50 / 123
隠れ家――アンフェールとグレン4
アンフェールと幸せと零れた涙 ※
しおりを挟む
「グレン、落ち着いて。ぼく小さいから、グレンのおっきいのお尻に入んないよ」
アンフェールは慌てて説得した。
大事故が起きてしまう。
現在の年齢である十二歳の人型なら大丈夫そうではあるけれど、今取っている人型は七歳児の大きさだ。どう考えても入らない。
「分かっている。……指を、入れるだけでいい」
「指だけならいいけど……。ほんと、思ったより広がりそうだから挿れてみよう、とか、絶対ダメだからね!」
「絶対に傷つけない。約束する」
アンフェールは再三確認してしまった。
思わずそうしてしまいたくなるぐらい、グレンの様子はおかしかった。
あと、グレンの性器の状態が凶悪過ぎて『待て』は無理だと思えてならなかった。
グレンは許しを得たとばかりに、指でアンフェールのアナルをマッサージしている。
クチクチという水音と、時折はぁはぁとグレンの熱っぽい呼吸音が聞こえる。獰猛な獣を思わせる様な呼吸音だ。
凄く気持ちいいのに、ちょっと怖いのは何でだろう。
(ああ、グレングリーズと初めてした時を思い出すからだろうか。あの時、彼は番のフェロモンで飛んでしまって正気じゃなかった。
赤ちゃんとはいえ、二メートルの巨体に押さえつけられたのは、ちょっと怖かった。私は爺のくせにバージンだったからな……。
その時の彼と比べたらグレンはまだ真面か)
アンフェールは、犯されるように暴かれた夜を思い返す。
何度も胎の中に出され、気を失って、意識が戻ってもグレングリーズの陽根が突き刺さったままだった時には、どうしようかと思った。
アンフェールは番のフェロモンが分からなかったから、ずっと素面だった。
本来番同士であれば、お互いのフェロモンに酔うから、そんな一晩中の交接にも耐えられるんだろう。意識が正常なままでグレングリーズの熱情を毎夜注がれるのは大変だった。
初回以外は彼も飛ぶことは無かったから気を使ってはくれたけど。
「うぅん……ん……」
「アンフェール、気持ちいい? マッサージだけで凄く濡れている。」
アンフェールは気持ち良くなっている。だから漏れる声も甘く切ない。
グレンの目は相変わらず不穏で、こんな甘ったるい声を聞かせるのは危ないと分かっているものの、快感に負けて抑えられない。
「挿れるよ、アンフェール。ゆっくり……ゆっくりするから……」
「あ……」
グレンの指がアナルに押し当てられ、ゆっくりゆっくり挿入ってくる。
アンフェールの現在の人型はとても小さいため、大人の男の指が一本であっても凄く大きく感じる。とはいえ、丁寧にマッサージをしてくれたグレンの指は蜜に濡れ、ふやけているのか痛みもない。
普段直系三センチほどの竜石を排出をしている後孔だ。指二本位なら受け入れられるだろうか。
「ああ、凄いな。小さな穴なのに、入ってしまうね。分かる? 指、根本まで入ったよ」
「うん……。あ、ぁ……ぐれん、ゆび、ながい……んッ、あ、だめ、あたってる……ああっ!」
アンフェールの幼体は身長一メートル程だ。
だから成体よりも内部がかなり浅く、中指を根元まで入れればかなり奥の方まで届く。スタイルの良いグレンは指も長いのだ。
子宮と排泄口の切換え弁の辺りまでは届いている。正確にスポットに当たらなくても、弁の周囲は広く性感帯になっている。
「アンフェールは、ここが気持ちいいのか?」
「やっ、あっ、あ~~~~っ!!」
グレンは良いスポットを聞いたとばかりに、探る様にぐにぐにと押してきた。
アンフェールは、あまりの刺激に身体を大きく撓らせて、高い声で喘ぐ。
「ここ、ぽこっとなってるトコ……すごく良いんだね。押すと、アンフェールが可愛くなる……」
そう言ってグレンはうっとりと笑いながら、アンフェールを攻め立てた。
太い男の指でぐりぐりとされると、気持ち良すぎて怖くなる程だった。思わず腰が逃げてしまう。
するとグレンは逃がさないと言わんばかりに、グッと腰を押さえつけてきた。その部分への愛撫を止めてくれない。
「いッ~~~~」
