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第一話 異世界転移、いきなり大ピンチ!?
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もしもぬいぐるみが動いたら……って、一度は考えたことない?
このお話は、そんなことを夢見ていた私が、動いてしゃべるモフモフのぬいぐるみを作れるようになっちゃったって物語。嘘みたいだけど、本当だよ?
・・・・・
「あ~、またバッドエンドだ!」
ガタゴト揺れる車内に、お姉ちゃんの叫び声が響き渡った。大げさに嘆くお姉ちゃんの手には、愛用のゲーム機が握られている。
「また死んじゃったの? お姉ちゃん下手っぴ~」
「しょうがないじゃない! このゲーム、めちゃくちゃ難しいんだから!」
「マリーもロッティも、ゲームばかりやってないの! せっかくの家族旅行なんだから」
助手席に座っているママが、後部座席を振り向いて怒ってる。しばらくガミガミ怒られて、お姉ちゃんと私は顔を見合わせて舌を出した。
マリーとロッティ、海外の人なのかな? って思うでしょ?
これ、ただのあだ名なの。お姉ちゃんが「真理恵」で「マリー」なのはまだ分かるんだけど、私は「シャルロッテ」ってお菓子が好きだから「ロッティ」って呼ばれてるんだ。信じられる?
このあだ名をつけたのは、ちょっと変わってるパパとママ。グローバルな時代だからって、海外風のあだ名で家族を呼んでいるの。まあ、私も文句は言いつつ「ロッティ」って呼ばれるの、けっこう気に入っているんだけどね。
「……お姉ちゃん。じゃあゲーム、また最初からなの?」
私はママに聞かれないように、ヒソヒソ声で耳打ちした。
「そうね。バッドエンドになっちゃったから、最初からやり直すしかないわ。今度こそハッピーエンドで終われると思ったんだけど……」
お姉ちゃんがママの様子を伺いながら、こっそりとゲーム機の電源を入れる。音を消したゲーム機の画面にプロローグの映像が流れ始め、私は顔をしかめた。
「やだ、プロローグ嫌い。ヒロインが魔族にさらわれちゃうし、幼馴染が死んじゃうでしょ? あの馬車の場面、こわいんだよね」
「嫌なら見なきゃいいじゃない。ロッティったら十歳になったのに、いつまでも怖がりなんだから」
呆れた顔をするお姉ちゃんは十六歳。彼氏が欲しい~とか言いながら、こういう恋愛シミュレーションゲーム? みたいなのばっかりやってるから、人のこととやかく言えないよね。
「でも怖くても見なきゃ。いつかこの子が出てくるかもしれないでしょ? 動いてる姿が見たいんだもん!」
私は膝の上に乗せていた白いぬいぐるみを、ギュッと胸に抱きしめた。
これはこのゲーム「恋するアリスのワンダーランド」のパッケージに描かれていた、白いキャラクターのぬいぐるみ。何の生物か分からないけれど、初めて見た瞬間に一目惚れしたの!
全身真っ白でフワッフワな毛に覆われていて、体はハムスターみたい。ちっちゃな耳に、黒くてキラキラしたつぶらな瞳。「ω」の形の口からは、ピンクの舌がチロッとのぞいている。
手足も短くて小さいんだけど、背中には白くて大きな翼があるの。翼を広げたイメージは……コウモリとかモモンガみたい? フワフワなハムスターに、翼が生えたって感じかな。あと忘れちゃいけないのが、おでこにある真っ赤な宝石。白い体の中でそこだけ色がついているから、目立つんだ。
このキャラクターがとにかくかわいくて、グッズを探しまくったんだけど……発売されたばかりのゲームだからなのか、キャラの名前すら出てこなくて落ち込んだ。もしかして、シークレットキャラなのかな?
でもどうしてもぬいぐるみが欲しかったから、自分で手作りすることにしたんだ。手芸が趣味な私だけど、素材選びから型紙作り、細かいパーツの縫い合わせ……とにかく大変だった!
