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第19話
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急に手を乗せられて身体に緊張が走る。
こんなところ、麻耶たちに見られたらどうするの……!
私は先輩の手を退かすが、先輩は再び私の太ももに手を置く。そして人差し指を立てるとスゥーと線を描くかのように動かした。
くすぐったくて身体がピクリと動く。
「で、ほのかはどう思う?」
麻耶に話を振られてハッとする。
「え、えーと……」
話を聞いてなかったせいで言葉に詰まっていると、先輩は太ももをいやらしく撫でまわした。
「ご、ごめん。よく、わからない……」
私は声をあげそうになるのを我慢して答える。
「えー、そうなのぉ?」
麻耶は唇を尖らせると、木佐貫くんと楽しげに会話をする。麻耶たちの意識が私から外れたところで、私は先輩を睨み付けた。
しかし、先輩はこの状況を楽しんでいるようで、涼しげな顔をして私を見ている。
「いい加減にしてください」
私は麻耶たちに聞こえないように小声で話す。
「何が?」
「何がって、この手を退けて下さい」
「残業中にかかってきた電話が、まさかアイツからだったとはね」
先輩はフレアスカートの中に手を滑らせると、直に太ももを触ってきた。
「……っ!」
私は声が出ないよう両手で口を押さえる。
「俺が残業を手伝ってあげてた時、二人で楽しくお喋りしてたんだ」
「そんなんじゃない……」
「そういえば木佐貫くんは、葛城さんと高校を卒業してからも付き合いがあったの?」
先輩はスリルを掻き立てるかのように木佐貫くんに話し掛けるではないか。
「いえ、この前偶然植物園で再会したんです」
「植物園? 木佐貫くん花が好きなの?」
「それがあまり興味なかったんですけどチケットを貰ったもので」
「植物園で再会だなんてロマンティックね」
私は三人の会話に入ることができなかった。なぜなら先輩の手が太ももからショーツへと移動していて、それどころじゃなかったからだ。
「あっ!」
堪らず私は声をあげると、木佐貫くんと麻耶が私を見た。
「あっ、暑くない?」
私は誤魔化すために手を団扇のようにして顔をあおぐ。
「冷房下げてもらう? すいませーん」
麻耶が離れた場所にいた店員に空調の設定をお願いしたついでに、木佐貫くんがビールのおかわりを頼んだ。
その間も先輩の手は止まらない。先輩はショーツの上から割れ目をなぞる。
「こんなとこ二人に見られたらどうするの……」
「この店薄暗いし、俺たちが何をしているのかわかるはずないよ。それとも――……見られた方が興奮する?」
先輩はテーブルの下で私の足を持ち上げた。私は足を大きく広げた状態になる。もし、テーブルの下を覗かれてしまったら、私と先輩が何をしているのかわかってしまう。
先輩はするりとショーツの中に指を入れた。
「……っ」
私は唇を噛み、必死に耐える。
先輩は突起を指で小刻みに動かし刺激した。
そこは……だめ……。私は先輩の腕を掴み抵抗するけど先輩の手は止めることなくむしろ、さっきより激しく指で刺激する。
ぞくぞくとした快感に私の身体は襲われる。
「ふっ、ん……!」
びくんと身体が跳ね、私は絶頂に達した。
先輩は満足そうに口角をあげると、手をスカートの中から抜く。先輩の指にはぬらりとした愛液が付着していた。
そのまま私はテーブルに突っ伏すると、ガチャンと食器が音を立てた。
「ちょっと! ほのか大丈夫!?」
「葛城!?」
麻耶と木佐貫くんが同時に声をあげる。絶頂を迎えたうえに、アルコールもまわってきたせいか私は二人に返事をする余裕なんかなくて、肩で息をするのに精一杯だった。
「葛城さん、酔っちゃったかな?」
先輩が私の背中をさする。だけれど、その手の動きが果てたばかりの身体に障る。
「だい、じょぶ」
私は先輩の手から逃れようと立ち上がった。
「全然大丈夫に見えないわよ。顔赤いし、目も潤んでるし。何よりフラフラしてるじゃない」
「俺、葛城さんを送ります」
先輩は立ち上がると私の肩に手を回した。私の身体を支えると、そのまま寄り添われながら歩く。
座っていたテーブルを過ぎようとした――……その時だった。
「待ってください」
木佐貫くんが先輩の腕を掴んだ。
「……何か?」
先輩はギロリとした目で木佐貫くんを睨む。まるで、邪魔をするな、とでも言いたげな目をして。
「俺が葛城を送ります」
物怖じせずに、はっきりとした口調で木佐貫くんが言った。
「高坂さん、葛城の家がどこにあるか知りませんよね? 俺、知ってますんで」
「俺は――」と言い掛けたところで、先輩がちらりと麻耶の顔を見た。
「……そうだな。ならお願いしようかな」
先輩は私の肩から手を離す。
「任せてください」
木佐貫くんが私の腕を引っ張り自分の方へと寄せた。足元が覚束ない私の身体は簡単に木佐貫くんの胸の中へと飛び込む。
なんだか木佐貫くんに抱きしめらてるみたい……。
見た目の割にしっかりとした木佐貫くん胸板に、私の鼓動が速くなる。
こんなところ、麻耶たちに見られたらどうするの……!
私は先輩の手を退かすが、先輩は再び私の太ももに手を置く。そして人差し指を立てるとスゥーと線を描くかのように動かした。
くすぐったくて身体がピクリと動く。
「で、ほのかはどう思う?」
麻耶に話を振られてハッとする。
「え、えーと……」
話を聞いてなかったせいで言葉に詰まっていると、先輩は太ももをいやらしく撫でまわした。
「ご、ごめん。よく、わからない……」
私は声をあげそうになるのを我慢して答える。
「えー、そうなのぉ?」
麻耶は唇を尖らせると、木佐貫くんと楽しげに会話をする。麻耶たちの意識が私から外れたところで、私は先輩を睨み付けた。
しかし、先輩はこの状況を楽しんでいるようで、涼しげな顔をして私を見ている。
「いい加減にしてください」
私は麻耶たちに聞こえないように小声で話す。
「何が?」
「何がって、この手を退けて下さい」
「残業中にかかってきた電話が、まさかアイツからだったとはね」
先輩はフレアスカートの中に手を滑らせると、直に太ももを触ってきた。
「……っ!」
私は声が出ないよう両手で口を押さえる。
「俺が残業を手伝ってあげてた時、二人で楽しくお喋りしてたんだ」
「そんなんじゃない……」
「そういえば木佐貫くんは、葛城さんと高校を卒業してからも付き合いがあったの?」
先輩はスリルを掻き立てるかのように木佐貫くんに話し掛けるではないか。
「いえ、この前偶然植物園で再会したんです」
「植物園? 木佐貫くん花が好きなの?」
「それがあまり興味なかったんですけどチケットを貰ったもので」
「植物園で再会だなんてロマンティックね」
私は三人の会話に入ることができなかった。なぜなら先輩の手が太ももからショーツへと移動していて、それどころじゃなかったからだ。
「あっ!」
堪らず私は声をあげると、木佐貫くんと麻耶が私を見た。
「あっ、暑くない?」
私は誤魔化すために手を団扇のようにして顔をあおぐ。
「冷房下げてもらう? すいませーん」
麻耶が離れた場所にいた店員に空調の設定をお願いしたついでに、木佐貫くんがビールのおかわりを頼んだ。
その間も先輩の手は止まらない。先輩はショーツの上から割れ目をなぞる。
「こんなとこ二人に見られたらどうするの……」
「この店薄暗いし、俺たちが何をしているのかわかるはずないよ。それとも――……見られた方が興奮する?」
先輩はテーブルの下で私の足を持ち上げた。私は足を大きく広げた状態になる。もし、テーブルの下を覗かれてしまったら、私と先輩が何をしているのかわかってしまう。
先輩はするりとショーツの中に指を入れた。
「……っ」
私は唇を噛み、必死に耐える。
先輩は突起を指で小刻みに動かし刺激した。
そこは……だめ……。私は先輩の腕を掴み抵抗するけど先輩の手は止めることなくむしろ、さっきより激しく指で刺激する。
ぞくぞくとした快感に私の身体は襲われる。
「ふっ、ん……!」
びくんと身体が跳ね、私は絶頂に達した。
先輩は満足そうに口角をあげると、手をスカートの中から抜く。先輩の指にはぬらりとした愛液が付着していた。
そのまま私はテーブルに突っ伏すると、ガチャンと食器が音を立てた。
「ちょっと! ほのか大丈夫!?」
「葛城!?」
麻耶と木佐貫くんが同時に声をあげる。絶頂を迎えたうえに、アルコールもまわってきたせいか私は二人に返事をする余裕なんかなくて、肩で息をするのに精一杯だった。
「葛城さん、酔っちゃったかな?」
先輩が私の背中をさする。だけれど、その手の動きが果てたばかりの身体に障る。
「だい、じょぶ」
私は先輩の手から逃れようと立ち上がった。
「全然大丈夫に見えないわよ。顔赤いし、目も潤んでるし。何よりフラフラしてるじゃない」
「俺、葛城さんを送ります」
先輩は立ち上がると私の肩に手を回した。私の身体を支えると、そのまま寄り添われながら歩く。
座っていたテーブルを過ぎようとした――……その時だった。
「待ってください」
木佐貫くんが先輩の腕を掴んだ。
「……何か?」
先輩はギロリとした目で木佐貫くんを睨む。まるで、邪魔をするな、とでも言いたげな目をして。
「俺が葛城を送ります」
物怖じせずに、はっきりとした口調で木佐貫くんが言った。
「高坂さん、葛城の家がどこにあるか知りませんよね? 俺、知ってますんで」
「俺は――」と言い掛けたところで、先輩がちらりと麻耶の顔を見た。
「……そうだな。ならお願いしようかな」
先輩は私の肩から手を離す。
「任せてください」
木佐貫くんが私の腕を引っ張り自分の方へと寄せた。足元が覚束ない私の身体は簡単に木佐貫くんの胸の中へと飛び込む。
なんだか木佐貫くんに抱きしめらてるみたい……。
見た目の割にしっかりとした木佐貫くん胸板に、私の鼓動が速くなる。
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