僕の学園奮闘記

さかえ

文字の大きさ
上 下
28 / 37
本編

会計様!僕、人助けしました!なのに、下僕になりました。

しおりを挟む
「や、やめ!」

「ふざけんなよてめぇ!!」
「きっもいんだよ!」

「はぁ、はぁ。え?なに?」

僕が、体育館奥へと向かっている途中の校舎裏で、何やら争いが起きているようだった。僕は足の向きを変え、校舎裏をチラリと除けば、5人くらいの男が1人の少年を囲んでいた。

「てかなんだよ!その見た目!」
「きっもいわぁほんと!」
「生きてる価値ないんじゃない?」

「.......お前らみたいな奴らにそんな事言われたくない!!」

「んだとてめぇ!」

「.......っ!?痛い!痛い!やめて!」

蹴られたり、殴られたりしている様を僕は影から見つめていた。
ど、どうすれば.......、僕は焦っていた。
今、この場を離れて、風紀に報告するにしても1度この場を離れるのは怖い。
囲まれて居る子の安全が確保されていないから。かと言って僕があの間に入ったとしても僕もボコボコにされる気しかしない。僕がうーんっと唸っている間も少年は暴力を受けていた。
僕は一旦、スマホを取りだし、カメラ機能をオンにしパシャパシャと犯行現場を撮った。

「なぁ。こいつ犯せば傷物になんじゃね?」
「確かに。他のやつに抱かれた奴なんて気持ち悪いしな。」

「ま、まって!触んないで!」

少年は声をあげるが、男達は屈しない。
流石の僕も額に汗が滲む。
よしっ!っと意を決して声をあげた。

「風紀委員さん!!こっちです!!!」

僕は校舎裏いっぱいに響くように声をかければ、やべぇぞ!逃げろ!っと5人は逃げていった。
作戦が成功し僕は、はぁぁぁっと深いため息をつく。怖かった.......。
僕がこんな想いをしたのだから、被害者の少年はもっと傷ついているだろうと座り込んでいる少年に駆け寄った。少年は、もじゃもじゃ頭に黒縁のでかいダサいメガネをかけていた。
あ、あれ?転校生.......?僕は疑問を持ったが、今はそれどころじゃないと声をかけた。

「だ、大丈夫??!」

僕はすぅっと手を差し伸べる。
少年は、僕の方に顔を向け、じーっとこちらを見ていたが、ちっと舌打ちが聞こえ、パシッと手を払われた。
え?なんで?僕はきょとんとした顔で少年を見れば、少年は険しい顔をした。

「なに?なんか用?」

衣服を整え始めた少年に僕は唖然とした。え、ぇぇぇえええ!?

「い、いや。さっき、暴力受けてたから。」

「ふぅん。見てたのに助けてくれなかったんだね。」

僕はギクッと身体が硬ばった。
いや、確かにその通りだけども....。

「ご、ごめん。でも、僕、頑張って声.....出したんだ...ごめん。」

僕は歯を食いしばって謝れば、殴られたところをさすっていた少年はゆっくり口を開いた。

「ふーん。でもさ、見てたのに何もしてくれなかったのは共犯じゃない?」

「.......」

「てことでさ君、今日から俺の下僕ね。」

「..............は?」

「イライラすんだよね。お前みたいなうじうじしてるやつ。」

「.......は、はぁ。」

「て事で、俺の下僕な。俺の名前は蓮。」

「.......瑠衣だけど.......え、え?」

僕は混乱した。
何がどうなってそうなった?
謎の暴論を言ってきた蓮に僕は空いた口が塞がらなかった。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

僕の穴があるから入りましょう!!

ミクリ21
BL
穴があったら入りたいって言葉から始まる。

処理中です...