ミラーワールド


 ――昭和63年8月初旬。
 セミがけたたましく鳴く、ある夏休みの夕方。学校の時計は18時を指していた。
 暑い西日が姿鏡に反射する……それは僕が17歳の誕生日を迎えた8月8日の出来事……。

 その日、補習を終え、僕は咲と待ち合わせをしている正門へと急ぐ。
 廊下を曲がり、1階への階段を降りようとした時だった。
 ドンッ!と背中を押され、僕は階段を転げる様に落ちていく。
 誰かが故意に背中を押した?――そんな感覚を覚えたまま、僕は気を失う。

 そして次に目が覚めた時には『ミラーワールド』と呼ばれる鏡の中の異空間を彷徨っていたのだった。

著者・ざこぴぃ。
表紙絵・桜井明日香様
執筆・令和6年4月8日〜7月7日
24h.ポイント 7pt
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