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深化4
アンフェールと守護竜デビュー/グレンとシタールへの狙撃
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アンフェールは飛んだ。
精霊の目でグレンの様子を遠隔チェックしながらの飛行だ。会議室の様子は不穏で、生贄としてグレンを寄越せという向こうの要求を飲む方向に動いている。
急がなくてはいけない。
アンフェールは弾丸のように飛び、最速で司令部の建物に到着した。そして、地面に蹴りを食らわすほどの派手な着地を決めた。
重い地響き。周囲が僅かに煙る。大分土煙を撒き上げたようだ。
『ちょぉぉぉぉっと、待ったぁぁぁぁ~~~~!!!!!』
アンフェールは大きな声で呼び掛けた。
同時にカッコいいポーズも忘れない。初お披露目なのだ。初見の印象は大事だ。
建物の窓が次々に開き、皆、アンフェールに注目している。勿論グレンも。
『我は守護竜アンフェール! 賢王グレンと共にヴィシュニアを守護するためにやって来た!!!』
第一声の決め台詞としては完璧だ。
アンフェールはあまりの決まりっぷりに、うっとりしてしまった。
「ダメじゃないか、アンフェール。ちゃんと隠れていてって言っただろう?」
グレンはアンフェールを叱る姿勢だ。
せっかく強そうな守護竜の演出をしたのに、叱られちゃうのはカッコ悪い。アンフェールはいくら立派な竜体をしていても番に叱られたらシュンとしてしまう。
しかしアンフェールも退けない。だってもう竜体で来ちゃったし、色々オープンになってしまった。
グレンを、そして国を守る目的を果さねば。
アンフェールは強い心持でグレンと向かい合う。
『グレンと共にヴィシュニアを守るのが守護竜の仕事だ。グレンだけをシタールには行かさない!』
「……聞いてたんだね」
グレンは片手で顔面を抑えて、はぁ、と重い溜息をついている。
さすが前世がグレングリーズだけある。精霊を使った事をすぐに察したようだ。
「……アンフェール、もうその姿になったからには覚悟が決まっているという事だろう? ならば頼っても良いだろうか?」
グレンは庇護する相手としてではなく、対等な相手としてアンフェールを見ることにしたらしい。『頼る』と言ってくれた。
アンフェールは途端にぱぁぁぁっと明るい気持ちになった。
番に頼られてしまった。何でもしたい。アンフェールのぴかぴかの身体が、よりぴかぴか光った。
『うん! なんでも言って!』
「これからシタールの魔導兵器を狙撃しようと思う」
『うん?』
アンフェールはダイナミックに首をひねった。
狙撃とは何だろう。いや、長距離射撃の事だというのは分かる。
ここからシタールまでは超長距離だ。魔導兵器の凄さは、その距離に砲撃が届き、ほぼ正確に狙えるという事なのだ。
魔導兵器じゃないのに、同じ事をしようなんて難しいんじゃないだろうか。
「私はそうやって魔導兵器を壊した経験があるんだ。しかし、今の身体では空も飛べないし、精霊に力を借りられない。
だからアンフェール。私を空に連れて行ってくれ。精霊の力も貸してほしい。狙撃は、狙撃用の術式があるんだ」
アンフェールは目をぱちくりさせた。
じゃあ、その術式を貰えばアンフェールがソロで何とか出来るんじゃないだろうか。アンフェールは魔術のコントロールが得意だ。
グレンをわざわざ危険な場所に連れていくことも無い。
「魔導兵器の破壊方法はコツがいるんだ。アンフェールは壊した事ないだろう」
何も言ってないのに補足を追加されてしまった。
なるほど。狙う場所にコツがいるのか。未経験者のアンフェールじゃ辛いかもしれない。
誤射しちゃうと『敵方から攻撃あり』と見做されて、反撃されてしまう。また炎の雨が降る事になる。
『分かった。連れて行ってあげる』
「ありがとう。時間が無いんだ。すぐ出発しよう」
シタールの脅しへの返答期限が一時間で設定されていたらしい。なるほど時間が無い。
しばし会議している様子もあったし、刻限は近づいているだろう。
なるべくシタール側に近づいた方がいいかと思ったが、あまり敵方の可視範囲に入るのも良くないなと思い直す。アンフェールはただでさえ目立つのだ。
ちょっとの間がありグレンが司令部から出てきた。着替えてきたようだ。
黒一色の姿。防寒具を身に纏い、ゴーグルを身につけていた。飛竜騎乗用の服装なんだそうだ。竜騎士スタイルだ。カッコいい。
