15 / 16
じゅうご
しおりを挟む
医者に診察をしてもらい、異常は見られないが昏睡状態のアシュをぼーっと見つめたメルは色んな思いが押し寄せていた。
「あの時、早く気づいていれば。」
「どーしてこんなことに……。」
「あの夜何があったのだろうか……。」
そんな事を思っていると、つーっとメルの頬を暖かいものが流れていった。
ぽたぽたと流れ、メルは何度も呟いた。
「ごめんね……ごめん……ごめんなさいアシュ……。」
メルは博識でもなんでもないただのΩの為、こんな時自分は謝ることしか出来なかった。
バタバタと足音が聞こえ、バンっと大きな音を立ててドアが開いた。
「アシュ!!」
大声を上げて入ってきたのはメイデーだった。後ろにはランシェ。
僕が泣きながら後ろを振り向くと、ランシェは僕の隣に来て僕の背中をさすってくれた。
メイデーはアシュと幼馴染みのため、アシュにゆっくりと近づき手を握った。
「なにがあった?」
いつものチャラチャラしているメイデーとは違い、低い声と睨みつけるような目を見たメルは竦んで声が出なかった。
ランシェは、はぁ。っとため息をついた。
「メイデーそんなに強く言ったらメルは何も言えないよ……。」
ランシェはメイデーの前だということを忘れているのか普通に喋っている。
驚いたメイデーは、顔を歪ませ、いつものメイデーとは違い、苦しそうな顔をしていた。
「ごめんなアシュ。親父にも約束したのに。」
そう言って掴んでいた手を離した。
僕の方に向き直ったメーデーは口を開いた。
「なにがあったか教えてくれないか?」
その声は穏やかで優しい声だった、しかしメーデーの目は冷ややかなままだった。
「あの時、早く気づいていれば。」
「どーしてこんなことに……。」
「あの夜何があったのだろうか……。」
そんな事を思っていると、つーっとメルの頬を暖かいものが流れていった。
ぽたぽたと流れ、メルは何度も呟いた。
「ごめんね……ごめん……ごめんなさいアシュ……。」
メルは博識でもなんでもないただのΩの為、こんな時自分は謝ることしか出来なかった。
バタバタと足音が聞こえ、バンっと大きな音を立ててドアが開いた。
「アシュ!!」
大声を上げて入ってきたのはメイデーだった。後ろにはランシェ。
僕が泣きながら後ろを振り向くと、ランシェは僕の隣に来て僕の背中をさすってくれた。
メイデーはアシュと幼馴染みのため、アシュにゆっくりと近づき手を握った。
「なにがあった?」
いつものチャラチャラしているメイデーとは違い、低い声と睨みつけるような目を見たメルは竦んで声が出なかった。
ランシェは、はぁ。っとため息をついた。
「メイデーそんなに強く言ったらメルは何も言えないよ……。」
ランシェはメイデーの前だということを忘れているのか普通に喋っている。
驚いたメイデーは、顔を歪ませ、いつものメイデーとは違い、苦しそうな顔をしていた。
「ごめんなアシュ。親父にも約束したのに。」
そう言って掴んでいた手を離した。
僕の方に向き直ったメーデーは口を開いた。
「なにがあったか教えてくれないか?」
その声は穏やかで優しい声だった、しかしメーデーの目は冷ややかなままだった。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説

男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。


独占欲強い系の同居人
狼蝶
BL
ある美醜逆転の世界。
その世界での底辺男子=リョウは学校の帰り、道に倒れていた美形な男=翔人を家に運び介抱する。
同居生活を始めることになった二人には、お互い恋心を抱きながらも相手を独占したい気持ちがあった。彼らはそんな気持ちに駆られながら、それぞれの生活を送っていく。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる