上 下
91 / 123
深化3

アンフェールと初めての求め合い2 ※

しおりを挟む

 身体を起こしたグレンはアンフェールの脚の間に座っている。
 アンフェールは仰向けに寝そべって脚を開いているので、彼に陰部を全て曝け出している状態だ。
 ペニスはピンと勃っているし、後孔は濡れている。発情した部分を番にじっくり見られちゃうなんてドキドキしてしまう。

「あっ……」

 グレンの指がアンフェールの後孔をぬるりと撫でる。
 指先の腹をゆるく当てられただけで、僅かに開く感覚があった。

「凄く濡れてる」

 そう言ってグレンはクスリと笑った。

 濡れやすくもなる。処女だったのに、半日繋がりっぱなしだったのだ。
 アンフェールの小さな孔は、グレンの陰茎によって拓かれ、雄を受け入れる性器に変えられてしまった。グレンの雌にされたのだ。
 そう考えるとアンフェールは恥ずかしくなって頬が熱くなってしまう。

 グレンは両手指を使いアンフェールの尻肉を開く様にしている。くちりと水音がした。

「……っ! ひらいちゃ、やです……!」

 アンフェールが嫌だというのにグレンは聞いてくれない。
 孔を開くようにしたままだ。大事な部分にヒリつく程の視線を感じる。

「前からこうすると開いてたけど、もっと開くようになったね。柔らかいし、いい匂いがする」

 アンフェールは番に孔の具合を精査されている様で、羞恥が煽られてしまう。腕で口元を隠す様にガードした。こうするとほっぺは見えないのだ。

 アンフェールの後孔は開くと内側の秘肉が僅かに覗くんだそうだ。精霊時代、その内側をじっくり見られたなと思い出す。
 まだ暗い時間の閨だ。ランプの明かりだけでは影になってよく見えないだろう。それにホッとしてしまった。
 アンフェールは番にだったら奥まで見せる事も吝かでは無いと思っている。でも初めて正気で繋がるベッドで、内側まで見られちゃうのは恥ずかしい。
 微妙な十四歳の思春期心だ。

 孔は全く慣らす必要が無いようだ。そのままグレンのペニスがぐっと押し当てられた。

 熱い陽根。
 熱した玉でも押し当てられているんじゃないかと思う程だ。
 侵入の活路を開く性器の先ですら大きいのだから、普通の相手では受け入れ難いのではないかと思う。
 別にアンフェールのお尻は広がりやすい訳じゃない。受け入れる為に分泌される蜜が多いだけだ。
 だから幼さの残る後孔を割り広げられるのは大変だ。『蹂躙されている』と感じてしまう。しかしアンフェールはそれが嫌ではない。ゾクゾクしてとてもクるのだ。

「あ……」

 先がぷちゅりと音を立てて入り込んでくる。
 小さな肉の輪は軋むほど目一杯広げられ、グレンの事を咥え込んでいく。その部分で感じるのは『ひたすらに熱い』という事だ。

「あんなに繋がったのに、まだ狭いね」
「ぐれん、おおきくて……ちゃんとはいりますか?」
「入るよ。今、くびれまで入ったから、後は楽だと思う」

 楽、とは何なのか。グレンの性器を思い返しても楽なパーツがない。
 グレンはアンフェールの腰を押さえ、逃がさない姿勢だ。彼の張りのある太い茎が徐々にアンフェールの内側を侵していく。止まる事はない。

「~~~~っ、あ!!! ぐれん、やっ、やあっ」

 アンフェールは上擦った声で衝撃を逃がしていく。
 嬌声よりも悲鳴に近いような声。声だけ聴いていると、何か凄惨な行いをされているようだがアンフェールにとっては歓喜だ。
 凄くいい。

 一番奥から入口まで。隙間なく、ぴっちりと番だけで埋まっている。
 グレンの腰が尻に当たっているから入りきったのだ。腹の奥深くが押し上げられている。

 物凄い一体感。そして湧いてくる多幸感。
 それは本来一つであるべき肉体に戻ったかのような、番としか味わえない魂の交接だった。

「は、ふ」
「苦しい? ごめんね。ああ、少し出ちゃったのかな」

 どうやらアンフェールは挿入中、内側を押し上げられて少し精を漏らしたようだ。見れば腹に白いぬかるみが落ちている。
 グレンは指でそれを拭い取り、舐めてくれた。
 お漏らしに恥じらうアンフェールをグレンは可愛いと思うらしい。いっぱい可愛いと褒めてくれた。そして、約束通りペニスを刺激してくれる。

