クラス転移で神様に?

空見 大

文字の大きさ
上 下
144 / 276
青年期学問都市

制服

しおりを挟む
 時間は少し経過し、時刻は18時過ぎ。
 王国の暦では既に夏になる時期ではあるが、この地域では秋が始まり太陽も6時にもなると既に地平線の彼方へと落ちてしまっていた。

 エルピス達はというと生徒用の宿舎へと案内され、一通りの説明を受けた後一番広い部屋を用意されたルミナのところに集まり時間を潰している。

「学園に来て初めて使う力が部屋の改修なのなんだかなぁ」

 元々一番最初はエルピスがルミナに部屋に呼ばれた事を起点としてこうしてみんなが集まっているわけだが、その理由はルミナが学園の設備に文句を口にしたからだ。

 土精霊達の発展した記述に比べて人の世界のそれは大掛かりな上に性能が悪い。
 一部やけに発展している技術──おそらくは転移者や転生者が絡んだものだろう──は別として、手先の器用さが種族レベルで違うのだから仕方のないことではある。

 あるのだがそれを納得できるかどうかは別問題であり、神の娘としての我が儘っぷりを盛大に発揮したルミナは修理業者よろしくエルピスを呼び出して土精霊基準に部屋を改造するように要求。

 一応学園側に許可を取り問題ないとのことだったので、エルピスは黙々とルミナの部屋を快適にする為の作業を要求されていた。

「部屋の中が不便だからしょうがない。今時自動で水も流れないとかナンセンスだよ」

「基準が土精霊ドワーフだから人間の国で暮らすの大変そうね」

「あそこ本当に快適だったから不便に感じちゃうのも仕方ないわよね。エルピス後で私の部屋もお願いできる?」

「いいよ、全員分のもの後で許可取って治しとく。買い物とかも組合で慣れてたからあの時は気にならなかったけど、普通の店でもあのデジタル式? の方法使ってたしね」

 人類の科学的な技術は頭打ちになっているというのが現状であり、一部発展している技術は転生者が持ち込んだものや土精霊ドワーフから買い取っているものだけである。
 原因としてはそもそもこの学園が魔法を主にする学園であるように、科学技術よりも魔法操作技術の方が重要視されているという世の風潮もある。

 魔法を使えば水も出せるし体を清潔にすることもできる。
 初級魔法にも満たないような魔法であれば使い方さえ聞いて練習すれば誰だって使えるようになるだろう。

 またそれだけでなく鉄などの資源は土精霊ドワーフ以外にも土下人ノーム土大獣ベヒモスなどの管理下にあることが多く無闇に手を出せず貿易で手に入れるしかないのが現状だ。
 しかし化学技術があまり使われていないのも一般的に使われる道具の話だけであって、国によっては銃などを使用する部隊もいくつか存在する。
 
 ふと気配を感じエルピスがドアの方へと視線を向けると、この学校内における雑事を担当する執事やメイドといったもの達が入ってきた。

「アウローラ様、エラ様、制服の仕立ての準備が終わりましたのでこちらへどうぞ」

「セラ様、ニル様、ルミナ様もどうぞこちらへ」

「残った男性陣は私が。隣の部屋が空いておりますのでそちらで」

 言われるがままにエルピス達は隣の部屋へ移動すると、各国の様々な様式を取り入れた制服が所狭しと並べられていた。
 丈の違いから材質、かけられている魔法効果までどうやら違うようで、本当にその国特有の気候や文化に合わせた制服作りを行っているらしい。

 エルピス、灰猫、フェルの三人は所謂自分達の国と言うものを持たない生活を送っており、エルピスは順当に行くならば王国に傾きがちではあるが、それでも決して王国の民というわけでもないのでどの服を着ようとも問題はない。

 神官職によく見られる装飾を真似して作られた法国の制服、規律ある軍隊のような帝国の制服、ラフな格好で過ごす様に作られた王国の制服などなど。
 選ぶ幅があまりにも広すぎて困るところではある。

「では説明をさせていただきます。まずこの制服の着用義務ですが、一定の日を除き、例えば卒業式や入学式などの学園行事であるとか、年に数度行われる公開授業以外においては着用の義務はございません」

