クラス転移で神様に?

空見 大

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青年期:鍛治国家

王城にて

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 木で出来た部屋の扉を強引に押しどけて、エルピスは焦った表情でドタドタと足音を立てながら部屋の中に入る。
 エルピス達がいま借りているこの部屋は、自動で部屋の鍵が閉まるかなり防犯対策に力を入れている宿屋で、土精霊ドワーフ達が作っているだけあって防犯は完璧と言ってもいい。
 そのはずなのにエルピスが部屋に戻る前に、既に部屋の扉が開いていた。
 中に人がいてもいなくても勝手に閉まるはずのこの部屋で、扉が開きっぱなしになっていたと言うことは、なんからの面倒毎に巻き込まれた可能性がある。
 そんなエルピスの考えを肯定する様にして、普段ならチェスをしているエラとセラ、窓辺やベットで寝転ぶ灰猫の姿は無く、一枚の手紙がポツンと机の上に置かれていた。

「やっぱり何か巻き込まれたか……」
「ちょ、おまえ急に走んなって…ッハァ! …ッハァ!! おっさんの体力舐めんなよマジで……っで、どうしたんだ? 嬢ちゃん達が居ないみたいだけど、なんかあったのか?」
「面倒事に巻き込まれたみたいですね…これ読めないんですけど翻訳できますか?」

 階段を急に上がった事で息が上がっているゲイルに対して、エルピスは机の上に置いてあった手紙を渡す。
 鍛治神の称号の効果によって、自動的に土精霊ドワーフ達の言語が人間のそれと変わらない様に聞こえる為、エルピスからすれば会話自体はさして問題にならないのだが、手紙となると話は変わってくる。
 地方によって存在する訛りや暗号などが付け足された場合、それは翻訳されずに土精霊ドワーフの言葉として認識されるので、エルピスには完全に読めない文章となる。
 だからゲイルに手渡しし、それをゲイルもなんとなく分かっているので何も不満を言わずに読み上げる。

「えーっと、『お前の大切な人達は預かった! 返して欲しければ直ぐに王城まで来るのです! と言うか誘ってからもう一週間近くですよ!?  早く来るのです! 追伸ちゃんと丁寧に扱っているので殴り込みだけはやめて下さい』だとさ」

 見た事も無いはずなのに何故か似ているゲイルのモノマネを聞いて、エルピスは数日前に城に来てくれと言っていた二人組の可愛らしい土精霊ドワーフを思い出す。
 殴り込みをする様な性格だと思われているのは心外だが、あの二人がそう書いたのならばエラ達は無事なのだろう。
 セラもニルもフェルもあるので心配はないが、エルピスは〈神域〉でエラ達の場所を確認してから宿屋から外に出る。

「おいおい、頼むから殴り込みだけはするなよ? 前も説明したけど鍛治神は俺の友達の娘なんだからな」
「分かってますよ……というか、なんでそんなに俺が殴り込みする前提で話を進めるんですか」
「いやぁ……なんか、な。敵対者には容赦しなさそうな雰囲気が凄いんだよお前は」
「まぁ敵なら排除しますけども、敵じゃないですから。手段をもうちょっと考えても良かったんじゃないかとは思いますが」

 自分が暴力的な人という扱いをされて不思議そうな顔をするエルピスに対して、ゲイルがではいつの間にか現れたその腰の刀はなんだという顔をするが、それを無視してエルピスは王城に足を進める。
 かれこれ数十分程度だろうか。
 早足で王城への道を駆け抜けたエルピスは、湖の中にそびえ立つ城に向かってかかった橋の手前にある検問で足を止められていた。

「どうも他国からの客人よ、今日は一体どう言ったご用件かな?」
「ーー仲間が城に招待されているらしくてね、出来れば早く通して頂けると嬉しい」
「招待? ……あぁ、あの噂の客人達か。なら鍛治神様直々に通す様言われているので、通って構いません。ですがこれだけは着用して頂きますようにお願いします」

 そう言うと門兵は、自身の腰にぶら下げて有った指輪程度の大きさの輪っかをエルピスに手渡す。
 それをエルピスはほぼ反射的に鑑定すると、鍛治神の効果によっていろいろなものが見えてくる。

 〈名称:制約の指輪。岩石成分アダマンタイト六割・煉獄石二割・その他二割。
 効果:制約を破った物に対して、この武具の製作者のレベルに応じた罰を与える。追加効果:呪い(大)〉