ママに手伝ってもらいながら、昨日ようやく完成したの。あまりにも嬉しかったから「シロちゃん」って名前をつけて、家族旅行にも連れて来ちゃった。
私はぬいぐるみが大好きだから、将来ぬいぐるみ屋さんになりたいと思ってたけど……けっこう前途多難だね。でもでも、完成したシロちゃんがすっごくかわいいから、疲れなんて吹っ飛んじゃった! 本当にぬいぐるみ屋さんになりたいなら、これから一生懸命裁縫の腕を磨かないとね。
そんなことを考えているうちに、お姉ちゃんのゲームのストーリーが始まった。魔族にさらわれた子供たちが馬車の中で泣いている映像が流れ始め、私は「キャッ!」と声を出してお姉ちゃんの腕にしがみつく。
「こら、二人とも! まだゲームをやってるの? いい加減にしないと……」
「まあまあ、いいじゃないかママ。このトンネルを抜ければ、もうすぐ遊園地に到着だ。それまで自由にさせてあげれば……」
のんびりやのパパが言い終わった瞬間、辺りがパッと真っ暗になった。何故だか音も聞こえなくなって、シーンと静まり返っている。
トンネルに入ったのかな? と思ったけど、それにしても暗すぎる……。前も後ろも何にも見えないし、お姉ちゃんのゲーム機の明かりもないのは変だよね。
「お姉ちゃん? パパ、ママ……?」
不安になった私は思わずみんなに呼びかけたけど、誰からの返事もない。怖くなって、私はシロちゃんを思い切り抱きしめた。まるで一人だけ、真っ暗な世界に閉じ込められてしまったみたいだ。
シロちゃんのフワフワな毛がほっぺたに触れて、私はギュッと目を閉じる。次に目を開けたら、トンネルを抜けてますように。元通りに、パパとママとお姉ちゃんがいますように……。
十秒数えて恐る恐る目を開けたけど、やっぱり外は暗かった。ガッカリしてため息を吐いたら、何かの音が聞こえてきた。
ガタッゴトッと激しく揺れる音。いくらうちの車がボロいっていっても、こんなに揺れるはずはない。
それに、小さい子供のすすり泣く声も聞こえる。お姉ちゃんの声じゃなさそうだ。
次の瞬間、ガタンッと大きく揺れた拍子に、お尻を座席に打ち付けちゃった。何これ、めちゃくちゃ痛い!
座面を触ってみると、ザラザラしてささくれている。これ、木で出来てるの? ……待ってよ、それならここは一体どこ?
暗闇に目が慣れてくると、周りの様子が見えてきた。どうやら木で出来た馬車の中みたいで、子供が十人くらいいる。みんな知らない子だし……泣いたり落ち込んだりして、悲しそうだ。
訳も分からないまましばらく固まっていたけれど、もちろん誰も説明してはくれなかった。仕方ないから、最大限の勇気を振り絞って、隣の子に話しかけてみる。私、極度の人見知りなんだよね。
「ねえ、ここはどこ? なんで泣いているの?」
隣の女の子……私と同じ十歳くらいかな……は、泣くのをやめてこちらを振り向いた。
わ! 金色の髪にブルーの目。フランス人形みたいですっごく美人なのが、暗闇の中でも分かる。思わず見惚れる私に、その子は呆れるように言った。
「あなた馬鹿ね、ロッティ。状況が分からないの? 私たち、悪い魔族にさらわれて、これから食べられちゃう所なのよ」
初めましての人なのに、何で私のあだ名を知ってるの? と思ったけど、それよりも先に考えなきゃいけないことがあった。
「魔族にさらわれて」……?
それって、さっきまでお姉ちゃんがプレイしていたゲームの話みたいじゃない!
ゲームのことを思い出して、私はハッと口を押さえた。
「あなた……アリス?」
サラサラの綺麗な金髪に、サファイアみたいなブルーの瞳。そして、大きなリボンのついたカチューシャ……。
目の前の女の子は、ゲームのヒロインのキャラクターにそっくりだったのだ!
「そうよ? ロッティったら幼馴染なのに、初めて会ったみたいな顔して……頭でも打って変になった?」
アリスは横目で私を見つめた後、はあ……と大きなため息をついた。
アリスはゲームのヒロインで、みんなから愛される心優しい女の子だったはずだけど……こんな性格だったかな?
「ん? ちょっと待ってアリス、私のこと『幼馴染』って言った!?」
「……ロッティ、本当におかしくなっちゃったの? 私たちが幼馴染じゃなくて何なのよ。怖くて混乱してるなら、せめて静かにしてちょうだい」
冷静にツッコむアリスと反対に、私は焦っていた。
私、「異世界転移」ってやつで、本当にゲームの中の世界にいるのかもしれない……!
