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第二章
第二十話
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悠花は、夫人に借りたパジャマをベッドの上に畳んで置いた。
紺色のベッドカバーは新しい。けれど、ベッドサイドに置かれた丸いライトも、水色のチェックのかわいらしいカーテンも以前と変わらない。レースのカーテンからは明るい日差しが降り注ぎ、庭には夫人が丹精込めて手入れしているバラが咲き誇っていた。
穂高と別れた後、会社を辞め住むところをなくした悠花は、少しの間副社長の自宅にお世話になった。精神的にも肉体的にもギリギリの状態で、あの時も夫人には「もっと早く甘えてほしかった」と言われた。
今回は悠花が甘えないことを見越して先手を打たれた気がする。
この部屋は、いつでもここに戻ってきていいのよという夫人の愛情あふれるメッセージのように思えた。
昨夜は雑炊を食べてお風呂をいただいた。それからパジャマを借りて、あれだけ寝たのに泣き疲れていたせいかまたすぐに眠りについた。つらいできごとにも慣れて、体に耐性がついてきたのかもしれないと思うのは自虐的だろうか。
バッグの中にあったメイク用品や下着は、智晃の部屋に泊まる予定で入れていたのに、予想外の場所で活用できている。服だけが昨日のままだ。
ベッドに腰掛けて、これからどうすべきか、少しだけ悠花は思い悩む。
服がないことを理由に、一度自分のマンションに戻ろう。彼らはここにまた戻って来なさいと言うだろうけれど、そこまで甘えるわけにはいかない。早く就職先を見つけて場合によっては引っ越しを検討する。
けれど何よりも優先すべきことは智晃と話をすることだ。
夫人に言われるまでもなく、悠花はきちんと智晃に向き合おうと思った。
おそるおそる見たメール画面にも、智晃からメッセージが届いていた。
『昨日はごめん。会ってきちんと謝りたい。話をしたい。あなたに会いたい。体調が落ち着いたらいつでも連絡をください』
あんな状況で離れたのに智晃は迎えに来てくれた。そしてこうしてメールもくれた。その事実が悠花の心を勇気づける。
「一度マンションに戻って、それから考えよう」
悠花は決意すると、再度部屋を整えてダイニングへ向かった。
「おはようございま……す」
「おはよう」
「おはよう、悠花ちゃん。今、朝食を準備するわね」
「おはよう……」
副社長、夫人、そして最後にぼそりと挨拶してくれたのは桧垣だ。彼の前にも朝食のお膳が準備されている。昨日と同じラフな格好の桧垣は、どことなく居心地の悪そうな様子でそこにいた。それを見れば副社長に呼び出されたのは明らかだ。
「体調は?」
「……大丈夫です」
「昨日は、悪かった」
「いえ。私こそ……ご迷惑をおかけして」
「悠花ちゃん、そこは、ベッドに運んでくれてありがとう、と言うのよ」
桧垣との拙いやりとりに、悠花の前にも朝食のお膳を運びながら夫人がつっこんでくる。副社長は無言で新聞を広げており、彼の前には食後のコーヒーが置かれていた。どうやら、二人はすでに食事を済ませているようだ。
「ありがとうございました」
「いや……」
昨日も思ったけれど、彼は随分副社長夫妻にかわいがられている。仕事では一線をひいて、副社長秘書として働いている彼しか知らなかったから、なんだか不思議な気がした。
互いに「いただきます」と挨拶をして食事をはじめる。
副社長は静かに新聞をめくり時折コーヒーを口にする。ひと段落ついた夫人も自分のコーヒーを運んできてダイニングにつく。
まるで自分たちが家族であるかのような休日の朝食風景に、なくしたものを思い出して切なくなる。
両親は元気だろうか。兄夫婦はどうしているだろう。母からはそれとなく「いつでも実家に帰ってらっしゃい」と、父も兄ももう怒っていないのだと伝えてくれる。それでも帰らなかったのは、迷惑をかけないためだったか、いつまでも髪一筋程の希望を捨てきれなかったせいか……
実家に帰る選択をしてもいいのだろうか。ふと、そんな甘い考えが浮かんでくる。
炊き立ての白いご飯と、出汁のきいたお味噌汁。卵焼きに、根菜の煮物、夫人お手製のお漬物。
