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青年期:法国
大人になったな
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桜仙種の村から命からがら生き延びて帰ってきたエルピスは、父との約束の為にアルへオ家の本邸に帰ってきていた。
途中楽しそうに喋っていたエラのところにお邪魔し少し話をしてから、エルピスは秘蔵の酒を手に持ちながら父のいる所へと向かって歩いていく。
部屋の中から感じる気配は二つ、片方はイロアスだがもう片方はクリムの気配ではない。
「おお色男、帰ってきたか」
「誰かと思えばアルさんこんなところで何してるんですか」
「プロポーズして回ってる奴がいるって聞いてな。どんなやつかと顔を見にきたんだよ」
にこにこと笑いながらそんな事を口にするアルキゴスは既に酒を飲んでおり顔も赤い。
机の上にいくつか並べられているまみは既に半分ほどなくなっており、エスペルは席に座りながらそれらに手をつけつつ酒を机の上に置く。
置いた途端に手をつけ始める飲兵衛二人をチラリと見ながら、エルピスも同じように酒を飲み始めた。
「酷い言い草ですね、なんとか言ってやってくださいよ父さん」
「俺もアルに同感だ、プロポーズするなんて聞いてなかったぞ。というか事前に相談くらいしてくれても良いだろうに、父を頼れ父を」
「これが息子に実力で抜かれた哀れな男の末路だ。夜飯はもう食ったのか?」
「まだですね。というか父さんには随分と頼っていたと思うんですけど」
「大体後始末じゃないか。しかもほとんどもう終わってるようなものの」
直エルピスとしては英雄と讃えられるような人物である父を雑用に使うことに引け目を感じていたが、イロアスとしては今回の事だって本当は頼って欲しかったのだ。
法国と直接表立って対決するというのはアルヘオ家としてまずいが、息子が理由を持って国と戦うというのであればそれを見捨てるような真似をするのはイロアスとしては嫌だった。
頼って欲しいと思う父心と、そんな父に迷惑をかけたくないと思う子供の心。
互いが互いを思い合っての行動なだけに何が良かったかなどというものはそこにはなかった。
「楽で良いじゃん」
「そう言うことじゃないんだよなぁ……まぁいい。とりあえず飯食いに行くぞ、俺の奢りだ」
「美味いとこ連れてってよ?」
「もちろんだ」
衣服を正し準備をしてエルピス達は転移を使って王都へと向かう。
王都の中にある高級店の個室、一般人では一年に一度も入れないようなそんな高級な店でエルピス達は酒を飲みながら楽しく宴会をしていた。
「くぅぅっ。やっぱここの酒は美味いな」
「父さんさっきから酒臭いよ。テンションも変だし」
「自分の子供が結婚したらこうもなるさ。俺だって息子が結婚すると考えたら気が気じゃないからな」
アルキゴスがそう口にするが彼の息子であるシグルが結婚するのはまだ10年以上は先のことだろう。
随分と気が早いように感じるエルピスだったが、自分の10年前といえば米作りに勤しんでいた時だ。
あれから様々な事があったが思い返せばほんの少しだけ前のように感じられ、あっという間にシグルも結婚するようになるんだろうなと思える。
それから色々な思い出を話し、いままでの人生を楽しく振り返っているとふとイロアスが泣きながら酒を一気飲みし始めた。
「エルピス…お前はなぁなんでも自分一人だけで決めちまって……俺はお前をもっと自由にさせてやりたかったんだ」
エルピスとしてはこの上なく自由に生きているつもりだ。
贅沢をさせてもらい、何不自由ない生活を送り、この度はお嫁さんまで貰っている。
順風満帆な生活があるとすればまさにこれだ、これ以上を望むとなれば世界で一番幸福な人間になる必要があるだろう。
そう思っているエルピスとしては父がどうして泣いているのか、その理由すら分からなかった。
「自由だよ限りなく。自分のやりたいことを好きなだけやらせてもらってるんだから父さんには感謝してもしきれないよ」
「俺がお前にやってやれたのなんてほんと数えるくらいしかないよ。お前が手に入れた自由はお前が自分の力で手に入れたもんだ」
「……英雄として生まれたイロアスはそこんところシビアなんだ。昔から他人から役目を背負わされて、それが当たり前で生きてきたからな。お前にも同じような人生を送ってほしくなかったんだろう」
