100年の恋

ざこぴぃ。

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第二章

第14話・東海浜の戦争その1

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 ――1945年(昭和20年)3月。東京大空襲が日本中を激震させた。そしてこの町の上空でも爆撃機が飛行するようになって来た。
 しかしこれで戦争は終わりではない。来たる8月6日に広島、8月9日に長崎に原爆が投下される。
 その歴史を知る者はこの屋敷にいる者だけだ。東京大空襲を受けても尚、日本軍は降伏をしなかった。その傷跡が大きく開こうとしている。

「さて、皆の衆。時は満ちた……」

 ――8月1日21時。有栖は関係者を集め最後の会議を開いた。

「歴史では表立ってはいない。じゃが、ここ東海地方にも爆弾は投下される。それが8月8日じゃ。これを食い止めぬと千家、猿渡一族は滅亡の歴史を刻む事になる」

 いつにもなく真剣な口調で集まった有識者達に話しかける。

「黒子を筆頭に時空の入口を守る者、春文を筆頭に爆撃を阻止する者の2手に分かれる。わしと千草はこの屋敷で待機じゃ」
『ハハァァ!!』

 猿渡一族の猛者達が全国から集結し、有栖の号令に従う。総勢50名。それぞれが有栖、黒子の護衛に付く予定だ。僕には妖狐がいる、それに加え数人のいびつな者が充てられた。

「有栖、この方々は?」
「……鬼じゃよ」
「鬼!?」
「ツノは無いがな。この出で立ちじゃ。行き先も無く、猿渡家でかくまっている鬼5名じゃよ」
「アリスサマノ、メイレイ……ゼッタイ……」
「はは……は……よ、よろしく頼むよ。それで有栖、爆撃を阻止するっていったいどうすれば良いんだ?相手が上空では手も足も出ないぞ?」
「ぬ。貴様は妖狐のエネルギーが尽きぬ様にするだけじゃ。戦闘は妖狐と鬼に任せれば良い」
「あぁ、それなら出来るか」
「ご主人サマ、足手まといになるナヨ。あと嫁入り道具カエセ」
「あんさん!泥の船に乗ったつもりで任せておくんなまし!」
「不安しかない……」
「うむ。それでは各班指示に従い、各々任務をこなせ!」
『ハハァァァァ!!』

 皆が有栖の号令で平伏し、その日は解散となった。はずだった……。

「なぁ……」
「春文様、何も言わないで下さい。私も我慢しています」
「あぁ……弓子。すまない。我慢するよ……」
「はい。それではおやすみなさい」
「おやすみ」

 一つの布団で、弓子を抱きしめ眠る。この表現には間違いはない。だが……。

「眠れん……」
「すぅすぅすぅ……」

 すぐに寝息を立て始める弓子。正直肝が座っていると思える。
 有栖の号令の後、解散になったは良いが50数名の行き先は無く、この屋敷にぎゅうぎゅう詰めとなった。
 今、僕の部屋には5人の鬼がいる。僕らの布団を囲むように座ったり横になったりして眠っている。
 時々、聞いた事のない会話が聞こえる。鬼の仲間内で使われる言葉だろうか。そういえば小学校に現れた鬼も奇怪な言葉を発していた。
 深夜2時過ぎ……僕はようやく眠りついた。

(ミィツケタ……)

………
……


 翌日、寝不足な目をこすりながら居間へと行くと見た事のある女性が弓子と話していた。
 すでに午前10時過ぎ。昨夜寝付けなかったせいかこんな時間になっていた。
 
「美穂ちゃん!しっかりして!だってまだそうと決まったわけでは!」
「う、うん!そうだけど……」
「弓子、おはよう。確か美穂さんだったか?おはようございます」
「あっ!春文様、おはようございます。少しお待ち下さい。後で朝食を準備致しますね」
「おはようございます。弓子ちゃん、大丈夫。私急いで帰らないといけないから……朝食の準備をしてあげて」
「わかった。美穂ちゃん無理したら駄目よ?何かあったらすぐに言ってね」
「うん、ありがとう。弓子ちゃん、それじゃ」