「ないんだ、てっきりあるものかと」

「王族貴族ならぶっちゃけるとこれより良い服なんて腐るほどあるからね、灰猫の言いたいことも分かるけどそんなもんさ」

「まぁ確かに。エルピスに貰ったあれも高そうだったし、金銭感覚バグってるよね」

「確かにそれは僕も同意ですね」

「いやあれは俺も高いと思った、とてつもなく」

 なんだか久々にフェルとしゃべったような気がしなくもないが、思えば海の上では殆ど死にかけていたのでそれも仕方がない。
 話を途中で中断してしまった事に対して謝罪し、一通りエルピスが聞いたことを纏めるとこうである。

 一つ、この制服の値段は一律であること。
 二つ、この制服は最高級の職人の手によって作られたものであること。
 三つ、この制服に泥を塗る行為は学園に泥を塗る行為である。
 四つ、学園に許可を取って外出する際、特に問題がなければ制服を着用すること。
 五つ、制服を何着購入しようとも個人の自由である

 ようするにこの制服は資金力に圧倒的な開きがある大国と小国の貴族達が、その資金力にものを言わせて子供の衣服を着飾ってしまうと目に見えて格差が生まれてしまうため、学園の名の下に公平な制服を作成するということだ。

「ちなみにカラーリングなど気になる点がございましたら自由に決める事が可能ですので、その点に関しまして着用の際にお申し付けください。装飾品に関しましても学校指定の物のみとなっております」

 渡されたカラーリストや装飾品一覧を見ながら、エルピスはある程度目星をつけていく。

 それから数分後、もうおおよそ決まったエルピスとは対照的に、灰猫とフェルは頭を抱えて悩んでいるようである。
 こういってしまっては何であるが服なんて大体どれでも同じなので、エルピスからすれば気にするほどの事でも無いと思うのだが、なんらかの理由があるのだろうか。

 それは不安げな顔をしながらこちらを向いた灰猫によって伝えられる。

「この代金払えるほどお金が無いんだけど……」
「右に同じくです……。一応へそくりとして魔石がいくつか有りますけど足りるかどうか」
「ああなんだフェルも灰猫もそんな事気にしてたの? いいよ全然気にしなくてそんな事。金なら本当にいくらでもあるからさ」

 共和国で巻き上げた金額だけでも、この学園でエルピス達一行がこれから豪遊三昧したところで過ごしていけるだけの金銭を稼いでいる。
 それに踏まえて王国での研究協力に際して得た金銭や、各地で手に入れた雑費に、雄二達との戦闘後グロリアスから無理やり手渡されてしまった王都防衛に際しての防衛費用。

 確かに月収という点で言えば気分次第で0にも100にもなるエルピスではあるが、万が一の場合に何かあっても問題はないくらいの金銭はある。

 たとえ今からアルヘオ家が解体されても、本邸にいたメイドや執事達と両親といま居る仲間達全員死ぬまで養えるお金は、既に別に保管してあるのだ。

 だがだからと言って友人にお金を借りること、それに対しての抵抗感がなくなるわけではない。
 一食の代金であるならまだしも、一括で大きな金額をわけもなく借りることは難しい。

「うーん……なんだかな。そのお金に対しての見返りを返せる自信がないよ、僕はフェルほど強くも無いし」

「大丈夫だよ灰猫、けど確かに無償って訳にも行かないよね。それだと納得出来なそうだし……そうだなどうしようか」

 灰猫が力になれないと以前から悩んでいたことは知っているので、いつか意識を改善させてあげたいと思っていたのだが、意外なところでチャンスが巡ってきた物だ。

 そもそも灰猫自身元はエルピスの首に刃を突き立てるほど力に対して誇りを持っていたわけで、そんな灰猫からまるでペットの猫のように甘やかされている現状は非常にもどかしいのだろう。
 エルピスとしては今のメンバー全員、居てくれるだけで精神が安定するので居てくれるだけでもいいのだが、そうして何もせず放置すると人が離れていくことはエルピスにもなんとなく分かる。

 灰猫とフェル、あとエラとアウローラにも出来る事ならこの学園でそういった負い目から脱却してほしい。

「ならこうしよう。学年トップ10位以内に入れなかったら、この制服代とその他諸々を払ってもらう。もし取れたら永久雇用という形で家でずっと働いてもらう代わりに代金は肩代わりするよ。それでどう?」

