クラス転移で神様に?

空見 大

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青年期:クラスメイト編

元の世界

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 人類生存圏の中でもトップクラスの危険度である龍の森、本来ならば人が生存できる環境ではないそんなところで、数人の男女が陽を囲みながら楽しそうに談笑していた。
 服装は森の中に入るにしてはかなりラフな格好で、傍に置いてある武器以外に目立った装備も見受けられず、もし居ないとは思うが通りすがりの人物が見れば自殺志願者の集まりなのかと勘違いしてもおかしくない。
 ただこれは彼等が実力があるが故の余裕から来るものであり、自らの体躯より大きな装備を着用しなければいけない者とは違って装備を着なくてもこの森を攻略できる自信があるのだ。

「エルピスから課された課題はこの森で一ヶ月暮らすことだけど、装備渡されてないとは言えさすがに八人できちゃったらちょろいだろ」

 そう言って余裕の笑みを浮かべるのは、意外なことに遥希である。
 だが彼らが余裕を見せてしまうのも無理はない、一人当たりの戦力が一個師団クラスと考えれば単純に八個師団分の戦力がここに集まっているのだ。
 装備が縛られたとは言え、それはこれといって問題にならない。

「僕外出てたからどんなのか知らないんだけど、晴人の訓練って厳しかったのか?」
「エルピスな、怒られるぞ。厳しいなんてもんじゃないよ。人を人と思ってないなあれは」
「彼はもう事実人じゃないけれど、確かに訓練の時の変貌ぶりは凄いわね」

 遥希達がこの数ヶ月の間に行った訓練は多岐にわたる。
 陸海空、どこであろうともそれなりに戦えるようにとエルピスに鍛えられてきた訳だが、何を相手に想定しているのかその訓練の辛さは尋常ではなかった。
 訓練中に何度死を覚悟したことか、その分短期間での成長ぶりは目を見張るものがあっただろうが。

「それにしても大変やわ。この森あんまり油断できひんよ」

 ふと紅葉が辺りを警戒しながらそんなことを呟く。
 日頃から余裕を見せる彼女らしからぬ行動に、周囲の人間も少しだけ警戒の色を濃くする。

「どうかしたの紅葉ちゃん」
「龍種の気配がちらほら。緑鬼種系の上位種もいそうやね」
「そんなとこにどうやって家を……まぁあいつの親だったらそれくらい出来るか」

 基本的には人類が住むことのできる地域に、龍種が住まうような危険地帯は存在しない。
 考えるまでもなく当たり前で、次の日には家ごと灰にされている可能性がある場所に住むことなどできないだろう。
 一部地域に人類生存圏にありながら決して人類が住まうことのない地域があるが、ここ龍の森は言わばそう言った類の地域である。
 そんな場所に居を構えることができるアルヘオ家の戦力は、遥希達をしても驚愕に値する。
 そんな彼等の〈気配察知〉にふと一人の気配が入り込んでくる。
 気配の主人はエルピス・アルヘオ。豪華な衣装に身を包み空を飛びながらこちらを見下す様は、まるで神の使いである。

「お疲れ様、覚えてるとは思うけど改めてルール説明ね。みんなにはこの武器と同じ形状の武器8つをこの森のどこかから探してきてもらう。
 魔法の発動、武器の使用全部大丈夫、技能スキル特殊技能ユニークスキルも両方使用可能だよ。
 ただし飛行魔法だけは使うことを勧めない、それじゃあ俺はやらないといけないことあるから」

 そう言って早々にエルピスはどこかへと飛び去っていく。
 彼が残した八つの武器は、遥希達が使用している武器類と同じものである。
 おそらくはエルピスが用意した武器がそこにあるのだろう、これが最後の訓練だと遥希は判断した。
 達成するための目標が明確に決められた遥希達が足早に移動を開始しようとすると、大声で呼び止められる。

「待てよ! ……気に食わない。まるで自分が完璧みたいな振る舞いしやがって」
「小林くん。いきなり口を開いたと思ったら、随分な事言うね」

 忌々しそうにエルピスが消えていった空を眺め、小林はそんなことを口にする。
 小林の言葉に対して真っ先に反応したのは和人だ。
 他の面々は普段滅多に口を開かない小林が口を開いたことに驚いているが、和人は小林が他人との接触を極端に嫌うだけで普通に話すことを知っている。

「数年間あいつの金で飯を食らい、あいつの信頼で依頼を受けてきた。だけどもううんざりだ! ここまでボロ雑巾みたいに働かせてきたくせに返してほしかったら戦争に参加しろだと? 俺は絶対に嫌だ」