 美穂を見送り、弓子が朝食の準備をしてくれた。

「美穂さんどうしたんだ?慌ててたみたいだけど」
「うん、次郎がね――」

 先日、一通の手紙が届いたそうだ。次郎もまた戦地に借り出され、現在はフィリピンにいると言う。しかし、その手紙の消印が半年も前……。手紙ではフィリピンで捕虜になったと書いてあったそうだ。

「次郎が……」
「えぇ……しかも手紙が半年も前に出された物。どこかで故意的に止められていたのかもしれません……」
「生きてるのか死んでるのかもわからない……か」
「そうですね……」

次郎の顔が脳裏に浮かぶ。

「それで、美穂ちゃんはこれから東京の陸軍に直接聞きに行くって」
「それで慌ててたのか」
「えぇ、電車の時間があるからって」
「そうか……戦争は百害あって一利なしだな……」
「そうですわね……」

 僕のいた2039年では戦争は歴史の教科書の中の話だ。しかし100年前のこの時代に戦争を目の当たりにしても僕の考えは変わらない。

『戦争は何も生まない』

 戦後の高度成長や、戦争があったからこそ日本は発展したなど書いてはあるが果たしてそうだろうか。
 もし戦争が無くとも、海外との貿易で十分成長出来たのではないか。もっと効率良く、もっと地球に優しい形で……。
 『戦争があったからこそ――』と後で言えば戦争を体の良いものにすり替えれると、誰かが言ったのかもしれない。憶測でしかないけど、ネットが普及していない時代の欺瞞ぎまんではないだろうか。

「――文様?春文様。どうかなさいましたか?」
「あ……いや。少し考え事をしていた。大空襲の後だ、東京に行っても簡単にはいかないだろう。だけどここでじっともしていられないんだろうな……」
「そうですわね。次郎の無事を祈るしかないですわね」
「あぁ……」

 それからあっという間に時間は過ぎていく。町の者達の避難通達、小学校での住民の受入準備。
 【8月15日まで空襲の恐れあり。臨海小学校へ避難せよ】このチラシを作り配って歩いた。
 有栖には『無駄な事はするな』と言われたが、何もせずにはいられなかった。信じてくれる者、煙たがる者、様々な反応ではあったがきっと僕の自己満足なのだろう。この町の領主として、初めて仕事をした気がした。

 ――8月8日。
 有栖が予言する日がついに訪れる。早朝6時になり、空襲を知らせる鐘が町に鳴り響く。

「ついに来たか……」

 僕は妖狐と鬼を連れ将来なごり団地になる高台で身を潜め、黒子は左方の海岸にそびえる崖の東海浜神社に身を潜めた。
 朝日を背に遠くから数機の飛行部隊が見える。

「ご主人サマ。いよいよダ。死ぬナヨ」
「僕が死んだら妖狐も死ぬのか?」
「いや、死なナイ。親元へ帰るダケ」
「そうか、それなら安心だ」
「あんさん、かと言って死ぬのはナシコちゃんやで。そいつだけは後味が悪いねん」
「ははは、そうだな。善処はするよ。メリー、ハリー……頼んだ」

 2人の妖狐は人型に成り親指を立てた。それに合わせて鬼達も親指を立てた。たぶん意味はわかっていない。
 鐘の音が鳴り響く中、10分程で爆撃機と思われる飛行機が目前まで迫る。鬼達は用意していたこぶし大の石を掴む。

「射撃用意――!!」

 高台に緊張が走る。爆弾を落とされるギリギリで……!

「放てっ!!」
『オオオオオオオオォォォ!!』

 鬼達はいっせいに石を投げた!
 僕もこの投てきを見るまではどうやって撃ち落とすか不安だったのだが、それはまるで大砲でも撃ったかの様に飛行機の翼を貫通する!!
 一機また一機とバランスを失い海岸や町の方へと墜落して行く。住民はもちろん避難済だ。家屋の崩壊だけは守る事が出来ないが、町の人が生きていれば復興は出来る。それに事前に貴重品は持ち出させている為、被害は最小限と思われた。