『鞍とかないと危ないよね。飛竜用のある?』
「聞いたのだが、アンフェールのサイズと合うものは無さそうだった。だからロープだな」
後から出てきた司令部にいた皆が長いロープを抱えて持ってきた。
皆が縛るのを手伝ってくれる。
その間、アンフェールの姿に対して特に何も言われない。グレンが軽く事情を説明する姿は見ていた。
お互いの身体をロープで縛る形だ。精霊にお願いして安全には配慮するけど命綱は必要だ。グレンは怖くないだろうか。
アンフェールは身体を低くしてグレンが乗りやすいようにした。
『大丈夫? 怖くない?』
「大丈夫だ。今は飛べないが飛んでいた記憶はしっかりある。それに、アンフェールがいるのならどこだって怖くないよ」
アンフェールはポッとなってしまった。思わずぴかっとする。
竜の愛する空へ、番と共に羽ばたくのだ。番も、それを受け入れてくれている。怖くないと言ってくれる。
アンフェールは翼を広げ数度羽ばたいた。巨体は地上から離れる時のみ重く、浮けば羽のように軽く持ち上がっていく。
空へ。
空へ舞い上がる。
高度がグイグイ上がっていく。
風の精霊はグレンが楽に騎乗できるよう彼の周囲を守ってくれている。吹き飛ばされたり、寒かったりはしないだろう。
竜は飛竜よりも高い場所まで上がれる。とはいえグレンの身体を考えたら限度がある。
そこそこの高さで止まり、背中に意識を傾けた。
『グレン平気?』
「うん。アンフェールが守ってくれているからね」
『精霊の力は何が必要? 視覚?』
「視覚は欲しい。あと、術を発射後出来るだけ威力を殺さないよう、抵抗を抑えてくれと風の精霊にお願いして欲しい」
『分かった』
視覚は光の精霊の管轄だ。
しかし、今のアンフェールは中位精霊までとしか契約していない。何故なら前世、数多の高位精霊と契約した結果フェロモン受容体を縛られるという憂き目にあったからだ。
隣国シタールまでの距離を考えると中位精霊ではちょっと厳しい。高位精霊の力を借りなくてはいけない。
アンフェールはグルゥと喉を鳴らした。
現世では、フェロモンを感じ合い、求め合えたのに。
「アンフェール?」
『……うん。ふふ、なんでもないよ』
なんでもなくはないが、まぁ、いいのだ。
アンフェールは前世でそれを経験しているし、我慢も出来るだろう。
だから、いいのだ。
『――……!』
アンフェールは精霊と対話し、力を借りた。
その力をグレンに付与する。
「ありがとう、アンフェール。――これで、方を付ける!」
グレンの力強い声が、アンフェールの背中の上で響いた。
◇◇◇
グレンはシタールの方角に目を向ける。
アンフェールから借りた精霊の力で超長距離であってもよく見える。魔導兵器の置いてある軍事施設もすぐに見つかった。
薄暗い中煌々と明かりがついていて分かりやすい。見られているなんて思っていないのだ。
魔導兵器。
シタールの魔導兵器はヴィシュニアの博物館収蔵品の複製品だという。
グレンは笑う。
確かに複製品だ。前世仕込んだ仕掛けが生きている。グレングリーズは収蔵する際、ただ収蔵した訳ではなかったのだ。
魔導兵器の弱点となる心臓部分の側、制御装置近くは装甲が薄くなっている。物凄い排熱がある分、そうなるのだ。
グレングリーズはただでさえ脆いそこを、さらに脆くなるよう弄っていた。
技術が丸々盗まれた際、壊しやすいようにだ。
盗んだ技術者は『必要な廃熱用パネル』としか思っていないだろう。
グレンは右手でロープを握り、左腕を伸ばして、その廃熱用パネルを指差す。
頭の中で術式を組み立てる。
アンフェールとずっと学んできた原初の魔術。勿論グレングリーズが作り上げた、この狙撃用の術式も原初の魔術だ。
学んできた甲斐があり、得た記憶も有効に使える。
指先に力が集まる。術式が組み上がる。
グレンは破壊すべき一点を睨んだ。
『――魔弾――!!!!!』
咆哮のごとく叫ぶ『発動命令』。
魔弾は超長距離であっても狙いを外さない。魔導兵器に対抗する為グレングリーズが編み出した術式だ。
グレンの身体は砲身となり、指先から勢いよく弾丸が放たれる。
反動の衝撃が起こる事はなかった。アンフェールの精霊がクッションのようにグレンを支えてくれている。
小さな小さな弾丸は、空気を切り裂き直線を描いて飛んでいく。しかしその小さな塊の中には、ギュッとエネルギーが詰まっている。
精霊の力で、そのエネルギーは摩耗する事なくシタールへ、魔導兵器へ向かって行く。