在りし日の実家の食卓がそこにはあった。
「おいしいです。こんなまともな朝食は久しぶりです」
桧垣が勢いよく食べながらそう言った。夫人も「ありがとう」と嬉しそうに微笑んだ。
「結婚すれば毎朝食べられるかもしれないぞ、桧垣くん」
ぼそりと呟いた副社長の言葉に桧垣がむせる。悠花も思わず噛んでいる途中のものを飲みこんでしまった。
昨日の自分たちのやりとりは、隣室にいた彼らにも届いていたに違いない。
桧垣に抱きしめられた強い腕の感触や、熱く告げられた言葉、それらがよみがえってきて、悠花はすぐに振り払った。
桧垣との距離が近づくごとに、素の彼を知っていく。会社では決して使わないぞんざいな口調も、こんな風に戸惑う隙も見ることはなかった。
桧垣は口元を拭ってすっと視線を悠花に向けた。細められた目には暖かな光があって、それは今までにはなかったもの。
「相手が応じてくれれば……結婚するんですけどね」
意味深なセリフに悠花はうつむくしかなかった。黙ったまま残りの食事をすませていく。
恋愛なんて無意味なことはしないと桧垣は言った。結婚は契約で信頼さえあればできる、と。
好きでもない相手と結婚なんて悠花には考えられない。だから桧垣の言葉は聞き流してきた。
でも昨日告げられた彼の気持ちは悠花の心を小さく揺さぶっている。
そして揺さぶられているから、彼を大切にしたいと思う。
この人を犠牲にはしない。
「あの……私マンションに戻ります」
食事を終えると悠花は切り出した。副社長が新聞を閉じて畳んでいく音だけが部屋に響く。
「悠花ちゃん、昨日も言ったが、私としてはこのままうちにいてほしい。犯人の目星がつかない限りは君を一人にしたくない」
副社長の言葉に夫人も神妙な表情で頷く。桧垣は無言だ。
「申し出はとてもありがたいです。ただ、そのことも含めて少し考える時間が欲しいんです。昨日会社を辞めたばかりで、まだこれからどうしていくのか自分でも答えが見つかっていません。何より……智晃さんにも何も説明できていないままなんです。彼ときちんと話をして、それから結論をだそうと思っています」
「だから少しだけ時間をください」と続けて悠花は頭を下げた。
「智晃……か」
副社長の声は低く、どこか責める色が滲む。迎えに来た智晃を副社長が追い返したというのだからあまり快く思っていないのだろう。それが本当に智晃のせいなのか、自分のせいなのか悠花にはわからない。
「智晃では君を支えられない、私はそう思っている。智晃のせいでこれ以上君に苦しんでほしくない。あいつを取り巻く世界が穂高くんに近いのは、君もわかっているはずだ」
「あなた……それは」
「智晃のそばにいれば……穂高くんの時と同じ思いをするかもしれない。その時に、あいつが君を守れるとは思えないんだよ、私には」
悠花は副社長をじっと見た。その表情は心から悠花を心配している。悠花には痛いほど彼の不安がわかった。
「あなた、智晃だってきっと」
「ああ、守れればいい。だが守れなかったら? 悠花ちゃんはまた傷つく。そして、そのことに智晃も苦しむだろう、穂高くんが苦しんだように。私にとって悠花ちゃんも智晃も大事だ。大事だからこそ、二人が苦しむようなことは避けたいんだよ……」
副社長には自分たちの未来が見えているのかもしれない、と悠花は思った。
智晃が穂高と似た立場にあるからこそ、苦しんできた自分たちの過去を重ねてしまう。
悠花だって同じだ。
その世界を知っているからこそ、その道を歩んできたからこそ、不安がいつまでもつきまとう。
「副社長……決めるのは名月さんです。彼女が望むなら時間をあげてはどうですか?」
助け舟を出してくれたのは意外にも桧垣だった。悠花は思わず顔をあげる。桧垣の視線は副社長に向き、次に悠花にうつった。
「オレが君を連れて行く。マンションに一度戻るならそこに、彼と話し合うつもりなら彼のところに。それでまた答えが出たら、ここに戻ってきて副社長たちに説明すればいい。どちらにしろ今夜は彼女をまたここへお連れします。それでいかがですか?」
「……そうだな、今夜必ず君が悠花ちゃんを連れて帰ってくるなら君に任せよう」
「ありがとうございます」
二人で勝手に話を進められて、悠花は何か言いたかった。けれど自分を心配してくれているからこその気遣いになんの言葉も出てこない。
