10年後の君へ

ざこぴぃ。

文字の大きさ
上 下
29 / 30
おまけ

『Akane』歌詞集

しおりを挟む
『Akaneiro 』

見えないことが怖いんじゃない
手が届かないから怖いんだ
真っ赤な夕焼けも 君の真っ赤な頬も
そのぬくもりを失うことが怖かった
ただそこにいるだけでいい
ただそばにいるだけでいい
それが言えなかった

手が届かない今だから
手が届けば何もいらない
ひとりぼっちの今だから
ひとりぼっちになりたくない……

見えないことは怖いんじゃない
声が聞こえるから怖くない
真っ暗な闇夜も わたしの真っ暗な心も
そのぬくもりで優しくとかされる
ただそこにいるだけでいい
ただそばにいるだけでいい
たくさん告げよう

手を伸ばして今君に
手が届くのを信じよう
ふたりぼっちでこれからも
ふたりぼっちで心を寄せて……


『光が見えるとき』

光が届かない世界で生きてきた私は 
君に出会って初めて光を知った
山は輝き 空はまぶしく 海は光る 
そんな世界を初めて知った
光が見えるとき 風がそよぐとき 
君といるから素晴らしい世界

光が見えない世界で生きてきた君は 
私に出会って初めて光を知った
鳥は歌い 風はそよぎ 私は奏でる 
そんな世界を一緒に歩こう
光が見えるとき 鳥がさえずるとき 
君がいるから素晴らしい世界


※『Akaneiro』『光が見えるとき』
著・桜井明日香さん『ひかりが見えるとき』より引用
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

100年の恋

ざこぴぃ。
ファンタジー
 ――2039年8月、千家春文は学校で奇妙な石碑を見かける。 「夢子、あの石碑って……」 「えぇ、ずいぶん古い物ですね。確か100年前の戦没者の慰霊碑だとか。この辺りも空襲で燃えたらしいですわ……」 「へぇ……夢子、詳しんだな」 「まぁ、でも……いえ。何でもないです」  何だか歯切れの悪い言い方をするな……とも思ったが追求する必要もなく、僕達はそのまま千草に校内の案内をして周り、無事に学校説明会が終わった。 ……… …… …  テーブルには新聞が置いてある。何気に手に取り、目を疑った。 『1939年8月9日月曜日』 「は?え?1939年?え?」  何度か見直したが西暦は1939年だった。指折り数える。 「えぇと……令和、平成があって……その前が昭和……あっ、書いてある。昭和14年……!?」  新聞は漢字と平仮名表記ではあるが、所々意味がわからずペラペラと捲る。 ……… …… …  100年前の世界へタイムリープした春文。そこで起こる数々の出会い、別れ、試練……春文の運命は?  無事に元の世界へ帰る事はできるのか!? 「10年後の君へ」と交わる世界観のファンタジー 「100年の恋」――最後までお楽しみ下さい。 ■□■□■□■□■ 執筆 2024年1月8日〜4月4日 公開 2024年4月7日 著・ざこぴぃ。

かみのこはる〜裏参道のモノノ怪物語

ざこぴぃ。
児童書・童話
 春夫がまだ小さい頃。近所の神社でいつものように遊んでいた。同級生でもあり、神社の娘でもある希子は春夫を見つけて声をかける。 「おぉい!はるくん何してるのぉ?」 「ん?のこちゃん。今ね、池の中に何か見えて……」 「鯉じゃない?」 「いや、何か光った気がしたんだ」 「あっ!お父さんが言ってた。この池は参拝客がお金を投げ込むんだって。それじゃない?」  神社の裏手にある池は鯉にちなんで「恋人が結ばれる池」として当時はちまたで有名だった。休日ともなると参拝客が列をなしている時もあった。平日のその日は人気もなく、セミの声だけが聞こえる。  学校はちょうど夏休みだった。春夫は宿題を終わらせ、神社の境内で自由研究にとカブトムシを探しに来ていた。 「ほら、そこ。さっき光った様に見えたんだけど」 「どこ?のこには見えないよ。ねぇ、本当に――」 「お……おい……お前は誰だっ!!!」 「え?急に何!?はるくん!どうしたの!!ねぇ!」  それは太陽の光が反射する池の湖面に立っていた。この時、それは春夫にしか見えていない。 『……お主、わしの姿が見えたのかぇ?』  それは真っ白な装束を着て、髪も真っ白、目は赤く、長い舌が特徴的だった。  春夫は驚きのあまり声が出ない。尻もちを着き震え始める。何も見えていない希子は春夫と池を交互に見るが何が起きているのかわからない。 「ちょ!はるくん!しっかりして!!ねぇ!」  その時、突然春夫の足が引っ張られ池の方へと引きずられる―― 2023.7.20〜