 条件としては悪くないはずだ。
 この学園のトップ10ともなれば、下手をすれば新たな国を開けるほどの力を得る必要がある。

 それを雇用できるのであればその程度の金銭、端金だと言っても差し支えないだろう。

「うん……うん! それなら僕も納得だよ」

「私も大丈夫です。頑張ってトップ10を取り永久雇用してもらいましょう」

「ん? いや何言ってるのフェルは別条件に決まってるじゃん」

 自分も頑張って見せましょう、そう言いたげなフェルに対して、エルピスはバッサリと切り捨てる。
 まるで鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をするフェルだが、エルピスがそう言った理由など説明するまでもないほどに簡単な事だ。

「へ? な、何故でしょうか?」

「当たり前でしょ普通に強いんだから。実力隠してるけどエラよりも強いの知ってるからね? そもそも全開時のニルの頭を踏みつけている訳だし」

 確かにあの時のニルに対して不意打ち的な形で攻撃を仕掛けたフェルではあるが、はっきり言って不意打ちなどエルピス達の戦闘において存在しない。

 ニルはフェルが頭上に現れるその前からフェルがいる事に気がつき、そして対策しようとしていたはずである。
 その上でニルに対して攻撃を仕掛ける事ができたのだ、状況があったにしろかなりの実力がある事は想定済みだ。

「まぁそうだね、フェルの目標は一度でも良いからこの学園にいる間に俺と戦闘して、肌に傷をつける事。それが目標ね」

「難易度が跳ね上がった所の騒ぎじゃ無いんですけど、まだこの学園の年間の学費1日で稼げって言われる方が簡単ですよ?」

「それだと簡単すぎるでしょ、だから丁度良い設定。それにこの学園でトップ10って死ぬほど難しいよ? エラにアウローラも居るし、ミリィさんにアデルさんこれで四人居るからこの四人に魔法と戦闘の総合点で勝たないといけかもしれないんだし、結構きついね」

 この学園に元からいるトップ10も〈神域〉を使って探った感じではかなりの実力者である。

 神の力を抜きにし半人半龍ドラゴニュートとしてこの学園に来ていたなら、エルピスもトップ10に入れたか怪しいところだ。
 それ程の無理難題を灰猫に対して課したのだから、フェルに対してもそれなりに無理難題を課すべきだろう。

「魔法に関してはエルピスのサポートを受けても良い?」

「もちろん。エラを除けばさっきの三人も俺が教えてるしね、任せてよ灰猫」

 魔法に関する教育であるならば、エルピスはかなり経験を積んできた。
 問題なく、それでいて完璧に、その人物の潜在能力を引き出せる自信がある。
 自身たっぷりなエルピスの姿に灰猫は満足げに耳を動かすと、大きく頷いた。

「ーーっとそういえば制服を決めるのが当初の目的だったね忘れてた」

 一旦話が終わり、申し訳なさそうに間に入ってきた執事を見て、エルピスは何をしにいまここにいるのかを思い出した。
 制服を決めるのが今回の目標なのである。
 灰猫やフェルも再び選び始めてしまえば、それほど時間がかかるような様子もなかった。

「では私はどこの国とかはないので標準制服で」

「僕はゆったりしたのが良いから王国式かな、アウローラとかも多分これだろうし」

「俺は帝国式の制服でお願いします」

 標準制服は今日学園の中で見かけた、少し濃い青色を主とした少し特徴的な制服であった。
 フェルが選んだのはその中でもこれと言った装飾のない落ち着いた物であり、半袖と長袖両方を選んだようである。

 灰猫が選んだ王国式の制服は、日本の制服に慣れているエルピスからすると制服なのか疑問に思ってしまうほどにゆったりとしたものであり、どちらかというと部屋着のようにすら見えた。

 逆に帝国式であるエルピスの制服は規律然とした装いであり、軍服のようにも見えるそれを着ると少しだけ背筋が伸びるのを感じる。

「意外だ、それ選ぶんだね。なんかきっちりしてるから嫌がるかと思ってた」

「うーん、まぁ切り替えしやすいしこの方が。緩い服着るとやる気でないんだよね」

「ふーん? そんなもんなのかな」

「そんなもんだよ」

「ーーではこちらの方で計測させていただきます。もうしばらくお待ちくださいませ」

 こうしてエルピス達の学園生活は始まっていく。
 計測されていく自分の身体を眺めながら、エルピスは新たな生活に向けて深く息を吐き出した。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。 だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。  創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。  そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!

yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。 しかしそれは神のミスによるものだった。 神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。 そして橘 涼太に提案をする。 『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。 橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。 しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。 さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。 これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

処理中です...