桧垣の目は「どんな反論も許さない」と語っていて、悠花は小さく「お願いします」と言うことしかできなかった。
紺色のベッドカバーは新しい。けれど、ベッドサイドに置かれた丸いライトも、水色のチェックのかわいらしいカーテンも以前と変わらない。レースのカーテンからは明るい日差しが降り注ぎ、庭には夫人が丹精込めて手入れしているバラが咲き誇っていた。
穂高と別れた後、会社を辞め住むところをなくした悠花は、少しの間副社長の自宅にお世話になった。精神的にも肉体的にもギリギリの状態で、あの時も夫人には「もっと早く甘えてほしかった」と言われた。
今回は悠花が甘えないことを見越して先手を打たれた気がする。
この部屋は、いつでもここに戻ってきていいのよという夫人の愛情あふれるメッセージのように思えた。
昨夜は雑炊を食べてお風呂をいただいた。それからパジャマを借りて、あれだけ寝たのに泣き疲れていたせいかまたすぐに眠りについた。つらいできごとにも慣れて、体に耐性がついてきたのかもしれないと思うのは自虐的だろうか。
バッグの中にあったメイク用品や下着は、智晃の部屋に泊まる予定で入れていたのに、予想外の場所で活用できている。服だけが昨日のままだ。
ベッドに腰掛けて、これからどうすべきか、少しだけ悠花は思い悩む。
服がないことを理由に、一度自分のマンションに戻ろう。彼らはここにまた戻って来なさいと言うだろうけれど、そこまで甘えるわけにはいかない。早く就職先を見つけて場合によっては引っ越しを検討する。
けれど何よりも優先すべきことは智晃と話をすることだ。
夫人に言われるまでもなく、悠花はきちんと智晃に向き合おうと思った。
おそるおそる見たメール画面にも、智晃からメッセージが届いていた。
『昨日はごめん。会ってきちんと謝りたい。話をしたい。あなたに会いたい。体調が落ち着いたらいつでも連絡をください』
あんな状況で離れたのに智晃は迎えに来てくれた。そしてこうしてメールもくれた。その事実が悠花の心を勇気づける。
「一度マンションに戻って、それから考えよう」
悠花は決意すると、再度部屋を整えてダイニングへ向かった。
「おはようございま……す」
「おはよう」
「おはよう、悠花ちゃん。今、朝食を準備するわね」
「おはよう……」
副社長、夫人、そして最後にぼそりと挨拶してくれたのは桧垣だ。彼の前にも朝食のお膳が準備されている。昨日と同じラフな格好の桧垣は、どことなく居心地の悪そうな様子でそこにいた。それを見れば副社長に呼び出されたのは明らかだ。
「体調は?」
「……大丈夫です」
「昨日は、悪かった」
「いえ。私こそ……ご迷惑をおかけして」
「悠花ちゃん、そこは、ベッドに運んでくれてありがとう、と言うのよ」
桧垣との拙いやりとりに、悠花の前にも朝食のお膳を運びながら夫人がつっこんでくる。副社長は無言で新聞を広げており、彼の前には食後のコーヒーが置かれていた。どうやら、二人はすでに食事を済ませているようだ。
「ありがとうございました」
「いや……」
昨日も思ったけれど、彼は随分副社長夫妻にかわいがられている。仕事では一線をひいて、副社長秘書として働いている彼しか知らなかったから、なんだか不思議な気がした。
互いに「いただきます」と挨拶をして食事をはじめる。
副社長は静かに新聞をめくり時折コーヒーを口にする。ひと段落ついた夫人も自分のコーヒーを運んできてダイニングにつく。
まるで自分たちが家族であるかのような休日の朝食風景に、なくしたものを思い出して切なくなる。
両親は元気だろうか。兄夫婦はどうしているだろう。母からはそれとなく「いつでも実家に帰ってらっしゃい」と、父も兄ももう怒っていないのだと伝えてくれる。それでも帰らなかったのは、迷惑をかけないためだったか、いつまでも髪一筋程の希望を捨てきれなかったせいか……
実家に帰る選択をしてもいいのだろうか。ふと、そんな甘い考えが浮かんでくる。
炊き立ての白いご飯と、出汁のきいたお味噌汁。卵焼きに、根菜の煮物、夫人お手製のお漬物。
在りし日の実家の食卓がそこにはあった。
「おいしいです。こんなまともな朝食は久しぶりです」
桧垣が勢いよく食べながらそう言った。夫人も「ありがとう」と嬉しそうに微笑んだ。