静寂。それから僅かな時間差で響く重低音。
シタール側の地平が、明るくなる程の炎で埋まった。
精霊の目でグレンの様子を遠隔チェックしながらの飛行だ。会議室の様子は不穏で、生贄としてグレンを寄越せという向こうの要求を飲む方向に動いている。
急がなくてはいけない。
アンフェールは弾丸のように飛び、最速で司令部の建物に到着した。そして、地面に蹴りを食らわすほどの派手な着地を決めた。
重い地響き。周囲が僅かに煙る。大分土煙を撒き上げたようだ。
『ちょぉぉぉぉっと、待ったぁぁぁぁ~~~~!!!!!』
アンフェールは大きな声で呼び掛けた。
同時にカッコいいポーズも忘れない。初お披露目なのだ。初見の印象は大事だ。
建物の窓が次々に開き、皆、アンフェールに注目している。勿論グレンも。
『我は守護竜アンフェール! 賢王グレンと共にヴィシュニアを守護するためにやって来た!!!』
第一声の決め台詞としては完璧だ。
アンフェールはあまりの決まりっぷりに、うっとりしてしまった。
「ダメじゃないか、アンフェール。ちゃんと隠れていてって言っただろう?」
グレンはアンフェールを叱る姿勢だ。
せっかく強そうな守護竜の演出をしたのに、叱られちゃうのはカッコ悪い。アンフェールはいくら立派な竜体をしていても番に叱られたらシュンとしてしまう。
しかしアンフェールも退けない。だってもう竜体で来ちゃったし、色々オープンになってしまった。
グレンを、そして国を守る目的を果さねば。
アンフェールは強い心持でグレンと向かい合う。
『グレンと共にヴィシュニアを守るのが守護竜の仕事だ。グレンだけをシタールには行かさない!』
「……聞いてたんだね」
グレンは片手で顔面を抑えて、はぁ、と重い溜息をついている。
さすが前世がグレングリーズだけある。精霊を使った事をすぐに察したようだ。
「……アンフェール、もうその姿になったからには覚悟が決まっているという事だろう? ならば頼っても良いだろうか?」
グレンは庇護する相手としてではなく、対等な相手としてアンフェールを見ることにしたらしい。『頼る』と言ってくれた。
アンフェールは途端にぱぁぁぁっと明るい気持ちになった。
番に頼られてしまった。何でもしたい。アンフェールのぴかぴかの身体が、よりぴかぴか光った。
『うん! なんでも言って!』
「これからシタールの魔導兵器を狙撃しようと思う」
『うん?』
アンフェールはダイナミックに首をひねった。
狙撃とは何だろう。いや、長距離射撃の事だというのは分かる。
ここからシタールまでは超長距離だ。魔導兵器の凄さは、その距離に砲撃が届き、ほぼ正確に狙えるという事なのだ。
魔導兵器じゃないのに、同じ事をしようなんて難しいんじゃないだろうか。
「私はそうやって魔導兵器を壊した経験があるんだ。しかし、今の身体では空も飛べないし、精霊に力を借りられない。
だからアンフェール。私を空に連れて行ってくれ。精霊の力も貸してほしい。狙撃は、狙撃用の術式があるんだ」
アンフェールは目をぱちくりさせた。
じゃあ、その術式を貰えばアンフェールがソロで何とか出来るんじゃないだろうか。アンフェールは魔術のコントロールが得意だ。
グレンをわざわざ危険な場所に連れていくことも無い。
「魔導兵器の破壊方法はコツがいるんだ。アンフェールは壊した事ないだろう」
何も言ってないのに補足を追加されてしまった。
なるほど。狙う場所にコツがいるのか。未経験者のアンフェールじゃ辛いかもしれない。
誤射しちゃうと『敵方から攻撃あり』と見做されて、反撃されてしまう。また炎の雨が降る事になる。
『分かった。連れて行ってあげる』
「ありがとう。時間が無いんだ。すぐ出発しよう」
シタールの脅しへの返答期限が一時間で設定されていたらしい。なるほど時間が無い。
しばし会議している様子もあったし、刻限は近づいているだろう。
なるべくシタール側に近づいた方がいいかと思ったが、あまり敵方の可視範囲に入るのも良くないなと思い直す。アンフェールはただでさえ目立つのだ。
ちょっとの間がありグレンが司令部から出てきた。着替えてきたようだ。
黒一色の姿。防寒具を身に纏い、ゴーグルを身につけていた。飛竜騎乗用の服装なんだそうだ。竜騎士スタイルだ。カッコいい。
『鞍とかないと危ないよね。飛竜用のある?』
「聞いたのだが、アンフェールのサイズと合うものは無さそうだった。だからロープだな」