 異世界での生存は、日本に住んでいた学生には耐えられないほどのストレスを伴う。
 力が伴えば伴うほど、それに付き纏う悪意や尊敬という感情に誰も耐えられなくなってしまうのだ。
 そんな中で理性を保っていられるのは人間性の欠如したものか、全てを背負って生きていく覚悟を持って暮らせられる強い人間だけである。
 そうでなければ誰かのせいにして生きていかなければ、人など簡単に潰れてしまうのだ。

「気持ちは分かる。だけどもう俺らも高校生じゃない、大人だ。気持ちの切り替えはするべきだろう」
「お前になにが分かる遥希、お前はあいつと仲がいいだろうが! 黙ってあいつに送り返してもらうつもりだろう!?」
「確かに俺は個人的にエルピスと仲がいいし、だからこそエルピスの為に仕事をする事に俺は嫌だとは思わない。元の世界に未練はないし、戻りたいとも思わない。いやなら戦争に参加しなければいい、ただ被った罪はもう拭えないぞ」

 遥希達は皆多かれ少なかれ人を殺めている。
 幹のように罪なき者を殺した者は居ないが、それでも人を殺したという事実は道徳的に生きてきた彼等からすれば重荷になって当然だ。
 この場にいる小林を除いた全員が、人を救えば罪が清算されるという希望を少なからず心に抱いているのも仕方のないことである。

「遥希の言う通りだ。人を殺した夜を思い出して精神が不安定になるのも、昔を思い出して嫌気がさすのも理解できる。だがそれを他人に当たれば落ちる先は雄二と同じだ」
「……にが、それの何が悪いって言うんだ!」
「悪い悪くない、そんな事うちからしたらどうでもええ。やらんのやったら置いていく、やるんやったら連れて行く。あんたはどないしたいん?」
「…俺はもう良い。一人にしてくれ」

 去っていく背中を追いかける権利は誰にもない。
 ここまで来る間にも彼なりの葛藤はあったのだろう、だから今さら何か他人が変えられるようなことなど無いはずだ。
 それから数十分後、森の中を歩いていると喉を震わせて遥希が小さく声を出した。

「……空気重いな」
「そりゃ重いだろ、普通に考えて」

 行軍の速度はいつもと変わらないが、会話の量はいつもの半分以下である。
 いつか誰かに限界が来て、その時はこうして選択を迫られるのは分かっていたが、それでも言葉は不思議と詰まるものなのだ。

「小林の言いたいことは分かる。俺だってエルピスの若干上から目線な言い方には思うところがあった、だけどあいつと俺らの背負う物の差を考えれば俺は文句はない」
「旬斗の言う通りだ。能天気なやつだけど、考えてる時はちゃんと考えてるしな。それに強い、正直それだけで全部許されても良いと思えるほどに」

 半端な強さは身につければ様々な障害を招くが、圧倒的な強さは孤独と引き換えに完全なる自由を与えてくれる。
 力がこの世の全てであるなどと極論をほざく気はないが、日本では金で殆どどうにかなったようにこの世界では力で殆どがどうとでもなってしまう。

「エルピスが小林君が居ない事にどんな反応をするか気になるところではあるけど……っと、おしゃべりは一旦中止かな?」
「さてどんな奴がーーおいおいこれ古龍じゃないのか!?」

 会話を交わす秋季達の前に現れたのは、全身を黒い鱗で覆い膨大なる魔力をその身に宿らせた古龍だ。
 龍種は魔力の性質が木や川などの自然物質と非常に酷似しており、臨戦態勢にでも入っていなければそれに気づくのは難しい。
 しかも視線の先にいた古龍は先程まで眠っていた。
 索敵をサボっていたつけが回ってきたのだが、それにしてもいきなり戦う相手としては嫌な相手に変わりはない。

「秋季!」
「ーーおうっ!」

 だるそうに首をもたげ口の端から火を垂らすと、古龍は全てを焼き尽くすブレスを辺りに撒き散らす。
 生命体ならば即座に命が絶たれる圧倒的なまでの息吹、とはいえ龍からしてみれば秋季達は緑鬼種と変わらない人間種という認識であり、全力で放って来ているわけではない。
 だが先程から歩いてきた道のりの半分程は龍のブレスによって焼け爛れ、遥希の声に合わせて前に飛び出た秋季の体にも数カ所火傷が見あたる。

「熱っ! 防げるけどそう何度もは持たないぞ!!」
「大丈夫だ、そんなに長いことかからない。いつも通り止めは和人だ、俺達はそれまでの時間を稼ぐ。行くぞ旬斗!」
「任せろ!」

 遥希の呼びかけに応えるようにして旬斗が前に飛び出し、左右から少しずつ龍の身体を切り裂いていく。
 とは言っても木刀で出来る事など限られており、薄皮をいくつか裂いただけで命に届く事はない。
 だが龍が振り下ろす腕は遥希達には脅威だ、鋭利になった爪、油断のなくなったブレス、圧倒的な巨体から放たれる無造作な攻撃だって一撃喰らえば戦線離脱は濃厚である。

