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第二章
第17話・10年後の君へその1
しおりを挟む――1945年(昭和20年)9月10日。
「弓子、来てたのか。緑子先生を知らないか?」
「あっ、春文様。お疲れ様です。先生は先程帰られました。何でも急患の連絡が入ったとか……」
「そうか……」
「どうかされました?」
「いや、何でもない。それよりどうしたんだ?」
「えぇ、美穂ちゃんに差し入れついでに春文様をお迎えにと思いまして」
「あぁ、ありがとう。美穂さんなら外で炊き出しの片付け中だと――」
「そうなんですね。ちょっと様子を見てきますね」
「あぁ。僕は戸締まりをしてくるよ」
「はい」
僕が校長室で寝ている間に、何者かが入って来たらしい。起きてみた時は裸で寝ていた。もしかして緑子先生が?と疑っている。
「ご主人サマ……イカ臭い」
「え?」
「ほんまや、何か匂う」
「嘘だろ……弓子にバレたら大事じゃないか」
急ぎ足で仮設のシャワー室へと向かう。
「せめて下半身だけでも洗って……!?」
「きゃっ!!」
「え!?」
シャワー室は男女兼用ではあるが、脱衣所の入口には鍵がある。鍵が開いていたため、無造作に開けてしまったのだ。
「みみみみほさん!ごめんなさい!」
「……」
慌てて扉を閉めると、中から鍵のかかる音が聞こえる。
「わ、私こそすいません!鍵もかけずに!」
「あ、いえ……僕の方も確認もせず、すいません!」
「……」
「……」
お互い言葉につまり無言の時間過ぎる。しばらくすると彼女はシャワー室から出てきた。
「お、お先に失礼します……」
「あっ、はい……おやすみなさい」
気まずい空気の中、彼女は足早に校内へと戻って行く。
「おっと早くシャワーを浴びないと……」
僕は彼女のあわれな姿を思い出しながらも、シャワーを浴びた……。
………
……
…
それから数日が経ち、僕達は南町の復興の手伝いに来ていた。
「美穂ちゃん!」
「弓子ちゃん!」
猿渡家の財源、そして南町の領主南方家の財源をもって戦争で焼失した家屋をほぼ建て直した。道路は以前より広くし、普及し始めた車が通れるほどの道幅となり区画整理が行われた。
「弓子!黒子達と東海浜神社に行ってくる!」
「はぁい!春文様!お気をつけて!」
僕と千草と黒子は神社へと向かう。海岸へと伸びる道を通り過ぎ、切り立つ崖の上を目指す。
ここは東海浜神社。かつて白子と霧川小夜が亡くなった場所……。
「はぁはぁはぁ……」
「はるにぃ、無理しないで。先に行ってるから休憩しながら来て」
「あぁ……千草、すまん。先に行ってくれ」
黒子と千草は大工道具を担いで神社へと先に向かう。
「ご主人タマ、体力ゼロキロキュロカロリー」
「ふぅ……メリー、今は冗談には付き合えない」
僕は参道の岩に腰掛け、息を整える。足が棒の様に重い。先の戦争で怪我を負ってから特にそう感じる。まるで自分の足ではない様な……。
「ご主人サマ、ソノ――」
「メリー、やめとき。有栖様に言われたやろ」
「……」
「有栖がどうかしたのか?」
「いや、あんさん!頂上までもう少しや!きばりんさい!」
「あ、あぁ……」
僕は近くにあった棒を拾うと杖代わりに使い、一歩一歩神社への参道を歩いて行く。以前来た時とは違い、参道の所々で倒木があり足元が非常に悪い。大砲がここにも着弾したのだろう。戦争の激しさを物語っていた。
神社ではすでに黒子と千草を筆頭に猿渡一族が数十人で補修を行っていた。
「あっ!はるにぃ!来た!来た!」
「千草……はぁはぁはぁ……」
「少し休憩したら……って、手伝える体力は残ってなさそうね」
「ははは……すまん」
