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本章
過去のぼうれい?
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目が覚めた。
暗闇の中だから、いつの間にか夜中になったのだろう。
温かいのはみんなに囲まれているためだろうか。
ぼーと見ているが、暗いが目の前に誰かいるためだろう、横目に天井が分かるからな。
女性の匂いは好きである。
自分以外で匂いは重要だと聞いた事がある。
ナインの昔も男と女の匂いは大変であった。
コンパで香水が混ざり合い吐いたのは懐かしい記憶だ。
二度とコンパに行かなかったし誘われなかった。
ただ、人の着ける香水は良いが、自分に着いた香水は気持ち悪いのも理解した。
その経験が香水を嫌うのだが、自分以外は認めている。と思う。
先も書いたが、混ざった時の匂いが悪臭になることがある。
そうなると吐く。
しかし、本によると人によるそうなのだと読んで納得したりした。
嫌いな人の匂いは異常に覚えている。特に虐められた記憶には匂いが関係してくる。
例えば苦手な人が居るが、他人はそうは思わない事があるが、これも匂いが嫌な記憶に結びつくためとの研究結果だと書かれていた。
逆に好きな匂いはそれ以外か、良い記憶に結びつく為となるだろう。
で、この匂いは好きだ。
安心が出来るし、できれば抱き付きたいとも思える匂いなのだ!逃げることも触ることも出来ない、拷問のような時間を過ごす。
と言っても一時間もない、多分五分か十分程のことなのにナインは葛藤していた。
「触っても良いですよ?」
不意に声がかかると、人間としてビックリするものだ。固まっていてもビックリしない分けがない。
「・・・・・・。」
「マスターがしたい様にして下さい。ポッ。」
ナインの心では、
(えっ?えっ?アイ!?て、何を言ってるかなー!やーめーてー!ポッって何よ!ポッて!)
と、かなり動揺を隠せない程になっている。顔には冷や汗が浮き出ているから。
「体温の機能も人間並みにしましたが、感覚は大丈夫でしたか?」
むにっ。
いや、『ぼよよん』だよな、この感触は。
「身体の柔らか差は如何でしょうか?マスター。」
ぎゅっと抱き締められる。
十代の男なら、固まるかラッキースケベと感じてしまう事だが、現在は女性に対して保護者の対応をしていたのと、過去は彼女すら居なかった侘しい四十代を過ごしていたのだ。
アイと分かっていても、慣れていた顔と声が違うアイに安心して抱かれて安堵できる事もなく、
「あぎあああぁぁぁぁぁああ!!!」
夜が開ける前にナインの絶叫が響いた。
それはもう、十キロ四方にはっきりと聞こえる程に響いた。
アイから這うように逃れて壁らしき場所に落ち着く。
「不評でしたか?マスター。」
「ち、違うぞ!そうじゃなくて、何でいるの?!」
焦りと上擦った声。
「添い寝です、マスター。」
にっこりとするアイ。
惚れそうになるが、惚れてはいけない。相手に失礼だから。
「なんで添い寝を?!」
「マスターが暴走したからです。」
「ぼ、暴走?」
ただ茫然と昨日を思い出すが、思いあたらなかった。
「外に出ませんか?マスター。」
「は、はい。」
求めに応じて外にでる。
眩しい光が目に突き刺さる。
目を瞑り、再び開けた時に理解できた。
テトと子供達、大人達も目の前の事に驚いていた。
砂漠のオアシスと言われ、砂漠で育ち皇国の緑を羨んだはずであった。
目の前には、彩りの草花と生きた大地があり、風は気持ち良くて心地良い。
嘘と言われても信じる事ができる程の事が、物がある。
暑さもない、適温の感覚に戸惑い、目の前の事に思考が追い付かない。
「これって、俺がした?」
「はい、マスター。」
にこやかなアイと茫然自失のナインが、その場に加わっただけだが。