いつかもこんな会話をイロアスとしたなとエルピスは思い出す。
英雄と呼ばれることの重圧をエルピスもようやく最近は理解できるようになったつもりだ。
自分が本当は平凡な高校生だと理解しているエルピスは見知った人間に失望されることをおそれはしても、他人から何か文句を口にされることに対して特に思うところはない。
だがこの世界に生まれた時点で英雄の星の元に生まれたイロアスは、その性格も相まって常人の価値観とはまた違った価値観を形成しているようである。
アルキゴスからの言葉を受けてそうだそうだと言いたげにイロアスは首を縦に振っていた。
「分かってるじゃないかアル。やっぱお前に任せて正解だったよ」
「まぁ残念だが俺はお前の息子はこのままで良いと思ってるがな。俺の可愛い愛弟子の方針にこれ以上口を挟まないでやってくれ」
「んだとこのやろう。ただまぁな……分かってるよ俺だって、エルピスがその人生で良いって言うなら俺はお前の人生を応援するよ」
「あ、そうだ相談があるんだよ父さんに」
なんだか落ち込んでいる父を見て何かないかと考えたエルピスの頭は、そういえば聞いておこうと思って居たことを思い出してとっさに聞きたいことがあると口に出す。
すると途端にイロアスの顔が笑顔に変わり、ニコニコとした顔で体を乗り出していた。
「なんだ? なんでも聞け。大体は答えられるぞ!」
「結婚式なんだけどこっちの世界の普通が分かんなくてさ。向こうの世界の結婚式はわかるんだけど」
地球においてすら結婚式のやり方というのは国によって千差万別だった。
近代になってからは殆ど洋風の装いで行われていた結婚式だったが、それは日本だからの話で他の国に行けばまた違った結婚式の方法があるだろう。
この世界に置いて一般的な結婚式というものについていまだちゃんと調べておらず全部をハイトに任せてしまっているエルピスとしては、どんな結婚式が行われるのかすら不透明だった。
「そう言うことか。基本的には新郎新婦入場、主賓の乾杯でスタートしてご飯を食いながら出し物がいくつか。それが終わったら何人かが代表で喋って最後に新郎から新婦へ贈り物をして終了だ。まぁ細かいのはいくつかあるがな」
「なるほど。意外と普通なんだね」
「一体何を想像してたんだ?」
「魔物でも捕まえてきてそいつと戦わされるくらいは覚悟してたよ」
エルピスが戦闘になるような魔物を探すとなると、それこそ世界中を探し回る必要があるだろう。
やるなら早めに目星をつけておかないとな、と思って居たエルピスとしてはそんな習慣がなくなったというのは安心できる材料だ。
「トコヤミちゃんのところの国は確かそんな文化があったはずだが、ここら辺にはそう言うのはないな」
「俺も話には聞いているがお前らの世界はどんなところなんだ?」
「魔法の代わりに科学技術が発展した世界です。人間が意思疎通できるのは人間だけ、世界に魔法なんてものはなくて娯楽が人の数よりも多くあった場所です。その分危険もありますけどね」
この世界に唯一エルピスが満足していない事があるとすれば、娯楽の少なさであることは語るまでもないだろう。
インターネットによって高速化され娯楽が飽和していた現代に過ごしていたエルピスとしては、本一冊を買うために国に数店舗しかない店にまでわざわざ出向きとんでもない値段と厳重に保管された本を読みに行くことは手間でしかない。
しかも童話や民謡などなら別として本のほとんどは学術的であったりやたら難しい内容の本ばかりである。
もっと娯楽の品が増えてほしいのだが魔法技術が発展したこの世界で科学技術が発展するようにいまから仕向けるには土精霊の力は絶対に必要であり、そうすぐにはそうすぐには実現できそうにないのが実情である。
「銃はエルピスのいた世界から持ち込まれた文化だからなんとなくは分かるよ。ちなみに向こうで何歳だったんだ?」
「それ聞きます? 高校生だったんで17とかだったと思いますよ」
「──って事は精神年齢俺とそんな変わらないんじゃないか?」
イロアスにそう言われてエルピスもそういえばそうだったなと思い出す。
アルキゴスの年齢を考えると精神年齢を足してもいいのであれば、確かにアルキゴスよりもエルピスの生きてきた歴の方がむしろ長い。
だからと言っていまさら何だというわけではないが、アルキゴスが年下だという事実になんだかおもしろくなってしまう。
「なんなら俺は年上だな」
「アルさんこれから敬語使っても良いですよ?」