アンフェールは翻弄され、言葉にならない声を上げて、その感覚に耐えた。
気を抜いたら正気が飛んでしまいそうだった。グレンは蜜に酔い、欲情している。欲情した彼からは強いフェロモン臭が香っていた。
その香りに酔った状態で、弁をグリグリされ、奥の方の良い部分をトントンノックされ続けたら。
アンフェールは入りもしないのに、挿入を強請ってしまいそうで恐ろしかった。
グレンは後孔への手技はそのままに、アンフェールのペニスにちゅっと強く吸いついてきた。
予告なく与えられた性器への強い刺激に、アンフェールは弾けてしまった。
「ひっ……!! い゛!!」
強いオーガズムの波。
何度も何度も身体を震わせ、アンフェールは達した。
きゅうきゅうとお尻の穴は締り、締まれば中に入り込んでいるグレンの指の違和感を強く感じた。その、締める事でも強い快感を得てしまうのだから堪らない。
息も吸えない程の緊張から、徐々に、荒い呼吸に戻り、少し、楽になってきた所でグレンの指がずるりと抜かれた。
「やっ……ンっ!」
肉の輪が内側から引きずり出されるような感覚が、強い快感を伴ってしまう。抜かれれば、開いたアナルから熱い蜜が多量にゴポリと流れ出た。
「アンフェール」
高揚したグレンの声。アンフェールは息も絶え絶えにグレンの顔を見る。
(ああ。まだ、酔っている顔をしている)
「ぐれん……」
「その、挿れない、から、擦り合わせるのは許してもらえないだろうか……」
「挿れない?」
「挿れない」
再び確認したところで、アンフェールはうつ伏せにひっくり返されてしまった。
「なんで? うしろ……」
「脚を閉じて……。そこで擦るから。大丈夫。アンフェールが嫌がる事はしないよ」
この姿勢だとグレンの様子が見えない。
「……うつ伏せだと不安かな、アンフェール。ごめんね。ただ、今の私の顔を見せたくないだけなんだ」
「ぐれん……」
ああ、最近マシになって来たとはいえ、グレンは自己肯定感の低い子だった。
閨の顔を見られるのも抵抗感があるって聞いてる。
本来そういう感じなのだ。精霊設定であるアンフェールには、気持ち良くなる顔を見せてくれるけれど。
グレンは今、普通の状態でないと自覚してるんだろう。もしかしたら、アンフェールの不安感も伝わっているのかもしれない。
(私に嫌がられたらどうしよう、と不安になっているんだろうか。なっているんだろうな。だから顔を見られたくないんだ。
こんな……初めて番の蜜に当てられて過度の欲情をきたしていても、私に嫌がられる事を怖がるなんて。
……馬鹿だな。馬鹿だ。私がグレンを嫌う事なんて万に一つもないのに。例え……制止を聞いて貰えず、後孔を犯されたとしても)
グレンにされることは全て受け入れていると、きちんと伝えなければ。
「グレン、大丈夫だよ。怖がらないで……。ぼくは何をされても、グレンを嫌いにならないよ」
「アンフェール……」
「大好き、グレン。一緒に気持ちよくなろう? 顔を見られるのが怖いなら、このままでもいいから」
アンフェールはそう言って、うつぶせの状態のまま、お尻に両手を当てる。
尻の間を割り開くように見せれば、それは挿入を誘う仕草だ。しかし今回は挿入ではないので開くことはしない。それでも誘っているには違いない。
体勢から、グレンの姿は見合ないけれど、体重を大きく移動したのかギシリとベッドが鳴った。
「アンフェール。私もアンフェールが大好きだ。ずっと……ずっとこうしたかった」
見えなくても声だけで、グレンが泣きそうに顔を歪めているのが分かる。そんな顔をいっぱい見てきた。
(……立派に成長したのに、相変わらず私の番は泣き虫だ)
アンフェールは気を抜いたように笑った。そして『大好き』という言葉を何度も反芻する。
嬉しくて、そして切ない。
アンフェールの尻にグレンの熱が触れる。ヌルついた股座にグレンのペニスが滑る様に入り込んできた。
「……っ、アンフェール、アンフェール……」
グレンはアンフェールの名を繰り返し呼びながら、腰を振っている。
アンフェールの股の間の三角地帯。閉じられた脚の隙間。
