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25話 変な夢
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目を開けると何故か俺は空に浮かんでいた。
「うお!?……浮かんでる?」
すっげ、浮かんでる……なんか体の中が浮いてる感じがしてちょっと気持ち悪い……。
「うぁ~……気持ち悪……、ん?なんだ……?」
下から金属音やら爆発音が聞こえ下を向くと5人の人影が見えた、よく見ると4人は若い男女の人間、あと一人は魔王っぽい人だった。
ぽい、と言ったには訳がある。明らかに勇者であろう鎧を着ている青年が魔王っぽい……、魔王でいいや、その魔王に土下座しているのだ。
「ほっんとうにスマン!」
「許さんぞ、勇者!」
「イヤイヤ!でもそっちだって悪いんだぞ、決戦の場所に大事な貴重品なんて置いとくなよ!」
「貴様らが勝手に来て勝手に暴れたんだろうが!」
「………そ、そりゃぁー……魔王だし」
「お・ま・え・なぁ~!」
あれ?俺が思ってた勇者と魔王じゃない、加害者と被害者の図だ。
するといつの間にか勇者の仲間の3人が魔族の幹部らしき人達と話していた。
「ベヒモス倒してきたの!?」
「そうなのよ、あの馬鹿がベヒモスを見たいとか言い出してそれで……」
「あの時は大変でしたねぇ……」
「そ、そうですね……」
「ふむ、しかし人の身でベヒモスを倒すとはやるではないか」
「偶然よ、偶然。次があってもぜっっったい! やりたくないわ」
なんか普通に旅の話で盛り上がっている。
勇者の仲間の賢者らしき男性、プリーストらしき金髪の女性、そして……。
「それにしても使徒が勇者と一緒に居るなんてビックリだわ」
「私だってあんな馬鹿の世話なんてイヤだったわよ……、でもアルテミシアが『あの勇者に付いて下さらないと色々危ないんで………』とか言うのよ?可笑しいでしょ勇者なのに危険物扱いよ」
マジで何した勇者、使徒と言うらしい女性からボロクソ言われている勇者は魔王の怒りの魔法の弾幕を一生懸命防いでいた。
「いや!ホントに悪かったって、許して!」
「お前、あれがいくらかだったのか分かるか!?」
「……ねぇ、あの壺っていくらだったの?」
「2億」
「おぅふ……」
2億ってマジか、勇者の方を見ると会話が聞こえたのかみんなの方を口を半開きにして見ていた。なんか呟いているので聴覚を強化して耳を済ませると……。
「ーーー2億?え、まじ?……2億?」
値段聞いてビビり出していた。
「……死ぬ覚悟はいいか、勇者……」
「お、俺は悪くねぇ!ーーすいませんでしたぁ!」
悪くねぇといった矢先、プレッシャーに耐えられず即謝っていた。
ーーーそんな平和な夢を見ているのは良いが何でこんな夢を視ているのだろう?明らかに最終決戦の光景じゃないし、何か起きるのーーー。
「!?」
急な寒気を感じ辺りを見ると魔王の後ろに黒い靄が出始めていた。
ーーーあれはヤバい、夢だから俺に被害は無いのは分かっている、分かっていても喰われるんじゃないかと思ってしまう……。
ーーー喰われる?なんで俺はあの靄を見て喰われるなんて思ったんだ?……、まるで以前から知ってるような………。
「………!、コウタさん、起きてください!」
「! お、おう、起きてる起きてる」
「大丈夫ですか?」
「おう、タクトは心配性だなぁー」
「……そうでしょうか?」
「でもタクの言うとおり急に目が虚ろになって心配したんですよ?」
「ユミが人の心配?……あ、すいません嘘ですユミさんは心優しい美少女です」
いま俺達は森の中にいる、メンバーはいつもの面子だ。
「はぁ……、それにしてもメンバー決めが好きな人同士で組めとか……危なかった」
「そうなんですか?コウタさん、お友達とか いっぱい居そうですけど」
「馬鹿いえミスティ、俺の学園の友人はヘリックとミミルだけだ」
「え、えらく偏ってますね……」
「マジでメンバーは先生が決めてくれよ……、一歩間違ったら俺だけボッチとかあり得たぞ……」
考えただけでゾッとする。
そんな馬鹿話をしながら森を進んでいると少し拓けた場所にでた。
「ここで少し休憩しようか」
「はい、わかりました」
「ぶぇ~、つかれたぁ~」
「だらしないわね、コウタ」
「誰だって疲れたらこうなる」
「ははは……、皆さんこれを」
「ん?なんだこれ」
タクトから渡されたのは水色の透き通った石だった。石の中には魔方陣が刻まれている。
「これは俺の転移の魔法を込めた魔法石です」
「え、じゃあこれに魔力を込めたら転移出来るの?」
「はい、一応転移先は街に設定してはいるのですが……」
「な、なんだよ」
「急いで作った物ですからちゃんと機能するか心配で……、ですからそれを使うのは最後の最後にしてください」
「……そっか、ありがとうタクト君」
「いえ、ヘリックさん達を護るのが今のおれたちの仕事なんで」
「ま、危ない時はみんなで何とかするしかないだろ」
「まぁ、コウタの言う通り何だけどね……、さて…と、そろそろ行こうか」
ヘリックがそう言うとみんな立ち上がり装備を付け直す。俺も装備を確認していると。
「?」
視線を感じてそこを見るが何もない。
なんだろ?変な感じがする……、まぁいいか。
何処か不安を感じながらも勇者二人は気付いた様子も無く、気のせいかと思い皆に付いて行く。
「うお!?……浮かんでる?」
すっげ、浮かんでる……なんか体の中が浮いてる感じがしてちょっと気持ち悪い……。
「うぁ~……気持ち悪……、ん?なんだ……?」
下から金属音やら爆発音が聞こえ下を向くと5人の人影が見えた、よく見ると4人は若い男女の人間、あと一人は魔王っぽい人だった。
ぽい、と言ったには訳がある。明らかに勇者であろう鎧を着ている青年が魔王っぽい……、魔王でいいや、その魔王に土下座しているのだ。
「ほっんとうにスマン!」
「許さんぞ、勇者!」
「イヤイヤ!でもそっちだって悪いんだぞ、決戦の場所に大事な貴重品なんて置いとくなよ!」
「貴様らが勝手に来て勝手に暴れたんだろうが!」
「………そ、そりゃぁー……魔王だし」
「お・ま・え・なぁ~!」
あれ?俺が思ってた勇者と魔王じゃない、加害者と被害者の図だ。
するといつの間にか勇者の仲間の3人が魔族の幹部らしき人達と話していた。
「ベヒモス倒してきたの!?」
「そうなのよ、あの馬鹿がベヒモスを見たいとか言い出してそれで……」
「あの時は大変でしたねぇ……」
「そ、そうですね……」
「ふむ、しかし人の身でベヒモスを倒すとはやるではないか」
「偶然よ、偶然。次があってもぜっっったい! やりたくないわ」
なんか普通に旅の話で盛り上がっている。
勇者の仲間の賢者らしき男性、プリーストらしき金髪の女性、そして……。
「それにしても使徒が勇者と一緒に居るなんてビックリだわ」
「私だってあんな馬鹿の世話なんてイヤだったわよ……、でもアルテミシアが『あの勇者に付いて下さらないと色々危ないんで………』とか言うのよ?可笑しいでしょ勇者なのに危険物扱いよ」
マジで何した勇者、使徒と言うらしい女性からボロクソ言われている勇者は魔王の怒りの魔法の弾幕を一生懸命防いでいた。
「いや!ホントに悪かったって、許して!」
「お前、あれがいくらかだったのか分かるか!?」
「……ねぇ、あの壺っていくらだったの?」
「2億」
「おぅふ……」
2億ってマジか、勇者の方を見ると会話が聞こえたのかみんなの方を口を半開きにして見ていた。なんか呟いているので聴覚を強化して耳を済ませると……。
「ーーー2億?え、まじ?……2億?」
値段聞いてビビり出していた。
「……死ぬ覚悟はいいか、勇者……」
「お、俺は悪くねぇ!ーーすいませんでしたぁ!」
悪くねぇといった矢先、プレッシャーに耐えられず即謝っていた。
ーーーそんな平和な夢を見ているのは良いが何でこんな夢を視ているのだろう?明らかに最終決戦の光景じゃないし、何か起きるのーーー。
「!?」
急な寒気を感じ辺りを見ると魔王の後ろに黒い靄が出始めていた。
ーーーあれはヤバい、夢だから俺に被害は無いのは分かっている、分かっていても喰われるんじゃないかと思ってしまう……。
ーーー喰われる?なんで俺はあの靄を見て喰われるなんて思ったんだ?……、まるで以前から知ってるような………。
「………!、コウタさん、起きてください!」
「! お、おう、起きてる起きてる」
「大丈夫ですか?」
「おう、タクトは心配性だなぁー」
「……そうでしょうか?」
「でもタクの言うとおり急に目が虚ろになって心配したんですよ?」
「ユミが人の心配?……あ、すいません嘘ですユミさんは心優しい美少女です」
いま俺達は森の中にいる、メンバーはいつもの面子だ。
「はぁ……、それにしてもメンバー決めが好きな人同士で組めとか……危なかった」
「そうなんですか?コウタさん、お友達とか いっぱい居そうですけど」
「馬鹿いえミスティ、俺の学園の友人はヘリックとミミルだけだ」
「え、えらく偏ってますね……」
「マジでメンバーは先生が決めてくれよ……、一歩間違ったら俺だけボッチとかあり得たぞ……」
考えただけでゾッとする。
そんな馬鹿話をしながら森を進んでいると少し拓けた場所にでた。
「ここで少し休憩しようか」
「はい、わかりました」
「ぶぇ~、つかれたぁ~」
「だらしないわね、コウタ」
「誰だって疲れたらこうなる」
「ははは……、皆さんこれを」
「ん?なんだこれ」
タクトから渡されたのは水色の透き通った石だった。石の中には魔方陣が刻まれている。
「これは俺の転移の魔法を込めた魔法石です」
「え、じゃあこれに魔力を込めたら転移出来るの?」
「はい、一応転移先は街に設定してはいるのですが……」
「な、なんだよ」
「急いで作った物ですからちゃんと機能するか心配で……、ですからそれを使うのは最後の最後にしてください」
「……そっか、ありがとうタクト君」
「いえ、ヘリックさん達を護るのが今のおれたちの仕事なんで」
「ま、危ない時はみんなで何とかするしかないだろ」
「まぁ、コウタの言う通り何だけどね……、さて…と、そろそろ行こうか」
ヘリックがそう言うとみんな立ち上がり装備を付け直す。俺も装備を確認していると。
「?」
視線を感じてそこを見るが何もない。
なんだろ?変な感じがする……、まぁいいか。
何処か不安を感じながらも勇者二人は気付いた様子も無く、気のせいかと思い皆に付いて行く。
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