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本編
会計様と僕の仲は浅い
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僕が教室へと戻る途中、大きな中庭に入りかかった時、人影が見えた気がして、立ち止まった。すぐに湊人様を探しに行かなくては!っと思っていたが、僕の湊人様センサーがビンビンに作動している。のそのそと中庭へと足を踏み入れれば、そこにはベンチでぐったりとしていた湊人様が居た。
僕は具合が悪いのかと思い、さっと傍に寄った。
「みな、湊人先輩?大丈夫ですか?」
僕が傍であわあわとしていると、ゆっくり湊人先輩が顔を上げた。
僕はその顔を見て絶句した。
明らかに顔色が悪い。それに加え隈も酷い。
「大丈夫だよぉ~」
口角がピクピクと動き、明らかに無理をしているのがわかる。
「だ、大丈夫なわけないじゃないですか!!!!そんな姿見て、納得できる人の方がおかしいですよ!」
僕が喚けば、湊人様は暗い顔をなさった。
「じゃあどうすればいいの?元気じゃない。だからなんなの?誰かがやらなくちゃならない事をやってるんだから大丈夫としか言いようがないじゃん。」
少し拗ねたような声を出す湊人様に僕は驚く。八方美人な湊人様がそんな事を言うなんて.....といつもと違う一面を見てしまったからだ。
それに気づいたのか、ハッとした湊人先輩は青白い顔で僕を見た。
「な、なーんてね。とにかく大丈夫だよ~。」
明らかに焦った風にされても説得力はない。いつまでも助けを求めない湊人様に僕もムカムカする。
「.......はぁ。確かに僕はへなちょこですし?平凡顔ですよ?」
「は?」
急に語り出した僕に湊人様は??っと怪訝な顔でこちらを見ている。
「顔は湊人先輩よりもかっこよくないし、背も湊人先輩より低いです。」
「.......ん、うん?」
僕は、はぁっとため息をつく。
「そんなに僕......頼りないですか?」
僕は困惑したような悲しげな表情で笑う。湊人様はそんな僕を見て、視線を逸らした。
「い、いや。瑠衣くんは頼りになるよ.....ほんとに。」
僕はじーっと湊人様を見つめる。
「でも、湊人様は何も言ってくれないじゃないですか。今だって。」
ムスッとした顔で、俯いている湊人様を見れば、湊人様はガバッと顔を上げた。
「だ、だって、瑠衣くんとは片手で数える程しか話してないし、そ、それなのにさ。そんな......信用できないよ。」
そう言って言葉に詰まった湊人様に僕は目を点にした。僕は湊人様をずっと見てきたが、湊人様は僕なんて殆ど見ていない。確かに。殆ど話した事もない後輩に頼れ!信じろ!なんて言われても不信感しかわかないだろう。
「そ、それもそうですね!.......ぼ、僕ってば.......あはは」
笑って誤魔化すが、沈黙が流れる。
「.......ほんと。僕なんかが湊人先輩の頼りになるなんておこがましいですよね。でも、湊人先輩。体調には気をつけてください。僕、こう見えて心配してるんですから。」
僕はそう言って立ち去ろうとする。
ここに僕が居たとしても邪魔なだけだし、せっかく休んでいたのに疲れさせてしまうだけだから。
失敗したな~なんて、軽いことを考えながら教室への廊下を歩めば、ガシッと後ろから手を掴まれた。
「.......待って!!!」
僕は驚いた。手を握ってきた人物は、湊人様だったからだ。
僕は具合が悪いのかと思い、さっと傍に寄った。
「みな、湊人先輩?大丈夫ですか?」
僕が傍であわあわとしていると、ゆっくり湊人先輩が顔を上げた。
僕はその顔を見て絶句した。
明らかに顔色が悪い。それに加え隈も酷い。
「大丈夫だよぉ~」
口角がピクピクと動き、明らかに無理をしているのがわかる。
「だ、大丈夫なわけないじゃないですか!!!!そんな姿見て、納得できる人の方がおかしいですよ!」
僕が喚けば、湊人様は暗い顔をなさった。
「じゃあどうすればいいの?元気じゃない。だからなんなの?誰かがやらなくちゃならない事をやってるんだから大丈夫としか言いようがないじゃん。」
少し拗ねたような声を出す湊人様に僕は驚く。八方美人な湊人様がそんな事を言うなんて.....といつもと違う一面を見てしまったからだ。
それに気づいたのか、ハッとした湊人先輩は青白い顔で僕を見た。
「な、なーんてね。とにかく大丈夫だよ~。」
明らかに焦った風にされても説得力はない。いつまでも助けを求めない湊人様に僕もムカムカする。
「.......はぁ。確かに僕はへなちょこですし?平凡顔ですよ?」
「は?」
急に語り出した僕に湊人様は??っと怪訝な顔でこちらを見ている。
「顔は湊人先輩よりもかっこよくないし、背も湊人先輩より低いです。」
「.......ん、うん?」
僕は、はぁっとため息をつく。
「そんなに僕......頼りないですか?」
僕は困惑したような悲しげな表情で笑う。湊人様はそんな僕を見て、視線を逸らした。
「い、いや。瑠衣くんは頼りになるよ.....ほんとに。」
僕はじーっと湊人様を見つめる。
「でも、湊人様は何も言ってくれないじゃないですか。今だって。」
ムスッとした顔で、俯いている湊人様を見れば、湊人様はガバッと顔を上げた。
「だ、だって、瑠衣くんとは片手で数える程しか話してないし、そ、それなのにさ。そんな......信用できないよ。」
そう言って言葉に詰まった湊人様に僕は目を点にした。僕は湊人様をずっと見てきたが、湊人様は僕なんて殆ど見ていない。確かに。殆ど話した事もない後輩に頼れ!信じろ!なんて言われても不信感しかわかないだろう。
「そ、それもそうですね!.......ぼ、僕ってば.......あはは」
笑って誤魔化すが、沈黙が流れる。
「.......ほんと。僕なんかが湊人先輩の頼りになるなんておこがましいですよね。でも、湊人先輩。体調には気をつけてください。僕、こう見えて心配してるんですから。」
僕はそう言って立ち去ろうとする。
ここに僕が居たとしても邪魔なだけだし、せっかく休んでいたのに疲れさせてしまうだけだから。
失敗したな~なんて、軽いことを考えながら教室への廊下を歩めば、ガシッと後ろから手を掴まれた。
「.......待って!!!」
僕は驚いた。手を握ってきた人物は、湊人様だったからだ。
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