この世界が本物で、私がアリスの幼馴染なんだとしたら……。
私、もしかして、「ゲームの最初に死んじゃう、ヒロインの幼馴染」なの!?
このお話は、そんなことを夢見ていた私が、動いてしゃべるモフモフのぬいぐるみを作れるようになっちゃったって物語。嘘みたいだけど、本当だよ?
・・・・・
「あ~、またバッドエンドだ!」
ガタゴト揺れる車内に、お姉ちゃんの叫び声が響き渡った。大げさに嘆くお姉ちゃんの手には、愛用のゲーム機が握られている。
「また死んじゃったの? お姉ちゃん下手っぴ~」
「しょうがないじゃない! このゲーム、めちゃくちゃ難しいんだから!」
「マリーもロッティも、ゲームばかりやってないの! せっかくの家族旅行なんだから」
助手席に座っているママが、後部座席を振り向いて怒ってる。しばらくガミガミ怒られて、お姉ちゃんと私は顔を見合わせて舌を出した。
マリーとロッティ、海外の人なのかな? って思うでしょ?
これ、ただのあだ名なの。お姉ちゃんが「真理恵」で「マリー」なのはまだ分かるんだけど、私は「シャルロッテ」ってお菓子が好きだから「ロッティ」って呼ばれてるんだ。信じられる?
このあだ名をつけたのは、ちょっと変わってるパパとママ。グローバルな時代だからって、海外風のあだ名で家族を呼んでいるの。まあ、私も文句は言いつつ「ロッティ」って呼ばれるの、けっこう気に入っているんだけどね。
「……お姉ちゃん。じゃあゲーム、また最初からなの?」
私はママに聞かれないように、ヒソヒソ声で耳打ちした。
「そうね。バッドエンドになっちゃったから、最初からやり直すしかないわ。今度こそハッピーエンドで終われると思ったんだけど……」
お姉ちゃんがママの様子を伺いながら、こっそりとゲーム機の電源を入れる。音を消したゲーム機の画面にプロローグの映像が流れ始め、私は顔をしかめた。
「やだ、プロローグ嫌い。ヒロインが魔族にさらわれちゃうし、幼馴染が死んじゃうでしょ? あの馬車の場面、こわいんだよね」
「嫌なら見なきゃいいじゃない。ロッティったら十歳になったのに、いつまでも怖がりなんだから」
呆れた顔をするお姉ちゃんは十六歳。彼氏が欲しい~とか言いながら、こういう恋愛シミュレーションゲーム? みたいなのばっかりやってるから、人のこととやかく言えないよね。
「でも怖くても見なきゃ。いつかこの子が出てくるかもしれないでしょ? 動いてる姿が見たいんだもん!」
私は膝の上に乗せていた白いぬいぐるみを、ギュッと胸に抱きしめた。
これはこのゲーム「恋するアリスのワンダーランド」のパッケージに描かれていた、白いキャラクターのぬいぐるみ。何の生物か分からないけれど、初めて見た瞬間に一目惚れしたの!
全身真っ白でフワッフワな毛に覆われていて、体はハムスターみたい。ちっちゃな耳に、黒くてキラキラしたつぶらな瞳。「ω」の形の口からは、ピンクの舌がチロッとのぞいている。
手足も短くて小さいんだけど、背中には白くて大きな翼があるの。翼を広げたイメージは……コウモリとかモモンガみたい? フワフワなハムスターに、翼が生えたって感じかな。あと忘れちゃいけないのが、おでこにある真っ赤な宝石。白い体の中でそこだけ色がついているから、目立つんだ。
このキャラクターがとにかくかわいくて、グッズを探しまくったんだけど……発売されたばかりのゲームだからなのか、キャラの名前すら出てこなくて落ち込んだ。もしかして、シークレットキャラなのかな?
でもどうしてもぬいぐるみが欲しかったから、自分で手作りすることにしたんだ。手芸が趣味な私だけど、素材選びから型紙作り、細かいパーツの縫い合わせ……とにかく大変だった!
