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さーっと第3王子の顔色が青くなっていった。ようやく馬鹿な頭でも分かったのだろう。
震える唇は少しずつ言葉を紡ごうとする。
「ど、え、「騙されちゃダメよ!」」
動揺している王子の腕をつかみ、大声をあげるリリア伯爵令嬢にアリスベータはため息をつく。もうさすがに疲れてきたアリスベータは早くこの茶番を終わらせたかった。
「私の!私の、祖国のアミス王国は愛と平和の王国でした。そう!第1王子様も、お姫様も恋愛をし、結婚致しました!」
彼女は移住貴族だ。
移住貴族は……ある一定の条件で移住することが出来る。
「……その結果どうなったかあなたも分かってるでしょう?」
アミス王国は……その結果。
「愛と平和なんて笑わせないで。愛と平和で貫けるのは平民と下級貴族だけよ。それで貫いた上級貴族の生き様を貴方は見たでしょ?崩壊よ。アミス王国は跡形もなくなくなったわ。」
多分リリア伯爵令嬢は、アミス王国で公爵家という立場だったのだろう。
金を叩き、伯爵家という立場を手に入れ、祖国を捨てたのだろう。
崩壊する祖国を、見て見ぬふりをしたのだろう。
「それと、あなたに祖国を語る資格なんてないわ。」
「うるさい!!!」
リリア伯爵令嬢の怒声が響く。
「仕方ないじゃない!!あのままだったら本当にアミス王国の血は受け継がれなかったわ。あのままだったら……跡形もなく……私たちに流れた血さえも。」
そう言って涙ぐむ彼女を正気を取り戻した第3王子が背中を撫でている。
同情の目が彼女に向けられたが、アリスベータは気に入らなかった。
「どうしてその血が途絶えようとしたかお分かりですか?権力者が無能だったからですわ。」
アミス王国の考えが、この国に広まってしまったらそれこそこの国は終わるだろう。権力者のためでは無い、この国に住む人のために今、アリスベータは言わなくてはいけなかった。
「あなたには人の情というものがないの?」
リリア伯爵令嬢は叫ぶ。
「……人の婚約者をとる女狐には人の情というものが分かるのかしら?確かに常人の持ち合わせている情は私にはないのかもしれないわね。でもね。今まで国のために頑張ってた子が報われないのは見過ごせないの。」
もう一度アリスベータが口を開こうとしたのと同時に、王の側近が駆け込んできた。
「メイレシア帝国の帝王閣下がご到着なされました!!!!!」
会場全体に緊張感が漂う。
嬉々として茶番を見ていた貴族たちも佇まいを綺麗にし、令嬢は自分の顔をチェックしに行ったり、そわそわしたりと落ち着きがない。
それもそのはず、世界最大の帝国の王がこの夜会へと今足を踏み入れる。
震える唇は少しずつ言葉を紡ごうとする。
「ど、え、「騙されちゃダメよ!」」
動揺している王子の腕をつかみ、大声をあげるリリア伯爵令嬢にアリスベータはため息をつく。もうさすがに疲れてきたアリスベータは早くこの茶番を終わらせたかった。
「私の!私の、祖国のアミス王国は愛と平和の王国でした。そう!第1王子様も、お姫様も恋愛をし、結婚致しました!」
彼女は移住貴族だ。
移住貴族は……ある一定の条件で移住することが出来る。
「……その結果どうなったかあなたも分かってるでしょう?」
アミス王国は……その結果。
「愛と平和なんて笑わせないで。愛と平和で貫けるのは平民と下級貴族だけよ。それで貫いた上級貴族の生き様を貴方は見たでしょ?崩壊よ。アミス王国は跡形もなくなくなったわ。」
多分リリア伯爵令嬢は、アミス王国で公爵家という立場だったのだろう。
金を叩き、伯爵家という立場を手に入れ、祖国を捨てたのだろう。
崩壊する祖国を、見て見ぬふりをしたのだろう。
「それと、あなたに祖国を語る資格なんてないわ。」
「うるさい!!!」
リリア伯爵令嬢の怒声が響く。
「仕方ないじゃない!!あのままだったら本当にアミス王国の血は受け継がれなかったわ。あのままだったら……跡形もなく……私たちに流れた血さえも。」
そう言って涙ぐむ彼女を正気を取り戻した第3王子が背中を撫でている。
同情の目が彼女に向けられたが、アリスベータは気に入らなかった。
「どうしてその血が途絶えようとしたかお分かりですか?権力者が無能だったからですわ。」
アミス王国の考えが、この国に広まってしまったらそれこそこの国は終わるだろう。権力者のためでは無い、この国に住む人のために今、アリスベータは言わなくてはいけなかった。
「あなたには人の情というものがないの?」
リリア伯爵令嬢は叫ぶ。
「……人の婚約者をとる女狐には人の情というものが分かるのかしら?確かに常人の持ち合わせている情は私にはないのかもしれないわね。でもね。今まで国のために頑張ってた子が報われないのは見過ごせないの。」
もう一度アリスベータが口を開こうとしたのと同時に、王の側近が駆け込んできた。
「メイレシア帝国の帝王閣下がご到着なされました!!!!!」
会場全体に緊張感が漂う。
嬉々として茶番を見ていた貴族たちも佇まいを綺麗にし、令嬢は自分の顔をチェックしに行ったり、そわそわしたりと落ち着きがない。
それもそのはず、世界最大の帝国の王がこの夜会へと今足を踏み入れる。
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