「グルルルルッ」
「鉄の宮の盃に、紅の華を添えましょう。散れ鉄火花てっかばな
「安保くん護衛は任せたわよ。技能スキル発動〈戦火の知〉」

 後衛三名による強化、前衛二名による攻撃、それを持ってしても龍は不機嫌そうなだけである。
 だがこうして生きているのは特訓の成果だ、オリハルコン上位、もしかすればヒヒイロカネ下位の実力がある六人を相手にして余裕を見せる古龍も古龍だが、それでも遥希達からすれば死は遠いところにあるように感じられた。

「いける。どいてくれ」

 腰を深く下ろし、エルピスと対戦した時と同じように和人はいくつもの技能スキルを並行して発動しながら、極限まで身体能力を高め居合いの構えを取る。
 その姿に込められた力は龍種ですら脅威と感じる程で、初めて龍が本気のブレスを遥希達に向けて放つ。

「ーーッッ!! なんとか止められるが長くは…っ!」
「熱い熱い熱いあっつい!!」
「抜刀術。〈天絶あまのたち〉」

 魔力で作り上げた障壁による防御は技能スキルによる防御と違い、魔力を使う関係上そう長くは持たない。
 だが和人からすれば一瞬の時間さえ稼げれば十分である。
 一瞬和人の姿が掻き消えたかと思うと、龍の胸に木製の剣を使って深い傷が刻まれた。
 個人で積み上げた修練が身を結び、達人の領域に足を踏み始めた和人だからこそ行える奇跡であるとも言える。

「グゥウッ……」

 とはいえその程度で致命傷になる程龍種は弱くない。
 龍を殺すのに必要な剣による殺傷範囲は、当然ではあるが人のそれとは比べ物にならないほどに広いのだ。
 だが龍種だって痛みも感じれば割に会わないとも思う。
 遥希達を相手取ることを部が悪いと判断した古龍は、名残惜しそうに威嚇の声を上げながらゆっくりと空に消えていった。

「思ってたより全然いけたな! 絶対終わったと思ったわ」
「特訓の成果だな。それでもさすがに古龍相手はつらいが」

 相手の撤退を前提とした戦闘であれだ。
 武器木製のものとはいえ、出来れば仕留め切りたかったところではある。
 一撃喰らえば即死亡級の敵は出来ることならばそうなんども戦いたくないものだ。

「戦争になったらこんなのが本気で殺しに来るんだろ? やってらんねえな」
「俺らが守るこの国は一応防衛拠点になりそうなところもいくつかあるし大丈夫だろ。ただ問題は相手にエルピス級のやつがいた場合だな」
「地形無視で攻撃されたら防衛拠点もくそもないしな。とりあえず先に進むーーうわ!? なんだこれ」

 いつのまに仕掛けられたのか罠に足を絡め取られ、旬斗は空へと引っ張り上げられる。
 明らかに人の手によって仕掛けられた罠だが、この地域は人が住んでいないので仕掛けた人物は一人しかいない。

「うっわだっさ」
「言ってる場合か助けろこんにゃろう!」
「緑鬼種とかじゃないわねこの罠の仕掛け方。エルピスが仕掛けたものでしょ」
「よく見たら周り罠だらけだねこれ。戦闘中見てない間にやられたくさい」

 この中で盗賊として活動できる者は居らず、ギリギリ安保がなんとかして見極められるかどうかと言ったところだ。
 本来ならば精霊や妖精との親和性が高い小林がその役目を担っていたのだが、いないものを求めたところで時間の無駄である。

「確かに戦闘相手が罠使わないとは限らないけど、これはちょっと面倒だな」
「勘弁してくれよ。これじゃ走ってすぐ回収は無理だな」
「それがあるから罠があるんだろ。とりあえず気をつけてあるけばーー見るな、殺すぞ」
「引っかかってんじゃねえかばぁか!」

 見えている罠は、見えない罠に相手をかける為の布石でもある。
 対亜人用の罠ゆえに遥希達でも相当時間をかけなければ解く事は出来ず、エルピスとしても対亜人用の罠が本当に機能するかと言う実験でもあるので両方の訓練になっていた。
 そうして大声を出して騒ぎ立てる男達を、紅葉達は冷たい目で見つめる。

