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俺は自分の身すら守れない
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エスメルは何故か急にパチッと目を開けてのそのそと起きだした。
どのくらい眠っていたのだろうか?
身体はすごく……今までにないくらい気持ちがいい。
ぼーっとしていると、頭の中から魔王の声が聞こえてきた。
「起きたか……。執務室へ来い。言いたいことと聞きたいことがある。」
全く頭が働かないエスメルはベットから降りて。執務室へと向かった。
エスメルの横を通り過ぎる使用人たちは顔を赤くして通り過ぎる。
エスメルはそんな使用人たちの顔を見て不思議そうに首を傾げた。
エスメルの服は、彼シャツのようなダボダボの服。大きすぎて、鎖骨が綺麗に見えている。魔族において、鎖骨を見せるということは、自由に襲ってどうぞという意味なのだが、エスメルは知らない、
門番たちが俺を見て目を見開いた。
「…………」
なにか言いたげな顔をしていたが、俺はまた首を傾げた。
俺は扉を蹴ってまた開けた。
「ふぁ~~おやじぃついたぁ」
と目を擦りながら入っていった。
「やっと来ましたね。今貴方の話を………………!?なんて格好してるんですか?」
宰相の声が聞こえた途端、親父が黒いフード付きのマントを俺に被せた。
「んん?んだよこれ。あちぃ。」
俺が脱ごうとすれば、親父が脱げないように服を抑えた。
「あっついよ!」
「涼しくしてやる。」
親父が手を動かすと俺の周りにふわりと風が吹いて、いつの間にか暑さは消えていた。
「な、なんで着なきゃいけねぇの?」
俺が問いただすように言えば、女といちゃこらしていた側近が俺の肩にぽんっと手を置いた。
「あのなぁ?魔族において鎖骨を見せるってのは自由に襲っていいぞって意味なんだぜ?」
「なっ!!」
「確かにファッションのように鎖骨を見せてる奴もいるがそいつは強者かよっぽどの淫乱かの二つだ。お前、淫乱だったのか?にひひ」
変に笑った側近に俺はゾゾゾッと背筋が凍った。お、襲ってください?それって喧嘩とかじゃねぇよな?淫乱ってことは子作りするって事か?
「お、おい待てよ。男を襲って何になる??男は子供も作れねぇぞ?」
側近は、がはははっと笑い出す。
俺は毎度毎度側近に笑われてる気がするが気のせいだろうか?
「青くせぇなぁ!童貞め!逆に考えてみろよ!孕む可能性がないって事は自由にヤッても責任とらなくていいって考える奴の方が魔族には多いんだぜ?だから男娼が魔国には多いんだぞ」
言われてみてハッとした。ルル(学友)に夜の街に行こうと誘われた時、男が男を誘っているのを見て、俺は頭の中が混乱していた。しかし、童貞は関係ないだろ!
「これで分かったか?人間のお前は襲われる可能性が魔族よりも倍って訳だ。」
「うるせぇ!!俺は魔族だ!!」
俺はキッと側近を睨みつけたがニヤリっと悪い顔をする側近にびくりと怯える。もちろんそれは顔には出さず心の中でだ。
「まぁ、おめぇが人間だろうと魔族だろうと正直興味はない……が、確実なのはお前が弱いってことだな」
「お、おれは!!」
「お前は自分の身を自分では守れねぇよ。」
反論しようとした口がキュッと閉まる。
俺は親父に貰った飴が無ければあの時死んでいたかもしれない。あの時、あの男の子がいなかったらラビーは死んでいたかもしれない。その可能性は捨てきれない。そんな事実を突きつけられたエスメルの心はバラバラに砕かれた。
「エ、エスメル!!」
気づけば俺は走り出していた。
逃げていると思われても仕方ない。しかし、その場から脱したくてしょうがなかった。所詮魔王に拾われた運のあった子という訳だろう。
あの埃まみれの屋根裏部屋に居た時からなんら変わっていないと思うと涙が溢れた。そのまま、エスメルは森へと足を進めた。
どのくらい眠っていたのだろうか?