達するには圧が少ないかもしれない柔らかな隙間は、しかし、アンフェールの蜜で溢れている。その蜜で粘膜の感度は増すだろう。
後ろからは、はぁはぁと獣のような荒い息遣いがずっと聞こえている。すぐに出てしまうかもしれないと思ったけれど、堪えているようだった。
勃ち上がったまま堪えていた時間が長かったろうに、少しでも長く味わいたいのかもしれない。
(朝まで、何度でも求めてくれていいのに……。初めては、特別という事だろうか。グレンは夢見がちな物語が大好きだものな。ロマンチストだ)
アンフェールの会陰とアナルは、その逞しく張った熱で、何度も擦り上げられた。
ぐちゅぐちゅとした水音は卑猥で、音だけ聞けば交接しているのと変わらない。立ち昇る性の匂いも何も変わらない。
挿入は受けていないというのに、疑似的に処女を喪失したような気分になった。
疑似的に、でも番と結ばれた気がした。
アンフェールは幸せな気分になった。
(大好きだ……グレン……愛している)
幸せであればある程、辛い。
(私はグレングリーズのように、この記憶だけを縁に生きられるだろうか。『弟』として何も知らない顔をして彼の側に居続ける事が出来るだろうか――……)
そうすると決意して、最後の交わりに挑んだというのに。番の香りに、熱に包まれると情けない程揺らいでしまった。
白んでいく意識の中で、アンフェールの目からポロリと涙が零れた。
アンフェールは慌てて説得した。
大事故が起きてしまう。
現在の年齢である十二歳の人型なら大丈夫そうではあるけれど、今取っている人型は七歳児の大きさだ。どう考えても入らない。
「分かっている。……指を、入れるだけでいい」
「指だけならいいけど……。ほんと、思ったより広がりそうだから挿れてみよう、とか、絶対ダメだからね!」
「絶対に傷つけない。約束する」
アンフェールは再三確認してしまった。
思わずそうしてしまいたくなるぐらい、グレンの様子はおかしかった。
あと、グレンの性器の状態が凶悪過ぎて『待て』は無理だと思えてならなかった。
グレンは許しを得たとばかりに、指でアンフェールのアナルをマッサージしている。
クチクチという水音と、時折はぁはぁとグレンの熱っぽい呼吸音が聞こえる。獰猛な獣を思わせる様な呼吸音だ。
凄く気持ちいいのに、ちょっと怖いのは何でだろう。
(ああ、グレングリーズと初めてした時を思い出すからだろうか。あの時、彼は番のフェロモンで飛んでしまって正気じゃなかった。
赤ちゃんとはいえ、二メートルの巨体に押さえつけられたのは、ちょっと怖かった。私は爺のくせにバージンだったからな……。
その時の彼と比べたらグレンはまだ真面か)
アンフェールは、犯されるように暴かれた夜を思い返す。
何度も胎の中に出され、気を失って、意識が戻ってもグレングリーズの陽根が突き刺さったままだった時には、どうしようかと思った。
アンフェールは番のフェロモンが分からなかったから、ずっと素面だった。
本来番同士であれば、お互いのフェロモンに酔うから、そんな一晩中の交接にも耐えられるんだろう。意識が正常なままでグレングリーズの熱情を毎夜注がれるのは大変だった。
初回以外は彼も飛ぶことは無かったから気を使ってはくれたけど。
「うぅん……ん……」
「アンフェール、気持ちいい? マッサージだけで凄く濡れている。」
アンフェールは気持ち良くなっている。だから漏れる声も甘く切ない。
グレンの目は相変わらず不穏で、こんな甘ったるい声を聞かせるのは危ないと分かっているものの、快感に負けて抑えられない。
「挿れるよ、アンフェール。ゆっくり……ゆっくりするから……」
「あ……」
グレンの指がアナルに押し当てられ、ゆっくりゆっくり挿入ってくる。
アンフェールの現在の人型はとても小さいため、大人の男の指が一本であっても凄く大きく感じる。とはいえ、丁寧にマッサージをしてくれたグレンの指は蜜に濡れ、ふやけているのか痛みもない。
普段直系三センチほどの竜石を排出をしている後孔だ。指二本位なら受け入れられるだろうか。