「あっ、あっ……」

 グレンは腰を動かさずに、手技で扱いてくれる。
 漏らした精と蜜で濡れた性器は、滑りが良い。最初はスリスリと様子を見る様に。そして徐々に早いリズムで擦り上げられていく。

「締まるね。気持ちいい?」

 グレンの問いかけに、アンフェールのぼんやりとした頭はすぐに反応しない。
 気持ちいい。気持ちいいしかない。

 気持ちいいし、くちくちと粘液質な音が立つのはとてもいやらしく興奮する。刺激で、音で、追い詰められていく。
 快感によって身体がヒクつくたびに、尻の孔がきゅうきゅうと締まってしまう。
 締まる度に、孔で咥え込んでいる雄の存在を自覚するのだ。

「きもちい……きもちいいです……」
「また濡れて滴ってきたね。嬉しい」

 逃げ出したいほどの強い快感に苛まれるも、そうする事は出来ない。
 骨盤の出っ張りに置かれた手は重さを掛けられていないのに、拘束されている様に感じる。孔に挿さったままのものはこの場に縫い留める楔だ。そして一番敏感な部分を彼の手に握られている。

 アンフェールは今、グレンに速贄のごとく貫かれ、食べ時になるまでさえずる美味しい餌だった。
 ――速贄は鳥が美しくさえずる為の餌であって餌はさえずらないのだが。
 日中の健全なデート中、グレンはアンフェールに鳥の名前を教えながら、色んな習性を話してくれた。あの時はまさかこんな状況になるなんて露程も思わなかった。

 ほのぼのとした兄弟の時間と、今の責め苦の温度差が激しい。
 あの、陽の光の中で見た優しいグレンが、今はランプの妖しい揺らめきに照らされながら、淫靡な顔でアンフェールに奉仕している。
 綺麗で、いやらしい。

「うぅ……」

 アンフェールは眉を寄せて苦し気に呻く。
 ペニスで高まるのは早い。しかし上手にいけなかった。中が圧迫されて射精まで至れないみたいだ。
 いきたいのに、いけない。
 この状態はとても苦しい。アンフェールは善すぎて、苦しくて、辛くなってしまう。

「ぐれん、おなか、おされて、いけないです……くるしい……」

 アンフェールはぐすぐすと泣きながらグレンに射精出来ないと訴える。
 前世はどうしてたっけ、と思い出すもよく思い出せない。前は挿入を受けていても上手に射精出来たはずなのに。
 前世より背が低いし幼いし、胎の中のスペースが狭いんだろうか。

「アンフェール、力を抜いて」

 グレンは優しく声を掛けてくれる。そして手にしたペニスを扱きながらも、ゆっくり腰を退いてくれた。
 中ほどまで退かれると、圧迫された状態から解放されて、射精というより漏らしたような状態でどろりどろりと精が溢れてくる。そのまま下腹部に垂れて広がっていく。

「あ、あ……」

 解放感に甘い声が漏れる。
 ちょっと恥ずかしい。男らしく射精したかったのに、こんなお漏らしみたいな状態で。
 アンフェールは羞恥に涙をにじませながらも、ヒクヒクと痙攣した。排出の快感だというのに、オーガズムが長く続く。

「いっぱい出たね」
「はい……でも、はずかしいです。ちゃんと、でなくて」
「受け入れながら頑張るアンフェールは、可愛かったけど」

 グレンは出し切ったアンフェールの白濁を手で掬い取り、舐めて綺麗にしてくれた。彼は舐める様子をちゃんと見える様にしてくれる。
 アンフェールは照れてしまった。

 アンフェールがもじもじしていると、ギシリとベットが軋んだ。グレンが体勢を整えている。

「今度は中で気持ちよくなろうね」
「あ」

 そしてまた、グレンの性器が奥まで侵入してくる。
 先程まで開いていた部分だ。苦も無く最奥まで収まってしまう。
 グレンは荒く息を吐いている。これから律動を始めるという興奮の表れか。アンフェールに覆い被さり、こちらを見下ろす彼の目は獣のようだ。

 グレンにギュッと抱かれる。彼の胸に、腕の中に、アンフェールはすっぽり収まってしまう。挿っている楔さえ、彼の元に固定するもののようだ。
 アンフェールは全身で番に拘束されたように感じてしまった。

 どこにもやらない、逃がさない。自分のもの。

 そういった番持ちの種族が本能的に感じる束縛感だ。
 息苦しい程のそれを竜種であるアンフェールは心地良く感じてしまう。絶対的な安心感で胸が満たされる。


「大好きだ、アンフェール。私のものにするから」


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます

ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜 名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。 愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に… 「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」 美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。 🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶 応援していただいたみなさまのおかげです。 本当にありがとうございました!