後から出てきた司令部にいた皆が長いロープを抱えて持ってきた。
皆が縛るのを手伝ってくれる。
その間、アンフェールの姿に対して特に何も言われない。グレンが軽く事情を説明する姿は見ていた。
お互いの身体をロープで縛る形だ。精霊にお願いして安全には配慮するけど命綱は必要だ。グレンは怖くないだろうか。
アンフェールは身体を低くしてグレンが乗りやすいようにした。
『大丈夫? 怖くない?』
「大丈夫だ。今は飛べないが飛んでいた記憶はしっかりある。それに、アンフェールがいるのならどこだって怖くないよ」
アンフェールはポッとなってしまった。思わずぴかっとする。
竜の愛する空へ、番と共に羽ばたくのだ。番も、それを受け入れてくれている。怖くないと言ってくれる。
アンフェールは翼を広げ数度羽ばたいた。巨体は地上から離れる時のみ重く、浮けば羽のように軽く持ち上がっていく。
空へ。
空へ舞い上がる。
高度がグイグイ上がっていく。
風の精霊はグレンが楽に騎乗できるよう彼の周囲を守ってくれている。吹き飛ばされたり、寒かったりはしないだろう。
竜は飛竜よりも高い場所まで上がれる。とはいえグレンの身体を考えたら限度がある。
そこそこの高さで止まり、背中に意識を傾けた。
『グレン平気?』
「うん。アンフェールが守ってくれているからね」
『精霊の力は何が必要? 視覚?』
「視覚は欲しい。あと、術を発射後出来るだけ威力を殺さないよう、抵抗を抑えてくれと風の精霊にお願いして欲しい」
『分かった』
視覚は光の精霊の管轄だ。
しかし、今のアンフェールは中位精霊までとしか契約していない。何故なら前世、数多の高位精霊と契約した結果フェロモン受容体を縛られるという憂き目にあったからだ。
隣国シタールまでの距離を考えると中位精霊ではちょっと厳しい。高位精霊の力を借りなくてはいけない。
アンフェールはグルゥと喉を鳴らした。
現世では、フェロモンを感じ合い、求め合えたのに。
「アンフェール?」
『……うん。ふふ、なんでもないよ』
なんでもなくはないが、まぁ、いいのだ。
アンフェールは前世でそれを経験しているし、我慢も出来るだろう。
だから、いいのだ。
『――……!』
アンフェールは精霊と対話し、力を借りた。
その力をグレンに付与する。
「ありがとう、アンフェール。――これで、方を付ける!」
グレンの力強い声が、アンフェールの背中の上で響いた。
◇◇◇
グレンはシタールの方角に目を向ける。
アンフェールから借りた精霊の力で超長距離であってもよく見える。魔導兵器の置いてある軍事施設もすぐに見つかった。
薄暗い中煌々と明かりがついていて分かりやすい。見られているなんて思っていないのだ。
魔導兵器。
シタールの魔導兵器はヴィシュニアの博物館収蔵品の複製品だという。
グレンは笑う。
確かに複製品だ。前世仕込んだ仕掛けが生きている。グレングリーズは収蔵する際、ただ収蔵した訳ではなかったのだ。
魔導兵器の弱点となる心臓部分の側、制御装置近くは装甲が薄くなっている。物凄い排熱がある分、そうなるのだ。
グレングリーズはただでさえ脆いそこを、さらに脆くなるよう弄っていた。
技術が丸々盗まれた際、壊しやすいようにだ。
盗んだ技術者は『必要な廃熱用パネル』としか思っていないだろう。
グレンは右手でロープを握り、左腕を伸ばして、その廃熱用パネルを指差す。
頭の中で術式を組み立てる。
アンフェールとずっと学んできた原初の魔術。勿論グレングリーズが作り上げた、この狙撃用の術式も原初の魔術だ。
学んできた甲斐があり、得た記憶も有効に使える。
指先に力が集まる。術式が組み上がる。
グレンは破壊すべき一点を睨んだ。
『――魔弾――!!!!!』
咆哮のごとく叫ぶ『発動命令』。
魔弾は超長距離であっても狙いを外さない。魔導兵器に対抗する為グレングリーズが編み出した術式だ。
グレンの身体は砲身となり、指先から勢いよく弾丸が放たれる。
反動の衝撃が起こる事はなかった。アンフェールの精霊がクッションのようにグレンを支えてくれている。
小さな小さな弾丸は、空気を切り裂き直線を描いて飛んでいく。しかしその小さな塊の中には、ギュッとエネルギーが詰まっている。
精霊の力で、そのエネルギーは摩耗する事なくシタールへ、魔導兵器へ向かって行く。
静寂。それから僅かな時間差で響く重低音。
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