「ああ、凄いな。小さな穴なのに、入ってしまうね。分かる? 指、根本まで入ったよ」
「うん……。あ、ぁ……ぐれん、ゆび、ながい……んッ、あ、だめ、あたってる……ああっ!」
アンフェールの幼体は身長一メートル程だ。
だから成体よりも内部がかなり浅く、中指を根元まで入れればかなり奥の方まで届く。スタイルの良いグレンは指も長いのだ。
子宮と排泄口の切換え弁の辺りまでは届いている。正確にスポットに当たらなくても、弁の周囲は広く性感帯になっている。
「アンフェールは、ここが気持ちいいのか?」
「やっ、あっ、あ~~~~っ!!」
グレンは良いスポットを聞いたとばかりに、探る様にぐにぐにと押してきた。
アンフェールは、あまりの刺激に身体を大きく撓らせて、高い声で喘ぐ。
「ここ、ぽこっとなってるトコ……すごく良いんだね。押すと、アンフェールが可愛くなる……」
そう言ってグレンはうっとりと笑いながら、アンフェールを攻め立てた。
太い男の指でぐりぐりとされると、気持ち良すぎて怖くなる程だった。思わず腰が逃げてしまう。
するとグレンは逃がさないと言わんばかりに、グッと腰を押さえつけてきた。その部分への愛撫を止めてくれない。
「いッ~~~~」
アンフェールは翻弄され、言葉にならない声を上げて、その感覚に耐えた。
気を抜いたら正気が飛んでしまいそうだった。グレンは蜜に酔い、欲情している。欲情した彼からは強いフェロモン臭が香っていた。
その香りに酔った状態で、弁をグリグリされ、奥の方の良い部分をトントンノックされ続けたら。
アンフェールは入りもしないのに、挿入を強請ってしまいそうで恐ろしかった。
グレンは後孔への手技はそのままに、アンフェールのペニスにちゅっと強く吸いついてきた。
予告なく与えられた性器への強い刺激に、アンフェールは弾けてしまった。
「ひっ……!! い゛!!」
強いオーガズムの波。
何度も何度も身体を震わせ、アンフェールは達した。
きゅうきゅうとお尻の穴は締り、締まれば中に入り込んでいるグレンの指の違和感を強く感じた。その、締める事でも強い快感を得てしまうのだから堪らない。
息も吸えない程の緊張から、徐々に、荒い呼吸に戻り、少し、楽になってきた所でグレンの指がずるりと抜かれた。
「やっ……ンっ!」
肉の輪が内側から引きずり出されるような感覚が、強い快感を伴ってしまう。抜かれれば、開いたアナルから熱い蜜が多量にゴポリと流れ出た。
「アンフェール」
高揚したグレンの声。アンフェールは息も絶え絶えにグレンの顔を見る。
(ああ。まだ、酔っている顔をしている)
「ぐれん……」
「その、挿れない、から、擦り合わせるのは許してもらえないだろうか……」
「挿れない?」
「挿れない」
再び確認したところで、アンフェールはうつ伏せにひっくり返されてしまった。
「なんで? うしろ……」
「脚を閉じて……。そこで擦るから。大丈夫。アンフェールが嫌がる事はしないよ」
この姿勢だとグレンの様子が見えない。
「……うつ伏せだと不安かな、アンフェール。ごめんね。ただ、今の私の顔を見せたくないだけなんだ」
「ぐれん……」
ああ、最近マシになって来たとはいえ、グレンは自己肯定感の低い子だった。
閨の顔を見られるのも抵抗感があるって聞いてる。
本来そういう感じなのだ。精霊設定であるアンフェールには、気持ち良くなる顔を見せてくれるけれど。
グレンは今、普通の状態でないと自覚してるんだろう。もしかしたら、アンフェールの不安感も伝わっているのかもしれない。
(私に嫌がられたらどうしよう、と不安になっているんだろうか。なっているんだろうな。だから顔を見られたくないんだ。
こんな……初めて番の蜜に当てられて過度の欲情をきたしていても、私に嫌がられる事を怖がるなんて。
……馬鹿だな。馬鹿だ。私がグレンを嫌う事なんて万に一つもないのに。例え……制止を聞いて貰えず、後孔を犯されたとしても)
グレンにされることは全て受け入れていると、きちんと伝えなければ。
「グレン、大丈夫だよ。怖がらないで……。ぼくは何をされても、グレンを嫌いにならないよ」