「ご主人サマ……順調に思えたが……アレは石では無理ダ……」
「え……?」

 品定めをするように上空を旋回するひときわ大きい爆撃機が1機……。

「あれがB29……!?」

 他の戦闘機とは違い明らかに大きい。町の上空をゆっくりと旋回し始める。

「あんさん、あれはあかんな。規模が違い過ぎるやろ……」
「ハリー、何とかならないか?」

 鬼達も石を投げる手を止め、呆然とした表情で戦闘機を見上げる。

「ご主人サマ、様子がおかシイ。あの高度で旋回するとこっちには来ない気がスル」
「海の方へ戻っていく?偵察しに来たみたいだな……」

 戦闘機が戻っていく様子を見ていると、海上に何かが見えた。

「戦艦……?」

その時だった!足元で突然爆発が起きる!

『ズドォォォォォォォォォン!!!!!』

 激しい轟音と凄まじい衝撃で、高台にいる僕等は吹き飛ばされる!!

「なっ!?」
「ぐぎゅううううう!!」

 体が宙を舞い、足元で崩れていく高台と共に鬼達が飲まれていく。
 スローモーションの様にその光景は流れ、僕は吹き飛ばされた先にあった木で体を打ちつける!

「ガハッ!!」

 一瞬意識が遠のき、背中に強い痛みを感じた。

「ご主人サマ!!」
「あんさん!しっかりしぃ!」
「いてぇ……」

 口から血が流れているのがわかる。口を切ったのか、内臓をやられたのか、頭で把握できない。

「何が……何が起きたんだ……」

 さっきまで立っていた地面が無い。はるか足元で瓦礫の山と化している。

「ご主人サマ!ニゲロ!アレは大砲ダ!」
「大砲!?」
「あんさん!海上の戦艦が狙ろうてる!一旦、逃げな!」
「ハァハァ……逃げ……ハァハァ……」

 急に足に力が入らなくなる。腰を強く打ったせいか。起き上がろうとしてもまったく力が入らない。

「あれ……足が……動かない……」
「ナニしてル!ご主人サマ!逃げるがカツ!」
「メリー!あんさんの腕をもちぃ!」

 メリーとハリーに引きづられ、雑木林の奥へと入って行く。
 大砲は丘の下の町に次々と撃ち込まれ町は炎と化す。

「ハァハァ……メリー、ハリーありがとう。ここまで来ればたぶん大丈夫だ。それより、緑子先生を呼んできてくれないか?足がこんな状態では歩く事も出来ない」
「ワカッタ!ご主人サマはココにイロ!」
「ハリーは有栖にこの状況を伝えてくれ……爆弾は落ちなかったが、戦艦が向かってると」
「あんさん!1人で大丈夫なんかいな!」
「大丈夫だ……頼む。嫌な予感がする……」
「……ほな行って来るで。ここを動かんといてや!」

 2人が走って行く姿を見ながら、呼吸を整える。少しでも動くと背中から腰にかけて激痛が走る。足はピクリとも動かない。

「はは……これはちょっとまずいな……」

 雑木林の中からは海岸は見えないが、戦艦が近付いて来ているだろう。黒子達は大丈夫だろうか。
 爆撃機は目の前で旋回し、そして西向きに船体を傾けていく。

「爆撃をしない?いや、出来なかった?」

 轟音を響かせ、爆撃機を中心とした戦隊は徐々に遠ざかって行くのが見える。
 一昨日の8月6日――広島に原爆が落とされたとラジオで聞いた。有栖の話では8月8日に東海浜に、そして8月9日に長崎――!?

「そういう事か!東海浜で失敗して急遽行き先を長崎に変更したのか……!」

 鬼達の投石が効いていたのだ。地上から大砲を撃たれたと勘違いをし、飛行船団は一旦海上へ引き上げて行く。入れ替わる様に戦艦が砲撃を始めた。
 そして飛行船団は目的地を変え、明日長崎に原爆が落とされる……。

「そうだとしたら、一応目的は果たしたが……戦艦が乗り込んで来るのは想定外だな……。黒子達は気付いているんだろうか……?」
「……コンナトコニ、イタノネ……。ミィツケタ……」
「え?誰だ?」

 その時、雑木林の陰から何者かが姿を見せた……。

 
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