「この様子だと一週間くらいかかりそうね」

 ・

「一日かけたけど収穫はなし。ちょっと辛いわね」

 一日で見つかるとは思っても居なかったが、どこに隠したかと言う大まかな目安が無いのが1番の問題だ。
 足跡、魔力跡、匂い、気配、罠の数。
 痕跡を辿るために必要なものは数多くあるが、その中の一つすら見つけられなかったと言うのが今回の条件だと大きくかかる時間を左右する。
 エルピス程強ければ魔力跡、気配は長く残るだろうが、足跡と匂いは持って二日、雨が降れば一時間以内に消えてしまう事だろう。
 出来うることならば今日中に一、二箇所の目安を探しておきたかったところだ。

「まあまだ焦る程の時間でもないだろ。それより問題はこの空気の方だよ、やりにくい」
「お前もそうか。秋季、悪いけど仕切りやってくんないか落ち着いて議論したい」
「分かったいいぞ。それで議題は?」
「あらためてこの国のために命懸けで戦えるかどうかだ。それでこの先どうするかどうか決めたい」

 切り株に腰を下ろし、コップに満たされたお茶などを気まずさを誤魔化すようにして飲みながら、それぞれ顔を見合わせる。
 一番最初に口を開いたのは場を仕切る秋季だ。

「利益はもちろんあるし、この世界で生きていくことを決めた俺たちからすれば、名声も手に入れられるこの戦争は悪い条件じゃない。ただそこに命を懸けられるかどうか」
「私は大丈夫よ。王国で生きてきて四大国のやつらとは違ういろんな人たちを知ることもできた、その人たちのために命を懸けるのは無駄じゃないと思ってる」
「僕はこの国のために戦うこと自体は賛成だけれど、命までかける価値はまだ見出せてない」

 麗子が賛成を、安保が反対票を入れる。
 命をかける事は簡単なことではない、だからこそ誰もその判断に文句をつける事はない。

「戦闘自体に参加する意思は全員あると思っていいよな? なら全員参加するとして賛成1、反対1か今のところ」
「……俺は命を賭ける。幹と同じ、俺だって殺した人間の代わりにせめて命を賭けても誰かを助けたい」
「旬斗はどうだ?」
「……んむぅ。眠いんだけど」

 船を漕ぎながらもなんとか意識を保っていた旬斗は、秋季の質問に対してなんとか眠気を振り払い答えようと努力する。
 だが眠気には勝てず、先程まで寝てしまっていたのでその内容すらも覚えていない。

「話聞いてたか?」
「ごめん寝てた。何だった?」
「この世界の為に命を賭けて戦えるかどうか」
「命……命かぁ。ここ飯美味いしなぁ、それくらいならまぁ。ごめん俺もう寝る」

 命と食欲を賭けて、命が勝ってしまうのはなんというべきか。
 とはいえ旬斗がそう思えるほどに、この世界の食べ物は美味しい。
 先程戦ったような古龍は味が落ちるが、若い龍はこの世界では最高級の肉とされており、その味は日本で食べられる平均的な肉のレベルを大きく超えているのだ。
 かくいうエルピスも食欲に飲まれ、一時期では一日に数十キロ以上の食事を行なっていたこともあり、いかにこの世界の食に魅力があるかがよく分かる。

「これで賛成3反対1か。紅葉さんはどっちだ?」
「私は……そうやね。まだ覚悟が出来てへんから反対でお願いするわ」
「分かった。最後に遥希、お前は?」
「死ぬのは……命をかけるのは怖いよ」

 声は少し震え、膝はカタカタと笑っていた。
 そんな遥希の姿を見て秋季は少しだけ、ほんの少しだけガッカリとしてしまう。
 遥希ならば恐怖を乗り越えて賛成してくれるのではないか、そう思っていた自分に秋季は驚き、それを見破られないように落ち着いて言葉を続ける。

「……なら反対か?」
「いや、反対じゃない。むしろ誰よりも賛成だ、怖いけどこんな思いをしてる人が居るならその人達を救いたい」

 その瞳は勇気あるものにしか出来ないものだ。
 弱者を思って、弱者の為に手を差し伸べられる、それが一体どれほど凄い事か説明する事か秋季には難しい。
 だが自分には出来なかった事である事は確かだ。

「そうか。俺も賛成だ、両親から人を助ける事を教えられて生きてきた。もう二度と会えないとしてもそれは守りたい」

 自立する年である自分にはもはや両親と出会う必要は無い。
 だがその教えは自らのありようとして、確かに両親の子供である証でもある。
 そしてこれによって賛成派が多数を占め、訓練の続行は決定された。

「多数決の結果続行で決定だ。もちろん否定派の意見は尊重するし、エルピスに掛け合うと言うのなら俺達も手伝う。これでみんな異論はないな?」
「ああ問題ない」
「それじゃあ寝るか。まだまだ先は長そうだしな」

 これで一応全員の意識は固められた。
 明日からの作業もこれで心置きなく行える。
 ようやく落ち着いた空気に身を置きながら、ゆっくりと眠りに誘われるのだった。
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