「アンフェール……」
「大好き、グレン。一緒に気持ちよくなろう? 顔を見られるのが怖いなら、このままでもいいから」
アンフェールはそう言って、うつぶせの状態のまま、お尻に両手を当てる。
尻の間を割り開くように見せれば、それは挿入を誘う仕草だ。しかし今回は挿入ではないので開くことはしない。それでも誘っているには違いない。
体勢から、グレンの姿は見合ないけれど、体重を大きく移動したのかギシリとベッドが鳴った。
「アンフェール。私もアンフェールが大好きだ。ずっと……ずっとこうしたかった」
見えなくても声だけで、グレンが泣きそうに顔を歪めているのが分かる。そんな顔をいっぱい見てきた。
(……立派に成長したのに、相変わらず私の番は泣き虫だ)
アンフェールは気を抜いたように笑った。そして『大好き』という言葉を何度も反芻する。
嬉しくて、そして切ない。
アンフェールの尻にグレンの熱が触れる。ヌルついた股座にグレンのペニスが滑る様に入り込んできた。
「……っ、アンフェール、アンフェール……」
グレンはアンフェールの名を繰り返し呼びながら、腰を振っている。
アンフェールの股の間の三角地帯。閉じられた脚の隙間。
達するには圧が少ないかもしれない柔らかな隙間は、しかし、アンフェールの蜜で溢れている。その蜜で粘膜の感度は増すだろう。
後ろからは、はぁはぁと獣のような荒い息遣いがずっと聞こえている。すぐに出てしまうかもしれないと思ったけれど、堪えているようだった。
勃ち上がったまま堪えていた時間が長かったろうに、少しでも長く味わいたいのかもしれない。
(朝まで、何度でも求めてくれていいのに……。初めては、特別という事だろうか。グレンは夢見がちな物語が大好きだものな。ロマンチストだ)
アンフェールの会陰とアナルは、その逞しく張った熱で、何度も擦り上げられた。
ぐちゅぐちゅとした水音は卑猥で、音だけ聞けば交接しているのと変わらない。立ち昇る性の匂いも何も変わらない。
挿入は受けていないというのに、疑似的に処女を喪失したような気分になった。
疑似的に、でも番と結ばれた気がした。
アンフェールは幸せな気分になった。
(大好きだ……グレン……愛している)
幸せであればある程、辛い。
(私はグレングリーズのように、この記憶だけを縁に生きられるだろうか。『弟』として何も知らない顔をして彼の側に居続ける事が出来るだろうか――……)
そうすると決意して、最後の交わりに挑んだというのに。番の香りに、熱に包まれると情けない程揺らいでしまった。
白んでいく意識の中で、アンフェールの目からポロリと涙が零れた。
60
お気に入りに追加
1,797
あなたにおすすめの小説

白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中

ざまぁされたチョロ可愛い王子様は、俺が貰ってあげますね
ヒラヲ
BL
「オーレリア・キャクストン侯爵令嬢! この時をもって、そなたとの婚約を破棄する!」
オーレリアに嫌がらせを受けたというエイミーの言葉を真に受けた僕は、王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を突き付ける。
しかし、突如現れた隣国の第一王子がオーレリアに婚約を申し込み、嫌がらせはエイミーの自作自演であることが発覚する。
その結果、僕は冤罪による断罪劇の責任を取らされることになってしまった。
「どうして僕がこんな目に遭わなければならないんだ!?」
卒業パーティーから一ヶ月後、王位継承権を剥奪された僕は王都を追放され、オールディス辺境伯領へと送られる。
見習い騎士として一からやり直すことになった僕に、指導係の辺境伯子息アイザックがやたら絡んでくるようになって……?
追放先の辺境伯子息×ざまぁされたナルシスト王子様
悪役令嬢を断罪しようとしてざまぁされた王子の、その後を書いたBL作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる