僕の学園奮闘記

さかえ

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本編

会計様、僕は頑張ってます。

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やぁ。皆さん。こんにちわ。
僕は今、すごく混乱しています。
あの事件の後、昼休みが終わってしまい、結局莉央くんに会えなかった僕が出会ったのは、全ての元凶である転校生、蓮くん。そんな蓮くんから告げられた言葉は、"俺の下僕になれ".......は?なに?僕の身に何が起きてるのー!?

という茶番は置いといて、あの後強制的に連絡先を交換された僕は、午後の授業を終わらせ、寮に戻り、普通に翌日を迎えた。ビクビクしていたのが嘘のように何も起きなかった....が、ホームルームが始まった辺りから異変が起き始めた。

「瑠衣。それ、いいのか?」

コソコソと僕の耳に顔を近づけ、話しかけてきた晴人の言いたい事はもう分かっている。鳴り止まないスマホの振動。
アラームを切り音は小さくなったものの止まる気配はない。相手は誰か分かっている。

「うん。大丈夫大丈夫。」

僕は疲れた顔で晴人に返事をする。
チラリとスマホを除けば50件を超える着信履歴。名前の欄には蓮っと綴られている。僕は、はぁっと静かにため息をついた。蓮くんは一体なんなんだろう。
とにかく、昼休みになったら莉央くんに会いに屋上へと行こうと決心し、午前中の授業を受けた。

「え?なに。今日も行くの?」

「ん?うん。昨日会えなかったんだよね。」

「ふぅん。いってら~」

「ほーい。」

晴人と一緒に昼食を軽く食べ終わり、僕は早足で屋上へと向かう。
もし、莉央くんがいなかった場合、体育館奥へと行かなくてはならないからだ。

「.......っ。」

「.......わっ。」

角を曲がろうとした時、誰かにぶつかり、尻もちをついた。いてて。

「だ、大丈夫.......ひぃ!?」

僕が声をかけた瞬間、ギロリと僕を睨む視線に僕は声をあげた。
その見知った顔に背筋が凍る。

「.......ちょっと来い。」

手を引っ張られ、連れていかれる。
なんでこの最悪なタイミングに出くわすのだろうか。僕は悪い神様にでも好かれているのだろうか。
ずんずんと進む蓮くんにされるがままついて行った。


物置のような場所に連れ去られ、ポンっとそこら辺に放り投げられる。

「.......」

「.......」

沈黙が続く。何も無いなら僕は今すぐに屋上へと向かいたい。

「......えっと。あの」

「お前さ。なんで俺の電話取らねぇの?」

「.......え、と。いや。他意はなくて.......。」

「ふぅん。知ってて取らなかったんだ。うざ。」

ビクッと肩がはねる。
本人が居る前でうざ。はないだろう。うざ。は。

「お前、ひ弱そうに見えて、案外頑固なんだな。俺の電話かかんねぇし。」

「いや、それはその.......。授業中だったし.......。」

「今昼休みな?折り返しできんだろ。それに下僕はご主人様絶対だろうが。」

えぇ。なんて暴君なんだろう。
これにはメロスならぬ僕は激怒したになっちゃうよ。

「まぁ。俺がお前に命令してもどうせ聞かないから、無理やりにでも聞かせる事にするよ。」

「.......へ?」

じりじりと近付いてくる蓮くんに僕は後ずさりをするが、壁が背中に来ている。

「身体で教えてやるよ。」

「え。い、いーやぁぁぁああああ」

廊下まで届くくらいの僕の声が 響き渡った。
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