身体はすごく……今までにないくらい気持ちがいい。
ぼーっとしていると、頭の中から魔王の声が聞こえてきた。
「起きたか……。執務室へ来い。言いたいことと聞きたいことがある。」
全く頭が働かないエスメルはベットから降りて。執務室へと向かった。
エスメルの横を通り過ぎる使用人たちは顔を赤くして通り過ぎる。
エスメルはそんな使用人たちの顔を見て不思議そうに首を傾げた。
エスメルの服は、彼シャツのようなダボダボの服。大きすぎて、鎖骨が綺麗に見えている。魔族において、鎖骨を見せるということは、自由に襲ってどうぞという意味なのだが、エスメルは知らない、
門番たちが俺を見て目を見開いた。
「…………」
なにか言いたげな顔をしていたが、俺はまた首を傾げた。
俺は扉を蹴ってまた開けた。
「ふぁ~~おやじぃついたぁ」
と目を擦りながら入っていった。
「やっと来ましたね。今貴方の話を………………!?なんて格好してるんですか?」
宰相の声が聞こえた途端、親父が黒いフード付きのマントを俺に被せた。
「んん?んだよこれ。あちぃ。」
俺が脱ごうとすれば、親父が脱げないように服を抑えた。
「あっついよ!」
「涼しくしてやる。」
親父が手を動かすと俺の周りにふわりと風が吹いて、いつの間にか暑さは消えていた。
「な、なんで着なきゃいけねぇの?」
俺が問いただすように言えば、女といちゃこらしていた側近が俺の肩にぽんっと手を置いた。
「あのなぁ?魔族において鎖骨を見せるってのは自由に襲っていいぞって意味なんだぜ?」
「なっ!!」
「確かにファッションのように鎖骨を見せてる奴もいるがそいつは強者かよっぽどの淫乱かの二つだ。お前、淫乱だったのか?にひひ」
変に笑った側近に俺はゾゾゾッと背筋が凍った。お、襲ってください?それって喧嘩とかじゃねぇよな?淫乱ってことは子作りするって事か?
「お、おい待てよ。男を襲って何になる??男は子供も作れねぇぞ?」
側近は、がはははっと笑い出す。
俺は毎度毎度側近に笑われてる気がするが気のせいだろうか?
「青くせぇなぁ!童貞め!逆に考えてみろよ!孕む可能性がないって事は自由にヤッても責任とらなくていいって考える奴の方が魔族には多いんだぜ?だから男娼が魔国には多いんだぞ」
言われてみてハッとした。ルル(学友)に夜の街に行こうと誘われた時、男が男を誘っているのを見て、俺は頭の中が混乱していた。しかし、童貞は関係ないだろ!
「これで分かったか?人間のお前は襲われる可能性が魔族よりも倍って訳だ。」
「うるせぇ!!俺は魔族だ!!」
俺はキッと側近を睨みつけたがニヤリっと悪い顔をする側近にびくりと怯える。もちろんそれは顔には出さず心の中でだ。
「まぁ、おめぇが人間だろうと魔族だろうと正直興味はない……が、確実なのはお前が弱いってことだな」
「お、おれは!!」
「お前は自分の身を自分では守れねぇよ。」
反論しようとした口がキュッと閉まる。
俺は親父に貰った飴が無ければあの時死んでいたかもしれない。あの時、あの男の子がいなかったらラビーは死んでいたかもしれない。その可能性は捨てきれない。そんな事実を突きつけられたエスメルの心はバラバラに砕かれた。
「エ、エスメル!!」
気づけば俺は走り出していた。
逃げていると思われても仕方ない。しかし、その場から脱したくてしょうがなかった。所詮魔王に拾われた運のあった子という訳だろう。
あの埃まみれの屋根裏部屋に居た時からなんら変わっていないと思うと涙が溢れた。そのまま、エスメルは森へと足を進めた。
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