この満ち足りた匣庭の中で 一章―Demon of miniature garden―

至堂文斗
ミステリー
――鬼の伝承に準えた、血も凍る連続殺人事件の謎を追え。 『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。 巨大な医療センターの設立を機に人口は増加していき、世間からの注目も集まり始めていた。 更なる発展を目指し、電波塔建設の計画が進められていくが、一部の地元住民からは反対の声も上がる。 曰く、満生台には古くより三匹の鬼が住み、悪事を働いた者は祟られるという。 医療センターの闇、三鬼村の伝承、赤い眼の少女。 月面反射通信、電磁波問題、ゼロ磁場。 ストロベリームーン、バイオタイド理論、ルナティック……。 ささやかな箱庭は、少しずつ、けれど確実に壊れていく。 伝承にある満月の日は、もうすぐそこまで迫っていた――。 出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io

時を喰らう館:天才高校生探偵、神藤葉羽の難解推理

葉羽
ミステリー
豪奢な洋館で発見された、富豪の不可解な死。密室、完璧なアリバイ、そして奇妙な遺言。現場に残されたのは、甘美な香りと、歪んだ時間だけだった。天才高校生探偵・神藤葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、この迷宮事件に挑む。しかし、それは葉羽の想像を絶する悪夢の始まりだった。時間、視覚、嗅覚、そして仮想現実が絡み合う、前代未聞の猟奇的殺人ゲーム。葉羽は、五感を蝕む恐怖と、迫りくる時間の牢獄から、真実を導き出すことができるのか? どんでん返しの連続、そして予想だにしない結末があなたを待つ。

狼が死んだ日

白木 まいる
ミステリー
主人公のかれんは、秘めた想いを抱いたまま解錠師として犯罪の世界に身を投じる。過去と現在の記憶と行き来しながら、彼女の光と影を描く。

キャバ嬢姫乃の潜入捜査

天之川 夜空
ミステリー
姉の失踪ーー すべてはここから始まった。 キャバ嬢だった姉。 その姉が姿を消した。 謎だらけの失踪。 ニュースで報道すらされない姉の失踪。 姉の存在自体が失踪と共に消された。 誰の記憶からもーー 姉の存在を知るのは妹ただ一人。 「姉は確かに居ました。誰一人憶えてなくても、家族から忘れられても、姉は確かに生きて私と一緒に生きて暮らしていたんです」

Marigold

シュレディンガーのうさぎ
ミステリー
*この話にはBAD ENDとTRUE ENDの二種類があります。 現代文教師としてある学校に赴任してきた女性、アオイ。その学校には明るい性格で友達の多い英語教師ナツメ、顔と頭が良く女性に人気な数学教師ヒジリ、他人と話したがらず何を考えているか分からないと不気味に思われている生物教師ツカサがいた。 ある日、ナツメに肝試しに誘われ夜の学校を歩いていたアオイは、音楽室から聞こえてきたピアノの音にいざなわれ、『私を殺した犯人を捜して』と書かれた紙を見つける。その紙は一年前に自殺した音楽教師、カエデからのメッセージだった。 夜の学校に閉じ込められたアオイは、カエデの痕跡をたどり過去の回想を見ながらカエデとナツメ、ヒジリそしてツカサの関係を解き明かし、何故カエデが自殺したかの理由を明らかにしていく。

この満ち足りた匣庭の中で 三章―Ghost of miniature garden―

至堂文斗
ミステリー
 幾度繰り返そうとも、匣庭は――。 『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。 その裏では、医療センターによる謎めいた計画『WAWプログラム』が粛々と進行し、そして避け得ぬ惨劇が街を襲った。 舞台は繰り返す。 三度、二週間の物語は幕を開け、定められた終焉へと砂時計の砂は落ちていく。 変わらない世界の中で、真実を知悉する者は誰か。この世界の意図とは何か。 科学研究所、GHOST、ゴーレム計画。 人工地震、マイクロチップ、レッドアウト。 信号領域、残留思念、ブレイン・マシン・インターフェース……。 鬼の祟りに隠れ、暗躍する機関の影。 手遅れの中にある私たちの日々がほら――また、始まった。 出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io

処理中です...