「どつくぞ」
「まぁまぁ。酒でも飲んで楽しみましょうよ」
大した中身もない会話だが、こんな会話が何よりも楽しい。
それから夜が更けていくまで、エルピスは3人で酒飲みを楽しむのだった。
途中楽しそうに喋っていたエラのところにお邪魔し少し話をしてから、エルピスは秘蔵の酒を手に持ちながら父のいる所へと向かって歩いていく。
部屋の中から感じる気配は二つ、片方はイロアスだがもう片方はクリムの気配ではない。
「おお色男、帰ってきたか」
「誰かと思えばアルさんこんなところで何してるんですか」
「プロポーズして回ってる奴がいるって聞いてな。どんなやつかと顔を見にきたんだよ」
にこにこと笑いながらそんな事を口にするアルキゴスは既に酒を飲んでおり顔も赤い。
机の上にいくつか並べられているまみは既に半分ほどなくなっており、エスペルは席に座りながらそれらに手をつけつつ酒を机の上に置く。
置いた途端に手をつけ始める飲兵衛二人をチラリと見ながら、エルピスも同じように酒を飲み始めた。
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「俺もアルに同感だ、プロポーズするなんて聞いてなかったぞ。というか事前に相談くらいしてくれても良いだろうに、父を頼れ父を」
「これが息子に実力で抜かれた哀れな男の末路だ。夜飯はもう食ったのか?」
「まだですね。というか父さんには随分と頼っていたと思うんですけど」
「大体後始末じゃないか。しかもほとんどもう終わってるようなものの」
直エルピスとしては英雄と讃えられるような人物である父を雑用に使うことに引け目を感じていたが、イロアスとしては今回の事だって本当は頼って欲しかったのだ。
法国と直接表立って対決するというのはアルヘオ家としてまずいが、息子が理由を持って国と戦うというのであればそれを見捨てるような真似をするのはイロアスとしては嫌だった。
頼って欲しいと思う父心と、そんな父に迷惑をかけたくないと思う子供の心。
互いが互いを思い合っての行動なだけに何が良かったかなどというものはそこにはなかった。
「楽で良いじゃん」
「そう言うことじゃないんだよなぁ……まぁいい。とりあえず飯食いに行くぞ、俺の奢りだ」
「美味いとこ連れてってよ?」
「もちろんだ」
衣服を正し準備をしてエルピス達は転移を使って王都へと向かう。
王都の中にある高級店の個室、一般人では一年に一度も入れないようなそんな高級な店でエルピス達は酒を飲みながら楽しく宴会をしていた。
「くぅぅっ。やっぱここの酒は美味いな」
「父さんさっきから酒臭いよ。テンションも変だし」
「自分の子供が結婚したらこうもなるさ。俺だって息子が結婚すると考えたら気が気じゃないからな」
アルキゴスがそう口にするが彼の息子であるシグルが結婚するのはまだ10年以上は先のことだろう。
随分と気が早いように感じるエルピスだったが、自分の10年前といえば米作りに勤しんでいた時だ。
あれから様々な事があったが思い返せばほんの少しだけ前のように感じられ、あっという間にシグルも結婚するようになるんだろうなと思える。
それから色々な思い出を話し、いままでの人生を楽しく振り返っているとふとイロアスが泣きながら酒を一気飲みし始めた。
「エルピス…お前はなぁなんでも自分一人だけで決めちまって……俺はお前をもっと自由にさせてやりたかったんだ」
エルピスとしてはこの上なく自由に生きているつもりだ。
贅沢をさせてもらい、何不自由ない生活を送り、この度はお嫁さんまで貰っている。
順風満帆な生活があるとすればまさにこれだ、これ以上を望むとなれば世界で一番幸福な人間になる必要があるだろう。
そう思っているエルピスとしては父がどうして泣いているのか、その理由すら分からなかった。
「自由だよ限りなく。自分のやりたいことを好きなだけやらせてもらってるんだから父さんには感謝してもしきれないよ」
「俺がお前にやってやれたのなんてほんと数えるくらいしかないよ。お前が手に入れた自由はお前が自分の力で手に入れたもんだ」
「……英雄として生まれたイロアスはそこんところシビアなんだ。昔から他人から役目を背負わされて、それが当たり前で生きてきたからな。お前にも同じような人生を送ってほしくなかったんだろう」
いつかもこんな会話をイロアスとしたなとエルピスは思い出す。
英雄と呼ばれることの重圧をエルピスもようやく最近は理解できるようになったつもりだ。
