毎晩獣に襲われます

さかえ

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じゅうご

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医者に診察をしてもらい、異常は見られないが昏睡状態のアシュをぼーっと見つめたメルは色んな思いが押し寄せていた。

「あの時、早く気づいていれば。」
「どーしてこんなことに……。」
「あの夜何があったのだろうか……。」

そんな事を思っていると、つーっとメルの頬を暖かいものが流れていった。
ぽたぽたと流れ、メルは何度も呟いた。

「ごめんね……ごめん……ごめんなさいアシュ……。」

メルは博識でもなんでもないただのΩの為、こんな時自分は謝ることしか出来なかった。

バタバタと足音が聞こえ、バンっと大きな音を立ててドアが開いた。

「アシュ!!」

大声を上げて入ってきたのはメイデーだった。後ろにはランシェ。
僕が泣きながら後ろを振り向くと、ランシェは僕の隣に来て僕の背中をさすってくれた。
メイデーはアシュと幼馴染みのため、アシュにゆっくりと近づき手を握った。

「なにがあった?」

いつものチャラチャラしているメイデーとは違い、低い声と睨みつけるような目を見たメルは竦んで声が出なかった。
ランシェは、はぁ。っとため息をついた。

「メイデーそんなに強く言ったらメルは何も言えないよ……。」

ランシェはメイデーの前だということを忘れているのか普通に喋っている。
驚いたメイデーは、顔を歪ませ、いつものメイデーとは違い、苦しそうな顔をしていた。

「ごめんなアシュ。親父にも約束したのに。」

そう言って掴んでいた手を離した。
僕の方に向き直ったメーデーは口を開いた。

「なにがあったか教えてくれないか?」

その声は穏やかで優しい声だった、しかしメーデーの目は冷ややかなままだった。
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