近くの倒木に腰を下ろし、一息つく。
「ふぅ……」
その時、ふいに海風が吹き木々に潜んでいたカラスの群れが飛び立った。
『カァカァカァカァ!!』
「おっ!……びっくりした。カラスがいたのか……」
「ご主人タマ……足……が……」
「どうした?メリー。お前もカラスに驚い……!?」
目に入ったのは一瞬だった。足がどす黒く染まり、まるで鳥の様な足になっている。それはすぐに元に戻ったが靴は破け3本指の足を確かに見た。
「な、なんだ!?」
近くにいた黒子が、驚く僕の方へとやってくる。
「もうそろそろ限界がきてるのかも知れません……」
「限界ってなんだよ!黒子!さっきの足は何か知っているのか!」
「あれは……」
僕は幼い頃、呪われた子供として領主に殺されかけてたそうだ。そこへ現れた有栖と黒子は僕を未来へと飛ばした。
両腕の妖狐はその時に授けられたのだと言う。そして両足には……。
「ペットのカラス!?」
「うむ……私の飼ってた八咫の烏がな、お主の足には住んでおる。そもそも呪いで殺されるとこだったのだ。犬も歩けば何とやらだ」
「犬じゃないだろ……。いや、待てよそれなら僕には翼が……!!」
「ペットのカラスは怪我をしておって飛べないのだ」
「踏んだり蹴ったりか」
「飛んだり跳ねたりだな」
「やかましい」
「しかし、カラスの声に反応してか……そろそろ限界かもしれぬ。いつしかその子も足から離れ、お主は両足を失う事になるだろうよ」
「この足が無くなる……のか?」
「そうだ。両腕も両足も借りの物、いつかは……」
「そうか。そんな気はしていた……黒子、教えてくれてありがとう」
「……なんだ。泣き叫ぶかと思えば少し拍子抜けしたわ」
「はは……気分はそうだけど、いつかそんな日が来るんじゃないかと思ってた。びっくりはしないよ」
「そうか。私にその……出来る事があれば何でも言えよ。お主には白子の借りがある」
「ありがとう。でも白子の件は借りではない。あれは僕の力不足だ」
「……」
「はるにぃ!いつまで休憩してるの!こっち手伝って!」
「あぁ!千草!今行く!――黒子、今の話は千草には……」
「あぁ、わかってる」
「ありがとう」
それから皆で神社の修繕をし、帰り道で弓子と合流した。これで南町はほぼ復興を終えたのだった。
…
……
………
――3日後。
僕は小学校の裏山の展望台に登っていた。ここからは東町南町の一部と海が見える。以前、緑子先生が教えてくれた場所だ。
「ここはやっぱりいい眺めだな……なごり団地を思い出す」
「はるにぃ!」
「おっ、千草。来たか」
「びっくりしたわよ!中庭で片付けしてたら山から名前を呼ばれるんだから」
「ははは、悪いな。千草にもこの景色を見せてやりたくてな」
「わぁ!綺麗……何だかなごり団地を思い出すわね」
「そう言うと思ったよ」
「何よ、もう!」
「……千草はいきなりこんな100年も前の世界に来て、元の世界に帰りたいと思わないのか?」
千草は少し考え、笑顔で答える。
「思わない!」
「どうしてだ?スマホも無い、テレビも無い、車だってまだそんなに走ってない。不便だろう?」
「はるにぃには言ってなかったわね……」
「何を?」
「この世界に来る前にね……長い夢を見ていた気がするの」
「夢?」
「うん。はるにぃにはこの世界に来た時はどんな感じだった?」
「前の世界で夜眠って……気がついたら翌日の朝にこの小学校にいた……だったか」
「私はね……1年間、別の場所にいたのよね」
「え?別の場所に?」
「うん……と言っても、真っ暗で風景なんかは何も見えなかった。ただ真っ暗……そこで2人の人の人生を見たのよ。直接じゃないけどね……暗闇でね、映像と言うか、テレビみたいなもの?かな。夢をずっと見てる感覚だった」
「そんな所に1年も……」
「ふふ、全然苦痛では無かったのよ。むしろ居心地は良かったわ。暑くも寒くもないし、お腹も空かない。たくさんの人の人生があったんだけどそこの管理人さんにね、おすすめされた方の人生を見てたの……」
「管理人までいたのか?」
「姿は見えなかったわ、声だけ聞こえたのよ。そして見せられたのは……千家の家系……」
「千家……か」
「うん……」
風が吹き、千草は髪をかき上げる。
「1人目は千家春彦……父さんの人生」
「父さんの!?」
「うん……」
しばらく沈黙した後に千草は続ける。
「父さんもタイムリープをしてきた……未来の人だったのよ」
「!?」
「だからかな?この世界に来た時に『あぁ、私も父さんと同じなんだ』って思った」
「知らなかった……父さんも未来から来てただなんて……」
「とは言っても10年位だったと思うわ。私達みたいに100年もタイムリープはしていないのよ」
「そっか。でも父さんもな……何か妙な気分だな」
「うん、そうね……そして父さんは災害を乗り越え、1人の女性と結婚した」
「それが母さんか」
「うん……でもね?お母さんの旧姓は『南小夜子』でしょ?南小夜子は災害の日に亡くなってた……」
「は?亡くなってたら母さんはいないはずだろ?」
「冗談みたいな話だけれどね。あれが夢か現実かもわからない。でも私が見たお母さんは……」
『西奈真弓』さんと言う人だった――そう千草は言った。
名前は知っている。その人のお墓も。
「まさか、車椅子が置いてあるお墓の……」
「うん、そのまさか。こんな話信じられないかもしれないし、もう確認しようもないんだけどね……南小夜子が亡くなった日、西奈真弓も亡くなった。そしてその魂をあの人が南小夜子の体に移したの」
「あの人?」
「うん……」
千草は一呼吸置いて答えた。
「有栖様よ……」
「有栖……が?」
そこまで言うと2人は眼下の小学校を眺め黙り込む。有栖ならやりかねないと思ったのか、それとも有栖の力に驚いたのかはわからない。
しばらく沈黙は続く――そしてその沈黙はあり得ぬ場所からの悲鳴で突如、終わった。
眼下の小学校で異変が起きる。避難所の片付けに来ていた人達が大声を上げながら中庭や校庭に散らばって行く。
「……それでね?2人目の映像は……て、え?あれ何?はるにぃ……」
「あぁ、何かあったみたいだな」
千草はおもむろに走り出す。
「はるにぃは自分のペースで来て!私は先に行ってる!」
「あ、あぁ!わかった!」
小学校へと続く道を千草は駆け下りて行く。僕も千草に続き走ろうとした。
「え……?足が……」
「ご主人サマ!どうシタ!」
「あんさん!足が……」
「何だこれ……」
足が薄くなり地面が透けて見える。そして足にも力が入らない。
「八咫烏の力が失われそうなのか?こんな時に!」
「ハリー!ドウスル!」
「どうする言うても……わいらだけ行ったってエネルギー不足で狐の姿に戻ってしまうやないか……」
「くっ!動け!」
僕はそのままベンチに座り込む。ここでメリーとハリーを先に行かせても、小学校までの距離がありすぎて妖狐の姿を維持する事は出来ないだろう。
「オイ……ハリー……アレ……」
「あぁ……見えとるわ……あれは……」
「鬼かっ!!くそ!こんな時に!」
「マズイ。ミンナ、シヌゾ――」
「メリー!そんな事いちいち言わんでもわかっとるわい!」
「なんダト!ハリーのくせにナマイキダ!」
「2人共やめろっ!」
「ウッ……」
「す、すんまへん……」
展望台から見える中庭では鬼が人々を追いかけ、そして……。
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