自分が本当は平凡な高校生だと理解しているエルピスは見知った人間に失望されることをおそれはしても、他人から何か文句を口にされることに対して特に思うところはない。
だがこの世界に生まれた時点で英雄の星の元に生まれたイロアスは、その性格も相まって常人の価値観とはまた違った価値観を形成しているようである。
アルキゴスからの言葉を受けてそうだそうだと言いたげにイロアスは首を縦に振っていた。
「分かってるじゃないかアル。やっぱお前に任せて正解だったよ」
「まぁ残念だが俺はお前の息子はこのままで良いと思ってるがな。俺の可愛い愛弟子の方針にこれ以上口を挟まないでやってくれ」
「んだとこのやろう。ただまぁな……分かってるよ俺だって、エルピスがその人生で良いって言うなら俺はお前の人生を応援するよ」
「あ、そうだ相談があるんだよ父さんに」
なんだか落ち込んでいる父を見て何かないかと考えたエルピスの頭は、そういえば聞いておこうと思って居たことを思い出してとっさに聞きたいことがあると口に出す。
すると途端にイロアスの顔が笑顔に変わり、ニコニコとした顔で体を乗り出していた。
「なんだ? なんでも聞け。大体は答えられるぞ!」
「結婚式なんだけどこっちの世界の普通が分かんなくてさ。向こうの世界の結婚式はわかるんだけど」
地球においてすら結婚式のやり方というのは国によって千差万別だった。
近代になってからは殆ど洋風の装いで行われていた結婚式だったが、それは日本だからの話で他の国に行けばまた違った結婚式の方法があるだろう。
この世界に置いて一般的な結婚式というものについていまだちゃんと調べておらず全部をハイトに任せてしまっているエルピスとしては、どんな結婚式が行われるのかすら不透明だった。
「そう言うことか。基本的には新郎新婦入場、主賓の乾杯でスタートしてご飯を食いながら出し物がいくつか。それが終わったら何人かが代表で喋って最後に新郎から新婦へ贈り物をして終了だ。まぁ細かいのはいくつかあるがな」
「なるほど。意外と普通なんだね」
「一体何を想像してたんだ?」
「魔物でも捕まえてきてそいつと戦わされるくらいは覚悟してたよ」
エルピスが戦闘になるような魔物を探すとなると、それこそ世界中を探し回る必要があるだろう。
やるなら早めに目星をつけておかないとな、と思って居たエルピスとしてはそんな習慣がなくなったというのは安心できる材料だ。
「トコヤミちゃんのところの国は確かそんな文化があったはずだが、ここら辺にはそう言うのはないな」
「俺も話には聞いているがお前らの世界はどんなところなんだ?」
「魔法の代わりに科学技術が発展した世界です。人間が意思疎通できるのは人間だけ、世界に魔法なんてものはなくて娯楽が人の数よりも多くあった場所です。その分危険もありますけどね」
この世界に唯一エルピスが満足していない事があるとすれば、娯楽の少なさであることは語るまでもないだろう。
インターネットによって高速化され娯楽が飽和していた現代に過ごしていたエルピスとしては、本一冊を買うために国に数店舗しかない店にまでわざわざ出向きとんでもない値段と厳重に保管された本を読みに行くことは手間でしかない。
しかも童話や民謡などなら別として本のほとんどは学術的であったりやたら難しい内容の本ばかりである。
もっと娯楽の品が増えてほしいのだが魔法技術が発展したこの世界で科学技術が発展するようにいまから仕向けるには土精霊の力は絶対に必要であり、そうすぐにはそうすぐには実現できそうにないのが実情である。
「銃はエルピスのいた世界から持ち込まれた文化だからなんとなくは分かるよ。ちなみに向こうで何歳だったんだ?」
「それ聞きます? 高校生だったんで17とかだったと思いますよ」
「──って事は精神年齢俺とそんな変わらないんじゃないか?」
イロアスにそう言われてエルピスもそういえばそうだったなと思い出す。
アルキゴスの年齢を考えると精神年齢を足してもいいのであれば、確かにアルキゴスよりもエルピスの生きてきた歴の方がむしろ長い。
だからと言っていまさら何だというわけではないが、アルキゴスが年下だという事実になんだかおもしろくなってしまう。
「なんなら俺は年上だな」
「アルさんこれから敬語使っても良いですよ?」
「どつくぞ」
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