 呪い(大)の文字に怪訝な表情になるが、まぁ別に構わないかと特に気にせずそのまま指にはめる。
 それと同時に時間差発動型の麻痺系統の呪いがエルピスの身を襲うが、邪神の称号による効果で即座に無効化された。

「これくらいなら気付いても対処する必要がないですな。ーー守って頂きたいルールは一つ、収納箱ストレージを敷地内で使わない事です。なので武具などはここで着用していってください」
「これとこれと……あとこれかな。これで全てです」

 何か小声で呟いた後に制約について説明されたので、それに従って作った刀とそれに付随して余り物で作った小物類を出して、制約を結ぶ。
 後は入る為に最低限必要だと言われた書類を書いて、ようやく城の中へと足を進める。
 さすが土精霊ドワーフと言うべきなのか、エルピスが腰に挿した剣を見て即座に目の色をかえ、あるものは隣にいるゲイルを見て頷き、あるものはエルピスの鍛治師としての腕に何と無くだが気付く。

「大人気みたいだな、その武器」
「もし万が一の場合はあの人達も敵になるんで、あんまりジロジロ見られたく無いんですけどね。技能隠蔽の効果まで使って隠蔽してるのに、武器の強さが分かるのは驚きでした」
「確かに表面的に見れば武器自体の凄みは無くなったが、武器自体の光沢とかは変わってないからな。仕方ない」
「鍛治に関しては土精霊ドワーフって、変態級に頭おかしいですよね。本当に……」
「それは褒め言葉として受け取っておくよ」

 それから数分ほど経ち一つの部屋の前で、エルピスは足を止める。
 土精霊ドワーフの国にしては珍しく大きな扉が建てられたそこは、玉座の間ーーつまり鍛治神がいる場所だ。
 そこにノックもせずに押し入ると、それを知っていたかのように数百人もの土精霊ドワーフが部屋の両側に立ち並んでいた。
 右側に居るのは甲冑を纏った兵士達で、その手には大小様々な武器が握られている。
 左側に立っている土精霊ドワーフ達は一見戦えそうには見えないが、魔神の能力がかなりの魔力を保有している事を伝えてくれる。
 だがやはりそれら有象無象よりも、玉座に腰掛ける目的の人物の方がエルピスの目には留まる。
 ショートカットの赤髪をヘアピンで止め、鍛治中に火傷でもしたのか、右手から頬にまでかけて火傷の跡が見えるが、それでも目の前の鍛治神は息を飲むほどの美しさを醸し出す。
 それは正に人智を超えた美しさで、エラ達に出会って居なかったらその美しさに呑まれていたなと頭の隅で考えていると、鍛治神が口を開く。

「よく来たな、異国の神よ。辺境から来た君達を歓迎したいのは山々だが、残念ながら少しの時間しか取れなくてな。無礼を詫びよう」
「いえ、構いませんよ。私自身一週間前に呼ばれて居たにも関わらず、今の今まで来てませんでしたし」
「そうか、あとこの話し方は堅苦しいので、普段の喋り方にしても良いか?」
「お好きな様にどうぞ。私は構いませんので」

 エルピスがそう言うと鍛治神は玉座の上でノビをして、大きい欠伸をする。
 神であるエルピスが目の前にいるのに溢れ出すその余裕は、経験してきた修羅場の数からか。

「いやぁ本当に話が分かる神様で良かったよ。なんせ神様は堅苦しいのが多くてね……君は最近神になったのかい? ああそうそう、タメ口でいいよ」
「最近では無いですね、面倒毎に巻き込まれたら不味いのと身体がまだ幼かったので、いままで隠してました」
「なるほど……なぜこのタイミングで解除したんだい? もう少し隠してても良かったと思うんだけれど」
「転移者絡みで事件が有って、その時に全力で剣を振ったからどうせ近いうちにバレて居たでしょうし…まぁ他人から指摘されるくらいなら、自分から言った方が良いかと思いまして」
「全力で剣を振った? ーーあぁ、あれか。丁度あの時に災害級カラミティの龍が上を飛んで居てね、そろそろ私も出陣しようかと思っていたらいきなり身体が爆散したから、何事かと思ってたんだよ」

 そう言いながらケラケラと笑う少女を見て、エルピスはそう言えばレベルがいつのまにか少し上がっていたなぁと思い出して、深くため息を吐く。
 まだ親にすらバレていないのに、土精霊ドワーフ達には斬撃だけとは言え見られていると言うのは、まぁ何というか……正直あまり嬉しくは無い。
 それなのにこれ以上この話を続けてもアレなので、エルピスは話題を変える。