ママに手伝ってもらいながら、昨日ようやく完成したの。あまりにも嬉しかったから「シロちゃん」って名前をつけて、家族旅行にも連れて来ちゃった。
私はぬいぐるみが大好きだから、将来ぬいぐるみ屋さんになりたいと思ってたけど……けっこう前途多難だね。でもでも、完成したシロちゃんがすっごくかわいいから、疲れなんて吹っ飛んじゃった! 本当にぬいぐるみ屋さんになりたいなら、これから一生懸命裁縫の腕を磨かないとね。
そんなことを考えているうちに、お姉ちゃんのゲームのストーリーが始まった。魔族にさらわれた子供たちが馬車の中で泣いている映像が流れ始め、私は「キャッ!」と声を出してお姉ちゃんの腕にしがみつく。
「こら、二人とも! まだゲームをやってるの? いい加減にしないと……」
「まあまあ、いいじゃないかママ。このトンネルを抜ければ、もうすぐ遊園地に到着だ。それまで自由にさせてあげれば……」
のんびりやのパパが言い終わった瞬間、辺りがパッと真っ暗になった。何故だか音も聞こえなくなって、シーンと静まり返っている。
トンネルに入ったのかな? と思ったけど、それにしても暗すぎる……。前も後ろも何にも見えないし、お姉ちゃんのゲーム機の明かりもないのは変だよね。
「お姉ちゃん? パパ、ママ……?」
不安になった私は思わずみんなに呼びかけたけど、誰からの返事もない。怖くなって、私はシロちゃんを思い切り抱きしめた。まるで一人だけ、真っ暗な世界に閉じ込められてしまったみたいだ。
シロちゃんのフワフワな毛がほっぺたに触れて、私はギュッと目を閉じる。次に目を開けたら、トンネルを抜けてますように。元通りに、パパとママとお姉ちゃんがいますように……。
十秒数えて恐る恐る目を開けたけど、やっぱり外は暗かった。ガッカリしてため息を吐いたら、何かの音が聞こえてきた。
ガタッゴトッと激しく揺れる音。いくらうちの車がボロいっていっても、こんなに揺れるはずはない。
それに、小さい子供のすすり泣く声も聞こえる。お姉ちゃんの声じゃなさそうだ。
次の瞬間、ガタンッと大きく揺れた拍子に、お尻を座席に打ち付けちゃった。何これ、めちゃくちゃ痛い!
座面を触ってみると、ザラザラしてささくれている。これ、木で出来てるの? ……待ってよ、それならここは一体どこ?
暗闇に目が慣れてくると、周りの様子が見えてきた。どうやら木で出来た馬車の中みたいで、子供が十人くらいいる。みんな知らない子だし……泣いたり落ち込んだりして、悲しそうだ。
訳も分からないまましばらく固まっていたけれど、もちろん誰も説明してはくれなかった。仕方ないから、最大限の勇気を振り絞って、隣の子に話しかけてみる。私、極度の人見知りなんだよね。
「ねえ、ここはどこ? なんで泣いているの?」
隣の女の子……私と同じ十歳くらいかな……は、泣くのをやめてこちらを振り向いた。
わ! 金色の髪にブルーの目。フランス人形みたいですっごく美人なのが、暗闇の中でも分かる。思わず見惚れる私に、その子は呆れるように言った。
「あなた馬鹿ね、ロッティ。状況が分からないの? 私たち、悪い魔族にさらわれて、これから食べられちゃう所なのよ」
初めましての人なのに、何で私のあだ名を知ってるの? と思ったけど、それよりも先に考えなきゃいけないことがあった。
「魔族にさらわれて」……?
それって、さっきまでお姉ちゃんがプレイしていたゲームの話みたいじゃない!
ゲームのことを思い出して、私はハッと口を押さえた。
「あなた……アリス?」
サラサラの綺麗な金髪に、サファイアみたいなブルーの瞳。そして、大きなリボンのついたカチューシャ……。
目の前の女の子は、ゲームのヒロインのキャラクターにそっくりだったのだ!
「そうよ? ロッティったら幼馴染なのに、初めて会ったみたいな顔して……頭でも打って変になった?」
アリスは横目で私を見つめた後、はあ……と大きなため息をついた。
アリスはゲームのヒロインで、みんなから愛される心優しい女の子だったはずだけど……こんな性格だったかな?
「ん? ちょっと待ってアリス、私のこと『幼馴染』って言った!?」
「……ロッティ、本当におかしくなっちゃったの? 私たちが幼馴染じゃなくて何なのよ。怖くて混乱してるなら、せめて静かにしてちょうだい」
冷静にツッコむアリスと反対に、私は焦っていた。
私、「異世界転移」ってやつで、本当にゲームの中の世界にいるのかもしれない……!
この世界が本物で、私がアリスの幼馴染なんだとしたら……。
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