人は信じれない事が起きると、茫然としてしまうらしい、良い実例であった。
暗闇の中だから、いつの間にか夜中になったのだろう。
温かいのはみんなに囲まれているためだろうか。
ぼーと見ているが、暗いが目の前に誰かいるためだろう、横目に天井が分かるからな。
女性の匂いは好きである。
自分以外で匂いは重要だと聞いた事がある。
ナインの昔も男と女の匂いは大変であった。
コンパで香水が混ざり合い吐いたのは懐かしい記憶だ。
二度とコンパに行かなかったし誘われなかった。
ただ、人の着ける香水は良いが、自分に着いた香水は気持ち悪いのも理解した。
その経験が香水を嫌うのだが、自分以外は認めている。と思う。
先も書いたが、混ざった時の匂いが悪臭になることがある。
そうなると吐く。
しかし、本によると人によるそうなのだと読んで納得したりした。
嫌いな人の匂いは異常に覚えている。特に虐められた記憶には匂いが関係してくる。
例えば苦手な人が居るが、他人はそうは思わない事があるが、これも匂いが嫌な記憶に結びつくためとの研究結果だと書かれていた。
逆に好きな匂いはそれ以外か、良い記憶に結びつく為となるだろう。
で、この匂いは好きだ。
安心が出来るし、できれば抱き付きたいとも思える匂いなのだ!逃げることも触ることも出来ない、拷問のような時間を過ごす。
と言っても一時間もない、多分五分か十分程のことなのにナインは葛藤していた。
「触っても良いですよ?」
不意に声がかかると、人間としてビックリするものだ。固まっていてもビックリしない分けがない。
「・・・・・・。」
「マスターがしたい様にして下さい。ポッ。」
ナインの心では、
(えっ?えっ?アイ!?て、何を言ってるかなー!やーめーてー!ポッって何よ!ポッて!)
と、かなり動揺を隠せない程になっている。顔には冷や汗が浮き出ているから。
「体温の機能も人間並みにしましたが、感覚は大丈夫でしたか?」
むにっ。
いや、『ぼよよん』だよな、この感触は。
「身体の柔らか差は如何でしょうか?マスター。」
ぎゅっと抱き締められる。
十代の男なら、固まるかラッキースケベと感じてしまう事だが、現在は女性に対して保護者の対応をしていたのと、過去は彼女すら居なかった侘しい四十代を過ごしていたのだ。
アイと分かっていても、慣れていた顔と声が違うアイに安心して抱かれて安堵できる事もなく、
「あぎあああぁぁぁぁぁああ!!!」
夜が開ける前にナインの絶叫が響いた。
それはもう、十キロ四方にはっきりと聞こえる程に響いた。
アイから這うように逃れて壁らしき場所に落ち着く。
「不評でしたか?マスター。」
「ち、違うぞ!そうじゃなくて、何でいるの?!」
焦りと上擦った声。
「添い寝です、マスター。」
にっこりとするアイ。
惚れそうになるが、惚れてはいけない。相手に失礼だから。
「なんで添い寝を?!」
「マスターが暴走したからです。」
「ぼ、暴走?」
ただ茫然と昨日を思い出すが、思いあたらなかった。
「外に出ませんか?マスター。」
「は、はい。」
求めに応じて外にでる。
眩しい光が目に突き刺さる。
目を瞑り、再び開けた時に理解できた。
テトと子供達、大人達も目の前の事に驚いていた。
砂漠のオアシスと言われ、砂漠で育ち皇国の緑を羨んだはずであった。
目の前には、彩りの草花と生きた大地があり、風は気持ち良くて心地良い。
嘘と言われても信じる事ができる程の事が、物がある。
暑さもない、適温の感覚に戸惑い、目の前の事に思考が追い付かない。
「これって、俺がした?」
「はい、マスター。」
にこやかなアイと茫然自失のナインが、その場に加わっただけだが。
人は信じれない事が起きると、茫然としてしまうらしい、良い実例であった。
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