデテールは好きなのだ。
遊ぶ子供達を見ながら、のんびりと見る。
こんな日があっても良いかとしながら、飲み物を飲みながら読書をしていた。
忙しい間に遊ぶ。
楽しい一時となる。
本部に届いた書類だけだが、本部から出た使者を含めて生き残ったのは2名だけだそうだ。
勿論、無傷なのは召喚した少女が一人だけ。
使者は命こそ助かったが、目と喉をやられてしまい、話す事が出来ない状態である。
後の御者と護衛の兵達は魔物と戦い死んでいた。
魔物はトロールの亜種が一体。
護衛兵が勇敢に戦い、尊い犠牲をだしながら、命をかけて守ったのだ。
護衛兵だけでは無く、御者も使者も少女を守った事を報せてきた。
その報せを教皇より聞かされたベリエーゼ聖女は怒っていた。
自分の手駒を減らされたからと計画が頓挫したことに。『聖女』と呼ばれている子が無傷で来るのだ。
何故なら、使者と少女を伴いハンベルグ卿の一行が護衛に着いて来られるからだ。
ハンベルグ卿は次代の教皇と言われている人物だが、中央に固執せず地方を周り教えを守り実践している。
徳が高いのに庶民にまみれる稀有な存在として慕われており、警備兵は庶民で形成されてるために、中央からは煙たがれ、地方では慕われる事になった。
そのハンベルグ卿が十年振りに中央に来るのは良いが、少女の護衛で来るとなると、事態は変わってしまうのだ。
ランバート教皇も頭を悩まされている事だろう。
老婆はワインを飲み干した。
「次を考えなければ。」
薄暗い中で、静かに考えにふけてった。
街道を軽快な歩調で進む一行。
雲も適度にあり、風も適度に吹いているのは、進行にとって安定して進める。
しかも、魔物に遭遇する事が無いのは何よりである。
「しかし、良い天気ですな。」
笑顔のままに話し掛けてくるハンベルグ卿。
ナイスミドルな中年である。
「そうですね。」
エイトは使者を労りながら相づちをうつ。
使者は黙っているのは、恐怖からだ。
話しても理解してもらえない事を経験したのだ。
例え神が来ても信じてもらえまい。
目が潰れて余計に動けないでいた。
恐怖に押し潰されているからだ。
何も信用出来ない。
あるのは、ただ家族を守る事のみだった。
「使者殿の傷は深いままで申し訳ない。私の業もまだまだ未熟でした。」
また、頭を下げているのは、状態回復魔法も傷を治せなかったからだ。
「いえ、ハンベルグ卿様には、多大なお力をお借りできて幸せです。」
エイトの心からの感謝を感じて、ハンベルグ卿は益々好感が持てたようだ。
「様は余計ですよ、エイトさん。中央で私を呼ばれる時はハンベルグ卿と呼ばないと他が笑いますよ。」
「そうなんですか?分かりました、ハンベルグ卿。」
「そうです。名前の後に役職が付く場合は様は不要なので覚えてますように。」
「覚えます。」
書簡を読んで、会話をして、エイトの人となりを知る。
あとはー、
「あぁ、エイトさんは学園にはいるのですから魔法とか使えますかな?」
「どうでしょう?」
エイトは首を傾げてしまう。
「どうでしょう、学園に入られるのですから回復魔法は必須になります。覚えるには資質が必要になりますが、先に知ることも大事では?」
「私に指導をして頂けるですか?」
「貴女に覚える覚悟があるなら、旅のものぐさですが指導は可能です。」
「では、ご指導をお願いします。」
笑顔の両者ながら、エイトが頭を下げる。
しかし、頭を下げた姿を見ているハンベルグ卿は、凄い威圧を感じてしまう。
子供で、可愛らしい姿なのに、自分以上の風格と威厳を感じる姿であった。
「では、早速やりましょう。」
「はい!ハンベルグ卿。」
二人は和気藹々としながら、魔法の練習をはじめたのだった。
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しまったと思ったが後の祭りだった。
細々と準備を始めだしたのは、ムサイ男から逃げる為だとしても遣り過ぎなのは反省しなくてはと思う。
目の前にあるのは、紛うことないジープがある。
ジープとは?となるが商標登録したのはウィリス・オーバーランド社であるが現在はフィアット・クライスラー・オートモービルズ参下の四輪駆動社のブランドとなっている。
歴史的に日本でジープと云えばアメリカ・バンタムMrⅡを思い出すだろう。
作者も好きな機体な理由として、要求事項にある。
「地雷を踏んでタイヤ四本のうち二本を失った場合でも、スペアタイヤを含めた三本で百キロの走行が可能であること」、「車載工具ですべての修理が可能であること」と無茶な事を言われた、正に軍事用目的の乗り物である。
で、何で作ったのか?になるが、ロマンであると即答できるぞ。
砂漠を行く話になって作ったのが本音である。
作っても理解されないから子供達の遊び場になっているが、頭をかきながらまぁ、いいかとしていた。
ジープは良い。
晴れの日はオープンカーで行けるし、荷物も載せやすい。
不安定な場所も走れるし、壊れ難いのが良い。
ただ、クーラーや乗りにくいのとハンドルが重いのは仕様である。
まぁ、改造してしまえば良いだけなのだが、意外と昔の車のデテールは好きなのだ。
遊ぶ子供達を見ながら、のんびりと見る。
こんな日があっても良いかとしながら、飲み物を飲みながら読書をしていた。
忙しい間に遊ぶ。
楽しい一時となる。
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