「そんな事も有ったんですか。ーーそれで彼女達は何処に?」
「うーん、教えてあげよっかな~。あげないでおこうかなぁ~」
「そう言うのは後で幾らでも聞いてやるから、取り敢えずは先にそれを教えろ。話はそれからだ」
「ーーおい貴様! いくら神とはいえ鍛治神様を前にして無礼であるぞっ!!」
「ーーお前達の意見は聞いていない。部外者が口を挟むな」

 見た目に似合わずかなり大人びた声で、子供の様な言動をしてエルピスに対して構ってアピールをする少女に対して、いまだけはとっとと答えろと言わんばかりにエルピスはエラ達の居場所を聞く。
 だがその聞き方が気に入らなかったのか、玉座付近に控えて居た老人の土精霊ドワーフがエルピスに対して文句をつける。
 だがその文句に対してエルピスは、普段なら絶対に使わない強めの言葉を使いながら、この場にいるゲイル以外の土精霊ドワーフに対して威圧のスキルを使う。

「ーーっっっ!?」
「な…なんだこれ? あ、足がすくんで動かねぇ……!?」
「鍛治神様! 魔法の使用許可を!!  こやつが全力を出す前に早く!!」

 神の威圧が辺りを蹂躙し、土精霊ドワーフ達は息を飲む。
 彼等も鍛治神直々に護衛を任されているだけあって、かなりの実力者ではある。
 だが神と亜人では根本の存在としての格が違う。
 それは意識を向けられていないゲイルでさえ同様故に、彼等を責めることは誰にも出来ないだろう。
 だがそんな神と同格である少女は腕を振るって焦る土精霊ドワーフ達を静かにさせてから、その華奢な身体を椅子から跳ね起こすと、エルピスに対して五つの球を器用に指の間に挟みながら口を開く。

「さーて、質問だけど。この中に女の子達を封印してあるって言ったらさ~怒る?」
「怒らない」
「それは取り返せる自身があるから? それとも何か他に理由が?」
「取り返せる自信はある。他の理由は三つ、そもそもその玉は何も効果のないただの球だから、二つ目はエラ達はこの国もういないから、三つ目は貴方が鍛治神じゃないから」
「確かに私はまだ鍛治神じゃないね。ゲイルさんとは数回顔を合わせたくらいだし、この球も確かにただの球だよ。二個目に関してはどうやって判断したの?」
土精霊ドワーフの国全域を、端から端まで探知しただけですよ」
「強引な事するねぇ…」

 神の力によって大幅に強化された〈神域〉は、まるで別の能力の様に圧倒的な広範囲を瞬時にそして的確に探知し、エラ達がこの国に居ないことを伝えてくれた。
 それを目の前の少女に対して伝えると、少女はまるで演者の様にポーズをとりながら口を開く。

「仕方がない……私自ら教えて差し上げましょう! 彼女達が居るのは土精霊ドワーフ達が作り出した最高最悪難易度の迷宮!!  死殺迷宮ラビリンス!!」
「癖が強いな。平常運転であんな感じなんですか?」
「まぁ話はちゃんと聞いてやれよ」
「歴代の鍛治神達が総力を上げて作り出し、常に進化を続ける最強の迷宮。未だ未踏の迷宮を超えることが彼女達を救い出す条件ですっ!」

 ようはどこに不備があるかのチェック役としてエルピスは抜擢され、この国で自由に過ごしたいのならば仕事をこなしてからにしろという話らしい。
 別にそれに関しては問題ないしその程度のことで神と話せる機会を設けられるのなら儲け物だが、一つだけ気になることがある。

「……なぁゲイル、あの人が誰か置いておいて、一つ聞いていいですか?」
「彼奴は鍛治神の娘だよーーで、どうしたんだ?」
「娘があれなのかよ……。それでですけど、もしかして土精霊ドワーフってネーミングセンス無いんですか?」
「何でだ? 死殺迷宮ラビリンス。ーーカッコいいじゃないか?」
「あ、この人もダメな人だった」

 予測して居ないところでいきなり現れた、土精霊ドワーフのポンコツさに頭を抱えながら、エルピスはまだ楽しそうに声を張り上げ、迷宮ラビリンスの話をする鍛治神の娘の首根っこを掴んで転移魔法を起動する。
 ーー転移魔法の影響によって青白く輝く黒色の刀は、これから先に起きうる可能性のある戦闘に対して、嬉しそうにして居る様にも見えた。
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