【祝福の御子】黄金の瞳の王子が望むのは

尾高志咲/しさ
BL
「お前の結婚相手が決まったよ」父王の一言で、ぼくは侍従と守護騎士と共に隣国へと旅立った。 平凡顔王子の総愛され物語。 小国の第4王子イルマは、父王から大国の第2王子と結婚するよう言われる。 ところが、相手は美貌を鼻にかけた節操無しと評判の王子。 到着すれば婚約者は女性とベッドの中!イルマたちは早速、夜逃げをもくろむが…。 宰相の息子、忠誠を捧げる騎士、婚約者の浮気者王子。 3人からの愛情と思惑が入り乱れ!? ふんわりFT設定。 コメディ&シリアス取り交ぜてお送りします。 ◎長編です。R18※は後日談及び番外編に入ります。 2022.1.26 全体の構成を見直しました。本編後の番外編をそれぞれ第二部~第四部に名称変更しています。なお、それにともない、本編に『Ⅵ.番外編 レイとセツ』を追加しました。 🌟第9回BL小説大賞に参加。最終81位、ありがとうございました。 本編完結済み、今後たまに番外編を追加予定。 🌟園瀨もち先生に美麗な表紙を描いていただきました。本当にありがとうございました!

謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません

柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。 父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。 あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない? 前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。 そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。 「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」 今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。 「おはようミーシャ、今日も元気だね」 あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない? 義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け 9/2以降不定期更新

ざまぁされた小悪党の俺が、主人公様と過ごす溺愛スローライフ!?

嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
わんこ系執着攻めヒーロー×卑屈な小悪党転生者、凸凹溺愛スローライフ!? やり込んでいたゲームそっくりの世界に異世界転生して、自分こそがチート主人公だとイキリまくっていた男、セイン……こと本名・佐出征時。 しかし彼は、この世界の『真の主人公』である青年ヒイロと出会い、彼に嫉妬するあまり殺害計画を企て、犯罪者として追放されてしまう。 自分がいわゆる『ざまぁされる悪役』ポジションだと気付いたセインは絶望し、孤独に野垂れ死ぬ……はずが!! 『真の主人公』であるヒイロは彼を助けて、おまけに、「僕は君に惚れている」と告げてきて!? 山奥の小屋で二人きり、始まるのは奇妙な溺愛スローライフ。 しかしどうやら、ヒイロの溺愛にはワケがありそうで……? 凸凹コンビな二人の繰り広げるラブコメディです。R18要素はラストにちょこっとだけ予定。 完結まで執筆済み、毎日投稿予定。

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!

冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。 「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」 前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて…… 演技チャラ男攻め×美人人間不信受け ※最終的にはハッピーエンドです ※何かしら地雷のある方にはお勧めしません ※ムーンライトノベルズにも投稿しています

大魔道士の初恋

チョロケロ
BL
私は偉大なる大魔道士、オズベルト様のペットだ。オズベルト様は最近悩んでらっしゃる。詳しく話を聞くと、どうやら二十九歳にもなって童貞なのを気にしているらしい。ならば私が一肌脱ぎましょう。オズベルト様、どうぞ私で童貞を捨ててください! ペットの白蛇が、ご主人のために奮闘するお話です。 以前、ムーンライトノベルズ様で掲載していました。 宜しくお願いします。

異世界トリップして10分で即ハメされた話

XCX
BL
付き合っていると思っていた相手からセフレだと明かされ、振られた優太。傷心での帰宅途中に穴に落ち、異世界に飛ばされてしまう。落ちた先は騎士団の副団長のベッドの上。その副団長に男娼と勘違いされて、即ハメされてしまった。その後も傷心に浸る暇もなく距離を詰められ、彼なりの方法でどろどろに甘やかされ愛される話。 ワンコな騎士団副団長攻め×流され絆され傷心受け。 ※ゆるふわ設定なので、騎士団らしいことはしていません。 ※タイトル通りの話です。 ※攻めによるゲスクズな行動があります。 ※ムーンライトノベルズでも掲載しています。

処理中です...