「結婚すれば毎朝食べられるかもしれないぞ、桧垣くん」
ぼそりと呟いた副社長の言葉に桧垣がむせる。悠花も思わず噛んでいる途中のものを飲みこんでしまった。
昨日の自分たちのやりとりは、隣室にいた彼らにも届いていたに違いない。
桧垣に抱きしめられた強い腕の感触や、熱く告げられた言葉、それらがよみがえってきて、悠花はすぐに振り払った。
桧垣との距離が近づくごとに、素の彼を知っていく。会社では決して使わないぞんざいな口調も、こんな風に戸惑う隙も見ることはなかった。
桧垣は口元を拭ってすっと視線を悠花に向けた。細められた目には暖かな光があって、それは今までにはなかったもの。
「相手が応じてくれれば……結婚するんですけどね」
意味深なセリフに悠花はうつむくしかなかった。黙ったまま残りの食事をすませていく。
恋愛なんて無意味なことはしないと桧垣は言った。結婚は契約で信頼さえあればできる、と。
好きでもない相手と結婚なんて悠花には考えられない。だから桧垣の言葉は聞き流してきた。
でも昨日告げられた彼の気持ちは悠花の心を小さく揺さぶっている。
そして揺さぶられているから、彼を大切にしたいと思う。
この人を犠牲にはしない。
「あの……私マンションに戻ります」
食事を終えると悠花は切り出した。副社長が新聞を閉じて畳んでいく音だけが部屋に響く。
「悠花ちゃん、昨日も言ったが、私としてはこのままうちにいてほしい。犯人の目星がつかない限りは君を一人にしたくない」
副社長の言葉に夫人も神妙な表情で頷く。桧垣は無言だ。
「申し出はとてもありがたいです。ただ、そのことも含めて少し考える時間が欲しいんです。昨日会社を辞めたばかりで、まだこれからどうしていくのか自分でも答えが見つかっていません。何より……智晃さんにも何も説明できていないままなんです。彼ときちんと話をして、それから結論をだそうと思っています」
「だから少しだけ時間をください」と続けて悠花は頭を下げた。
「智晃……か」
副社長の声は低く、どこか責める色が滲む。迎えに来た智晃を副社長が追い返したというのだからあまり快く思っていないのだろう。それが本当に智晃のせいなのか、自分のせいなのか悠花にはわからない。
「智晃では君を支えられない、私はそう思っている。智晃のせいでこれ以上君に苦しんでほしくない。あいつを取り巻く世界が穂高くんに近いのは、君もわかっているはずだ」
「あなた……それは」
「智晃のそばにいれば……穂高くんの時と同じ思いをするかもしれない。その時に、あいつが君を守れるとは思えないんだよ、私には」
悠花は副社長をじっと見た。その表情は心から悠花を心配している。悠花には痛いほど彼の不安がわかった。
「あなた、智晃だってきっと」
「ああ、守れればいい。だが守れなかったら? 悠花ちゃんはまた傷つく。そして、そのことに智晃も苦しむだろう、穂高くんが苦しんだように。私にとって悠花ちゃんも智晃も大事だ。大事だからこそ、二人が苦しむようなことは避けたいんだよ……」
副社長には自分たちの未来が見えているのかもしれない、と悠花は思った。
智晃が穂高と似た立場にあるからこそ、苦しんできた自分たちの過去を重ねてしまう。
悠花だって同じだ。
その世界を知っているからこそ、その道を歩んできたからこそ、不安がいつまでもつきまとう。
「副社長……決めるのは名月さんです。彼女が望むなら時間をあげてはどうですか?」
助け舟を出してくれたのは意外にも桧垣だった。悠花は思わず顔をあげる。桧垣の視線は副社長に向き、次に悠花にうつった。
「オレが君を連れて行く。マンションに一度戻るならそこに、彼と話し合うつもりなら彼のところに。それでまた答えが出たら、ここに戻ってきて副社長たちに説明すればいい。どちらにしろ今夜は彼女をまたここへお連れします。それでいかがですか?」
「……そうだな、今夜必ず君が悠花ちゃんを連れて帰ってくるなら君に任せよう」
「ありがとうございます」
二人で勝手に話を進められて、悠花は何か言いたかった。けれど自分を心配してくれているからこその気遣いになんの言葉も出てこない。
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